古書店『入速堂』　第八話　やらない夫の世界

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　　　／￣￣＼
　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
.　|　（ ●）（● ）　|
.　|　　（__人__） 　│　　ふぅ……
　 | 　　｀⌒ ´　 　|
.　 | 　 　 　 　 　 |　　　　一通り講義も終わったし……真っ直ぐ帰るか
.　 ヽ　　 　　　　/
　　 ヽ　 　　　 /
　　　>　 　　 <
　　　|　　 　　 |
　 　 |　　　 　 |


┼─
│やらない夫は小さく息を吐くと鞄に教材を詰めこみ、外に出る│
│所謂、予備校である　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　.　─┼
　　 　 　 　 , -―- ､
　　　　　　/　　　　　＼
　　　　　 /　　＼_　　　|
　　　 　 (●) （●）　　 |
　　　 　　(_人__)　　　 /
　　　　　 l｀⌒´　　　 /
　　　　　　|　　　　　　ヽ
　 　　　　__!､＿___／　　＼
　　　　／､ ヽ　　　　　r ､　ヽ
　　 　ﾊ ヽ Y｀l　　　　 |　 >　 Y
　　　{　ヽ_ゾﾉ　　　　　|　ﾚi i i}
　　　｀¨´　　ヽ　　　　ハ　 `'''
　　　　　　　 　>　　 /　ﾍ
　　　　　　　　/　　/ヽ　 ﾍ
　　　 　　　 _,/　　/　ご_ノ　　ﾓｷｭﾓｷｭ
　　　　　　（　ヽ　/
　　　　　　 ＼__ノ

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┼─
│現役時代から予備校に通う事、三年目　　　　　　　　　　　　　│
│既に長老と呼ばれるくらいになってしまったやらない夫である│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　─┼
　　／￣￣＼
　／　～～～＼
　|　　　 （◎)-（◎）
.　|　　　　 （__人__）　
　 |　　　　｜～｜ﾉ　
.　 |　　　　　～～} 　
.　 ヽ　　　　　 　 } 　
　　 ヽ　　　　　ノ　　　　　　　　＼
　　　/　　　 く　　＼　　　　　　　 ＼
　　　|　　　　 ＼ 　 ＼ 　 　　　　　　＼
　 　 |　　　　|ヽ、二⌒)､　 　 　　　　　 ＼


; ; ; ＿＿＿＿_: : : : : : : : : . . . . . . . . .
＼ !; ; ; ; ; ; ; ; ||＼. . . . . . . . . . . . . .
　:.＼ ; ; ; ; ; ; ;||　 ＼.　.　.　.　.　.　.　.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ll＿／
　i　 :＼ﾞ￣||￣||＼　|,　,　.　.　.　.　. 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　lイ-ｉ／
＼　.:　 |￣!!￣!!＼＼|, ,　,　,　.　.　.　. 　 　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　.ｉ||-ｉ／:／:／:／
　i.＼　 |: : ii: : ||　..:＼|, , ,　,　,　,　,　.　.　.　.　.　 .　 .　 .　 　 　 　 　 　 　　　　.ｉ||-ｉ／:／:／
　l　 :＼|￣||￣||＼／|; ; , , ＿＿＿ , , ,＿＿＿＿. . . . . . . . 　 　　　　　　　. . ..ｉ||-ｉ
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　i.＼　 |i : iｉ: : ||　..:＼|　 :＼,, : : |___|　 ＼ (⌒))ﾞ |　 .|; ; , . . . . . . . . . . . . , , ; ; ;ｌ||-|
　l　 :＼|￣||￣||＼／|:＼:＼;.＼...|___|　　 |∠==_ |　 .|; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;ｌ||-|／i／:／:／
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　i.＼　 |l i iｉi i ||　..:＼|＼;＼;＼i|..|,,,,,|＼　 |;;;;:::::::::|＼|;; ;; ;; ; ; ; ; ;; ;; ;; ;;; ;|| 　 　ｌ||-ｌ　　 :
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　l.＼　 |l l iｉi i ||　..i＼|＼;＼i＼l|..|;;,,,|＼＼|iiil| |＼. ＼; ;;; ;;; ;;; ;; ;; ;;; ;;; ;;／|,-─|||-|／i／:／:／
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　l.＼　 |l l iｉl i ||　..i＼|＼l＼l＼l|::|;;;,,|＼＼|iill| |::;; |.::;||ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ| |: i |,-─|||-|　　: :
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＼... l　 |￣!!￣!!＼＼|l＼l＼l＼l|;;|;;;;;|＼＼|illl| |;;;; |;;;;||ｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌｌ| |i l | ;;; ; |||-|／l／i／i／
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　　　　　　 ⊂ﾆ口ﾆﾆ⊃ﾘ_/　 l|ﾆﾆ_i　l|_) ``´　　``´　／　[＿＿_口_＿＿]　　＼-|／l／l／
　　　　　　　　ヽゝ_ﾉ￣~ヽゝ__ﾉ,,,ヽゝ_ﾉ'''　　 　　　　／　 　;;!_.!;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾟ;!_.!　　　 ＼

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　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ノ　 ｀⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （●).（● )　　　|
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|　　（そう言えば、今日の晩飯は何かな……？）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　二 ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　 _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '


┼─
│ボンヤリと考えて頭に浮かんでくるのは夕飯ではなく、....│
│その湯気の向こうでニッコリと微笑むさくらの顔であった│
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　_,.. -‐ ､､,.-― ::..､、T ￣ﾞi
　　　　　　　　 ,.-''"::::::::::;;;:'';:;;ヽ::::::::::::､:｀ヽ..'' {
　　　　　　　／::::::::::::::::::::::;::::::::::::::::､::::::ヽ:::::ﾞ!;ハ
　　　　　 .,:'/::::::::;:::;::::::/::;ｲ:|:::::､::::::::ヽ::::::::ヾ::ﾞ!ド､
　　　　　/ｲ:;':::::/::ｲ::::/ｲ| |:!|:::::ﾞ!:::::::::::ヽ､::::::ﾞ!::!:. .ヽ、
　　　　　　i::!::::;'::::|!:::;'|! |! |l !:::::ﾞﾄ､:::::::::､::､::::;ｿ!｀ヽ ./
　　　　　　ﾞ!|:!::|!::::L::! i! ! ヾ ヾ_;:ヾヽ:::::::ヾ!;ﾝ/!:.. .、ヽ、
　　　　　　　｀` ヾﾞ!'´|ﾟ:;!　　　イ!ﾟ;:;iヽヾr''､'ﾞ:::::!:.　:.:.　 ﾞ!
　　　　　　　 　 　 ﾞ!ﾞ ‐''　　　　 ｰ''　,'::|6 !:::;.'::::l .　,.-'ﾞ､
　　　　　　　　　　 |:!　　' 　 　 　　　|:::!,ノ,:''::.:,ｨ- '::､::ヽ:ヽ
　　　　　　　　　　 |::ヽ、 ー　　　　,ｲ:::|'" !r''"::::ﾞ､::::ﾞ､::::ヾ:＼
　　　　　　　　　　 !:::|_ ヽ､、_,,..-　 !|::::|_　!::::ﾞ､:::､::､::::ﾞ､::ヽ::ヾ ､
　　　　　　　　　 r,!::/!｀i　 _,!　 ,.-''|i|::::|:.｀ヾ、:::::::ヾ::;､:::::::::ﾞ!'::::;'
　　　　　　　　 r' .i:;'ﾆﾞ､|‐'' ,!／　　! ﾞi::|__;.:i ヽ､::::::::ヽ､::::::､::ﾞ!/
　　　　　　　　,.!　|:!.r ハ ／　　.::. .,.-l:|::. ..ヽ　｀ヽ､::::::､::::::ﾞ､!'
　　　　　　　/.∧ |i ﾞY　.i 　 　 .;.. '　 :|i　　　 ＼　 ﾞヽ:::ﾞ::::ﾞ!::ヽ
　　　　　　./ ,'　〉.|!　　/　　 ／　　　/'　　　　　ヽ　 ﾞ!::|!::::::iﾞ､ﾞ!
　　　　　_,.}　!_/　　　/　 ／　　　　　!:.　 ,!　　　:. i　 |::i:::::::!' ﾞ|i
　　　 r'´ __/,7　　　/ ,／　　　　　;'　　　　　　　:.:.ﾞ! /:'::::/^!　|!
　　 ,ｨﾞ'´_,.:' ,'　　　/,.ｲ　　　　　　 ;　　 .:.　.:.　　 !::.:ﾞ､::／
　 / ,.;. :.'　 i|　　 /|'::.|::. ..　　　　 .:!　 .::.::!　:;. 　ﾍ:::i::.ﾞi
　 ! '　　　　i|　 ,/ i|:::!:::::::::::.:. .. .. ::ﾞi　::.::;'-'":::!　　ﾞi ./
　 ﾞ､::. .　　　ヽ/　/-ﾞ､::::::::::::::::::::.:..:ﾞ::.::::;　　.:. ..　　'/

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　　　　 　＿＿
　　　 .,／,-､　 ＼
　　／ ﾉ:/　ﾉfヽ.. ＼
　　|　/:/　/...|　|　　|
　　l　ﾚ　./..ノ .,''´}　i　　　いかんいかん……重症だろ
　　l　　　' ´ .〃 /　|
　　ヽ.　 　 　.　〈　.ﾉ　　　ただ同居しているだけだろ……
　　　 ＼.,_　　._ﾉ /
　　　 　/　　/　 ヽ
　　　 ./　　/　　　|
　　 　i　.／　　.　 |

┼─
│やらない夫は、胸ポケットから煙草を出すと咥える│
│ライターを取り出して火を着けようとした時……　...│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ..─┼
　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／ｨﾍ／
　　　　　　　　　　　　 ｀__ ノ　　　　　　　 ,'　　　 　 　 　 　 　 ／ .）／
.　 _＿＿＿＿＿＿　　　　 ユ　　　　 　 (:'　　　　　　　　　／イ)／
.／∨======＝＝.∧　　 　　ツ　　. ',　　)）　　　　　　　ｨヾヽ／
ﾏ:::::∨.＼／＼／＼∧ 　 　 　 ｰ┼”.}　./(　　　　 　 　 弋,イ
.ﾏ:::::∨／＼／＼／ ∧　 　 　 ノ | ヽし': :ヽ
..ﾏ::::::∨__／＼／＼　∧　　　　（(,ｲ: :　　:: :V）　　 　 　 　 　 ／¨⌒｀ヽ
　ﾏ::::::∨ ＼／＼／＼∧　　　 ､ゝ: :　　　: :(ﾉ}　　　　　　　Y′　　　　|
.　ﾏ:::::::∨／＼／＼／ ∧ 　　　ヽ: :: :　 : :: :/　　　　　 　 /　　　　　 /
.　 ﾏ:::::::∨__／.＼／＼ .∧　　　　ゝ;:; :;从;ノ　　　　　　.／　　 　 　 /
.　　ﾏ:::::::∨ .＼／＼／ヽ∧　　┌───────i／ヽ_　 　 　 ./
　　 .ﾏ:::::::∨.／＼／====∧.二二ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|　　 ｰ-─ ／
.　　　ﾏ:::::::∨＝＝ヽ:::::::::::| |＼／＼／＼／＼／|三|　　　　　 /
　　　 ｀￣￣　　　　）::::::::::| |／＼／＼／＼／＼|三|.　　　　 /
　　　　ソ´⌒￣￣￣へ──'ﾆt‐‐ .／＼／＼／|三|　　　　 .|
　　　 /　　　　　　　〃　　　　 l￣ヽ ヽ／＼／＼￣ﾘ　　　　 .|
　　　 |　　　　 　　　 ゝ　　　　.|　　|　 ）　／＼／＼|　　　　　|

┼─
│不意に肩を叩かれた│
　　　　　　　　　　　 .　─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／-/,-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /ミ　/ ｰｲ　　　ぽんっ
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ｲ　　/ ﾐ‐/
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /.lミ-/　　/
　　　　　　　　　　 　 　 　 ,ｲ .ｌ　 |=.　 l　
　　　　　　　　　　　　　　 l=|.｜　|　　 l　　　　 ,ｨ=､
　　　　　　　　　　　 　 　 l .ｌリ　.ﾉ　 　 ',　　　/ `-ｲ
　　　　　　　　　　　 　 　 ｌ 　 　 　 　 　 i 　 /　 .ミl
　　　　　　　　　　　　　　 |　　　 　 　 　 `シ　 　 /
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ',　　　　　 　　　　　　 /
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　　　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　 　 　 i、　　　　　　　　 /
　　　　　　　　 　 　 　 　 /　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　 /　　　　　　　 .／
　　　　　　　　　　 　 .／　　　　　 　 /´

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　 　　　　　＿＿＿_
　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　 ／（ ●） 　（●）＼
　　／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　よっ
　　|　　　　　|r┬-|　　　　 |
　　＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／


