目次
965 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:22:57 ID:AgOyW17k
. .. : .. .. .::::ノ
⌒ヽ '⌒ヽ
.:ノ⌒ヽ .. .: ..::::::::) ||` 、
. .::ノ.:.... ⌒ヽ || ` ‐-ゞ';
.. .:::'⌒ .. .....::::ノ'⌒ヽ || ゞゞ';ゞ';ゞ';
.: : . '⌒ヽ .....::::::__||__ ゞ';'爻ゞ';ゞ'ゞ';
... .::ノ'⌒ヽ /二二||二/ヽゞ';ゞ爻';ゞ';ゞ';ゞ';
| || | | ゞ';ゞ';l|ゞ';爻ゞ'iゞ';
__.. -‐=…. . .: .: ̄:: .. ` …=‐亠x.」 | |li:l!ゞ';il!ゞ';ゞ';
;" ' " ;" ' " ;" ' " ;" ' " ;" ' " ;" ' "ノ川"_..ィf
;" ' " ;" ' " ;" ' " ;" ' " ;" , ' " _.'ィ'i"i :l:'′ 俺んちは田舎で、子供の頃から絶対入るなと言われていた部屋があった。
; " ' " ;" ' " ;" ' " ;" ' " ;" ' " " ..ィi"´」 .:レ'l/′
;" ' ";" ' ";" ' ";" ' ";" ' ";" ' ".. ィ "´!´..:|'爻r'」´!.,:′. :
;" ' ";" ' ";" ' ";" ' ";" ' _..,ti :l| ゞ';"´!:.爻:. , '′
;" ' ";" ' ";" ' ";" _.. -'"i! :| :| .t!'"| .:|..:」::...爻ゞ';
;"';.. .";" _ .イ" l| :l| 」.t''"「.:l| i,i´:l!.:ゞ';′
.. ;... ._...ィi :|! :l| _..:'!´ :l| l!..''t":|..}/ル′. :
|┃
|┃ ____
|┃/⌒ ⌒\
|┃ (―) (―)\ 入るなと言われれば入りたくなるのが人情ってもんで、
───|┃⌒(__人__)⌒:::::\
|┃ | 俺は中学生の頃こっそり入ってみた。
|┃ /
|┃ \
|┃ \
====‐|| || ニニニニニニ____________
' ̄ ̄ ̄||| | ┏━┯┯━┳━┯┯━┳━┯┯━┳━┯┯━┓
|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼士─┃
|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼|\, ̄■]\, 何て事は無い、普通の部屋だった。
|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼||\\ \
、 _,,|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼||\l\| ̄ ̄ ̄| 変な雰囲気もないし、
'ヽ,/ || | ┣━┷┷━╋━┷┷━╋━┷┷━╋━┷||\l\|| |
./″' ..|| | ┃| ┃ |┃| ┃ ||\l\|| | 窓からはさんさんと日光も入ってきて、何も怖くない。
|| | ┃| ┃ |┃| ┃ ||\\.|| |
/ ̄ ̄jl ━━━┻━━━━┻━━━━┻━━ヽ、| 。}|| |
/ /i___,,;;;;;:| ;;; ;;;;;;\;;;;;;;;;;;;::. \| || |
. ,.∠___/ ´x /,,,,;||__________\;;;;;;;;;;;;;. \ || |
´ || ̄ ̄ ̄||ー―‐',, ,,,,:.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \::::::::::: ~  ̄ ̄ ̄
- 966 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:23:11 ID:AgOyW17k
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ なんだ、ただ単に部屋を散らかされるのが嫌で
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / あんな事言ってたのか、と思い拍子抜け。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
.____ .,-'"~"'ヽ
./⌒ ⌒\./ 。○)
./ (ー) (ー.ノ / 退屈ということもあって、その場で眠ってしまった。
.| (__人___く___,ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー―--‐一'" ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ _/
/ l ヽ それでも金縛りにも全然あわないし、数時間昼寝して起きた。
. / /l 丶 .l
/ / l } l 寝てるときも起きてるときも怪奇現象一切無し。やっぱり全然怖くない。
/ユ¨‐‐- 、_ l !
