AIが入力したワードを元に、自動で絵を描いてくれる。こういったサービス自体はそこそこ前から存在していたようですが、2022年10月上旬、Xデーを迎えました。
非常にレベルの高い絵を自動で描いてくれるNovelAIのソースコードが流出し、誰でも手に入るようになってしまったからです。
これによって今後イラストレーターがどうなるのとか、権利問題はどうなんだとか、私なりの見解を示していきたいと思います。
そもそもNovelAIとは?
このAIはもともと入力したワードを元に小説を書いてくれるというAIでした。そこに機能として追加されたのが、挿絵なども自動で描いてくるというシステムで、この機能は月額最低10ドルという価格で使うことができます。描ける枚数も月200枚程度とかなり良心的なお値段になっています。
で、この描いてくれる絵のクオリティが非常に高いです。ラノベにありがちな美少女イラストはもちろんの事、風景画なんかもハイクオリティで仕上げてくれるので、下手なイラストレーター顔負けです。
権利問題があやふや
ただこの自動生成されたイラストの権利問題は結構怪しいです。Novel AI運営側は、生成した人に著作権があるとしていますが、実はこのイラストって元があるんですよね。
というのもこれだけハイクオリティな絵を描けるようにするために、AIにイラストの勉強をさせる必要があるのですが、かなり投稿サイトだったり画像検索だったりで、イラストや写真の学習をさせているのです。
ようはこのAI、いわゆるトレースの組み合わせみたいな事を行ってイラストを描いているので、構図だったり画風だったりが既存のものと類似したりします。
さらにこの学習元となったサイトの中には、違法アップロードサイトなんかもあったりして、流石に権利的にまずいのではという見解があるのです。
トレースそのもので逮捕することは難しい
上述のトレースというものは、元絵から線画をなぞって絵を描くことを言います。一見するとこれは著作権侵害だと思われますが、実際は程度にもよるという曖昧な法になっています。
たとえばアニメや漫画からトレースして、ちょこっと背景とか装飾だけを変えて、有料で配布すれば間違いなく有罪でしょう。
しかし、キャラ自体を変えてしまうとか、そもそも無料公開であったのであれば、権利者が目くじら立ててもせいぜいアップロード削除までしかできないのが現実的なところです。
さらに言えば、トレースOKな構図イラスト集なんかもあったりするし、非常に古いアンティーク家具を資料として漫画家か実際にタイトル絵のトレス元に使用したこともありました。権利的にトレス自体がOKとされる場合もあるわけです。
では今後どうなっていくのか
まず情弱というか応用力の無いイラストレーターは職を失っていくことになるでしょう。Novel AIのソースコードがフリーソース同然にばらまかれたということは、今後かなりの数のハイクオリティなイラスト生成AIが出現することが予想されます。
しかも無料で使えるものも出てくるので、PCスペックに余裕さえあれば、誰でも気軽にイラストを作れるようになります。
現状、上記の権利問題でこの自動生成イラストを商業目的で利用することは難しいでしょうが、法整備によってその権利問題だが解消された結果次第では、誰もが専属のイラストレーターを無料で雇っているのと同じ事になります。
しかもこのAI、今現在も人間の描いたイラストも学習しているので、いずれはジョジョの荒木先生のような、この人にしか描くのが難しいというような画風も完璧に再現できるようになるでしょう。
AIだから描くスピードも早いですし、PC代と電気代以外は無料なので人間に依頼して描くよりも安上がりです。ラノベみたいな一枚絵とはとても相性が良いので、安く雇えるような無名イラストレーターから仕事を奪われていくと思います。
人間は人間である強みを活かすしかない
とはいえ、現状はまだまだ人間絵師の方が融通が効くし、やはり法整備もまだ商業理由は難しく、同人関係で使っていくのが精々といった印象が強いです。
各イラストレーターは解き放たれてしまったAIくんを目の敵にするよりも、こいつと上手く付き合っていくことを考えたほうが良いと思います。
上手く使えば無料でこき使えるアシスタントが出来たともいえます。漫画の背景を書かせたり、小物なんかをデザインさせたり、そういった補助的な用途でも使っていける筈なので、ポジティブに捉えたほうが良いです。
初戦お絵かきAIは道具ですので、上手く使ってやれば良いのです。