┼─
│眉を顰めて振りかえると其処には見知った顔があった│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　─┼
　　　　　　　 .／￣￣＼
　　　　　　.／　　　　　　＼
　　　　　　|　　 　　ノ　　＼
　　　　　　|　　　（ ●） （ ●）
　 　　　　　|　　　　　（__人__）　　やる夫か……久し振りだろ
　　　　　　|　　　　　　`⌒´i
　　　　　　ヽ.　　　　　　　ﾉ
　　　　　　　ヽ　 　　　　ノ
　　　　 　　　 .>　　　 <
　　　　　　　　|　　　　 |
　　　　　　 　 |　　　　 |

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┼─
│其処に立っていたのは、高校時代の友人、やる夫だった│
　　　　　　　　....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,ﾍ
　　　　　　＿＿＿_　　　　　　/ /
　　　　 ／＼　　／＼　　　／ /
　　　／（ ⌒） 　（⌒）＼／　 /　　おう、二年振りだお
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼ /
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 |　　　　偶々見かけたから声かけたんだけれど……
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／
　　／　　　　　　　　　 ＼　　　　　やらない夫、まだ浪人やってるのかお？
　/　　　　　　　　　　　 　＼
/　　／＼　　　　　　　 　 　ヽ
　／　　　＼　　　　　 　　 　ﾉ
U　　　　　　ヽ　　　 　　 　ノ　　　　■高校時代の友人「やる夫」


　　　　　　　 .／￣￣＼
　　　　　　.／　　　　　　＼
　　　　　　|　　 　 　 ー '. ｀i
　　　　　　|　　　 　 （ ●） .）
　　　　　　|.　　　　　 （__人）　　ほっとけだろ
　　　　　　|　　　　　 　`⌒i
　　　　　　ヽ.　 　 　 　　 ﾉ
　　　　　　　ヽ　　 　 　ノ
　　　　 　　　 .>　　　 <
　　　　　　　　|　　　　 |
　　　　　　 　 |　　　　 |

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┼─
│軽く一瞥するとクルリやる夫に背中を向けて歩き始める│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.─┼
　　 　／￣￣￣＼
　　／　　　　 　 　 ＼
　 /　　 　　　　　　　 ヽ
　 |　　　 　　　　 　 　 |
　 | 　 　 　 　 　 　 　 |
　 | 　 　 　 　 　 　 　l
　 |　　　　　　　　　 /
　 |　　　　　 　 〃/
　 ＼、__　　　　 （
　　　　 _）_ =＝＝＼
　　 　／　 　 　 　 　 ＼
　 　/　　　　　　　 　 　 ヽ
　　 |　　　　,　　　　　　　 i
　　 |　　 　 |　　　　　 　 l.|
　 　|　　 　 l　　 　 　 　 | |
　 　|　　 　 |.　　　 　 　 |. l
　　 l　　　　|　　　　　　 |.│
　　/　　　 ﾉ　　　 　 　 |　|
　 / 　 　 /　　　　　 　 l /
　（ヽ､__,/＿＿__ 　_＿,У
　 ヽ_ｨ　 __ __￣￣_￣_,|
　 ￤　 ￤　￤　j l　 　|


　　　　　　＿＿＿＿
　　　　／　　⌒　　＾＼
　　 ／　　（ ●） 　（●）
　／　　::::::⌒（＿人__）⌒ヽ
　|　　　　　　　|r┬-|　　　|　　っと、おいってば……待てお！
　＼ 　　 　 　　`ー'´　 ／

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┼─
│やる夫が慌てて追うが、やらない夫は無視して歩く│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ...─┼
　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　待ておー！　奢るから付き合えお
　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|
　　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　　`ー､＿ﾉ


┼─
│街中で叫ぶやる夫に、流石に嫌になったやらない夫は立ち止まる│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　─┼
　　 　／￣￣￣＼
　　／　　　　 　 　 ＼
　 /ﾉ　 ヽ､_　　　　　 ヽ
　（ ●）（ ●）　　 　 　|
　 | {　.!　　)　 　 　 　 |.
　 |. ¨´ ｀¨´　　　　　 l.
.　 |　　　　　　　　　 /.
　　|　　　　　 　 　 /
　 　＼__　　　 　 （
　　　　 _）_ =＝＝＼
　　 　／　 　 　 　 　 ＼
　 　/　　　　　　　 　 　 ヽ
　　 |　　　　,　　　　　　　 i
　　 |　　 　 |　　　　　 　 l.|
　 　|　　 　 l　　 　 　 　 | |
　 　|　　 　 |.　　　 　 　 |. l
　　 l　　　　|　　　　　　 |.│
　　/　　　 ﾉ　　　 　 　 |　|
　 / 　 　 /　　　　　 　 l /
　（ヽ､__,/＿＿__ 　_＿,У
　 ヽ_ｨ　 __ __￣￣_￣_,|
　 ￤　 ￤　￤　j l　 　|

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　　　　　　　　　　　　 (ヽ三/)　））
　　　　　　　　　＿＿　 ( i)))
　　　　 　　　／⌒　　⌒＼　＼
　　　　　　／（ ●） 　（●）＼ ）
　　　　.／:::::: ⌒（__人__）⌒::::＼
　　　　| 　 　(⌒)|r┬-|　　　　　|　　二年ぶりだお……積もる話もあるお？
　　　 ,┌､-､!.~〈`ー´/　　　 ＿/
　　　 | |　|　|　 __ヽ、　　 　/
　　　 ﾚレ'､ﾉ‐´　　￣〉　　|
　　　　｀ｰ---‐一'￣


　　　 ／￣￣＼
　　／　　 _ノ　　＼
　　|　　　 （ ●）（●）
　　|　　　　 （__人__）　　　話題には事欠かないが……
　　|　　　　　　　　　ﾉ
　　|　　 　 ∩ノ ⊃ }　　　あまりお前に話したい事は無いな
　 /ヽ　　 ／ ＿ノ }
　(　ヽ　 /　　/　ノ
　　ヽ　“　　/＿|　 |
　　　＼＿_/＿＿ /

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┼─
│その積もる話が嫌だったのだ　　　　　　　　　　　　　　　│
│さくらとの出会い等の例外を除けば、　　　　　　　　　　 .│
│浪人生に、大学生よりも明るい話題があるはずがない.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　ま、いいか……その辺の喫茶店にでも行くか
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ　
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　別に奢りじゃなくて構わないだろ
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼


　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／　　わかったお。やる夫には話したい事が沢山あるんだお！
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/

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　　　 (　　　　＼　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 　古書店『入速堂』
　　 　 ＼　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　 ＼ 　　 　＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　第八話　やらない夫の世界
　　　　　 　 ＼　 　　 ＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 ＼　　　　＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　　　　　　＼　　　　＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＼
　 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　r´＝＝＝＝＝＝＝＝＝ｒ´
　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　《 三三三三三三三三三=
　　　　　　　　　　　　　 　 ヽゝ＝＝＝＝＝＝＝＝＝=ゝ

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　 　 　 　 ||　　　　 　　　　　　　　　 　 　　／　　,l| 　 　 　 |::::|　喫茶.l::::|
　 　 　 　 ||　　　　　　　　　　　　 　 　　／ . 　 　|| 　 　 　 |::::|（ﾟωﾟ)ﾉ|::::|
　 　 　 　 ||　　　　　　 　　　　　　　　／　.／　　 l| 　 　 　 |::::|ぃょぅ__|::::|
　_＿＿＿||　　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　.　 　|| 　 　 　 |◎ :::::::::::::::::..!
　　(⌒;;;)|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣| (⌒;;) ￣|￣ ||:::::::::::::::::::::::: |
　（　　;;;⌒;;)|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣￣|￣(⌒;;;;;; 　;;)￣ |:::::::::::::::::::::::: |
　 , .,.;;;;（ ,.,;;;;,)　|￣￣|￣￣|￣￣|￣（⌒;;`;´;`　 ,;;;;.,. ,;;;;)___|:::::::::::::::::::::::: |
　三三三三三i／￣￣￣￣￣￣￣|三三三三三三三i／　￣￣￣￣￣￣


┼─
│カウベルの音を立てて喫茶店に入る│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　 　 ::＼
　　　　　　:: :::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　 　 　 .:: :::::|:::::: .
　　　　　　|ヽ ::::|:::.　　 　＿＿＿＿＿　 　 　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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　　　　　　|　|　:|　 　 　 || 　 || 　 　 || 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　!- 　 |　 　 　 || 　 || 　 　 || 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　　　　|　 　 　 || 　 || 　 　 || 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
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　　　　　　　 ／:::　　　　　/￣￣|　　　iﾆﾆi
　　　　　　／　　　　　 　　￣　.i　|￣￣￣￣￣＼|､`i　　　　　.　　　　iヽ＼￣￣￣￣
　　　　 ／　　　　　　　 　 　 　 |‐|＿＿＿＿＿＿＼ |　　　　　　　　　|ヽ|‐＼＿＿＿__

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│やる夫がウェイトレスに告げた│
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　─┼
　　　　　　　　　　　　 　 ∩＿
　　　　　　　　　　　　　　〈〈〈　ヽ
　　　　　　＿＿＿_　　　〈⊃　　}
　　　　 ／⌒　　⌒＼　　 |　　 |
　　　／（ ●） 　（●）＼　 !　　 !
　 ／ :::::⌒（__人__）⌒:::::＼|　　 l　　二人だお
　 |　　　　　|r┬-| 　 　 　 | 　／
　 ＼ 　 　　｀ ー'´ 　 　 ／／
　　/　＿＿　 　　　　　　/
　　(＿＿＿）　　　　　　/


　 　／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　喫煙席にしてくれだろ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　 　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ　　ｍm
　　　/　　　￣￣￣　つﾉ
　　　|　　　　|￣￣￣

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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　なんだ、やらない夫……やる夫の前で煙草吸う気かお？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　　当然だろ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l　　（店じゃあれ以来吸わせてもらえないからな……）
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

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│幸い、喫煙席は空いていたようで、待たずに座る事が出来た│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　,/二ヽ 　　 　 　 　 　　　　,/二ヽ　 　 　　 .|
　　 　 ｀ﾟ´　　　　　　　　　　　　　｀ﾟ´　　　　　　 |
　´゛￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣~~|
　　|￣￣|￣￣|　　　　|￣￣|￣￣|　　 　 |￣￣|　　, -'"ﾞ|
　__,,＿_,_＿,＿__＿＿＿_　__,|＿＿|　___＿＿__,,_|　　|:::..:...|
: 二二二二二二二二二ﾐ) 　　　　 .(ﾐ二二二二|　　|:::......|
　XXXXXX::　________XXXi|┐　　 　 .|iXXXXXX.| ,＿"'-､,|
　XXXX::::: ／ ／..／!　.Xi|フ!　 　　　　　　XXX.| |＼＼
　　 　　 ／ ／ ／ 　i.,___　　 ／￣￣￣ ＼　 　__ﾉ　 ＼＼
　 　.　　|￣|￣|　 ,,r'ﾞ 　　.／　　　.　 　 　 ヽ,　　ヽ. 　 |￣|
　／　.,,ﾉ　..|　 i,／　　.　　￣￣￣|i;￣￣￣　　 .　 丶ﾉ　..|
　|￣￣_____|___｀￣￣|／　　　　...r'jｷ　　..　　＼|￣￣_____|


　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼　　　　　　　　　　(
　　　　　　　　　　　　　　 ／　　 ⌒´　 ⌒ 　 　 　 　 　 ﾉノ
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　（ ●）（●）（,ヽ、　　　（(
　　　　　　　　　　　　　　 .|　　　　（___人__）　r__i____　 ノ　　で、お前は今何やってるんだ？
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　√丶丶丶┬─'"'
　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　|　)　　　　 j
　　　　　　　　　　　　　　 .人､　　 　ヽ´　　 　,/
　　　　　　　　　　　　_,／::ヽ､.,ヽ., __ (　　　　r
　　　　　_, ､ -一 ''"::::::::::::＼::::::::ｰ-- r ／ ⌒ヽﾆ- ､.
　　　　/;;;;;;::ﾞ:':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....,￣　v,;,ヽ
　　　丿;;;;;;;;;;;:::::i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;(　;;;;:::::::::::... ',;;;;|
　　　i ;;;;;;;;;;;;;;;;;:::|;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;ﾊ　:;;;;;;:::::::::.. ',;;i
　　/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::!;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;ﾊ　::;;;;;;;;::::::::. ',

