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PCエンジンDUO 音声が出力されない不具合の修理(その2)

ここでは、電解コンデンサを全交換しても音声周りに不具合が残る問題について、修理事例を挙げてみたいと思います。

 

  1. パッドの腐食による回路の断線

    基板の損傷で多いのは、「パッド」と呼ばれる部品を基板に半田付けしている部分の断線です。

    電解コンデンサが載っているパッドの断線の場合、切り分け方は簡単で、パッドの近くには幸いにもテストピン(ハンダが盛られている小さな山)が配置されていることが多く、その間の導通試験をテスターで行います。目視では断線していないように見えても、テスターは全く反応しないことがあります。

    そのため、取り外した電解コンデンサに対しては全てのパッドに対して導通試験を行うべきだと思います。

    一度半田付けしてしまうと、パターンを追いづらくなり、まともにチェックできなくなりますから。。

    そして断線していた場合、コンデンサを半田付けした上から、パッドとテストピンの間をジュンフロン線で繋いでしまうのが一番簡単です。

  2. ビアの不導通による回路の断線

    ビア(VIA)とは、基板の層を電気的に繋いでいる穴のことです。

    両面基板がメインだった当時は、「スルーホール」などと呼ばれていたのですが、多層基板がメインになった現在では、ビアもスルーホールも総称して「ビア」と呼ぶことが多くなったような気がしますので、ここでは呼称を「ビア」に統一します。

    ビアの中は銅メッキされた状態で、銅が剥き出しになっていますから、電解液に接触すると腐食する可能性が高いです。ちなみに電解液は酸性らしいです。

    目視では「ビアの周りが黒ずんでいる」、「穴のはずなのに何かが詰まっていて向こう側が見えない」という状態になります。実際に近傍のテストパッドの間をテスターで当たると、導通していない事があります。

    この場合、ビアの周辺のレジストを表裏両面ともカッターナイフで削り、基板の銅配線を露出させた上で、スズメッキ銅線を通して半田付けするのが一番簡単で確実です。

    ただ、スズメッキ銅線にも太さ(径)があり、太いものだとビアを通りませんし、細過ぎると扱いづらいです。そのため、適当なサイズのものを選ぶ必要があります。私は以下のφ0.4mmのものを使っています。

    ところで、どのビアが故障しているのか見当を付けるのは難しいです。

    私の場合、電解コンデンサーを交換したら、取り敢えずその周辺の基板をエタノールで洗浄しています。

    漏れた電解液を放置しておくと、再び故障を起こす原因になりますし、基板洗浄によってショートしていた配線が修復されたり、断線しかかっていたビアは完全に断線するので、故障箇所を炙り出すことができます。

    (完全に断線したビアがあるかどうかを判断するのは、経験と勘に頼ることになりますが…)

    いずれにしても、徹底的に基板洗浄をしても現象が残る場合、機能毎に回路を追って原因を特定し、修理することになります。ケースバイケースで別記事にまとめたいと思います。

  3. 基板パターンの腐食による回路の断線

    基板パターンとは銅箔をエッジングしたもので、その上にレジストという絶縁体(DUOの場合は緑色)がコーティングされています。

    電解コンデンサの電解液は、レジスト自体を腐食することはありませんが、パッドからレジストの下に染み込んで広い範囲を腐食させることはあるようです。

    少しでも腐食が確認された場合、私は基板補修を行います。

    修理した基板パターン

    テスターでは導通しているように見えても、後々完全に断線することはあります。

     

  4. ヘッドホンボリュームの故障

    ヘッドホンボリュームの近くには、例によってチップ電解コンデンサが4つも並んでいますが、ここから漏れた電解液がボリュームの抵抗膜を腐食することがあります。

    すると、DUOとしては常に音量MAXの状態になります。

    ボリュームの修理は不可能に近いので、新品に交換することになります。

    同じものはゲームボーイカラーに使われているため、ジャンクを探してきて流用することもできます。
    または、保守用として新品が入手可能ですので、普通に購入した方が100倍簡単だったりします。

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  5. オペアンプの故障

    コンデンサが故障すると、基板配線が断線したりショートしたりして、他の部品に負荷が掛かり、特性が劣化したり、そもそも機能しなくなったりすることがあります。

    それを象徴するような例として、オペアンプの故障が挙げられます。

    DUOの音声周りの回路には幾つかのオペアンプ(NJM4558型番)が使われています。そして、そのカップリング/デカップリング用のコンデンサとして多数の電解コンデンサが使用されています。

    その電解コンデンサが経年劣化すると、大抵は「オープンモード」という容量抜けの状態になり、ただの抵抗器になります。すると、電圧降下という現象が起こり、オペアンプに過電圧が掛かります。その結果、特性を徐々に劣化させてしまいます。特徴的な現象として、電源を投入する時に「ボコッ!」という大きなポップノイズが出るようになります。もちろん、コンデンサを交換しても、です。

    故障したオペアンプを特定するのは面倒なのですが、1個あたり40円位の品物で、ヒートガンがあれば簡単に交換できるので、「何かおかしいぞ」と思ったら、全て交換してしまうのも手です。セオリーも何もありませんが、問題の切り分けには十分に役に立つと思います。

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    また、一部CD-ROMドライブのサーボ系にはNJM4560型番というスルーレートの高いオペアンプが使われていますが、入手困難な状況です。そのため、互換品のNJM4580型番に置き換えると良いでしょう。

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以上のように、PCエンジンDUOでは音声の不具合が多いのですが、修理には非常に手間が掛かるという事がお判りになると思います。。

「よしやってみよう」という方の後押しになれば幸いなのですが、メンテの中では基本にして鬼門なので、面倒な方はぜひ修理品の購入を…といったところです。

 




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