http://book.akahoshitakuya.com/cmt/12055839
読んだ/聞いた以上語らなければならないというわけでクェンティンは前半の受動的な聞き手(たまに想像が噴出するが)からシュリーヴに対する語り手に移る。けれどシュリーヴはクェンティンほど受動的ではなく当初は外から物語を眺めようとするが、その態度は完遂されない。語るうちに二人は物語内の人物との境を失う。二人が物語内に擦り寄るだけでなく例えばヘンリーとボンがマントや毛布を被って語り合うなど(p.220)逆も生じる。安全な位置から客観的に語るなんてウソを暴き立てずにいられない、やはり倫理的な語りのスタイルなのだった。
- 作者: ウィリアム・フォークナー,高橋正雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/07/10
- メディア: 文庫
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