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　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　 やる夫かお？
　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|　　　……まぁ、適当に大学生やって、適当にバイトやって、
　　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|　　　彼女作って……それなりに楽しくやってるお
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　　`ー､＿ﾉ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／￣￣ ＼　　　　　）ﾉ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ／_,ノ 　ヽ､,__＼　　　((
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 -、　　　　　　 　 　 .|　(● ) （● ）　|　　 ﾉ'
　　　　　　　　　　　　　　ﾔ　 ',　　　　　　　　　 |　 (___人___）　 .|　 ,i'　　は、嫌だろ……無目的に大学行くなんてさ
　　　　　　　　　　　　　　　i. 　l　　　　 ,.-､　　　| 　 ｀ ⌒ ´　　 | .::.
　　　　　　　　　　　　　　　 ',　 j　　　/　/ 　 　 .|　　　　＿＿__/./
　　　　　　　 　 　 　 　 　 ノ＿..ヽ-､′,' 　 　 　 ',　　　(_＿__././ﾆ｀、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 l .＿＿_　ヽﾉ 　 　　__ jﾊ. __ 、__ﾉ__,. -､ ｀ {
　　　　　　　　　　　　　　　Ｙ　　　　　）ﾊ.‐ ' ´ ..::ヽ:::::::::::::: ﾉ,. -　　　ﾄｰ- ､ _
　　　　　　　　　　　　　　　ﾄ. ￣￣ 〕y:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i　ｬ　　　 '!,:::::::::::..＼
　　　　　　　　　　　　　　 ハヽ 一ﾆｲ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'ヽ_〉　　　i,::::::::::::::::..ヽ
　　　　　　　　　　　　　 / .::::::::::::::::: 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::八　　／｀x--、:::::::: l
　　　　　　　　　　　　　/ .:::::::::::::::: /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉::::/:::::::::::::::＼:::: l

18/46
　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ＞） 　（＜）＼
　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼　　僻みかお？
　 |　　　　/| | | | |　　　　　|
　 ＼　 (、`ー―'´,　　 　／


　　　　　　　　　 ＿＿＿
　　　 　 　 　 ／ 　 　 　 ｀ヽ
　　　　　　　/　　 　 　 　 　 ',
　　　　　　　|　　|l　　　 　 　 ',
　　　　　 　 |　　U　　　　ノ　 |
　　 　 　 　 |　　　　　-┰　 /
　　　　 .＿_|　　　　　　　　 ヽ
_..,,..-.／r-/　　l　　　 (　　 ,、_）　　煩い
::::::／:::::|/　 　 |.　　　 ｀￣　丿
／:::::::::::|　　　 ヽ、 　 　 　 l´__
::::::::::::::::|　　　　　｀''-..,,＿ノ:::::::l
―‐-、:ト、　　　　/|:::::::::::＼::::/
:::::::::::::::|　 ＼　 ／ |:::::<´￣:::/〉

19/46
　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　 ー､＼
　　　／（ ●） 　（●）＼
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼　　はは、浪人生には酷な話だったお？
　 |　　　　　|r┬-/ ' 　　　|
　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／


┼─
│苦笑するやらない夫だが、それほど嫌そうな顔はしていない　　　　　│
│人付き合いが苦手なやらない夫の数少ない友人だからであろうか　.│
│気を許して、ここまで荒い応対ができる相手は、他にはいなかった　.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 , ´ ￣￣ ｀ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 /　　　　　　　 ヽ
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 /　　　　_,ノ_ ｀ヽ-、　　 全くだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　(√丶丶´v　〉
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ﾉ　U 　 {　)　　　　　j　　　お前の生活を聞いたのが間違いだっただろ
　　　　　　　　　　　　　　　 ,.ｲ ､　　　 V　 　　　/
　　　　　　　　　　　　　 ,／(:::ヽ.ヽ　　 {　　　　 r
　　　　　　_, ､ -― ''":::::::::::::＼::::ヽヽ., __r　 ／⌒ヽﾆ‐-、
　　　　　/::::::::ﾞ:':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　'.,:::::
　　　　丿::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(　:::::::::::::::... '.,::: |
　　　r ::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::.. '.,::i
　　/ ::::::::::::::::::::::: !:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. '.,
　 / ::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::::. '.,

20/46
┼─
│そうこうしている内に、注文した珈琲が届く│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　─┼
　　　　　　　　　　　　　 _.. ; -―――――――- :_
　　　　　　　　　　　　,'´　,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,　`､
　　　　　　　　　　　　|、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,!γ二`､
　　　　　　　　　　　　| ` ､;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;..,;' k'"　　ヾ.ｉ
　　　　　　　　　　　　ｌ　　　`　―-------―　'::"　　|　　　　ｌ |
　　　　　　　　　　　　'ｌ.　　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　　 //
　　　　　　　　　　　　　!.　　　　　　　　　　　　　　　 ,'　　 //
　　　　　　　　　　　　　'ｌ.　　　　　　　　　　　　　 ..::人__ノ/
　　　　　　　　　　　　　　'!.　　　　　　　　　　　...::::,'＾ｰ-‐"
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　 ,,,,;;;;;;;"
　　　　　　　　　　　　　　　　゛'''－-------－''´


┼─
│珈琲を啜って眉を顰める　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│最近はさくらの料理のおかげで舌が肥えてしまったことが恨めしい ...│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　／　 　 _,.ノ　＼
　　　　　　　　　　|　　 　（ ー）（ー）
　　　　　　　　　　.|　　　　（___人__）　　………
　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　 ﾉ
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　|_,-‐、_ -、
　　　　　　　　　　.人､　　 　　 厂丶,丶　v　〉
　　　　　　　 _,／::::ヽ､.,ヽ., ___,く_ソ　　　 __ノ
　_, ､ -― ''"...:::::::::＼::::::::::::::::::::(　　　　〔"ﾆ‐-、
/.::::::: ':､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r　 ／⌒ヽ:::::: )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V／.....￣　',::::|
:::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈　:::::::::::::::... ',::i
:::::::::::::::!::::::::::::::::＼:::::::::::::::::::::::::::::::ﾊ　::::::::::::::::::. ',

21/46
┼─
│カウベルが鳴って客が入ってくる│
　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　─┼
　　　　 　 ::＼
　　　　　　:: :::＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　 　 　 .:: :::::|:::::: .
　　　　　　|ヽ ::::|:::.　　 　＿＿＿＿＿　 　 　　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　　　|　|　:|: : 　 　 ||＿_,＿＿__|| 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　|　|　:|　 　 　 || 　 || 　 　 || 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　!- 　 |　 　 　 || 　 || 　 　 || 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　　　　|　 　 　 || 　 || 　 　 || 　 　 　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |　 |
　　　　　　 　 .:::|＿＿＿||＿_||＿＿_||＿＿＿_|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿|＿＿＿＿＿
　　　　　　　 ／:::　　　　　/￣￣|　　　iﾆﾆi
　　　　　　／　　　　　 　　￣　.i　|￣￣￣￣￣＼|､`i　　　　　.　　　　iヽ＼￣￣￣￣
　　　　 ／　　　　　　　 　 　 　 |‐|＿＿＿＿＿＿＼ |　　　　　　　　　|ヽ|‐＼＿＿＿__


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　お……？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

22/46
┼─
│やる夫が声を上げたのでつられて視線を向けると、其処には一人の女性が立っていた│
│女性はやる夫の声に気付いたのか、同じように視線を向けて硬直する　　　　　　　　　 .│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....─┼
　　　　　　　　　　　　/　　　　/　　　　 /　 　 :/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ　　　　　　　 ／|　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |　　　/^|　　　 　 | ／―八: |:　 　 　 | 　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |　　://`|　　　 　 i弌T斥≪ |:│　　 /　:|　:/　　 :|
　　　　 　 　 　 　 　 |　 :｛ {':::|　　　 　 i　とゝ)少癶:|　　:/　 人/　　　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |/ 　 ､ヽ| 　 　 　 | :::::::::　　　　∨:厶斥≪|＼|　 │
　　　　　　　　 　 　 /　 　 丶| 　 　 　 |　 　 　 　 ∠ ｲ　V)少癶 /　　i
.　　　　　　　 　 　 /　 　 : : : | 　 　 　 |　　　　　　　 /　　::::::::::/ｲ　　 i
　　　　　　　　 　 　 　 . : : : : | 　 　 　 |　　　　　　　´　　　　 厶:　　　|
　　　 　 　 　 ／ 　 . : : : : : : :|　　　　 :|　　　 r:::::，　　　　　ｲ: : :　　　|
　　　 　 　 ／　　. : : : : : : :厂|　 　 　 :|　　　　　　　 　 イ　│ : : 　　 |
　　　 　 ／　　. : : : : : : :／　 i　　　. : :|＼ 　 　 　 . : : : :|:　│: : : 　 i |
　　　　　￣ ／￣￣　＜　　　i　 　 : : :l｀　`ァ=＜: : : : : :|:　│: : : 　 i |
　 ／ 　 　 /　　　　　　　＼ 　i :　　: : :|　':/牙| i: : : 丶: :|:　│: : : 　 i |
. /　　　 二二ﾆﾆ二二　　　＼i : 　 : : :|//＿| |ﾉ.:.: : : : :､|:　│: : :　/j/
/／_. : . : . : . : . : . : . : . :＼＼八　 : : :.|/　｛ l小.: : : : : : :ヽ　| : : : / ,'　
´. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : ＼＼|＼|: :.| 　 l. ﾚﾍ.ヽ: : : : : : ﾄ､| : : / /　
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ∨ } /＼|＼ ∨ﾍ. 》 ＼xヘ: l　| : /
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : ∨　　　＼∨⌒V　y┴-､ ＼| /
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : ∧　　　　 〈　　 |／ ＼　 　 ∧^ﾏ＼
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : ー=ﾆ二/　 　 　 ＼_人 ＼　　　　　∨. : .｝
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : |/　　　 　　|　（丶　　　　 　 |. : ./


┼─
│しかし、それは一瞬だった　　　　　.　│
│何やらウェイトレスに話しかけている.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .. ::::::::::::::::: ..
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::｀::.､
　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　′::::、.::::::::::::::ｌ:::::::i::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 　 　 　 　 l:::::::::Aﾄ､ヽ:::::::ｌ::／ｌA:::l:::::::l!:::l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::代ﾋﾘヾlヽ/てﾘﾞﾌV:::::::l!::::l
　　　　　　　　　 　 　 　 l:::::::|　　 　 ｌ　　　　　|:::::::l!::::l
　　　　　　　　　　　　　　ｌ::::::lｉ　　　　　　　　　|::::::l!:::::l
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::|::>､　　 ｡ 　 　 ,｡|:::::ｌ!:::::l
　　　　　　　　　　　 　 　 l:::::|:::::::＞｡、　_,.イ::::|::::ｌ!|::::ｌ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l::::|:::::::::ﾞ片≦ｒ‐┤:::|:::ｌ!:|::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 l:::|::::::::/　||・||:　 V::|::ﾘ::|::::l
　　　　　　　　　　　　 　 /::l::|:::::/　 /⌒|:　　V|/::::|::::l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::l:|>へ､∧　∧　/ ﾞl:::::::|､::ｌ
　　　　　　　　 　 　　_厶イ´l|　 　 ヽ.V／V 　 V::∧｀　ｰ　、
　　　　　　　　　　__/　　　　 　 　 　 ｢:ﾘ　　　　 ヾ:::ヽ　　Y^ヽ
　　　　　　　　　/ ヾ　､　　　　　　　 兀　　　　　　ヾ:::V 厶イ⌒i
　 　 　 　 　 　 {{: : ::＼ヽ|　　　　　 /ハ　　　　　　　VУ: : : : :.ﾉ

23/46
　　　　　　　　　　 　 　 ＿＿＿_
　　　　　　　　　　 　 ／　　 　 　＼
　　　　　　　　　　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 　 ／ 　 （●） 　（●） 　＼
　 　 　 　 　 　 |　 　 　 （__人__）　　 　 |　　意外な展開と言う奴だお……
　　　　　　　 　 ＼　 　　 ｀⌒´ 　　　,／
　　　　　　　 　 ／　　　 　ー‐　　　　＼


┼─
│やらない夫は表情を隠すように珈琲を啜った│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　　 　 　 ――　､
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　＼
　 　 　 　 　 　 　 　 '　 　__ ノ 　 ゝ.__ヽ
　　　　 　 　 　 　 　 l　　　( ー)　(ー ) ｌ
　　　　　　　　　　　　ｌ　　　 (___人___)　ｌ　　そうか？
.　　　　　　　　　　 　 ｌ　 　 　 ｀--´　　ｌ
.　 　 　 　 　 　 　 　 !.!　　　　　　　 　 !(　（(
.　　　　　 　 　 　 　 ' ヽ　　　 　 　 　 (　( ヽ)　
　　　　　　　　　　 ノ￣´"''‐ 、 　 ｀¨´￤ヽノζ
　　　　　　　 ＿rく　　　　/癶V⌒!=|￣￣￣￣￣|
　　 ＿_,､=Ｔ下､｀`ヽ　　/‐''"_, -ヘ｜　　　　　　｜
　 /「￣´　 ヽヽ ＼　ヽ/ 　 ´　 _,,厶ﾍ　　　　 　 ∧=､､
　 |八 ＼　　 　 　＿_/　　　　　 ＿,）ヽ＿＿＿/ 　ヽ ``=､､
　∥　＼ !　Ｖ´￣:::::/　　　　　　_,ノk>､｀Ｔ!::::::":::＼＿　　 ∥