_ / ` ヽ__ `- {し| 入るなと言われてた部屋だから、怖いのを期待してたのに・・・
/ `ヽ }/
/ //
,,, __ ___ _/ /_/
- 967 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:23:28 ID:AgOyW17k
____________
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
|::|三三三三三三丁三三三三三三|::|
|::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|
|::|::::::::::::::r=z:::::::::::::|::::::::::::::r=z:::::::::::::|::|
|::|============个============|::|
|::|::::::::::::::r=z:::____ ::::::r=z:::::::::::::|::| 部屋を出るときに、何気なく部屋にあった
|::|:::::::::::::::::::/::: \::::::::::::::::::::::|::|
|::|=====/:::::::::: \:======|::| タンスの引き出しを開けたら、
|::|::::::::/:::::::::: \ ::::::::::|::|
|::|::::::::|::::::::::::::: |:::::::::::|::|
|::|=/⌒::::::::: ⌒ヽ/ ====|::|
|::|/:::::::::::: \:::::::::::|::|
|:/::::::::::::: \ ヽ:::::::|::|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;|;;;;;;l ゙!;;;;;;;|| ||;;;;;;;;;;;;'.l.,|;;;;;;l:リ‐;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;!;;;;;」-|;;;;;」 l |;;;;;;;;;;ノ|;;;;,,レ' ゙ヾ|;;;|;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|_,ィ'" `ヾ  ̄  ̄ { o● };;;;|;;;;;;;;;ト;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;||i o● } ヾ、,___.ィ|;;;;;|;;!;;;;|リ;;;;;;;;|
|;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;|代 , ,,ノ ||;;;|;|;;;;;;;トリ;;;;;;;|
|;;;;;!;;;;;;;;|;;;;;;;;;;;|l  ̄ |.|;;|;;|';;;;;レ';;;;;;;;;|
|;;;;;|;;;;;;;;!;;;;;;;;;!;t| ` ´ | |;;|;リ|;;;;|;;;;;;;;;;;;|
|;;;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;|'.、 ! .゙゙ノ`‐;;;;;;;;;;;;;;;;|
/.::::::::`ヽ;;;;;;;|;;|`ィゝ、 ., イ;;;;;;|;;;;;i::_,:ィ'"´
.′:::::::}::::::::::.、:;|:;|;;:;:;:;:;ハ丶、. ,,ィイ|;;;;;; ;;;;;|;イi
jルi::::,ハノi|::::}` |;;|:;:;;;:;:;:;ハ::::::``:::::‐‐:::´´::::::::|;;;; ;;;イi
|人{:::::::jルノ |∧;;;;レヘノ.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ィハ
`コヽ从、 く\\ `ヽ、.:.:.:.:.:.:.:.:.:./ //`ヽ、
く}ニニニ{7、
/:| i'::::i
/.:│ |:::人
/..:::::|____ji:::::...\
.′.:::::7ニニニニ{ハ、:.:...{ 和風の人形(雛人形を小さくしたような感じ)が一体だけ入ってた。
. {..::j.:::::{ } \:....\
ヽ .:::/| -r :| ヽ:.:....ヽ 人形が入っている引き出しはそれだけで、
. }:/ :| | ;:.:.:.:...}
