機動戦士Gundam GQuuuuuuX。映画で話題を集め、放映当初はかなりの視聴者をかき集めた作品ですが、完結した現在の評価としては、賛否両論な作品だと感じています。
この記事ではジークアクスについて、個人的に何が駄目だったのかをまとめていきたいと思います。
ジークアクスの駄目だと思った部分
シリーズ初見の人間を置いてけぼりにしている
ジークアクスは初代ガンダムから続く宇宙世紀シリーズの世界観の作品となっています。初代ガンダムにおいてジオンが敗北した世界ではなく、シャアがガンダムを強奪してジオンが戦争に勝利した世界のお話となっているのです。
この設定はガンダムシリーズを嗜んでいる、ガノタと呼ばれている人達にとっては楽しめるかもしれませんが、宇宙世紀のガンダムが初見だった場合には面白さが半減すると思います。
一応、作中でちょっとくらいは説明が入ることもあるにはあるのですが、唐突に専門用語が出てくることも多くて初見さんには厳しい作品だと思います。
宇宙世紀ガンダムシリーズ自体はちょくちょく新作も出ているので、古くはない印象がある人もいるかも知れませんが、ジークアクスを視聴する上で先に見ておいた方がいい作品は以下の通りになります。
- 機動戦士ガンダム 1979/4/7 ~ 1980/1/26
- 機動戦士Ζガンダム 1985/3/2 ~ 1986/2/22
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1988/3/12
この放映開始日を見てもらえばわかると思いますが、それこそ45年くらい古い作品なんですよね。いくらガンダムシリーズが有名作品とはいっても、ジークアクスに直接絡むようなこれらの作品を実際に見たことあると人がどれだけいるのかと。話数も結構ありますし。
一応、逆シャア以外も映画にして短くまとめた作品もあるので、そちらを見れば問題ないですし、Zガンダム自体はつながり的に薄味なので最悪見なくてもいいって感じではあるのですが、それでもやっぱり放映日自体の古さがネック。
もっと初見が見てもわかりやすいように作らなかったのは良くないと思いました。
キャラの掘り下げが浅すぎ
この作品には明確に駄目な部分があって、キャラの掘り下げがかなり浅い点が挙げられます。特に主人公である筈のアマテ・ユズリハ(マチュ)の掘り下げがかなり薄いです。
マチュはそれまでお嬢様学校の生徒であり、多少浮世離れしたようなところはありつつも、至って普通の女子高生でした。描写的に友達もいましたし、家庭環境も思春期で多少反抗期が入っているところはあれど、良好でした。
そこからなんやかんやあって、ジャンク屋が非合法でやっているモビルスーツ同士のクランバトル、クラバに参加していくのが序盤の流れになるのですが、これまで普通の女子高生だった癖に、多少葛藤はあれど1話もあれば勝手に立ち直ってるんですよね。
マチュは恋愛脳を拗らせており、惚れた男であるシュウジの為に、クランの金を持ち逃げしたり、盗んだモビルスーツで暴走したりとやりたい放題した挙げ句、故郷のコロニーから大規模なテロを企てた犯人の一人としてお尋ね者になります。
周りに散々迷惑をかけて、流石にメンタルもボロボロになったかと思いきや、過去編(シャアやシャリアの)を破算だ次の話ではわりかし元気になっています。
ウジウジ悩みっぱなしでずっと引きずっている主人公も嫌われるとは思いますが、逆にここまで立ち直りが早かったりすると、コイツなんなんって思われても仕方ないでしょう。
恋愛脳で他責思考。非行を繰り返すその様は一部では東横ガンダムと呼ばれていました。
これには話数が1クールだけと少なかったことも関係しており、本来は丁寧に立ちなおりや成長描写をしていかなければいけなかった部分を、はしょり捲った結果ともいえます。
これはマチュ以外のキャラクターも同様で、明らかに掘り下げ不足で魅力が非常に薄味になってしまっています。
無駄な話が多い
1クールと話数が少なかったにも関わらず、シリーズを通して見ればこの話必要あったかと思う部分も多くあります。いやまったくの無駄ということは流石にありませんが、そこ短くしてもっとキャラの掘り下げをちゃんとやった方が良いよなと思います。
クラバシーンとか特にそうで、マチュのニュータイプとしての能力の高さを描写したかったとはわかるのですが、ぶっちゃけそんなにここは面白くはなかったという。クラバ時代のマチュって可哀想なことに、所属クランのおサイフ事情のせいでろくな武装を持たせてもらってなかったので。
特に4~6話に関してはクランバトル周りのシーンをもっと端折って人間ドラマを重視した方がよかったのになと思いました。
ハッピーエンドで良いのかこれは?
物語的にはハッピーエンドに終わるので、見終わった感想としてはスッキリしていると思います。ただいくつか本当にこれで良いのかと思う部分もあります。
マチュとその友達であるニャアンは当初の目的通り、地球の海に来ることはできているのですが、ぶっちゃけ二人はお尋ね者です。マチュは故郷のコロニーをテロ容疑で追われているし、ジオンのモビルスーツを勝手に乗り出した罪があります。ニャアンに至っては相手が軍人とはいえ大量虐殺の実行犯です。
ジオン絡みの罪状は、シャリア・ブルが気を利かせて有耶無耶にしている可能性もありますが、マチュのテロ容疑は別のコロニーなので無理でしょう。
そもそも罪状をすべてなかったことにしたとしても、ニャアンがやったこと自体は事実として最悪な事です。
お尋ね者であることを除いても、女子高生年齢の二人が保護者もコネもない地球で二人でやっていけるのでしょうか。このあたりも投げっぱなしなんですよね。
ガンダムを逸脱してしまった描写
これまでの宇宙世紀シリーズのニュータイプと呼ばれる人種は、非言語的なコミュニケーション能力をもった新人類とされています。具体的な描写を記載すると
こんな感じになっています。ジークアクスではその能力が拡大解釈されており、平行世界、もしくはマルチバースの観測も可能となっています。
また通信遮断や飛行可能な推力、ビームサーベルの安定化などを可能にするミノフスキー粒子にも、別世界移動なんて能力が追加されています。
最終話においては初代ガンダムが他の世界から登場したあげく、巨大化まで果たしています。まるでオーラバトラーやバロンズゥのハイパー化みたいですね。
一応、他の宇宙世紀ガンダムシリーズにもオカルト描写がなかったわけではありません。Zガンダムがバイオセンサーでサイコバリア発生させたりとか。けど流石にジークアクスでは好き勝手描写しすぎている感があります。
こういう部分は歴代ファンには受け入れられないって人は多いと思います。
まとめ
おすすめできる人は以下に当てはまる人になります。
決してつまらないとか黒歴史だとか、そこまでいうほどの酷い作品ではないんだけれど、これを手放しで称賛できるかというとそれはノーなわけで。近いテレビシリーズの作品でいえば、酷評されることも多い水星の魔女のほうが、アナザーガンダムということもあって単体で楽しめる分まだ評価できるかなと思います。一応ハッピーエンドで終わるので、鉄血よりは遥かにマシですが。
とりあえずシリーズ初見でも楽しめるとか言ってた人は、その発言は撤回して欲しいですね。バチバチのガンダムオタク向けの作品ですよこれ。