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┼─
│牧瀬紅莉栖、それが女性の名前である│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .　　─┼


　　　　　　　　　　　　　　　　 -―‐……‐-　　 .
　　　　　　　　　　　　..:.:´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀.:..、
　　　　　　　　　　／.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:....＼
　　　　　　 　 　 '. ..:.:.:.:.:.:.:.:/ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . .ヽ
　　　　　　　　/ ...:.:.:.:.:.:.:.:.:′. .:.:.:.:.:.:..:.:/ ..:.:.:.:.:.:/:.:.:.:..　:　: ,
　　　　　　　 .′..:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′..:.:.:／′:.:.:.:..　:　:′
　　　　　　　　　. ..:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ:.:.:.／　│ |:.:.:.:.:..　:　:'.
　　　　　　　. ..:.:.:.:.:.:.:.:.:/´|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|／__ ｀ヽ|: :|:.:.:.:.:.:.: ': : }ｉ
　　　　　　　i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{ { |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|､]「、｀刈Ｖ|: /:.:../.:. , .:|
　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Ｖ'|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| 弋ｚソ　｝ |/ |:./:.／ ..:|
　　　　　　　|..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:｀|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　　,}炸kﾊ ..:.:|
　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|　　　　　　 代z',:' |ｉ.:.:.:|
　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .:.:.:.:.:.:.:.:.:ｉ.:|　　　　　　 {.　/ | ||.:.:.:ｌ
　　　　　　　| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:.:.:.:.ｉ .:.:.:.:|.:|　　　　　　r' ,:′ｌ || : :,
　　　　　　　; :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|ｉ :ｉ: :| .:.:.:.:|.:|　　　-_ 、　.什1: :|| :/
　　 　 　 　 ′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:八:|: :| .:.:.:.:|.:| 　 　 　 ／ :|.|.:| : |ｌ ′
　　　　 　 / . .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/冖iﾄ､j.:.:.:.:.:|.:ト　. _ ／ | .:.:|.|.:l :.:|;
　　　　　 ′. .:.:.:.:.:.:.:.:.:/　　 |　＼ .:.:|.:|/ 　　 　 | .:.:|.l.:.:.:..|
　 　 　 /. . ..:.:.:.′.:.:.: ′　　　 　 ＼|│　　　　│: :| .:.:.:..,
　　　　′..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ -―……‐-　..↓　　　　│: :ｌ.:.:.:.:.,
　　　 . .:.:.:.:./:.:.:.:.:.:/　 ￣￣￣￣ 　 ｀}ド､　　　 | : :;.:.:.:.:.′
　　 . .:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:./ 　 　 　 　 　 　 　 }!　｝　　　|i.:.:′:/
　 /..:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:./　　　　　 _ ..　　 --亠=ミ、 　ﾉ}/ .::/　　　■やらない夫の高校時代の彼女「牧瀬紅莉栖」

25/46
　　　 　＿＿＿_　　　　━┓
　　　／　　 　 　＼　　 ┏┛
　 ／　　＼　　 ,＿＼.　 ・
／ 　　 （●）゛ （●） ＼
|　 ∪　　 （__人__）　 　 |　　何で一時とはいえ、お前なんかと付き合ってたのかお？
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ー）（ー）
.　|　　　　 （__人__）　　放っておけだろ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　　　　　ｎｌ^l^l
.　 ヽ　　　　　 |　　 ﾉ
　　 ヽ　　　　ヽ　く
　　　/　　　　　ヽ　＼

26/46
　 　 　　　　　　＿＿＿_
　 　　　　　　／⌒　　⌒＼
　　　　　　／（ ●） 　（●）＼
　　　　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　　　　 |　　　　　|r┬-|　　　　　|　　やらない夫は今、誰かいないのかお？
　　　　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 (⌒)
　　　　　　＞　　　　　　　 　 ﾉ ~.ﾚ-r┐､
　　　　　/　　　　　　　　　 ノ__　 |　.|　|　|
　　　 　 |　 　 　 　 　 〈￣ 　　｀-Lλ_ﾚﾚ
　　　 　 |　　　　　　　　 ￣｀ー┬--‐‐´

┼─
│やらない夫の脳裏に一瞬、さくらの顔が浮かんだがすぐに打ち消す│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　─┼
　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●
　　　|　　　 　 （__人__）　　………いや
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /

　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／─　 　 ─　　＼
／ （●） 　（●）　　　＼
|　 　 （__人__）　　　　　 |　　その間はなんだお？
＼　　 ⊂ ヽ∩　　　　 <
　 |　 |　 '､＿ ＼　／　 )
　 |　 |＿＿＼　 “　 ／
　　＼ ＿＿＿＼_／

27/46
┼─
│やらない夫がどうやっていなそうかと思っていると、│
│ウェイトレスが紅莉栖を連れてやってくる　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　─┼
　　　　　　　　　　　　 　 ．´ ￣　｀ ヽ
　　　　　　　　　　　　／　.　:.　 :.　.　:.ヽ
　　　　　　　　　　　/.: .: ::..: :::.: ::､::.ヽ:::::ﾟ.
　　　　　　　　　　 ,′:.::i:!_:ｉ:.!:::i:┼､::::､::::
　　　　 　 　 　 　 {::i:::::ﾑ!_､:､:::lｨr＝､:i:: i
　　　　　　　　　　 ﾟ::!:::::《廴}ﾞ`ヾ!ゞ‐'|::!:::|
　　　　　　 　 　 　 ﾟ:!:::::ゝ"　 ' _　　 |::!:::l!　　久し振りね、相席……構わないかしら？
　　　　　 　 　 　 　 ﾟ:!::::::i＞. ´_ . ｲ:l|::!:::|!
.　　　　　 　 　 　 　 ﾟ:!:::::!::::/7ハ「´y:;!:::l:ﾟ:.
　　　 　 　 　 　 　 　 ヽ::!'ﾘ='く‐ゞ=,::/7i::iヽ､
　　　　　　　　　　 .ィ´./ﾘ { ヽｿ┤ {:;'/ i:::!　｀ヽ
　　　　　 　 　 　 {.　 /＿/i ､ !.:.|´ ﾘ'　|:::! ／ .〉
　　　　　　　　　　l　　　/　!ヽ|:.:.!r∧／ヾ:!　 ,゜
　　　　　 　 　 　 j　　 ｀ヽ '!　!:.:i.l,゜　ゝ/ﾊ!　 !
　　　　　　　　　　'．　＼ヽ.|　|:.:l | ./　j／　　}
　　　 　 　 　 　 　 ', 　､ Yj'/ |.:.| |/ィ/　　　/:!
　　　　　　　　　　　゜.　 ＼!　.!:.:! |　「 　 　 ﾊ:!
　 　 　 　 　 　 　 　 ﾟ　 　 ﾄ､ !.:l　! ﾉ　／　j::|!
　　　　　　　　　　　　ﾟ　　　| .|:.:!　!′,′　,::ﾘ
　　　　　　　　　　　　‘.　　 |､|:.:!　|　 　　〃{.
　 　 　 　 　 　 　 　 / {　　 !_∨ィj　　 　 }::ハ


　 　 　 　 ＿＿＿
　 　 　 ／　　 　 　＼
　　　／　　 　 　 　 　＼
　 ／ 　　⌒　　　⌒　　 ＼
　 |　 /// （__人__） /// 　 |　　大歓迎だお！
. (⌒) 　　　 　　 　 　 　 (⌒)
./　i＼ 　 　 　 　 　　　／i　ヽ

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┼─
│席に着くと、ウェイトレスに注文をして二人に向き直り、改めて言う│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .　 -‐―-　 .
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ´　　　　　　　　　｀丶、
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ,　　　　　. . : :/. : .　　　　　　　　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　′　.. . : : : : :/. : : .
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /. : : : : : : : : : .′: : /. :.
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: : : : : : : : ./jハ...∧...:}
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 . . : : :i: : : : :./ .辷_v､＼ﾊ:. 　 ｉ　 :ｉ 　/
　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｉ : : / |: : : :,　.:八__ﾉ刈＾刈:..:.│ｉ_ﾊ ｲ:...　！
　　　　　　　　　　　　　　　 　 |: : :{ │: : .′.′^　 　 　 }! .ﾊ以､｀}l|　 　:；
　　　　　　　　　　　　　　　 　 | : : V」 :　ｉ: :　　　 　 　 ノイ 弋__ﾉ刈: : : .;゜
　　　　　　　　　　　　　　　 　 |　: :.:.:| ｉ: :|: :ｉ　　　　　　　│ 　 　 ,.1:/. :,
　　　　　　　　　　　　　　　 　 |: : :.:ｉ | |: :|: :|　　　　 　 　 ′　　 .′′.′
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 八 : :| | |: :|: :l＼　　　‐_ｧ　　　.　＾:/.: :,　　　　久し振りね
　　　　　　　　　　　 　 　 　 / . : : ﾉﾉr|: :|: :|＼＼　　 　 　 1| {: :{:. :/
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /. : : :.{ {..:|:|: :|: :|１ｉ.　　ー＜{ｉ|:.ﾉ乂＼v′
　　　　　　　　 　 　 　 　 / : : : : ﾊ Ｖ |: :|: :|ﾟ|:|:　　{ ｉ　./ﾘﾉ′: :） }
　　　　　　　　　　　　　 /. : : .:.:/ ／ ∧.:|: :|ﾟ|:|: 　 乂V./.: : . イ :八
　　 　 　 　 　 　 　 　 /. :, /. :/:〈　,/　ﾊj.:.:|ﾟ|:ﾚ ／　//. :〃. :｣L{_: }
　　　　　　　　　　 　 /_ /厶斗f「∨r ┴ハﾊレ'＾ ／.″:/′　｀ヽ_ ＼
　　　　　　　 　 厂￣　//　　　ヽ＼|:::::/　　　 ／. . . . /_ .. -―‐-　､}
　　 　 　 　 　 /^ヽ. 　{ ′　　　.. _ ﾊY　　　 〃／. : :/´　　　_＿＿ ﾉ
　　　　　　／￣＼　　 ＼　　 　／.:/｀^　r―{{/　　.:/　 __／................＼

　　 　　 ＿_＿__　　　　　━┓
　　　 ／　―　　 ＼ 　　 ┏┛
　　／ノ　　( ●)　　 ＼　 ・
.　｜ ( ●) 　 ⌒）　　　|　　そうかお？
.　｜　　 （__ノ￣　　　 /
.　｜　　　　　　　　　/
　　＼＿　　　 　 _ノ＼
　　　　/´　　　　 　 　 |
.　　　 |　　/　　　　　　|

　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　 （ ●）（●）
.　|　　　　 （__人__）　　………そうだろ
　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　 　　　　 }
.　 ヽ　　　　　 　 }
　　 ヽ　　　　　ノ
　　　.>　　　 <
　　　|　　　　 |
　 　 |　　　　 |

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　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　しかし、二年ぶりなわりには、やる夫たちだって良く分かったお
/　　　　 ∩ノ ⊃　　／/　∩ノ ⊃
(　 ＼　／ ＿ノ　 　 ＼／ ＿ノ
.＼　“　　／　　.　＼　“　　／
　　＼ ／　　　　　　/＼／


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 . . : :~⌒´く, . . . : .:｀丶、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ／.:／.: : : : : :}⌒ヽ : : : : : ＼
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 . : : / : : : : : : : : : : : : . : : : : : : : .
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 / . : ,′: : : : : : : .: : : : : :. : : : : : :　:.
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ′: .:i. . : : : : : : /. : : : : : ; : : : : : :　:i
　　　　　　　　　　　　　　 　 :.⌒ﾒ |: : : : : : :j/. : : : : : : | : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　　　　 　 ｉ: :j ､:j : : : :⌒ﾒ、 : : : : : : | : : : : : : : |
　　　　　　　　　　　 　 　 　 jyif扎}i :,ﾉ.:／　|:＼: : : : ..:| : : : : : : : |
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:ｉ.ﾘ　八{／　汝jＫ: : : : : ..:| : : : : : : : |
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 |:ｉ:j　′ ｀ 　 `z勿ハ : : . :ハ : : : : : : |　　　そうでもないわよ
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 j:八 　 　 　 　 　 | : : : ..:/_,ﾉ : : : : : : |
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｝: :i: 、､)　　　 　 | : : : :.′′: : : : : : |　　　変わってないもの。二人とも
　　　　　　　　　　　 　 　 　 }..:ﾉ:个ｰ―=≦{__j : : :/Ｌ/　.:　.: : : : :|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝′.:| . : 厂f｢⌒7 . :/／′ : : : / . : :|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｉ　 . :|. .:/ハ||　 ′:/ . : : : : : : / . : : :|
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 | . : .:|.:/厂刈 /. : : : : : : : : : :/. . :/ : |
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |. . .:／〈__／{.′: : : : : : : : :,厶: :/|..: :|
　　　　　　　　　　　 　 　 　 ｝／/ 〃｢　/}/ . : : : ,.　'´ノ⌒Ｖ..;|..: :|
　　　　　　　　　　 　 　 　 ／　/ / . :| / .′ .:.:／　／　　　 〈:|..: :|
　　　　　　　 　 　 　 　 　 |　 / /. : .:j.' /. ...:／ 　 .′　　　　 〉.: .:|

