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英国の老舗ワークウェアブランド「Yarmo(ヤーモ)」

今回は英国の老舗ワークウェアブランド「Yarmo(ヤーモ)」のワークコートをレビューする。
欧州の多くの老舗ワークウェアブランド等がグローバル化する中、いまだ本国生産を貫くYarmo(ヤーモ)。ただそれだけではなく非常に見どころが多いブランドだ。所有しているワークコートのレビューと併せてその魅力を紹介していきたいと思う。
「要はバランスだ」と思う件

秋から冬、そして春先までの期間、ジャンルで言うと最も好きなのはロングコートだ。
これは元々自らの体型にコンプレックスがあるというのも関係してはいるのだが(ロングコートは体型を隠す洋服の代名詞的存在だという意)、意外にトレンドに関係なく着こなすことが出来るし、実は一着で全身のコーディネートの大半を成立させてしまうことのできる利便性の良さが大きい。
ただし、余りにドレス寄りなコートはフォーマルなイメージが付きまとうし、逆にミリタリー、ワーク系のコートだと折角スタイリッシュに着こなすことのできるロングコートの魅力を活かせない場合も多い(そこもまた良いのだが)。
そんなことに関して長年逡巡していたのだが、それを解決してくれたのがこのYarmo(ヤーモ)のワークコートなのである。ワークブランドはワークブランドでも流石は英国の老舗ということで、剛健さにドレスウェアのような仕立ての良さと気品が備わっているのである。加えて何やら今っぽさ(変換するならばこなれ感のような感じ)も絶妙に感じさせられて、「要はバランス」だと思わせてくれる。多角的に捉えてなかなか良いモノを作るブランドだと言わざるを得ないのだ。
Yarmo(ヤーモ)とは

出典:GLASTONBURY ONLINE
Yarmo(ヤーモ)はイギリス・グレートヤーモスで1898年に創業したインダストリアルワーク、マリンウェアを中心に製造するファクトリーブランドである。
元々はニシン漁に従事する漁師向けのスモックエプロンやアウターウェア(防寒着)を手掛け(そういえばバブアー も起源はニシン漁のフィッシャーマンウェアだ)、イギリス各地の港に直営店舗を構えていたようだ。

出典:GLASTONBURY ONLINE
第二次世界大戦の開戦により漁業従事者からのニーズが減少したものの、既にその頑強さ、クラフトマンシップの確かさを以て一定以上の評価を得ていたYarmo(ヤーモ)のウェアは多職種から人気を集め、安定した運営を継続できたらしい。
現在Yarmo(ヤーモ)は英国ワークのルーツを感じさせるファッションウェアは勿論、英国国防省や多くの一般企業制服製造の委託を受けており、同国を代表するワークブランドとして地位を確立している。世界的に見れば知名度は今一つなのかもしれないが、知る人ぞ知る確かな背景を持つブランドだと言えるだろう。

出典:GLASTONBURY ONLINE
Yarmo(ヤーモ)の魅力は、歴史深いファクトリーブランドらしい生地、縫製の頑強さや風合いの良さだと評されることが多いが、テーラリングの国・イギリスらしいパターンや品格も仄かに感じられる部分が大きいと思う。イギリスというお国柄だということは間違いないが、この国のブランドはやはり何のジャンルのアイテムでもどこかにテーラードの風味を感じさせられるという気がするのだがYarmo(ヤーモ)もまさしく例外ではないのである。
そしてそれに加えてシルエットはこなれていいてやはりどこかこなれ感がある。
一言で言い表すならば、極めてバランスが良く、ワークブランドなのに品があるといったところだろうか。
それもこれも、確かなクラフツマンシップのなせる業なのではないかと感じている。
Yarmo(ヤーモ)のワークコートをレビュー

こちらがYarmo(ヤーモ)のワークコート。コットン100%で適応する季節は秋から冬の入り口位、そして春も兼用できそうだ。
ディテール

インダストリアルウェアっぽさを醸す襟部分のディテールだが、非常に形が綺麗で、先述したようにどこか英国らしい気品を感じさせるつくりだ。同じようなものがアメリカのワークブランドでもあるかとは思うが、やはり随分雰囲気が違うように思える(アメリカのものはアメリカのもので大好きである)。

襟は立ててスタンドカラーとしても使える。

ボタンは合理的なプラ製だがこれはこれでワークっぽい。でもやはり品のある光沢を放っている(加工が為されている)。中庸的な大きさも好きなポイントだ。

カラーは鮮やかなネイビー。如何にもユーロワークっぽさが感じられて絶妙。
シルエット
肩幅、身幅がかなり現代的なこなれたシルエットになっており身丈も長い。マキシ丈までは行かないが膝下くらいまではある。ロングコートの中でもかなり長い部類に入るだろう。

袖ぐりもご覧のようにかなり余裕のある作り。
軽さと程よい落ち感が同居する絶妙な生地感も合いまって綺麗なドレープが出る。このように、ワークの野暮ったさと洗練された品格が同居している上に現代らしい着こなしが出来るシルエットになっている点も見逃せない。
生地

Yarmo(ヤーモ)と言えばコットンツイル生地で評判を呼んだブランドなのだがこのコートは平織り(天竺)になっている。
程よい厚みと抜群の風合いで先述したようなドレープが生み出される。
シンプルな作りが故に生地の良質さが際立つという寸法なのだ。
サイズ感・コーディネート

アイウェア:金子眼鏡
コート:Yarmo(ヤーモ)
カットソー:Scye(サイ)
パンツ: MANUAL ALPHABET
シューズ:RED WING(レッドウィング)#101ポストマンオックスフォード
172㎝(最近測定の結果1㎝程度知縮んでいたため公称を変更している)62㎏でLサイズを着用。心地よいリラックスフィットになっている。
ネイビーは実は比較的合わせ難いカラーなのだが、インクブルーに近い鮮やかな色味なので意外と何とでも相性が良いように思えている(濃いネイビーはブラックとは合わないことは有名だ)。ロング丈だが軽やかな生地感なので重苦しさはなく動くとフワッとたなびく様が素晴らしい。

繰り返すが、ワークウェアっぽい野暮ったさの中にもしっかりと計算されたパターンが同居しており英国っぽい品が感じられる一着だ。
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まとめ

Yarmo(ヤーモ)はいまだ本国生産(つまり、メイドインイングランド)に拘り続けている稀有なブランドだ。出自がファクトリーブランドであっても近年は様々な事情から大資本に身を寄せたり、自らをグローバル化して生産拠点をアジアに移すブランドも多い中、それを頑なに守り続けている。

出典:GLASTONBURY ONLINE
しかしながら、きちんと現代のテイストを取り入れていてレディースのラインナップも豊富。女性からも厚い支持を受けているのだから凄い。
系譜やモノ作りの精神を失うことなくこのような進化を遂げているブランド(特にワークブランド)は世界中見渡してもそう多くはないのではないだろうか。
興味があれば是非一度手に取って頂きたい。絶対に損はないはずだ。
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