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オスカー2025作品賞の全感想

2週間後に迫ったアカデミー賞2025、今年も事前にアメリカで Best Picture(作品賞) 候補10作を全部みたので記録として感想など。日本ではまだDuneしか公開されてないんでしょうか、よくわかんないんですけど。何かの参考になれば。

多少のネタバレを含みます。全部英語でみたので半分くらいしか話がわかってません。順番は独断と偏見による好きな順です。

1. Wicked

Wicked (2024 film) - Wikipedia

オズの魔法使い』に出てくる悪い魔女には実はこんな事情があったのでは、という二次創作。もともとは小説で、インターセックスとかわりと複雑な事情が絡む大人向けのおはなしだったのを、基本設定はそのままにポップな感じにして2003年にブロードウェイでミュージカル化して大ヒット。この映画はそのミュージカルを映画化したもので、曲や話の構成などは基本的に同じ。

なんやかんやいうてこれですね今年は。アカデミー賞でも昨年のバービー的に大いにネタにされるんじゃないでしょうか、いじりやすいし。めちゃ楽しかったです。派手に歌って踊ってドッカンドッカンワイワイ、そして主役の2人の歌が超絶上手い、画面がきらびやか。サンクスギビングを狙って公開された直後の週末にサンフランシスコ最強最大設備のIMAX映画館に観に行ったんですが、巨大な客席が満員で大盛り上がり、最後はスタンディングオベーションでした。

ピンクピンクした自意識過剰系優等生の異世界系ハチャメチャコメディという意味でも昨年のバービーと同じ系列にある気がします。アリアナ・グランデは子供の頃からこのミュージカルの大ファンで、オーディションでこの役を勝ち取って大歓喜。映画化にあたって制作陣から、人気曲のpopularをhiphop調にするのはどうかと提案があった時、即答で「絶対やめて。私がやりたいのはGlindaになりきることであって、アリアナ・グランデとしてのGlindaをやりたいわけじゃないの」と拒絶した話すき。

2. Emilia Pérez

Emilia Pérez - Wikipedia

国際映画枠からのノミネート、ほぼスペイン語。メキシコのギャングのボスが自ら死んだことにして性転換し、別人となって新しい人生を送る話。犯罪映画なのに謎にミュージカル。犯罪に関わるシリアスな場面でいきなり歌い出したり、性転換手術の病院で他の患者たちもみんな一緒にニッコニコで歌ったり、新しいもん観た感。

なんかよくわかんなくて観る前はあんまりテンション上がらなかったんですが、観始めたら思いっきり引き込まれました。とにかく主演のKarla Sofía Gascónの女優力がすごい。この方自身が男性から女性になったトランスジェンダーで、アカデミー賞では初のトランス女性の主演女優賞ノミネートとして話題になっていました。ただその後、かつてtwitterムスリムなどに差別的な発言を繰り返していたことが掘り返されて大炎上。すぐにアカウントを削除し、テレビで1時間にわたるインタビューに答えて涙ながらに謝罪しましたが鎮火できず、「この素晴らしい映画作品に参加したことに感謝しています。私はただ黙ることによって、この映画の成功を願っています」という言葉を残し、広報キャンペーンから姿を消しました。さて授賞式、どうなるでしょうか。

3. I'm Still Here

I'm Still Here (2024 film) - Wikipedia

国際映画枠のブラジル映画で、全編ポルトガル語。1970年代の軍事独裁政権下のブラジルで、不条理に政府に誘拐され戻らない元国会議員の夫に残された妻と子5人の家族の奮闘を描く。その子供のうちの一人が実際に作家になって書いた回想録を原作として映画化。

いやー重かったけど、勉強になった。こんなことがあったんですね。楽しいビーチと家の間にある一本の道が幸と不幸を隔てる別世界の境界線になっているあたり、昨年のThe Zone of Interestを彷彿とさせる気もしました。アカデミー賞候補になってなかったら観てなかった映画だと思うので、やっぱりアカデミー賞作品みてみるのって良いですね。毎年たくさんつくられる映画のうちから、たくさん映画みてきてる人がクオリティの高いおすすめを探してきてくれる。

4. Anora

Anora - Wikipedia

ニューヨーク近くにブライトン・ビーチというロシア系の人が集まっている地域があって、そこで働くセックスワーカーの女の子に起きた出来事。現代版のプリティウーマンといえばそうなのかも、全然違う気もするけど。

主演のMikey Madisonは、あのOnce upon a time in Hollywoodでブラットピットにボコボコに殴られた末にプールの中で叫びながらディカプリオに焼かれたあの女の子です。あの演技をみてこの子に当てた役を書いて映画をつくりたいと思った監督の思いからできた映画らしい。Mikey Madisonは謎の魅力がありますね。なんというかアン・ハサウェイのような、美人だけどなんとなく違和感のある顔が癖になるというか。インタビューとかいくつかみたんですけど、かわいいし育ちの良い感じの人ですね。今回の演技も良かった。しっかりしたビッチ感。捕まってギャーギャーわめくシーンがあるんですが、あの演技にリアリティがありすぎてまじ怖い。突き抜けててちょっと引いた。Once Uponのあのシーンの演技を彷彿とさせるものがありました。