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　　　　　　　　 　　／　　 　 　＼
　　　　　　　 　 ／　─　 　 ─　＼
　　　　　　　 ／ 　 （●） 　（●）　 ＼
　　　　　　　 |　 　 　 （__人__）　 　　 |　　やらない夫のバカはともかく、やる夫は～
　 　　　　　　＼　 　　 ｀ ⌒´ 　　 ,／
　r､　　　 　r､／　　　　　　　　　　ヘ
　ヽヾ　三　|:l1　　　　　　　　 　　　　ヽ
　　＼>ヽ/ |｀ ｝　　　　　　　　　 　　|　|
　　　ﾍ　lノ `'ｿ 　　　　　　　 　　　　|　|
　　　　/´　 /　　　　　　　　　　　　 |.　|

　　　　　 　 　 　 　 / :..:..:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : .ﾉ : : : : : : : : : .ハ.
　　　　　　　　　　 /..:..:..:..:..:. :.:.: : : : : : ／: : ／:.}. . . . ／: : : .､
　　 　 　 　 　 　 /:..:..:..:..:.. :.: : : : : : ／: : ／ ,勹. . .／.: : : : }:.:.:
　　　　　　　　　/:..:..:..:.:.: rt ､/: : ／/ｰ ´ ｀メ､:.:.／.:.／: : :/: : i
　　 　 　 　 　 /:..:..:.:..／∧ /: ／: /　{　笊ﾐ彡7: :／: : : :/: : :.:|
　　 　 　 　 ／..:..:..／:..:..レ ／: : / 　 ヽいソ　 ／: ,勹´/ :.:.:.:.ﾘ
　　ー─=彡 :.:.:／.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:./ｌ　 　　 ¨ 　 ´ ／ﾊぇ/ : :.:／八
　　　　／.:.:.:.／.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ}　　 　 　 　 　 ､い〃.:／:.:/
　　 ／.:.:.:.／.:.:.:.／.:.:.:.:.:.:.:.:／ﾍ　　　　　 　 　 　 　 ,':／:/,イ
　／ :.:.:／.:.:.:.／:.:.:.:.:.:.:.:.入__ 　 丶　　　 　 t_,　　 /: : :./　 |
.:.:.:.:.:／ー=彡 :.:.:.:.:.:. ／　　　＼.　 ＼　　 　 　 ／: : :./} 　ﾉ　　　フフ……そう言う所、全然変わってないよ
.: :／ｰ─=＝彡─‐´--.､　　 　 ＼ 　}＞..._ ,.イ:.:.: : :./:.|／
.:".:.:.:.:.:.:.:.／　　　　 　 　 ヽ　　　　 ７7 彡".:.:.ｌ : : : / l:.|
.:.:.:.:.:.:.:.:./　　　　　 　 　 　 ﾍ.　　　 ハ／.:.:.／／／|　;ﾘ
.:.:.:.:.:.:.:.ハ 　 　 　 　 　 　 　 ＼　　}　ﾊ‐‐:.／‐〈　 乂ｲ
.:.:.:.:.:.ノニﾆゝ、　　　　　　 　 　 ＼ハ７ﾊ＼　 　 ＼/ノ

　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　 ー､＼
　　　／（ ●） 　（●）＼
　 ／::::::⌒（__人__）⌒:::::＼
　 |　　　　　|r┬-/ ' 　　　|　　そうかおー？
　 ＼ 　　 　 `ー'´ 　 　 ／

31/46
　　　　 ／￣￣＼
　　　／　　 _ノ　　＼
　　　|　　　 （ ●）（●　
　　　|　　　 　 （__人__）　　　そうかもな
.　　　|　　　　　　　　ﾉ
　　　 |　 　 　 ∩ ノ ⊃　　　二人だけじゃなく、三人とも変わってないかもだろ
　　／ 　 　 .／　＿ノ
　 (.　 ＼ ／　.／_ノ │
　　＼　 “　／_＿_|　 |
.　　　 ＼／ ＿＿＿ /


　　　　　　,，-　ー―　-　､
　　　　∠: : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　ｲ: : : : : : : : : : : : : : : : : : ∧
　　/: /: : : : : : : : : : : : : : : : : : .∧
　 ；: : |: : : : : : : : : i: : : : : :l ,､: : : ::}
.　i: : : !i: : : : : : : : λ: : i: ::i:i,,| l､: : :i
　i: : : i l: : : : : ／＿ヽ: ﾘ: :!/ｨ==i: :.i
　|: : : |ｨi: : ﾍ于于ﾒ､ヽ/i/弋刄/i::|i::|
　.i: : : iﾍ{:::: 代多ソ　　　 ､ vv .jl::.i!:|　　うん……
　 i: : : |l ヽ: : i vvv　　　　_　　/.l::i.i::l
　 .}: : : i!:.ヽ: ::ヾ、　　　t´/ ／　j:j:::!:|
／/i:::: ,ﾍ: :＼: :∧ゝ 　 __／､ｒ==ｧｭ､ヽ
￣￣-'tﾍ＼:::i::::＼,,＠、￣´　　　 i｀i!
　　　　`　｀ﾊ::}:::::::l〈∨〉　＼　　　 | .|

32/46
┼─
│紅莉栖は笑った　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│その笑顔が何を意味するのか、やらない夫には計りかねていた│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　─┼
　　　 　　　　　 ／￣￣＼
　　　　 　　　／　_ノ　 ヽ､.＼
　 　 　 　 　 | 　（●）（●）　.|
　　　　　　 　!　　（__人__）　 | （……まぁ、良いだろ）
　 　 　 　 　 , っ　 ｀⌒´　　 |
　　　　　　 /　ミ）　　 　　　/
　　　　 　./　ノゝ　　　　　/
　　　　 　i　ﾚ'´　　　 　　ヽ
　　　 　　|　|／|　　　　 |　|


┼─
│チラッと外に視線を向けると、雨が降り出していた│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　 ／￣￣＼
　 /ﾉ　 ヽ､_　　＼
. （●）（● ）　　　|
. （人__）　　　　　 |　　雨か
　 |⌒´　　　　　　|
.　 |　　　 　　　　/
.　 ヽ　　　　　　/
　　 ヽ　　　　 /
　　　.>　　　 <
　　　|　　　　 |
　 　 |　　　　 |

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .. ::::::::::::::::: ..
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::｀::.､
　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　′::::、.::::::::::::::ｌ:::::::i::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 　 　 　 　 l:::::::::Aﾄ､ヽ:::::::ｌ::／ｌA:::l:::::::l!:::l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::代ﾋﾘヾlヽ/てﾘﾞﾌV:::::::l!::::l
　　　　　　　　　 　 　 　 l:::::::|　　 　 ｌ　　　　　|:::::::l!::::l
　　　　　　　　　　　　　　ｌ::::::lｉ　　　　　　　　　|::::::l!:::::l
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::|::>､　　 ｡ 　 　 ,｡|:::::ｌ!:::::l　　私が入ってきたときには降ってたわよ
　　　　　　　　　　　 　 　 l:::::|:::::::＞｡、　_,.イ::::|::::ｌ!|::::ｌ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l::::|:::::::::ﾞ片≦ｒ‐┤:::|:::ｌ!:|::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 l:::|::::::::/　||・||:　 V::|::ﾘ::|::::l
　　　　　　　　　　　　 　 /::l::|:::::/　 /⌒|:　　V|/::::|::::l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::l:|>へ､∧　∧　/ ﾞl:::::::|､::ｌ
　　　　　　　　 　 　　_厶イ´l|　 　 ヽ.V／V 　 V::∧｀　ｰ　、
　　　　　　　　　　__/　　　　 　 　 　 ｢:ﾘ　　　　 ヾ:::ヽ　　Y^ヽ
　　　　　　　　　/ ヾ　､　　　　　　　 兀　　　　　　ヾ:::V 厶イ⌒i
　 　 　 　 　 　 {{: : ::＼ヽ|　　　　　 /ハ　　　　　　　VУ: : : : :.ﾉ


　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　　　 　 　　＼
／ 　　　　　　　　　　＼
|　 　　　＼　　 ,＿　　 |　　拙いお……傘なんか持ってないお
/　　ｕ　 ∩ノ ⊃―）／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

34/46
　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : :
　　　　　　　　 　 　 　 　 /: : : : : : : :,': : : : : :|: : : : : : : :,ィ: : : : : : : : l: : : :|
　　　　　　　　　 　 　 　 . : : : : : : : : | : : : : : |: : : : : ／　|: : : : : : : : l|: : : |
　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : | : : : : : |: : : ／‐--.|: : : : : :|: : ﾘ: : : |
　　　　　　　　　　　　　 |: : : : : : : : : | : : : : : |: :∠ｭ　ｚ」 |: : : : : :|:.::/|: : : |
　　　　　　　　　　　　　 |: : : : | : : /´|: : : : : :': /兀下ｨﾐ､ﾚﾍ: : : :Ⅳ斗 : : |
　　　　　　　　　　　　　 ',: : : :.|: : :{　i|: : : : : :|/ 　込こｿ　　 ＼:/歹7|: : :;'　　結構突然だし、普段傘持ち歩いてるような人じゃないと動けないね
　　　　　　　　　　　　　　; : : :.|: : :.:ゝ|: : : : : :|　　　　　　　　　　弋ｿ |: :/
　　　　　　　　　　　　　　i: : : :|: : : : 八 : : : : |　　 　 　 　 　 　 ､　}: : /
　　　　　　　　　　　　 　 }: : : :|: : : : :|. ',: : : : |　　　　　　　 　 ／ /: :/
.　　　　　　　 　 　 　 　 八: : :|: : :／|　 ',: : : l　　　　　　 　 　 ／: :/
　　　　　　　　　　　　／: : : : : :／ 　|　　; : : :', ､　　　￣￣ ／|: :./
　　　　　　　 　 　 ／: : : -‐'￣|　 　 ヽ. ∧: : :∨｀ヽ 　＿／: i |:./
　　　　　　　.　-‐´￣　　　　　.|　　　　ヽ　ヽ: : l .r‐｀ヽ: : : : 八!;'
　　　　　 ／　　　　 　 　 　 　 |　　 　 　 ＼ ＼{.ﾉ　　 }: : : ,′
　　　　 /　　　　　　　　　　　　|　　　　　　 .}二ｲ　　　l: : :∧
.　　 　/　　　　　 　 　 　 　 　 |　　　　　　/＝=|　　　l : /　ヽ
　　　 |　　　　 ヽ　　　 　 　 　 |　　　　　 /　０ :|　 　 lイ 　　 }
┼─
│紅莉栖の言葉通り、外では、通行人が雨宿りしている│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.─┼
　 ii　i ＿＿i＿i＿＿＿＿i_　i　ii　　i　i　　i　　i　i　i
i　i 　|i　　i i　 ::;i;;; ; : i '' 　i|i i'';;:: i　i　 i　i　　i　　i　　 i
　i 　i|　'';:　i　i　''　:::　i　　i|　ii 　　i 　　i　　i　ii　;;;" i
　i i　|i￣i|　i#"i''i;;;　i 　i i::'|;;:: i　　ii　　i　　i　 i　ii　i　i
i　 i　|ii￣￣|i;;:: i ,,i.　 '';;i　i| '' i　　　i　　i　i　　i　　i　i　i
　i :;: |￣i; Λ＿Λ i i , ,;;:i: |i　　i　i　　i　　　i　i　　i
i　 i　|￣i （　・∀・） ':# i :;i,| i　　i :;;#i　　　i　　ii　　i　i
　 i　i|i￣(/　ヾ　, )　;:ii　i　|　i　　i　　i　　ii　　ii　　i　i
　i　i | O（＿,⌒)^)￣|i　:　i|　i　　　i　　i　i　　　ii　　i　i
　i　i |￣￣　し'し'￣￣i|;:;::|i　　ii　　　i　　　i　　i　　ii
.; ; ,; ;|￣i￣i￣￣i￣￣i￣i|i;:::i:' ''　:: ::i .i..,,i ,,ii;　,; i;;;::::,,.i
i￣i￣￣￣￣i￣￣i￣￣￣i￣￣i￣￣￣ii￣￣￣i￣i
ii　　i　　　i　i　　i　　i　　i　　ii　i　i　　i　　　i　　i　　ii

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┼─
│やる夫が自分を棚に上げて笑った│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　 　 　　　＿＿＿_
　 　　　／⌒　　⌒＼
　　　／（ ＞） 　（＜）＼
　 ／::::::⌒（__人__）⌒::::: ＼
　 |　　　　/| | | | |　　　　　|　　本当だお
　 ＼　 (、`ー―'´,　　 　／
　　　　　 ￣￣￣