. ノ.′│ :| {:.:.:.:..{ 他の引き出しには普通に着物とかが入ってた。
〈/ | .:::| `⌒^
i;...._,.:.::::i こえぇええと思った。
! }:.:.::|
: .:.;
; ,
{ :{
{辷_j___彡
辷}コ}
- 968 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:23:41 ID:AgOyW17k
rr=ォ __ ____. rr=.ォ
__. ィ|l.´: : : : : : : : : : : : : : |ilー!} 、
`ア.: ::|l/ : ll : : : : : : : : : : : 乂: : : : \
/: : :/:/ : :八 : : ト、 : :ト、 ヽ: : |: : : : : : :\
ー イ: ー=彳:'yレ \: l `、| `、i: : |: |: :j: ::ト、: :ヽ
|: : : :l l:/ |||| ヽ! |||| \l iレく : :l: : l⌒
|: : : :|:i:| |||| |||| |i: :リ }: :ハ: :j
|ハ: :人:.、'''" __ '''"|i 厶イ.:/ }/ 後になって(人形の話とかはせずに)
}/ ヽl`/)ー ‐z┬yz‐‐‐‐ '|/ .|/
( ) r'7l:::V:::::l`ヽ ばあちゃんに聞いてみたら、
厂∨ { `l介「 } 〉
〈__ 〉,j .i. {
\_ノ.〉 ト 人
,, ―‐-‐‐、 _
_,-|》《|} , 、 《|}、 .ノ 、 、
,イ , l/ノレハ/ハヽ〉ヾ、 ─── ● ●) l なんでもあの部屋は親父の妹さん、
ノ,/ /(| | ┃ ┃ ||ハヾ、 ─┬─ (人__) |
´ル/ハ| |、'' ヮ''ノリvV` │ ヽ ノ つまり俺から見ると叔母さんに当たる人の部屋だったらしい。
┌───┴──┐
│__ , -‐―‐‐-、
○ ─── /| / , ヘ ヽ、 タンスの中の物も全て叔母さんの物。
┼ ─┬─ ○ l i レ'ハノハN |
│ |j | | ┃ ┃ | | といっても、もう当時からも30何年も前の話。
- - 、 'ハvN ''' ‐ ''ノN!
/ (● ●)ヽ
ゝ(_人_) ノ
- 969 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:23:57 ID:AgOyW17k
┌ ┐
_ ,, .. --──────┴ ┴-- .. ,, ___
メ^.;⌒メ、─── r¬;:..、_ ────────────┬‐ァ'
r ツ.;:.;.;.;.;.;:;.;::ヾ┬─.ム;.;.:.;;::;..{ ─┬─┬─┐ ┌─┬┬┐ |≦_
y';;:.;.:;.:.;.;:.;.:;;;.:.} ||rf.;;`;::;:;;:;:;:;;::;、─┴─┴─┴┐|//├┼┤ |==ァ'
! :;;:;:;;;:;:;;::;:;ミY⌒ソ;;:;:;;;:::;:;::;:;:f⌒ n _____,!_└─┴┴┘ |爪 家を今の状態に建て替えたのは、
(;;;;:;;:;:;:;:;;;;;:;:::;:;シ'(;;:;;:;::;:;:;;;:;;;:;:;:じiノ;;l 二二二二二二} ======== | |リ
Y.:;:;;;::;:;;;:;:;:;f ヾ;:;;:;;;:;;:;;::;;::;;::;;:Y __ | r=======、 :| | 両親が結婚してすぐのことで、
j ;;;:::;;::;;;:;:;;;;:} || Y;;:;:;;:;:;;:;:;;:;;:;.メ __ |: : : : | | ||十i十i十|| | |
==========================| | | : : 0| |r────i≦千! 将来子供が(まあ俺のことなんだが)
lミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ|| |i三三丁三三| に二コ | | |_
トミ [二二二二二二二二二] ミ||ミ|| |i三三丁三三| _r;;:: .:,, | | |;;;) 出来たときのために、二世帯住宅化したわけだ。
lミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ||ミ|| |i三三丁三三| (;;;;:;:(:;;:;::;:;:);)| |二
==========================| |────‐ └下ミ( ;;:(::;:;;);;;)) |