5. The Substance

The Substance - Wikipedia

ハリウッドが本気出した「世にも奇妙な物語」、または笑ゥせぇるすまん。ヤベー映画きた。健康的な若さと美貌で売ってきたセレブが年齢による衰えを受け入れられずにいたところ、若さを取り戻せる使用方法厳守の謎の薬物 "The Substance" に出会う。なんか前半は笑っちゃう感じで楽しくみてたんですけど、展開としては読める通りに進んできて1時間半くらい経ち、あと50分もなにすんの?と若干ダレてきたところで、斜めからの展開きたw そっちw!? キモイww という暴走が始まって疾走したまま崖から飛び降りたみたいなスピード感でした。こういうのBody Horror っていうらしいですね。ザ・フライとか、カフカの変身とか、ああいう身体が変化するホラー。

復活のデミ・ムーアもよかったですが、若く美しい方のSuはMargaret Qualleyが演じていて、彼女はOnce upon a time in Hollywoodの腋毛ヒッピー少女です。Once upon ファンとしては、アカデミー賞授賞式でAnoraのMikeyと再会してOnce uponの思い出話などしているところを勝手に想像してほっこりします。Suは超絶スタイルの女の子なんですが、この女優さんこんな体型だったっけ?と思ったら作り物を着てたらしい。すごい技術。

6. Conclave

Conclave (film) - Wikipedia

日本の歴史の教科書ではコンクラーベってかいてたやつですけど、英語発音では普通にコンクレーブっていってましたね。ローマ法王が死去した後に次の法王を選ぶフィクション選挙劇。 おもしろかった。最後はそうきたかー!という感じ。いかにも最近のカリフォルニア人(ハリウッド)が好きそうなオチ。

7. A Complete Unknown

A Complete Unknown - Wikipedia

ボブ・ディランが田舎から出てきて上京、いや上ニューヨークしてからブレイクしてエレキを使いだしてブーイングされるあたりまでを描いた原作本の映画化。主演のTimothee ChalametはDuneでも主演で、ひっぱりだこですね。おフランスのかほりを漂わせるイケメン俳優という先入観があったんですが、ボブ・ディランへのリスペクトを感じる、すごく良い演技でした。この役作りに5年を費やし、ギターや歌を練習してきたらしいです。歌の場面では、ボブ・ディラン本人の歌声のような気がしてくるほど似せてきていました。後から比べて聴いたら全然違ったけど。

映画の予告でも使われていた、カリフォルニアのMontereyの音楽イベントに Joan Baezと歌いに来るシーンがあるんですが、私が住んでるサンフランシスコ近辺からもわりと近くていったことあるので親近感がありました。しかしカリフォルニアがでてきたのはちょっとだけでしたね。ちなみにボブ・ディラン本人は御年83歳にして現役、新しい曲もつくってますし、なにかに取り憑かれたように一年中コンサートツアーをやってる印象です。サンフランシスコ近辺でも昨年も今年もコンサートがあります。いったらこの映画にあるような超有名なクラシック曲が聞けるのかと思ったんですがそうではなく、最近の曲しか演奏しないようで、彼なりのこだわりと信念をもって独自のスタイルでやってるのは今も変わらないようです。

8. Nickel Boys

Nickel Boys - Wikipedia

フロリダに実在した更生施設 Dozier School を元にしたフィクション小説の映画化。舞台は1960年代で、キング牧師とかアポロ着陸とかの世の情勢が挟まれます。reform school っていってるんですけど少年院みたいなものなんですかね。特に黒人への虐待が常態化している施設に不条理に入れられて過ごす少年の話。つらい。実験映画っぽいような感じで、主人公とその友人の視点からの映像で話が進んでいくので、何がおきてるのか理解するまでにちょっとかかりました。

9. The Brutalist

The Brutalist - Wikipedia

ハンガリーユダヤ人が二次大戦の戦禍とホロコーストから逃れてアメリカに渡り、人生をやり直してアメリカンドリームを掴もうと奔走する物語。ドイツの伝説のオシャレ建築学校のバウハウスで建築を勉強したという設定で、オシャレ建築をやることによって運命を切り拓いていくので建築好きの人にはたまらないのかもしれません。Brutalist、Brutalismというのは、バウハウスあたりのああいう無骨ででかい感じの建築様式のこというようです。

今年の作品賞有力候補といわれる重厚長大な3時間半の大河ドラマ、さあ、こいっ!とガッツリ入り込むつもりで気合をいれて映画館に行きましたが、思ったより好きじゃなかったですね。というか英語が難しかったですね。説明的なセリフが多くてついていけず、ハンガリー訛りだし、何いってるかほとんどわからなくて集中力が切れました。

10. Dune: Part Two

Dune: Part Two - Wikipedia

これはノレませんでしたねー。あんまり興味ないんだよなー、と思いながら見始めたらあんまり興味もてないまま終わりました。そういえばこれにでてたAustin ButlerもOnce a time in HollywoodのOBですね。

昨年のアカデミー賞作品賞候補10作の感想はこちら。
2024アカデミー作品賞候補ぜんぶみた - It's Not About the IP




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