┼─
│一方のやらない夫は目を細めた　　　　　　　　　　　　　　　 .│
│店の向いで雨宿りしている人の中で見知った顔を見つけた│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ／￣￣ ＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _ノ　 ｀⌒　　 ＼
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 （●).（● )
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （__人___）　　　　|　　………ん？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , =二ニﾆヽ､　　 |
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /　　二 ヽ､V　　　ﾄ､_____
　　　　　　　　　　　　　　　　 /　　　-､ }、j´　　 /:::ﾉ::::::::.｀' ｰ- 、
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /　　　/{_/_､____,.　"／::::::::::::::::::::::..　ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 _/＿__ ノ:::::「､::::::::::／ :::::::::::::::::::::::::::::::::.. '､
　　　　　　　　　　　　　 _/ ::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::. '
　　　　　　　　　　　　　l :::::::::::::ヽ〈:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　　　 ,' .::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::::::::::|
　　　　　　　　　　 　 ,' .::::::::::::::::::ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| :::::::::::／ ||

36/46
┼─
│紅莉栖がやらない夫の視線を追う│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .─┼
　　　　　　　　　　　　/　　　　/　　　　 /　 　 :/
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｉ　　　　　　　 ／|　　　　 　 　 　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |　　　/^|　　　 　 | ／―八: |:　 　 　 | 　 　 　 　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |　　://`|　　　 　 i弌T斥≪ |:│　　 /　:|　:/　　 :|
　　　　 　 　 　 　 　 |　 :｛ {':::|　　　 　 i　とゝ)少癶:|　　:/　 人/　　　 |
　　　　 　 　 　 　 　 |/ 　 ､ヽ| 　 　 　 | :::::::::　　　　∨:厶斥≪|＼|　 │
　　　　　　　　 　 　 /　 　 丶| 　 　 　 |　 　 　 　 ∠ ｲ　V)少癶 /　　i
.　　　　　　　 　 　 /　 　 : : : | 　 　 　 |　　　　　　　 /　　::::::::::/ｲ　　 i
　　　　　　　　 　 　 　 . : : : : | 　 　 　 |　　　　　　　´　　　　 厶:　　　|　　　どうしたの？
　　　 　 　 　 ／ 　 . : : : : : : :|　　　　 :|　　　 r:::::，　　　　　ｲ: : :　　　|
　　　 　 　 ／　　. : : : : : : :厂|　 　 　 :|　　　　　　　 　 イ　│ : : 　　 |
　　　 　 ／　　. : : : : : : :／　 i　　　. : :|＼ 　 　 　 . : : : :|:　│: : : 　 i |
　　　　　￣ ／￣￣　＜　　　i　 　 : : :l｀　`ァ=＜: : : : : :|:　│: : : 　 i |
　 ／ 　 　 /　　　　　　　＼ 　i :　　: : :|　':/牙| i: : : 丶: :|:　│: : : 　 i |
. /　　　 二二ﾆﾆ二二　　　＼i : 　 : : :|//＿| |ﾉ.:.: : : : :､|:　│: : :　/j/
/／_. : . : . : . : . : . : . : . :＼＼八　 : : :.|/　｛ l小.: : : : : : :ヽ　| : : : / ,'　
´. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : ＼＼|＼|: :.| 　 l. ﾚﾍ.ヽ: : : : : : ﾄ､| : : / /　
. : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . : . ∨ } /＼|＼ ∨ﾍ. 》 ＼xヘ: l　| : /


┼─
│其処には買い物の帰りだろうか、　　　　　　　　　　　　　　│
│沢山の荷物を持って雨宿りをしているさくらが立っていた│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　　 ,へ、
　　　　　　　　　　 ／　　　ヽ＿ ｧ‐‐==＝､、
　　　　　　　　　 厶-‐v‐─- ､`ｰ､　　　　》
　　　　　　　　／::::::::.::::::::::::::::::`::.::＼　　 ﾉ
　　 .　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼ｲ}
　　　　　 /:::l::::::::l: l:::il :l::: ::l::::ｌ:::::::::::ﾊ彡ﾄ､j
　　　 　 /::::|:::::::::!:|::::iｌ::ｌ!::::|::::::l:::::::::ﾏﾊ:::ﾊ::::＼
　　　　　ﾚﾍj::::::斗ﾍ､ﾊ;:x‐L_/+､:::::::ﾔ」:::::}ﾍ:、》
　　　　　　　.`≧i}yrfﾄ 　 　ィfミv::::ﾚ1彡人:::Y
　　　　　　 　　ﾊ ﾋ,ﾘ　　　 ｌｰ':ﾘ l|:::f)ル'′}::::}}
　　　　　　 　　从￣　 '　　￣｀ |::::ﾚ’::L__レ'′
　　　　　　　　 i::::ﾄ.、 ‐-　　　　ｲ|::::|::::::::::::|
　　　　　　　　 !:::::|! ＞r-　 ＜ .|j::::ﾊ:::::::::::!
　　　　　　　　 |::::ﾉ ,ィ{{ 　　,ｲ7¨|::::ﾄ、:::::::::|
　　　　　　　　／,ｲ: : |ﾄ､.／:: ｲ .|::::| 》、::::::|
　　　　　　　/　'" |: : j／: : :,ｲ' .,ﾊ::j".　＼::!

37/46
　　　　　　　　　＿＿＿_
　　　　　　　 ／⌒　　⌒＼
　　　　　　／　（⌒）　（⌒）＼
　　　　 ／　 ::⌒（__人__）⌒::: ＼　　　美人だお！
　　　 　|　 　 　　　|::::::|　　　,---、
　　　　 ＼ 　 　 　 `ｰ'　　　しＥ　|
　　　 　／　　　　　　 　　　 l､Ｅ ﾉ
　　　／　　　　　　　　　　　 ｜　|
　　 （　　 丶- 、　　　　　　 ヽ_／
　　　　`ー､＿ﾉ


┼─
│感心したようなやる夫の言葉に、紅莉栖も頷く　　　　　　　　　　　　　　　│
│それから、悪戯っぽく笑ってやらない夫に向き直り……目が点になった│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　..　　　　─┼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .. ::::::::::::::::: ..
　　　　　　　　　　　　　　　　 ／::::::::::::::::::::::::::::::｀::.､
　　　　　　　　　　　　　　　 .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　　　　　　　　　′::::、.::::::::::::::ｌ:::::::i::::::::::::::::::::
　　　　　　 　 　 　 　 　 l:::::::::Aﾄ､ヽ:::::::ｌ::／ｌA:::l:::::::l!:::l
　　　 　 　 　 　 　 　 　 ｌ:::::::代ﾋﾘヾlヽ/てﾘﾞﾌV:::::::l!::::l
　　　　　　　　　 　 　 　 l:::::::|　　 　 ｌ　　　　　|:::::::l!::::l
　　　　　　　　　　　　　　ｌ::::::lｉ　　　　　　　　　|::::::l!:::::l　　でも、やらない夫もやっぱり男の子……あれ？
　　 　 　 　 　 　 　 　 　 l::::::|::>､　　 ｡ 　 　 ,｡|:::::ｌ!:::::l
　　　　　　　　　　　 　 　 l:::::|:::::::＞｡、　_,.イ::::|::::ｌ!|::::ｌ
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 l::::|:::::::::ﾞ片≦ｒ‐┤:::|:::ｌ!:|::::ｌ
　　　　　　　　　　　　　 　 l:::|::::::::/　||・||:　 V::|::ﾘ::|::::l
　　　　　　　　　　　　 　 /::l::|:::::/　 /⌒|:　　V|/::::|::::l
　 　 　 　 　 　 　 　 　 /::::::l:|>へ､∧　∧　/ ﾞl:::::::|､::ｌ
　　　　　　　　 　 　　_厶イ´l|　 　 ヽ.V／V 　 V::∧｀　ｰ　、
　　　　　　　　　　__/　　　　 　 　 　 ｢:ﾘ　　　　 ヾ:::ヽ　　Y^ヽ
　　　　　　　　　/ ヾ　､　　　　　　　 兀　　　　　　ヾ:::V 厶イ⌒i
　 　 　 　 　 　 {{: : ::＼ヽ|　　　　　 /ハ　　　　　　　VУ: : : : :.ﾉ

38/46
┼─
│其処には既にやらない夫の姿は無く、代わりに一万円札がポンと置かれていた│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .─┼

　　　　／fﾞﾍt､｀-､_
　　／f~´　 iﾞ;;'､';;t､｀'‐ ､
　　＼(z､　　　｀｀ﾂr;;';;ゞz;;｀'‐ ､
　　　　｀'‐､ゞ､_　'´　`ﾞﾞ　ゞﾈ'ﾞ‐ヾミｰ ､_
　　　　　　　｀ﾞ'-､ゞ ､　　　　　_,ノ;／／
　　　　　　　　 　 ｀ﾞ''-､ゞrt.;.ォ／／
　　　　　_　　　　　　　　　　ﾞ､／


┼─
│やる夫が呆れたような、感心したような声を上げる│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.─┼
　 　　　＿＿＿_
　　　／　　 　 　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　 （●） 　（●） ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　知り合いかお？
./　　　　 ∩ノ ⊃　　／
(　 ＼　／ ＿ノ　|　 |
.＼　“　　／＿＿|　 |
　　＼ ／＿＿＿ ／

39/46
┼─
│紅莉栖は少し困惑する　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
│知りあいだろうが、恋人だろうが、やらない夫がこうも行動的な人間だとは思わなかったのだ│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　　　　i: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : i
　　　　　　　|: : : : : :: : : : : : : : : :.l: : : : : : : : : : :| : : : : : |
　　　　　　　|: :|: : l: : : : : : : : : ヽ:|: 从:斗:‐ｌ: : : |: : : : : ::!
　　　　　　　|: :|: : ﾄ: : : : :.＼: : : ::!/ ,孑㌣圷､: :l‐ ､: : : :|
　　　　　　　|: :l: : :l: ;斗ヾ: : :＼: :| / 弋z少!: : ::|､　!: : : |
　　　　　　　}::∧: :|,ｨ孑ﾟ外＼: :ヾ!　　 　 　|: : : |｝jﾉ: : : :|!
.　　　　　　　!: : :ゞi　弋炒　　｀　　　　　　 |: : : |´: : : : : |l　　　………
　　　　　　　 }: : : : :ﾍ　　 　　,　　　　　　　|: : : |: : : : : ::,':l
.　　　　 　 　 l: : : : : ::ヽ　　　　　　 　　 　 |: : ::ﾊ: : : : :/: :!
　　　 　 　 　 !: l: : : : :|: ＼　　´ ￣　　 ／|: ::/: : : : ::/: : :',
　　　 　 　 　 |八: : : ::|: : : :＞...　__　イ＿ |: /: : : : : :|: : : ∧
　　　 　 　 　 |: : ヽ: : :!: : : : ﾊ::.::「ｒ‐=く 　 |/: : : : : : :|: : : : :ﾍ
　　　 　 　 　 |: : : ::＼|: : : /　!::ﾘ｝o＿i 　 |: : : : : : : :|: : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : : :/　 ∨ﾉ　　∧　.|: : : : : : : :|: : : : : : : : :＼
　　　 　 　 　 |: : : : : : : :/＿.ｨ'::.|/　/::.:ﾍ .|: : : : : : : :|: : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　r‐'´￣￣´　　　{::.::j　/::.::／｀|: : : : : : : :|｀￣￣￣｀7ー‐ ､
　　　　　　/　l　　　　　　　　〉､:ﾚ_::／　　人: : : : : : :|　　 　　 /　 / 　 i


┼─
│少し寂しそうに呟き、紅莉栖も千円札を一枚置くと、立ち上がり店を出ていった│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　 ,/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::ヽ,
　　　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ll::l:ヽ,
　　 .l::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::ヽ;:::::|::::::},ｲ,l:::|
　　 {:::::::::::::::::::::::::::::::::lヾ:＼;;:_ヾ:|:::/(刈l:::|,
　　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::| 〃,イ｀ヽ|:/　ヽ｀ll::|
.　　 l;:::::::::::::::::::::::::::::::::| /乂,;;'. ´　　　　 l:|　　………意外………かな
　　　ヽ;:::::::::::::::::l::::::::::::|　　　　　　 　 　 l:|
　　 　 ヽ:::::l::::::;-,;:::::::::::| 　　　　　　　´　l:|
　　　　 ゝ::::|:::::ヽ_l:::::::::::|　　　　　　　　/:::|
　　　 　 }:::::|::::::::::::l:::::::::::|｀ー-----一´:::::|
　　　　/:::::::|::::::::::/|;::::::::::|　　　/、::::::|´|::::|
　　　./::::::::::|:::::::/　|;:::::::::ﾄ--,,/〃:::::::| .|::::|-、
　　 /:::::::::::/:::／　　|;::::::::|　 〃。ll:::::::ヽ|:/--l,
.　　|::::::::::/／ lヾ、.　|:::::::|　〃彡,llヾ;:::::/ヽ,　|
.　　|:::::::／　　　/ヾ,, ヽ::::|　llヽ_l_/ﾞ　 ヽ;:::::ヽ,|
.　　|::::/　　 　 /　　｀ゞヽ|、ll｀ヽ__|　　　ヽ;::::ヽ,
.　　|:/　　　 　|　　　　　｀ｰ′ ｀l:ヽ,　　　 ヽ:::::|
.　　´|.　　　　 |　　　 　 　 　 　 |::::|　 　 　 l:::::|