 ̄「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\トミr=====t| |\
「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 ̄ ̄「 | |二二二二二二二ト、|工工工| |
====‐|| || ニニニニニニ____________
' ̄ ̄ ̄||| | ┏━┯┯━┳━┯┯━┳━┯┯━┳━┯┯━┓
|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼士─┃
|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼|\, ̄■]\,
|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼||\\ \ で、その時に、少し庭を潰して
、 _,,|| | ┠─┼┼─╂─┼┼─╂─┼┼─╂─┼||\l\| ̄ ̄ ̄|
'ヽ,/ || | ┣━┷┷━╋━┷┷━╋━┷┷━╋━┷||\l\|| | 増築したのがまずかったらしい。
./″' ..|| | ┃| ┃ |┃| ┃ ||\l\|| |
|| | ┃| ┃ |┃| ┃ ||\\.|| | その増築したところに建っているのが
/ ̄ ̄jl ━━━┻━━━━┻━━━━┻━━ヽ、| 。}|| |
/ /i___,,;;;;;:| ;;; ;;;;;;\;;;;;;;;;;;;::. \| || | 『入ってはいけない部屋』。
. ,.∠___/ ´x /,,,,;||__________\;;;;;;;;;;;;;. \ || |
´ || ̄ ̄ ̄||ー―‐',, ,,,,:.|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \::::::::::: ~  ̄ ̄ ̄
___
/:ト、.:.:.:.:`.:.、
/.:.:.:.{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:., つまり叔母さんの部屋だったんだが、
. /.:.:.:.:;A、.:{.:.:ト、:}.:.:.;
{.:.:ヽ{ィc{ `Vcト}.:.:.:.! どうも家を新しくしてから叔母さんの様子がおかしくなった。
j|.:.:|{ ∪ , ∪}.:.:.:.}
リ!込_ - 从:ハ}. まず最初は、部屋で寝たくないと言うようになったらしい。
从少j = 1《Ⅳ.
r<´i:|、 .,|i:i:i>ュ
- 970 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:24:10 ID:AgOyW17k
_____
\ r'´ ̄ , -‐―‐‐-、  ̄`、::. ___
l} 、:: \ヘ,___,,ノ ヘ 、ヽヽ___/:::::..__|【3:00】|___________
|l \:: | | i レ'ハVハi| |! .|、:.. |[], _ .|:[ニ]:::::
|l'-,、イ\: | | | | ┃ ┃| | |:::.. ヘ ̄ ̄,/:::(__)::
|l ´ヽ,ノ: | | N、 '' - ''ノN゙ .l、:::.  ̄ ̄::::::::::::::::
|l | :| | |,r'",´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ、l:::::
|l.,\\| :| | ,' :::::... ..::ll::::
|l | :| | | :::::::... . .:::|l:::. 叔母さんの話によると、新しい部屋で寝るようになってから、
|l__,,| :| | | ::::.... ..:::|l::::
|l ̄`~~| :| | | |l:::: どんなに熟睡していても、夜中の3時になると決まって
|l | :| | | |l::::
|l | :| | | ''"´ |l:::: 目が覚めるようになったらしい。
|l \\[]:| | | |l::::
|l ィ'´~ヽ | | ``' |l::::
|l-''´ヽ,/:: | | ''"´ |l::::
|l /:: | \,'´____..:::::::::::::::_`l__,イ::::
. ' "´ ̄ ` : 、
/::::::::::::::::::::::::::ヽ:`:、
/:::::,::::::,:::::::、:::::::、:::ヾ:::::.
