「学童の仕事」シリーズは、グランパの仕事(アルバイトという非正規労働)に関係する内容を含みますが、「仕事上の守秘義務」には留意しながら表現しています。またあくまでも「個人的な意見」であり、あらゆる「学童の仕事」に関係する「団体や個人」とはいっさい関係はありません。
グランパは、2021年5月から、公立公営の「学童」の指導員(当初は補佐)をしています。経験年数は約4年を超えるところ。もちろんまだまあらゆる面で勉強中です。
また、グランパのようなシニアに対して「アルバイト」という貴重な「労働」の場を提供していただいた〇〇市にも心から感謝いたします。
前回の「学童の仕事」シリーズは、学童指導員の仕事のうち、主に「みる」「うごく」という点に焦点をあてて、いろんな雑感を書いてきました。
今回の「学童の仕事」シリーズでは、学童指導員の仕事のうち、おもに「目的や役割」に焦点をあてて、個人的な雑感を認めてみたいと思います。
学童指導員の仕事を始める時に、自分のする仕事の内容と社会的な位置付けを知るために、関係する本を読んでみました。というのも、仕事現役時代とは全く違う分野であり、自分の子育てさえグランマに丸投げしてきたグランパとしては、右も左も分からない経験もなり全く素人だったからです。
仕事の基本は、
「改定・テキスト 学童保育指導員の仕事(増補版)」(発行編集:全国学童保育連絡協議会)(2020年9月第2刷、以下「全保連」と略)
「改訂版 放課後児童クラブ運営指針解説書(厚生労働省編)」(2022年12月第3刷、以下、「指針」と略)
から学ぶことが多かったです。
さて、「学童」の公的な「目的」については、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第63号)」の第5条「放課後児童健全育成事業の一般原則」において「・・家庭・地域等との連携の下、発達に応じた主体的な遊びや生活がが可能となるよう、当該児童の自主性、社会性及び創造性の向上、基本的な生活習慣の確立等を図り、もって当該児童の健全な育成を図ることを目的として行わなければならない」とあります。
同様の記述は、「改訂版 放課後児童クラブ運営指針解説書(厚生労働省編)」(2022年12月第3刷)の「第1章総則3.放課後児童クラブにおける育成支援の基本」において、展開されており、現時点での「公的な目的」と言ってよいと思います。
キーワードとしては、「発達に応じた遊びや生活」「自主性、社会性、創造性の向上」「基本的な生活習慣」でしょうか。
このうち、「発達に応じた遊びや生活」については、保育士試験のテキストでの勉強もあり、多少イメージすることが可能でした。
「指針」では、「児童期(6~12歳)」の発達の特徴を3つの時期に区分し、配慮すべき内容を明らかにしています。
「低学年」(6~8歳)
「中学年」(9~10歳)
「高学年」(11~12歳)
*詳しくは、後掲の資料参考
「自主性、社会性、創造性の向上」については、日常の指導員の活動の中では、悩ましいことも多い位置付けです。内容は、また具体的な事例にあたったときに紹介してみたいと思います。
*詳しくは、後掲の資料参考
「基本的な生活習慣」の確立は、一番、イメージしやすい項目ではあります。実際に「確立」する取り組みは大変ですが。
*詳しくは、後掲の資料参考
ということで、今回は、原理原則編でした。

COPILOTより
「児童期(6~12歳)」の発達の特徴概要
放課後児童クラブ運営指針解説書は、学童期を学び・遊び・生活を通して心身と社会性が発達する時期ととらえ、年齢に応じた発達特徴を踏まえた支援を求めている。
低学年(概ね1〜2年生/6〜8歳)の特徴
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身体・運動:粗大運動が活発で、走る・跳ぶ・投げるなど全身を使う遊びを好む。細かな手先の巧緻性はこれから発達する段階である。
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認知・学習:具体的で目に見える事柄で理解が進むため、実物や体験を通す学びが効果的である。
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情緒・社会性:大人の近くで安心を得つつ、友だちと一緒にいることの楽しさが強まる。ルールや順番の理解は未熟で、繰り返しの経験で身につける必要がある。
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支援のポイント:安全の確保と安定した日課、短時間で区切る活動、援助的な関わりが重要である。
中学年(概ね3〜4年生/8〜10歳)の特徴
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身体・運動:運動技能が向上し、協同遊びやスポーツの楽しさが増す。細かな動作も安定してくる。
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認知・学習:抽象的な思考の芽生えが始まり、ルール理解や計画的な遊びが可能になる。自己効力感を育てる課題設定が効果的である。
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情緒・社会性:仲間関係がより重要になり、役割分担やきまりを守る体験を通して協調性が育つ。