40/46

┼─
│後に残されたやる夫は嘆息した│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
　　　　 ＿＿＿_
　　　／　　　　　＼
　 ／　　─　 　 ─＼
／ 　　‐=・=‐　‐=・= ＼
|　 　　 　 （__人__）　 　 |　　やれやれ……何やら難しいお
＼　　　　　｀ ⌒´ 　 ,／


┼─
│やる夫の呟きは、目の前の置きっぱなしにされた札の事か……│
│それとも持っていない傘の事か……　　　　　　　　　　　　　　　　..│
│それとも……… 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.....│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　─┼
　　　　　　　　　　　　　　 ＞─‐-=　､
　　　　　 　 　 　 　 .＞ ´　　　　　　　 ｀＜
　　　　　 　 　 　 ／　　　_ ,. -‐､　　　,- ､　',
　　　　　　　 　 /　 　 　 ,z-‐ ､　　　　　　　 ',
　　　　　　　　./　　　　/ ,ｭz=ﾐ　　　　'了心　ﾍ
　　　　　　　 / 　 　 　 ゝ　　　　　　　 乂zﾂ　　,　　　　
　　　　　 　 ,'　　　　　"""／　 　 ､　　　､"""　 i
　　　　　　　',　　 　 　 　 {　　 　 人　　　}　　　 }　　微妙だお……
　　　　　　　 ゝ 　 　 　 　 ｀ ‐-‐'　 ｀ｰ‐' 　 　 /､
　　　　　　　　/＼　　　　　　　 　 　 　 　 ,ィ´￣}
　 　 　 　 　 /　　 ＼　　ｰ-　＿＿, z= '´　　∠i
　　　　　　 /　　　 　 ＼.　　/　　　　　　 ‐' ´　.|
　 　 　,.＜ム､＿　　｀ﾍ |　/　　　 ／＿_＞--イ｀＞-､
　　／////／.: .:￣〉　　l./　　　∠ィ´: : : : : :////////＼

41/46
………
……
…
┼─
│雨の中、やらない夫のさす折りたたみ傘の下、　　　　　　　　　　　　　　　　│
│やらない夫とさくらはノンビリとした足取りで『入速堂』への道を歩いていた│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼
＼　　 ＼
　 ＼ 　　＼┌┐　　　　　　　　　　　　Π　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─
　　　＼　 　 |::::|　　　　　　　 _,,,,,､.　三| |三　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,'ﾟﾞﾟ'~”“ヽ　　　／　i＿＿
丶　　　＼ 　|::::|ヽ　　　,,,rﾞ~ﾞ~;: ;: ｀~"~ | |　　　　　　　　　　　　　　　　　 .,l°:;: ;: :　;:ヽ,,／ ,,／i
,,､＼　　　'＼|:::.|ﾞ''┌┐´;:: :; ;:;: ;; :; ;:; 　| |　;:"ﾞﾟﾟ“''ヽ,,、.,ｖr'ﾞ"｀:;　　　_,,,xr‐　:;:;: ;:;:: ;: ,／ ,／,,;;/iミミミミ
,,;;/,,;＼　　　'＼|　 |::::|　　;:､;: ;:､;､; ;　 ､| |　［;:;: ;: ;:;　ﾞ“″; :;: ;;　 .z''“'l　;:;　;:;: :; 　;;／,,／,,;;/,,;;/iミミミミミ
,,;;/,,;;/,,;＼,,　　 ＼,|::::|.＼　　 ;､ ｀:､┌ ,| |.┴ｭ　; :;:: ;:　r━,┓凵ｖト　;:;:　;:;: 　　／,／,,;;/,,;;/,,;;/iミミミミミ
,,;;/,,;;/,,;;/,,＼　 　 ＼,| 　 Π　;:;; ;::　|F | |FFF］　;: 　　|FFf┃,i;:;´;:　;:;: ;:;:　　／／,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/iミミミミミ
,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/＼, 　　＼,,　|::|＼、;:､.;.|F | | FFF| ._,;; :;; lFF'f┃［;:　　;: ;:; ,　／／,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;;iミミミミミミ
,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/＼ 　　＼|::|　||　ﾞ､''''"''| |“"ﾟﾞ'~";;:: :;:　l l￣''|;:;:　;:; 　 　／／,,;;/,,;;/,,;;/,,;;/,,;;.,;;/iミミミミミミミ
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　　　 　 　 　 ／.::::::::｀ゝ⌒'´￣｀ー:.､=-￣ﾉ
　　　　　　,イ.:::::::::::::::::'::!::`::::::::::::::::::､:.＼-くﾞ:!
　　　　　/::.,':::::::::,'.:::;:::;:::;:::::::::::::､:::::::::.ヽ::`〈:::i
　　　 ／.:::::.:::.:.:/:.::;'::/.::i::::::::i:::､:.ヽ:.:.:.:.:.､:.:.:i‐-､
　　　 {::':::::i::::::::i::::ｲ:ｲ:i:::ﾄ:::::::ﾄ､::::.:.､:.::::::::::V:!､　 ｀)
　　　 {:i､::::l::::i::i::/ l! {:ﾄ:{ Ⅵ::| ヽ::::､:i::::::::::::iﾉ､＼(
　　　　` ヾ!ヾﾄﾄ!⌒ヽi! ヽ '´￣｀ヾ::ﾉ!:.i::::ノiﾞヽ　 ＼
　　　　　　　　 iﾄ⌒ﾞ　　　 ''¨¨¨ヽ ,':iﾍﾞi:::ノ:ｉ　＼メﾉ　　　有難う御座います。実は困っていたんですよ
　　　　　　　　 ﾊ　　ﾉ　　　　　　/.::ﾄノ!´:::::{二(:::::､＼
　　　 　 　 　 /i:::.､　 ､__,　　　　,:i::.:ﾚﾍ::::::::::､:::::ヽ:.:.､:.＼
.　　　　　 　 /ｲ:::::}丶.　　　 ,　 ,'ｲ::::!　ヽ::::::::.ヽ:::.:.＼ﾄ ､:.＼
　　　 　 　 ノ' |:::ノ　　 丁 ﾟ　,ィl:ﾊ::::!=-､ヽ:::::::::.ヽ:.:.､:.ヽ ｀ｰ-＝‐
　　　　　 ´　　!:;'_... -ｫ¨i　／´ |! {:::l　_i′ ＼::::::::.､:::､:::ヽ
　　　　　　 ,ゝ{::!　／ | ／　　　!,..|:::!￣＼　　｀ヽ:::::ヽ:::､:::i
　 　 　 　 /　 ﾘ／　／　　　／　 }:ﾉ.　　　＼　　i::::::::i::::}:::i
.　　　 　 /　 ／ .／　　　／　　 ﾉ'　 　 　 　 ＼ |:::::::j::::;::::ヽ.


　　　　　　　 　 ／￣￣＼
　　　　　　　 ／ _ノ　 ヽ､_ ＼
　　　　　　　.|　（ ●）（● ）　|
　　　　　　　.|　　（__人__） 　│　　突然の雨ですからね、仕方ないですよ
　　　　　　　 | 　　｀⌒ ´　 　|
　　　　　　　 .| 　 　 　 　 　 |
　r､　　　 　r､ヽ　　 　　　　/
　ヽヾ　三　|:l1.ヽ　 　　　 /
　　＼>ヽ　 |｀ ｝ >　 　　 <
　　　 ﾍ　lノ `'ｿ 　　 　　　ヽ
　　　　　/´　 /,1　　　 　 |　|
　　　　　＼ ノ .｜　　　　 |　|

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　　　　　　　　{　 ヾ＼　__/.::У.:.ヽ,.=ﾆ二ゝ
　　　　　　　 r'　,ゝ'.´￣.:::::.`⌒ く　　､__ 　 〉
　　　　　　　 |／.:::::::::'＾ヽ:::::::::::::::::.￣＼　　i_
　　　　　　 ,.ｲ::::::::/.::::::;::::::::::::::::::::::､:::､::::',　 /
　　　　　 ,:::〃:.:.:/:.:.〃.:::/i::::.:.:.i:.::.:.ヽ:.ヽ:.', ,}
　　　　 ,〃:..:..:.:/.:..:/.:.;::/ i::::.: :.|::: .:.::.}:.. .:.〈｀ヽ
　　　　 ｲ::::::::::;'.::::/;:::/i:!　|:i:::::.:ﾄ､::.:::::l::::::i:::}､　＼
　　 　 ′:::::j!::!-‐'-:::ﾄ､!　 i!_i::::|__ﾘi!:::l::::::|:ﾉ　ヽ　ヽ.
　　　　　￢' ﾍ! 行ﾃヽ`　　' ,ィ=ﾐヽﾚi,}:::::i､ヽ　　　 ﾊ
　　　　　　ヽ（|:i ､匕_ﾉ　　　 ' r:' |ﾞゝｲ､:∧　.＼,-くノ　　はい、でも……今日はついていました
　　　　　　〈　|ﾍ　　　　 ,　 　 ﾟ ‐' /::|ﾉ､　∨　 ｀)
　　　　　　　｀|::ヽ.　　 ､＿, 　 　 ,:;|:::|:::∨ﾍ,ゝ‐"
　　　　　　　 ,::::ﾄ' ＼　 　　　 .イ´ !:::!::::::::.:.i
　 　 　 　 　 ;:::::! 　 ,.|　ｰ＜ 　 |,､ |:::|::::::::::.:i
　　　　　　,ｨﾞ!::::ﾄ／ ｲ　　　 ／／`|:::|::＞､:.:i
　　　 　 ノ　 :::::!　　| !　 ／／　＞|:::|´　　､:i
　　　 イ　　 i::::l　　 ! l／／　／　 |:::|"´　　＼　
　　　　　　　ｌ::::l　　 l／´　／ ,.:::::. }:::!　　　　　ヽ
　　　　　　 :. !'ﾍ .／ 　 ／　'"´　　|/　　　　　　 ヽ


　　 ／￣￣＼
　／　　 _ノ　　＼
　|　　　（ ●）（●）
.　|　　　　（__人__）　　そう？
　 |　　　　 ｀ ⌒´ﾉ
.　 |　　　 　　　　 }
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　,.へ､
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /:::::＼ミゝ= ､　　　　　　＿_
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾉ';;;;;;;;;;;;;;――;;､＿ ,;;-;;､;;;;＼:::::{_
　　　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;＼;;;;∨（
　　　　　　　　　　 　 　 r―彡ｲ;;;;;/;;;;;;;;;;;/;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ}'´
　　　　　　　　　　　　　 ソ'´:::,';;;;;/;;;;;;;;;,.ｲ;;;;ノ!;;;;;|!;;;;;;;;;､;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ
　　　　 　 　 　 　 　 r'´:::::::::::|;;;;;i;;;;;;;;;/-リ、 |!Ⅵ!Ⅵ;;;;;;;}、;;;;;;;;;;;;;;;}
.　　　　　 　 　 　 　 ヽ:::::::::::八;ソ-r､{!ｨｫｯ ﾐヽ ヾ! ヾⅥjﾑ;;;;;;;;};;;;};;|!
　　　　　　　　　　 　 ノ:::::::/::::/ 'l;;;;!　弋rリ.}　　　'´,.ｨｫｯ､,j;;;;,ﾉ /} }、　　はい、だから今、こうしてやらない夫様と歩いています
　　　　　　　 　 　 　 ＼:::/ヾ'∧ l;;;;l､　｀¨¨　　　　 弋rリ ゛ｲｲﾉ//ノ
　　　　　　　　　　 　 　 ヾ　 j;;;;｀l;;;;| ｀ー　 　 　 ! 　 ｀ ¨´/;;;;l:::::::::::〉
　　　　　　　　　　　　　　　 /;;;;;;;|;;;;ﾄ､ 　 　 、　 '　　　　/_|;;;;ﾄ､::::
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /;;;;;;;;;;|;;;;|;;;| 、　 　 ￣　 　 ノ;;;;;!;;;;!､∨
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;l;;;|　丶　＿　 r;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 i;;;;;;;;;;;;;/l;;;;lヾ、　　　 　　|)}!＼;;;;;;|;;;;|;;;;;;;;;＼
　　　　　　 　 　 　 　 　 |;;;;;;;／ :|;;;;l ヽ＼　　　　//　　ヾ┤;;j- ミ､;;;;;＼
　　　　 　 　 　 　 　 , -┴'　 ＼}|;;;;;l 　＼＼　／/　　　　}!;;;;|　　　＼;;;;＼
　　　　　　　　　　／　　 　 {.　 ｀|;;小､　　＼У,/ 　 　 ,/ |;;小、 　 　 ＼;;;;＼