. l:,f::i|,:::::|_::::::||_:::::i|:::::i:::::|
|:::|::::| ニ三ニ三ニ |::::::|:::::| そして、目を開けると消したはずの電気が点いてて、
´ |::::|≡=≡=≡=|_:::::|:::::|
´ iヽ、_ _,.|,`|/|,:! 枕元におかっぱの女の子が座って居るんだって。
. γl/'/ `1
. イ〃' ィ|
/i┴i┬|/| そして、不思議なことに、煌々と点いた灯りの下で、
. //!77!/ l'i
/ェf_rェ`゙>, /ヤ 女の子の顔だけが真っ黒になっていて見えない。
//:,:'//;:':/:::Y ゙._
r_|i::|:|:!:|:l::::r-‐ト、_ ヾ.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,__
,,,,,/|圭圭圭圭圭圭圭圭|㍍\
/圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭||℡〟
/圭圭圭圭圭圭圭|圭圭圭圭圭圭圭圭\
/|圭圭圭圭圭圭圭圭||圭圭圭圭圭圭圭圭℡
/||圭圭圭圭||圭圭圭圭| |圭圭圭|圭圭圭圭|||℡
|||圭圭||圭圭|| |圭圭 ||圭 ||| | 圭|| |圭圭圭圭圭℡
||圭圭圭㌢ ” ”’’〝圭||圭圭圭||℡
||圭圭圭㌢ ||圭圭圭圭|||
||圭圭圭㌻ ||圭圭圭圭|||
/||圭圭圭 .||圭圭圭圭||| でも、何故か叔母さんには解ったらしい。
|||圭 圭 | |圭圭圭圭|”
. У圭 圭|| ||圭圭圭|圭 笑ってるって。
/ 圭 圭 | ||'|圭/ |圭|
. |圭 :||; | .;|’圭/ ,|圭;
. | ”|圭|| ‘ /”;|| /|| ‘ヽ
. ||`℡ /> ’ ,:\ ,,/圭|
| |”\ 、_ , ,;/圭圭圭圭
”|\ 二´´ /||圭圭|/”'圭|
|ヽ... __...-'"´ У” ”У ‘ ヽ
/ `"""" ̄/
- 971 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:24:27 ID:AgOyW17k
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }: : : : : : : : : ヽ
, . . . .|. . : : : : : : : : : :ト、 : : : : : |: : :丶
i: : : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : 〃 \: : : 」_: : :ト、、
|: : : : : : : : : : : :|: : : : : |: : : :/ \.:.:| : : :| \
l: : : : : : : |: : : : |: : : : : |: : :厶イ ,.斗y : |
l: : : : : : : |: : : : |: : : : : |: :/ ´ r'} N:.:| そんなことが1週間くらい続いた。
∧.:.: : : : : |: : : : |: : : : : | / _,x≪ り |:.Ν
/ ゙; |: : : : :|: : : : |: : : : : |〆_)、_リ .:.:j: | 叔母さんは頭の良いしっかりした人で、
从: : : : |: : : :! : : : :| 弋_ノ 丶 イ:/
\: 八:ヽ : :゙; : : :八 :.:.: , /::从 最初はみんなに気味の悪い思いをさせたくない、と黙っていたんだけど、
\|\ \:\ : : ヘ、_ ´ くヽ}イ、
〕\{\{\: :', ヾ爪 /:} } もう限界と、じいちゃんに言ったらしいんだ。
/≧=‐-``.._\', ノ_jr'ヾ:.:.:| ヽ
/ ヽ 「:.:.:ゝく:.:./ 〉
/ ̄ ̄\
/ ヽ、. _ノ \
| (●)(●) | だけどじいちゃんは、
| (__人__) |
| ` ⌒´ | 「嫁にも行かんで家に住まわせて貰っているくせに、
| }
ヽ } この大事な時期(親父とお袋のこと)にふざけたこと言うな。
人_____ノ"⌒ヽ
/ \ 出て行きたいなら出て行け」
/ へ \
( ヽγ⌒) | \ \ と突っぱねた。
 ̄ ̄ ̄\__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
{;;;;;;;}
L;;;;」
- 972 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:24:44 ID:AgOyW17k
k , .-‐―-、 ,ィ
__ΜУ `ヽΜト、
/ |/ く \
イ /イ / 斗 廴_ \ } ト\
| | | | 仏|/\| 斥\||| !
