2024年8月、「完結したから」という理由で読みだしたのが、漫画「僕のヒーローアカデミア」でした。
就職してからオタク瞬発力(ハマるとわかっているジャンルに軽率に手を出せる力)が格段に衰えていたわたしですが、ヒロアカに関しては3期くらいまでアニメを横目で見ていたことと、完結によって連載を追うカロリーを消費せずに済むことを理由に、「よっしゃハマりますか!」と勢いを持って沼に飛び込み、結果2024年下半期の情緒のほとんどを捧げることになりました。ジャンプ定期購読勢なのを良いことに原作を一気読みして、アニメも全部見て、映画も2回行きました。12月の世界人気投票結果発表と最終巻発売をリアルタイムで迎え、今年夏には原画展にも足を運びました。そして10月からのアニメファイナルシーズンもほとんどリアタイで鑑賞し、毎週ボロ泣きし、ついに昨日迎えた最終回を見てやっぱりボロ泣きしました。
「僕のヒーローアカデミア」は、すべての言葉が自分事に感じられる作品だったなと思います。
「ほぼ全人類に個性≒超能力が備わった世界」というファンタジー設定なのに、そこに生きる彼らはごくごく普通の感性を持った人間で、ヒーローもヴィランもそうでない人々も、皆が自分と他人を見つめながらもがきながら生きている。
何気ない台詞が現実を生きる自分にぐっと刺さってきて、心を乱されながらも背中を押してくれる。そんな作品でした。
例えば最終話のデクくんのモノローグ。
「人は生まれながらに平等じゃない。僕らは一人一人形が違って、それ故に他者を思う。形の違うその身と心を、だからこそ他へ馳せ、交点を探す」
わたしの座右の銘は「人それぞれ」です。みんな違ってみんないい、を信じていたい人間なので、「違うからこそ思いあえる」というこの言葉にぎゅっと胸を掴まれました。
あと作品に頻出する大事な言葉である「オリジン」。つらい時、挫けそうな時は己の原点を思い出せという教え。
わたしは今幼少期から好きだったものに関わる仕事をしています。好きなこととはいえ、お仕事なのでしんどい時もある。でもそういう時にヒロアカのこの言葉を思い出して、好きだった気持ちを思い出して自分を奮い立たせています。
それから、物語のはこびがとても丁寧で。伏線と呼べるようなワードが最初からいくつも転がっていて、その回収が鮮やかで素晴らしかったです。
「手を差し伸べる/取る」とか、「勝って救ける/救けて勝つ」とか。繰り返し出てくる言葉や行動の意味が、形を変えたり変えなかったりして読者の心に刻まれていく。まさにワン・フォー・オールのように紡がれていった言葉の結晶が、最終回を迎えた今も美しく残り続けているのを感じています。
ヒロアカはデクくんをはじめとするみんな(文字通りの「みんな」)が最高のヒーローになり、そしていつまでも手を差し伸べ続ける物語で、この「いつまでも」は本当に「いつまでも」なんだなぁと思うのです。原作もアニメも完結したわけですが、それでもわたしの心にはヒーローの与えてくれたものが残っていて、それがこれからの人生の中で自分自身に手を差し伸べ続けてくれるんだろうなと。
前述の通りわたしは完結してから原作を読み始めたので、リアルタイムで完結を共にしたのはアニメが初めてでした。「残り3話」の告知あたりからいやだ終わるな大好きなんだ!!とAFOのように叫んでいましたが、いざ最終回を迎えると寂しさはありつつも清々しい気持ちで、あぁ幸せだったなと、素敵な物語だったなと満ち足りていて、それはきっとヒロアカのくれた大事な言葉たちがわたしの中でずっと生き続けてくれる確信があるからなんだと思います。
そして読者から見たヒロアカは、「みんながなりたい自分になる物語」でした。作中で轟くんのお母さんが「なりたい自分になっていいんだよ」というシーンが印象的ですが、轟くん以外のみんなに当てはまる言葉だと思っていて。そしてわたし自身、常々「なりたい自分になる」を目標として生きているので、なりたい自分を目指して奮闘するヒロアカの登場人物たちに勇気をもらいました。だからこそ最終話の「これも君の勝ち取った力だ」が染みるのかもしれません。
さて、そんな「僕のヒーローアカデミア」。わたしの推しは爆豪勝己くんです。
ふんわりアニメを見ていた時から好きやろなと思っていましたが、ちゃんと履修したらそりゃあ好きでした。そもそも天才キャラが三度の飯より好きなので…
「才能マン」のワードにわたしが引っかからなければそれはわたしではないよ…偽物だ 捕らえろ
— ゆーと (@yuyuto_1) 2024年8月16日
わりとファーストインプレッションがそのまま引き継がれるタイプのオタクなので、最初から爆豪くんが好きだったし、最後まで爆豪くんが好きでした。
彼の好きなところを挙げるとキリがないのですが、一番は有言実行の男であるところです。
勝つと決めたら勝つ。一番になると言ったら一番になる。ヒーローになるって爆豪くんがずっと叫んでるんだから、彼はヒーローになるんです。絶対折れない、けれど勝つためならば自分を曲げられる強さがある。めちゃくちゃかっこいいし、眩い。幼馴染が「鮮烈」と評するだけありますし、そりゃこんな特大の輝きを幼少期から間近で浴びてたら緑谷出久がああなるわ……
爆豪勝己はステレオタイプのキャラクターではない、本当に繊細なバランスの上に立っていた稀有な存在だと思います。一歩間違えばめちゃくちゃ嫌なやつ、もしくは軟化しすぎてキャラ崩壊、みたいに言われても仕方ない。でもヒロアカにおいては嫌なやつでありながら真っ直ぐで鮮烈で、周りに迎合せず自分を貫いて、でも仲間と手を取ることを覚えて、かっこいい最高のヒーローであり続けてくれた。
ヒロアカのテーマのひとつに「過去は消えない、じゃあ今から始まる未来をどう生きる?」という問いかけがあると思っていて、爆豪くんはその問いに真正面から応えているキャラクターの一人だなと感じています。言い方は悪いですが過去にしたひどいことの仕打ちをきちんと受けた。それでもそれを受け止めて、ここからどうすべきかを考え、行動に移し、叶えた。フィクションの中のキャラクターではありますが、人間としての指針のようにも思えてすごく好きですし、尊敬しています。自慢の推し。
見てると元気が出るので、職場の机に爆豪くんのアクスタを置いています。バースデーグッズか何かの、原作絵の「勝つぞ!!!」のやつ。つかれたなーと思った時に眺めるとかなり良いです。爆豪勝己は健康にいい。
ちなみに他に好きなのは物間くん、ルミリオン、飯田くんです。そして幼馴染の関係性に盛大に狂っています。わかりやす…
わたしがヒロアカに出会ってからまだ1年と少しですが、その間にたくさんのものをもらいました。出会えてよかったなと心から思えます。終わってしまったことは寂しいですが、これから何度もこの素敵な物語を繰り返し刻んで生きていこうと思います。
それはそれとして映画待ってます。よろしくお願いします!