グランパのしくじりシリーズについて
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近所に「いたずら仲間」がいた
朝から晩まで
よく遊びまわっていた記憶がよみがえる
ある時
多分 夏だったと思う
いわゆる水遊びの一つとして
グランパたちは思っていたのだろう
家の下に小川が流れていた
後年知るところとなるが
農山村地域では
水は死活問題の一つだ
ちょうど田んぼに水を遣る時期でもある
小川には水を分水するマスがセメントで作られていたと思う

同じ講中(農作業を行う村の集まりだろうか)で話し合い
水の配分をこのマスで調整していたらしい
水の過不足がコメの出来に直結するだけにまさに死活問題である
大きな諍いのない田舎でも昔
水問題をめぐっては殺人事件さえ起きたことがあると聞いた
そんな「大人の重大な事情」に無頓着なグランパたちは
そのマスに入る小川の手前に堰(自分たちのダム)を作って
水を止める遊びを思いついた
そして水をためた堰に魚を泳がせるという工夫も考えた
思い立った時が吉日である
早速悪ガキ仲間の「大工事」は施行された

ほぼ一日かかったように思う
堰を近くの小枝や草を集めてきて
水を止めた
何回か失敗を繰り返しながら
やっとみずが溜まってきた
小さい池ができるのを見るのは
嬉しかった
小さな魚も泳いでいる
我々は工事の完成を喜んだ
その時である
耳元で
「こらー」
と大声が聞こえた
近所のおじさんが
田んぼの見回りから
帰ってきたところ
グランパたちの所業を見つけたのだ
「なにしとるか」
「はよ壊せ」
と鬼のような形相のおじさんに叱られた
良いことをしたとは思っていなかったが
そこまで悪いことをしたのか
という自覚もなかったが
おじさんの勢いにおじおじとひきさがり
「ごめんなさい」
と謝りながら
グランパたちの「大工事」の取り崩しにとりかかった
勢いよく流れだした
水は多くがマスを超えて流れていった
貴重な水が
きちんと分配されずに
ながれてしまった
罪深さを知る由もなかった
夏の夕暮れ
家に帰ると
近所からのお触れが届いており
改めて
保護者から
きつくしっかりと
お灸をしえられた
もちろん
グランパの失敗談ではあるが
今になっても
楽しい冒険をした一日として覚えている