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支援のポイント:子ども同士の自主的なグループ活動を促す場の設定と、失敗を受け止める見守りが求められる。
高学年(概ね5〜6年生/10〜12歳)の特徴
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身体・運動:個人差は大きくなるが、技能の習熟と戦略的な遊び・運動が可能になる。
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認知・学習:論理的思考や計画性が高まり、長時間の活動や課題遂行ができるようになる。
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情緒・社会性:仲間内での評価や役割意識が強まり、自主性・責任感を育てる経験が重要である。
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支援のポイント:リーダーシップや協働作業を経験させる機会、進路や家庭との連携を視野に入れた支援が必要である。
全学年を通した実務的留意点
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遊びを中核とする支援:自由遊びと構成遊びの両立で多面的な発達を促す。
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子どもの参加と権利尊重:活動やルールづくりに子どもの意見を反映させることが重要である。
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多様性への配慮:発達や文化的背景の違いを踏まえた個別支援と外部連携を行うことが求められる。
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安全管理:日常の安全対策と災害時対応の整備が運営上の基本である。
使い方の提案
学年別の特徴を日々のプログラム設計に反映させ、活動の目的を明確にして安全と参加を両立させることを推奨する。
【参考】放課後児童クラブ運営指針解説書.
自主性、社会性、創造性について(解説書全体の位置づけと前提)
放課後児童クラブ運営指針解説書は、子どもの権利と安全を前提に、日常の遊び・生活の場を通して「自主性・社会性・創造性」を育成することを運営上の重要課題として位置づけている.
自主性(具体的な内容と実践例)
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概念:子どもが自分で考え選び行動する力を育てること。活動選択、時間配分、役割決定への参加を通じて養われる.
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環境づくり:選択肢の提示、失敗してもやり直せる安全な仕組み、段階的な権限移譲を設けること.
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実践例:日ごとの活動メニューから自分で選ばせる;小さなプロジェクト(昼休み企画)を子ども主体で計画・実行させる;当番制で簡単な判断を任せる.
社会性(具体的な内容と実践例)
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概念:他者と協力・交流し規則や役割を理解する力、相手の立場を想像する力、集団での責任感を育てること.
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環境づくり:ルール作りに子どもの声を反映させる場、グループ活動の場面設定、衝突時の仲裁と振り返りの機会を用意すること.
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実践例:子ども会議でルールや活動内容を決める;チーム競技や共同工作で役割分担と振り返りを行う;「きまり破り」を学びに変えるガイド付き討議を行う.
創造性(具体的な内容と実践例)
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概念:既存の枠組みにとらわれず発想する力、試行錯誤を通じて新しい表現や解決を生み出す態度を育てること.
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環境づくり:素材や道具を自由に使える場、正解が一つでない課題設定、発表や展示で成果を共有する機会を保障すること.
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実践例:廃材を使ったものづくりワークショップ;テーマを与えて自由に表現させる「制作タイム」;アイデア出しとプロトタイプの繰り返しを評価する仕組み.
多様性配慮と安全管理の組み込み
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配慮:発達差や文化的背景の違いに応じた支援(環境調整、外部専門家との連携、個別配慮)を行い、上記3領域の育成を阻害しないこと.
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安全:自主性や創造性を保障する範囲は安全基準内で設定し、リスク管理と緊急対応計画を整備すること.