И /从||/ r'} r'}`ヽ||ヲ\|
レ′ |ゝ. _ . イリ リ それから半月くらい経って、ばあちゃんふと叔母さんの話を思い出した。
/ ̄ _|〕F?瞠7〔|_ ̄ヽ
{ \ィ介、 / }
\ 〈〃||∨〉 /
〕 | | 〔
/: : : : :/: : : : : : : :/: : : : /l: :ヘ: : :',: : : ヘ
. /: : : : :/: : : : : : : : :}: : : :./|:l\:.ヽ: :l: : : : :\
}: : : : :,': : : : : : : : : :|:..:..:/__i:| ヽ\j_: : :l: :.ト.\
|: : : : l: : :.:.i: : : : : : |:..:./⌒l:| ヽ:..\:.:i: : } `ヽ
|: : : : |: : :.:.|: : : : : : |:./ ,x=:リ ,ィぅ、i: :.|
|: : : : |: : :.:.|: : : : : : |ィf)うハ jr'::} l: :.|
リ: :i: :.|:.:. : :|'^|: : :l: :| .トr':::i ヒシ l: :.| 近頃は叔母さん何も言わなくなったし、
/}: :|: :.|:.:. : :|ヘl: : :l: :| 弋ツ ´、、.}:.:.|
/八: i::八:.:. : ト、}: : :l: :| 、、、、 ′ 八:.| 一日中妙に優しい顔でにこにこしていたから、
i人:.:.:ヽ:..:.',∧:.:.l:八 ー ' .ィ:./ }:|
\:.:\:.ヽ',:.:V:∧ 、 / j:/ iリ
ヽト.\∧:.V、:', ≧ ´ ノ
/ ̄ \!ヽ\-、ノ
/ 丶 `l
ヽ/´ ̄\ /.:.:.::>-}.., -‐ / ̄ /`ヽ
. ∨.:./:.:.:.:..:∨.:.:/:.:.:.:/:.∧/ / i i i i i\
. ∨.:.|l.:l.:l..:.:∨.:.:.:/:.:.:i:.:.i i i l iリルハi
. |.:i.:|l.:l.:l.:.i`!.:.:.:/.:/:∧::l l l l / リー.
リ.:i.:|l.:l.:l.:.|.:!.:.::.:/芹 /iリ !-キ !i彡' ! もう新しい家にも慣れて
iハ:|/リノリ〈|.:.:i/,,`゚ 冫 il| /∧ !''  ̄ |
〈'ⅥⅣ// `|.:.:| ー∧ iilli//川从ーr<" 変な夢も見なくなったんだろう、
/ __i//`丶∧:.!≧ー' )ルル'⌒{`ー=彡へ__
. // ヽ/≧介ハ ̄ ̄ ̄/ \{//恭ミ \ くらいに考えて、叔母さんに聞いてみたんだ。
. 彡' マド/__〉\,,、,,,./ }`ー' 介 i
{ ∨//}〉 },,";∨ ノ、 ii」 ∧
.\__ }i/ / /リ";゜;{ -==く / i
. 〈ニニ=彳 〉";゜i /∨ i
i / ',:..''゚/ /;";∨ ノ
- 973 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:24:57 ID:AgOyW17k
/..:...:... : : : :: : : ::. :.:. : : :.:.: :.:i
/...::.:.!..:: .:.{::.:.:.:\ : : : : : : : : ::: ::.:. : ::: .:.:.:!