┼─
│冗談とも本気とも天然ともつかないさくらの言葉にやらない夫は少し赤くなる│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ─┼
　　　　　 　 　 ,,..-‐‐-..、
　　　　　　　 / 、_　　　 ヽ
　　　　　　 ./　 ┬　　　　ヽ
　　　　　　 lィ　 　、　　　　l
　　　　　 （__,、＿ﾉ　　　　,'
　　　　　　ヽ　　　　　　　/
　　 　 　 　 |　　　　 _|　 l、
　　　　　　 .ヽ-ィ''"´./　 .〉ヽ.._
　　　　　　　 _,,-|　 /　 ./:::::::ヽ｀ヽ、
　　　　　_,,-''／/ヽ 　 ./::::::::::::::ヽ、ヽ
　　　　 /:::::>::/、_,,..-'/<´｀"''‐-,,_ヽ::::＼
　　 ,、/::::::|::/　　　 ./／:::::::::::::::::::::::::::::::|

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　　　　　　　　　　　　 ,へ、
　　　　　　　　　　 ／　　　ヽ＿ ｧ‐‐==＝､、
　　　　　　　　　 厶-‐v‐─- ､`ｰ､　　　　:》
　　　 　 　 　 ／::::::::::::::::::::::::::::`::.::＼　　 ﾉ
　　 .　　　 ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::＼ｲ}
　　　　　 /:::l::::::::l: l:::il :l::: ::l　ｌ:::::::::::ﾊ彡ﾄ､j
　　　 　 /::::|:::::::::!:|::::iｌ::ｌ!::::|::::::l:::::::::ﾏﾊ:::ﾊ　＼
　　　　　ﾚﾍj::::::斗ﾍ､ﾊ;:x‐L_/+､:::::::ﾔ」:::::}ﾍ:、》
　　　　　　　.`≧i}yrfﾄ　 　 ィfミvj::::ﾚ1彡人　Y　　　やらない夫様は、今日はどうでしたか？
　　　　　　 　　ﾊ ﾋ,ﾘ　　　 ｌｰ':ﾘ l|:::f)ル'′}　 }}
　　　　　　 　　从￣　 '　　￣｀ |::::ﾚ’::L__レ'′
　　　　　　　　 i::::ﾄ.、 `ｰ "　 　ｲ|::::|::::::::::::|
　　　　　　　　 !:::::|! ＞r-　 ＜ .|j::::ﾊ:::::::::::!
　　　　　　　　 |::::ﾉ ,ィ{{ 　　,ｲ7¨|::::ﾄ、:::::::::|
　　　　　　　　／,ｲ: : |ﾄ､.／:: ｲ .|::::| 》、::::::|
　　　　　　　/　'" |: : j／: : :,ｲ' .,ﾊ::j".　＼::!


┼─
│さくらの言葉にやらない夫は遠くを見詰める　　　　　　 .│
│旧友との思いがけない出会いと、昔の恋人との出会い.│
│今までだったら、ついてないと言い切ったかもしれない..│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼


　　　　　　　　　　　　　　／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　..／　　　　　　＼
　　　 　　　　　　　　　| 　　　　　:　:::::::|
.　　　　 　　　　　　 　 |　　　　　:::::::::::::|
.　　　　　 　　　　　　　|　　　 　 :::::::::::::|
　　　　　 　　　　　　　 { 　 　　 :::::::::::::::|
　　　 　　 　　　　　　　{ 　 　__＿＿／
　　　　　　　　　　　　　(, .／_.,r'ﾆﾆ'r
　　　　　　　　 　　　　ﾝ:`三ｰ`_:ニﾆ:'r
　　　　　　　　　　＜:::::::::::､ニ,´::::::::::::::::＼
　　　　　　　　　　,.-''´::;:､::-;::::::::::::::::::::::::ｒｌｯ

46/46
┼─
│だけど……　　　　　　　　　　　　　　　　│
│やらない夫はさくらを見る　　　　　　......│
│さくらはニッコリ笑って小首を傾げた　.│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　...─┼
　　　　　　　　 ,-=:､　　　　,..　 _
　　　　　　　　{　 ヾ＼　__/.::У.:.ヽ,.=ﾆ二ゝ
　　　　　　　 r'　,ゝ'.´￣.:::::.`⌒ く　　､__ 　 〉
　　　　　　　 |／.:::::::::'＾ヽ:::::::::::::::::.￣＼　　i_
　　　　　　 ,.ｲ::::::::/.::::::;::::::::::::::::::::::､:::､::::',　 /
　　　　　 ,:::〃:.:.:/:.:.〃.:::/i::::.:.:.i:.::.:.ヽ:.ヽ:.', ,}
　　　　 ,〃:..:..:.:/.:..:/.:.;::/ i::::.: :.|::: .:.::.}:.. .:.〈｀ヽ
　　　　 ｲ::::::::::;'.::::/;:::/i:!　|:i:::::.:ﾄ､::.:::::l::::::i:::}､　＼
　　 　 ′:::::j!::!-‐'-:::ﾄ､!　 i!_i::::|__ﾘi!:::l::::::|:ﾉ　ヽ　ヽ.
　　　　　￢' ﾍ! 行ﾃヽ`　　' ,ィ=ﾐヽﾚi,}:::::i､ヽ　　　 ﾊ
　　　　　　ヽ（|:i ､匕_ﾉ　　　 ' r:' |ﾞゝｲ､:∧　.＼,-くノ
　　　　　　〈　|ﾍ　　　　 ,　 　 ﾟ ‐' /::|ﾉ､　∨　 ｀)
　　　　　　　｀|::ヽ.　　 ､＿, 　 　 ,:;|:::|:::∨ﾍ,ゝ‐"
　　　　　　　 ,::::ﾄ' ＼　 　　　 .イ´ !:::!::::::::.:.i
　 　 　 　 　 ;:::::! 　 ,.|　ｰ＜ 　 |,､ |:::|::::::::::.:i
　　　　　　,ｨﾞ!::::ﾄ／ ｲ　　　 ／／`|:::|::＞､:.:i
　　　 　 ノ　 :::::!　　| !　 ／／　＞|:::|´　　､:i
　　　 イ　　 i::::l　　 ! l／／　／　 |:::|"´　　＼　
　　　　　　　ｌ::::l　　 l／´　／ ,.:::::. }:::!　　　　　ヽ
　　　　　　 :. !'ﾍ .／ 　 ／　'"´　　|/　　　　　　 ヽ


┼─
│さくらに返答しながら、やらない夫は思う　　　　│
│やっぱり、俺は変わったのかもしれないな、と...│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　─┼

.　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 _______
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／　　　 ＼,-、__
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／_,ノ 　｀⌒　ヽ.,__　ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　(⌒ ) （⌒ ） ,.! ┴-'、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　 (___人___）　〉-‐‐´　l　　そうですね………
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.|　　　　　　　 〉--‐´　l
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　　　 　　　iヽｿ　 　l　　結構、ついてると思います
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Λ　　　　　　∧｀;"　　 '、
　　　　　　　　　　　　　　　　 　　 __,. ｨ仏 ___、___ ｨ_ノﾍヽ、 _,.‐ｰ、_
　　　　　　　　　　　　　　_,. -= '''　.:::::::}:::::::::::::::::::::::／::::::::>´..:::::::.. ヽ｀.､
　　　　　　　　　　　　ノ´ ...::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈 :::::::::::::::...＼::ヽ
　　　　　　　　　　／ ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ::::::::::::::::::.. ヽ:}

　　　　　 ／￣￣￣￣￣ヽ　　　　八話おしまいですー。　　
　　　　　”　＿　 ＿　＿＿ヽ　　　　　
　　　　｜　｜　｜　｜｜ ..V　　　原作者のＡＲＣＨＩＶＥＳさんの作風が90年代のラブコメで、
　　　　 | 　 /　 ノ　 ｜ ｀ヽ |ヽ
　　　 　｜ /　 ● 　　　● |　ヽ　 本作もその要素は入れていくのですが、なかなかどうして難しいものです……。
　∬　　 （|　⊂⊃ ､_,､_,　⊂l　 ）
　　・━i⌒ヽヽ　　（_.ノ 　　ﾉ　　　 .次回は明後日、5/2（水）の20：30からです。5/4、5/6も投下予定。
..　　　 ヽ 　ヽw＞､ __,　イW　　　　　
　　　 　∧__,ﾍ}::ﾍ三|:::::/ｌ|　|＼ 　 .ではでは、次回予告ッ！

┼─
│入速堂に訪れた三人目の客は、噂の彷徨う魂、ジョセフ・ジョースター│
│だが、彼は肝心の心残りを覚えておらず……　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　 ─┼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ＿,,. .,_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　∠、: :＿_｀＼
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 | ｉ 下川ﾉﾉﾌl
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ﾄ/《｀丁ﾌﾊﾉl
　　　　　　　　　　　　　二　 　 　 ｒNｒｔﾄ､､ｒ≦Vi）　　　　　いやー、これこれ、これじゃよ！
　　　　　　　　　　　　　　力　　　 トｌｉ￣〈lｊﾉｰ lﾐ!
　　　　　　　　　　　　　 　 ッ　 ＿l |ｌｌi「ｆ三ｦリlﾐ!　　　　　死んでも食い物を口にする事は出来るが、
　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿/ ＼_l＼li⌒ﾘノlﾐ!＿___
　　　　　　　　∠二＞'´￣　ノヽ　 /∧::￣´　l　 //l |　 　ワシ一人だと買う事はできなくてな
　　　　　 ,　'´‐─- ､　＼￣　　 ＼/　:＼＿__l／/::Lﾄ､
　　　　 / ／￣￣＼ ＼　ヽ　　　-─＝＝ ／.／__　＼ヘ-､
　 　 　 | l:|　　　　/　＼.＼ ､　　　　´￣￣￣.:::::::::´￣ ｀ヽ　＼
　　　＼l／/ ,.イﾌﾇヽ　 ﾊ　ヽ＼　　　　　　　 :::::::::::.　　　　 ＼ ヽ
　　　 ＼ヽ / /／ /∧.ﾉ　}　 |: : ヽ.,　　＿＿.:::::-‐-:::::..,,__　 　 !人
　　　 /　ヽ|‐i---'一ァ　　| ./∧ : : ￣: :_:　--──--＜: :｀ヽ }　 |　

┼─
│魂の案内人、燕と共に、死人のくせに元気な彼の心残りを探すやらない夫│
│参考にと聞いたジョセフの死因とは……　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　　　　　　　　　... ─┼
　　　　　　　　　　　　　　 ／￣￣＼
　　　　　　　　　　　　　／　　 _ノ　　＼
　　　　　　　　　　　　　|　　 　（ ●）（●）
.　　　　　　　　　　　　　|　　　　　（__人__）　　……分かっただろ
　　　　　　　　　　　　　 |　　　　　｀ ⌒´ﾉ
.　　　　　　　　　　　　　 |　　　 .　　　　}　　　忠告、ありがたく受け取っておくだろ
.　　　　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　 　 }　　　　　　(
　　　　　　　　　　　 　 　_ヽ　　　　　ノ｀ヽ､_　　　　 ）
　 　 　 　 　 　 　 　 _/｜＼ `　､,__ ､小　L　￣ ヽ （
　　　　　 　 　 　 _, ハ　 ＼　｀ ァ､　/ﾍ,レ―‐‐､__i__,）
　 　 　 　 ,　-‐ ´　　 ,ゝ 　 ＼/ _ 又／　 　 ,ヽ＼丁
　　　　　/　　 ヾ. 　 　＼ 　 　, ｲ{｀<　　 ＿ ,ィ 〉〉〉|
　 　 　 /　　｀ﾞヾ＼　　　 ヽ／　ヽ＼｀く´　/ ｀ｰ(/　|
　 　 　 !　　 ´⌒｀ ヽ　　／　　 　 ｀ーヲ｀〈　 　 i 　 !
　　　　　　　　　　　　　 ＼三ミｪｪｭミノ}￣￣￣
　　　　　　　　　　 　 　　__二ニ＞'"´ ,'./|
　　　　　　　　　　　　　/ r―‐'7::::ィ´// :|
　　　 　 　 　 　 　 　 //::}　　/:::::l　// . :|
　　　　　　　　　　　 //:::::|　/::::::::ゝ'/　　:ヽ＿

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　　　 (　　　　＼　　　　　　　 　 　 　 　 ＼　　　　　　 　古書店『入速堂』
　　 　 ＼　　 　 ＼　　　　　　　　　　　　　 ＼
　　　　　 ＼ 　　 　＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　　　　次回　第九話　彷徨う魂
　　　　　 　 ＼　 　　 ＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 ＼　　　　＼　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　　5月2日　20：30投下予定
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　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼　《 三三三三三三三三三=
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