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良いシードアルゴリズムの3条件

この記事では、シードポイントの計算手法であるシードアルゴリズムの質を高める3条件について、自分の個人的な意見を書く。なお、シードポイントとはシード権を各選手に付与する優先順位を示す数値のことを指し、各選手の過去の大会戦績から計算される。

 

なお、この記事は寝椅子氏の企画であるスマブラ Advent Calendar 2024 - Adventarに参加している。昨日の記事はうってぃー氏による「これまでの名ポップオフを語る」で、大会で勝利した名選手達のポップオフ(大喜びの様子)を振り返っている。大会の空気が最も高揚する一瞬を捉えてきた大会カメラマンによる厳選シーン集であり、是非読んでみてほしい。

 

シードの意義

シードを導入すると、強豪選手の予選や序盤の試合を免除したり、他の強豪選手と大会序盤でマッチしないようにすることで、より実力の近い選手同士の試合を大会全体を通じて増やせる。これは競技的にも興行的にも重要である。もしシードが機能していなければ、バカバカしいほどの格差マッチングが大会で乱立する一方で、予選で強豪選手が潰し合い、最終順位は予選ブロック運に大きく左右されることになる。仮に好順位を得たとしても、次回大会で勝ち上がるにはまた予選運に恵まれなければならない。大会名物のupset(大番狂わせ)も、シードポイントにより選手の強さが定量的に評価されていないと案外分かりにくい。

昨今のスマブラ大会の規模は非常に大きく、大会とシードは切っても切れない関係にある。世界中の大会戦績データが集約されたstart.ggの存在もあり、対戦ゲーム界隈はもちろん一般的なスポーツまで含めたあらゆる競技シーンと比較しても、スマブラ界隈のシード活用は盛んと言える。

そんな環境下で自分は、独自にシードアルゴリズムを作成したり、しょーぐん氏のシードランキングの実装をしたり、2024年のウメブラでJJPR作者のじゃく氏とシード談義を交わしたりなど、間接的ながらも競技シーンのシードに触れてきた。その経験から個人的に導いた、良いシードアルゴリズムの条件についてまとめてみようと思う。もしかするとスマブラ以外の競技でも役立つかもしれない。

 

良いシードアルゴリズムの3条件

正確性

シードアルゴリズムは、選手の強さを正確に評価しなければならない。最重要であるが特定の正解があるわけではなく、アルゴリズム考案者が創意工夫を凝らすしかない。よく採用されるのは大会戦績の加重評価である。すなわち、より新しい大会結果や、出場者やネームバリュー等からレベルが高いと判断された大会の結果を高く評価する。

また、大会結果を受けてシードアルゴリズムの事後評価をすることもできる。たとえばSeed Performance Rating(SPR)を見て実際の大会での順位とシードポイントの順位の差異を調べるのは、事後評価の一例として挙げられるだろう。大会結果には多少の運も絡むが、実際の順位とシードがあまりに乖離している場合はアルゴリズムを見直すべきかもしれない。

 

透明性

シードアルゴリズムは、公開されなければならない。シードポイントが大会の順位に影響する以上、これは大会ルールを公開するのと同じくらい当然のことだと思える。

しかし、シード採用大会でもシードアルゴリズムを公開している所はむしろ少数派のように見える。わざわざ体裁を整えて公開する労力を割けなかったり、シードへの批判を避けたかったり、アルゴリズムの「ハック」による不当なシードポイント稼ぎを防止したかったり、そのような事情があるのかもしれない。この辺の判断は大会スタッフに委ねるしかないのだが、アルゴリズムを秘匿するとその詳細を知っている一部のプレイヤーを不当に優遇するため、個人的には公開を強く推奨したい。

 

再現性

シードアルゴリズムは、同じ大会戦績から毎回同じシードポイントを算出しなければならない。簡単なことに思えて実はそれほど簡単ではない。再現性のあるアルゴリズムだけで計算されたシードポイントに今ひとつ納得感がなく、裏でこっそり主観に基づいて「アップデート」されることも実務上あるためだ。急ごしらえで調整する分には仕方ないかもしれないが、なぜ計算されたシードポイントに納得感が無いのか、どのような処理を追加すべきなのかの追求は続けるべきで、最終的には客観的で再現性のあるアルゴリズムだけが運用されるべきだと思う。

ところで、海外ではパネリスト制によるプレイヤーランキングが検討されたことがあるが、同じ大会戦績を見ても人によって感じ方が当然異なるためパネリスト制には再現性が無い。このような手法で作成されたランキングをベースとしてシードポイントを作成すると、再現性を失うので注意したい。

 

まとめ

良いシードアルゴリズムの3条件として、正確性・透明性・再現性の3つを挙げた。現在の実情と比べるとどれも理想論に過ぎないが、スマブラ界隈はせっかくシードに関して先進的なのだから、さらに質を追求してみても良いと思う。スマブラSP発売から6年経ち、新型Switch発表を控えた今は、色々見直すのにちょうどいい時期だと感じられる。

なお、自分で新しくシードを作りたくなった人は、以下の記事を参考にstart.ggのデータを活用してみてほしい。

種をまく人

 

 

スマブラ Advent Calendar 2024 - Adventar の明日の記事は、スマ納めアートディレクターのMasaki Ando / Kurotei氏による「スマ納めのデザインや複数人での仕事の仕方について何やかんや書く」である。昨今のスマブライベントにおいてデザインはもはや一大ジャンルであり、楽しみな内容である。

 




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