SNSやYoutubeを見ていると、ネット小説絡みでミーム化したり、浸透しすぎて普通に使われているネタがあります。しかし、これらについてどういったものであるか、実際に理解して使っている人は少ないと思います。
そこで、この記事でネット小説に因んだミームやネタについて、独自の考察を交えつつ解説していきたいと思います。
ネット小説絡みのミームやネタ、用語の解説
なろう系
もともとは小説投稿サイトである、小説家になろうというサイトにて投稿されていた小説のことを指していました。ただ最近は、なろうだけでなく、カクヨムなどの別の小説投稿サイトの作品も、一緒くたにしてなろう系と読んでいることも多いようです(マルチ投稿されている作品も多いし、調べないとどちらか判別できないためであろう)。
今では普通の用語になってきていますが、過去には蔑称のように扱われていた事もあります
というのも誰でもアカウントさえ作って規約を守れば投稿可能なサイトであるという性質上、各小説のクオリティーは玉石混交な上、単に文章力がある人よりも、SNSなどを活用して有名になった人のほうがアクセス数が伸びてランキングに乗りやすいという性質があるからです。
端的に言ってしまえば稚拙で詰まらない内容の作品でもランキング上位に来たり、あまつさえ書籍化やメディアミックスまで行ってしまうことが多く、これが悪目立ちしてしまったのでしょう。
盗作家になろう
最近ではある程度改善されたのですが、過去のなろうには盗作が非常に多かったです。既に書籍化されていたり、有名なアニメ作品の展開をなぞったような作品も見られましたし、なろう作家どうしでパクリあいをしているようなカオスな様相でした。
これらはやった作家を追放処分にして、一応は露骨にパクリをするような作品は減っています。
しかし現在でもパクリのぎりぎりグレーゾーンをしているような作品は多く見られます。たとえばランキング上位に乗る作品があったとしましょう。それが《異世界に転生してスローライフを送るという内容》であったなら他の作家もその内容を真似します。
もちろん、話の展開とかは違うので、厳密にはパクリには当たらないのですが、カテゴリや記号を真似しているのです。
ようはガンダムが受けたら戦争モノのロボットアニメが大量生産されるというような事です。
流行っている作品はトレンドであり、そのトレンドに乗れば自分の作品もある程度の読まれる。実際この企みはうまく行っているらしく、総合ランキングでは同じような内容の作品が乱立していることがよくあります。
ナーロッパ
小説家になろうという投稿サイトにおいて、一番人気にあがるカテゴリはハイファンタジー、異世界ファンタジーものがあります。異世界召喚だったり転生だったり、現地民だったり細かな分類は違っていますが、舞台である《中世ヨーロッパ風の文化レベルに魔法がある世界》というのは概ね一致しています。
なぜ多くの作者が同じような世界観でファンタジー小説を書くかというと、この異世界ファンタジーというものは、他の世界観よりも圧倒的に書くための敷居が低いからです。
例えば、現実の過去、たとえば戦国時代に転生やタイムスリップする内容の作品を書くとしましょう。もしこれを書くとすれば、当時の地理の関係や文化などを、歴史考証しなくてはなりません。特にこの手のジャンルは熱心なファンが居て声が大きいので、ラフな書き方をしていれば大量のアンチや自称アドバイザーが湧いてきます。
現代ファンタジーを書くにしても、そこには現代社会的なモラルや風習、倫理観を守っていないと違和感が出やすく、ハーレムものだったりの異世界ファンタジーであるあるな内容を、説得感を持って書くことが難しいのです。
これらの問題を全部引っくるめて解決しやすいのが、異世界ファンタジーにおけるテンプレ化した世界観であり、これらを揶揄ってナーロッパと呼ばれるようになりました。
〇〇太郎
もともとは《異世界はスマートフォンとともに。》というなろうアニメのスレにて、主人公の名前なんだっけという質問に対して、スマホ太郎と答えた人がいたことでミーム化したものです。
実際この作品は本当になんで書籍化してなんならメディアミックスまで行ったんだというようなクオリティだった上に、アニメの出来も評判が悪かったことから、拡散されていくことになります。
以降なろう系の作品で特に悪い意味で目立った作品の主人公は、〇〇太郎、〇〇次郎みたいな蔑称を付けられていくことになっていきます。というか最終的にはアニメの出来が微妙だった、FGOの主人公にもイキリ鯖太郎とか付けられるので、もはやなろう系の域を超えていくことになります。
ちなみにこのスマホ太郎、ならびに《異世界はスマートフォンとともに。》が特に悪目立ちした理由はというと、単に作品が詰まらないというだけではなくて、
- 貰い物のチート能力を自分の実力として憚らないイキリ体質
- 男女差別が酷く可愛い女の子のスリは自分のメイドとして雇うが、男のスリは容赦なく銃撃し警備に引き渡す
- 気に入らないという理由で他人を階段から突き落とす
- 何故か周りから人に優しい善人で魅力的な人間という評価
- 唐突にロボットが出てきてロボット作品になったりする
など、あまりにも独善的かつ傲慢で人間的にまるで魅力を感じない主人公像と、作品内では真逆な評価、突拍子のない展開でついていけないなどの内容が問題視されていると思われます。ただ文章力が詰まらないだけの作品であれば、ここまでミームにはならないのです。
ちなみに筆者はこれをちゃんと100話以上読んでから評価しています。作品として評価できる点は、書籍化前から多少挿絵が用意されており、ヒロインの見た目が認識しやすいという点でしょうか。
まとめ
最後に一言書いておきますが、たとえ典型的なだめな意味のなろう作品であっても、作品を批判するは良いですが、作者や演者を叩くのは辞めましょう。
たとえ微妙な作品を作り上げてしまったとしても、それは能力不足から来るものであり、決して悪意あってのものではないのです。批判して良いのは作品そのものだけですからね。それも理性的に行うことが重要です。感情のままに叩くのはただの暴論でしかなくなります。
あと盗作した作者に関しても、やはり叩くのは辞めたほうがいいです。これは加害者をかばっているのではなくて、下手にこいつらを叩いて裁判とかを起こされると非常に面倒くさいですし、叩いた側が犯罪者になってしまいますから。
なにかとオチ目的で使われることの多いネット小説関係のミームですが、用法用量を守って正しく使いましょう。