実施のチェックポイント(短い箇条)
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子どもが意思表明できる定期的な場を用意すること.
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活動設計に「選択性」「協働性」「試行錯誤の余地」を組み込むこと.
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多様な子どもに配慮した個別支援計画と外部連携を整えること.
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安全基準と権利尊重の両立を必ず確認すること.
基本的な生活習慣の確立
放課後児童クラブの運営で求められる「基本的な生活習慣の確立」は、子どもが日常生活を自立的かつ集団の一員として過ごせるようにすることを意味する。以下は具体的な内容と現場での実践例で、活動計画や支援方針にそのまま組み込める形でまとめる。
身だしなみと衛生習慣
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手洗い・うがい:帰室時・食事前後・トイレ後の定着。手順(石けんで20秒程度)を視覚的に示す。
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排泄と着替えの自立:トイレの使い方、着替えの仕方、靴の履き替えなどを段階的に支援する。
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身だしなみの確認:鏡や当番で身だしなみチェックを習慣化する。
食事の習慣
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食事マナー:箸の使い方、挨拶(「いただきます」「ごちそうさま」)、席での基本マナーを繰り返し示す。
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食事の準備・片付け:食器の配布・回収、テーブル拭き、ゴミ分別を役割分担で行わせる。
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規則正しい時間の管理:おやつや昼食の時間を決め、時間厳守の習慣をつける。
生活リズムと時間管理
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時間の自己管理:タイマーや時計を使って活動時間を意識させ、切り替えの練習をする。
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睡眠・休養の意識づけ:家庭と連携して就寝リズムを整える助言を行う(放課後の過度な刺激を避ける等)。
安全行動と健康管理
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危険回避の基本行動:飛び出し防止、他者への配慮、遊具使用時の注意など具体的なルールを定める。
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自己申告・体調把握:具合が悪い時やケガの報告方法、連絡の仕方を毎回確認する習慣をつける。
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感染症対策の理解:マスクや消毒など必要な場面での使い方を説明・練習する。
自立に向けた日常動作
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簡単な家事スキル:掃除、整理整頓、道具の片付け、簡単な調理補助などを取り入れる。
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金銭・持ち物管理:自分の持ち物の管理や連絡帳・鍵の管理方法を教える。
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身辺整理能力:荷物管理や持ち帰り物の確認チェックリストを定着させる。
社会的ルールとマナー
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集団のきまりの遵守:挨拶・順番・順守すべき約束事を子どもと一緒に作り、振り返りを行う。
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自己表現と他者尊重:自分の気持ちの言い方、相手の話を聞く習慣、トラブル時の対処(言葉で伝える)を練習する。
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役割分担と責任感:当番や係活動で小さな責任を経験させる。
評価と段階的支援
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個別の成長目標:学年や発達段階に応じた到達目標を設定し、定期的に振り返る。
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段階的自立支援:完全な自立ではなく「できるところを増やす」段階的アプローチを採る。
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記録と共有:家庭と連携して日々の生活習慣の状況を連絡帳や面談で共有する。
多様性配慮と安全網
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発達や障がいへの配慮:個別指導計画や環境調整(視覚的サポート、手順カード、時間短縮等)を用意する。
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家族・学校との連携:家庭での習慣と矛盾しないよう情報共有し、一貫した指導方針を作る。
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支援者教育:支援員が一貫した声かけ、手順提示、観察記録を行えるよう研修を行う。
現場での実践例(すぐ使える)
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朝の「持ち物チェックカード」を設置して登室後に自分で確認させる。
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週替わりの「当番表」で配膳・掃除・片付けをローテーションする。
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トラブル時の「言葉のテンプレ」カード(例:嫌なときは「やめて」と言おう)を作り、ロールプレイで練習する。
チェックポイント(運営側)
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生活習慣の定着は「繰り返し」「可視化」「家庭との連携」が鍵である。
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安全基準と権利尊重を崩さず、個々の発達に合わせた段階的支援を徹底する。