;′.:.:.:l ::iト、:ヽ.:.:.:.:.:.ヽ: : : : ::.: ::. : i : : : : : : ::|
. i .. :.:.l ::il ∨ \:..:.:.:}ーヘ、:l::.::.:.:..!ー- 、: : : :| そしたら叔母さん、にこにこしたまま、
. | :.. :.:.:i ::i| -‐ \ノ `1::.::.::::ト辷ラ': :.:.: |
l :..:.:.:.: ::i| y==ミ::.::.::i:|⌒ヽ: : : : :j 「ううん。でももう慣れたよ。
. l :.i:.:.!:.jj z=ミ :.::.::j:! } : :.../
: :|:.:.! {{´ }::.::.リ-‐ァ': .: / 最初は一人だったんだけどね、
: :.l:.:.i::ii ′ /,..二. ヽ /::. : :../
Ⅵ:.:j:.:ぃ rr‐=¬ } l::.::/: {/ どんどん増えていってる。
|∧:.:ヽ> `ー‐'´ <厂` ∨::从
ヽ:. }、: : :.:`7E丘{i r'′ V__ _ みんなでずっとあたしのこと見下ろしてるんだ」
/}ノ >ー' 、__」」 | V¬|
. / } { ーヘ VY!
/ { : : : : :>、 ヽ ∧ |
/ }ノ ===zx | } /
. / ////`ヽ | / /
′ / ///////}ハ. | /
, ////////// | | .′ .′
/////// ′ | | / /
{ ' { ∨ } }/ } ,
|_ 、 八 __ / / / /
| \ / \ __ ´ 〃 ′
|///|ヽ. { \ // / そう言って「あはははは」と、
|///| \ 、 // /
|///} ヽ \ __ ノ /厶イ ノ 普段は物静かな人だったという叔母さんには、
ヽ.{`ヽノ__ \ / ノ/} /
| ¨¨ヽ__ \__ ∠==一' // とうてい似つかわしくない笑い声を上げたらしい。
} 、__ / ′
{ `ヽ`Y´二二ニニ¨¨ ̄ ¨¨ 7==z ┬―一<__ -――7
{ / / / // }///} /
.∧ / / / / ′ ′// ′
∧ / / / / / //// /
. ∧ / / / / 〃 //// /
- 974 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:25:10 ID:AgOyW17k
____ (___) ☆ ☆
☆ ) /  ̄ヽ
 ̄) 。 ヽ_ ノ たぶん、叔母さんのその話が本当だったにせよ、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /\ 。
/ \ ☆ 夢や幻覚のたぐいだったにせよ、
/ \ ___
。 / _ _ \ / この頃にはもう手遅れだったんだろう。
 ̄| |_|_| | ̄ /
 ̄ ̄ ̄| .| |_|_| |_  ̄| 田
田 |/ ̄ ̄ ´`~~´
/ } ヽ 、 、 ヽ、 ヽ\
l | ト、 \ \ \ ト、\
| i i i { lト. l 、」__}__、_L.__::l:i | i^\
| | i | | ∧ | ,\ | ヽ|___\ト、.:|:|::.i |
| | | | | 〃ハ/ 、 l ´|ィァ≪ミ、 |:::ト. |
| | | | |厶イト(-‐ ヽ| ゞtィソ_.;: メ:::| ヽ| 叔母さんの部屋の隣は、じいちゃんとばあちゃんの部屋だったんだが、
八 | |X{ ´x≪´ |  ̄ ̄ / Ⅵト、
/イ 〃 .: . . : .: :∧ ィ込ィン.:′ 、 " " 八: ハ その日ばあちゃん、真夜中に隣から「ざっ、ざっ、ざっ、ざっ」って、
. / | l| : :: :| i__'、::〃ゞ'彡´ .イ|: :l: :||
| || : :| | rハ 、ヘ " " , , /、Ν>、|| 穴を掘るみたいな音がして起こされた。
| |V : :| ト、ヾ'. Y}ゞ、 /Yイノ | \
Ⅵ乂/ !|| >| |(>────.::イ ト、 ) l | \
\/}: : |ヾ/ | | > 、 __ ___ノ八 | | ト、
/\: :l /\ Ⅵ\て>⌒ヽ __.ノ>ノ } | | | \
- 975 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:25:22 ID:AgOyW17k
.- … - .
,.イ:..:..:..:..:..:..:..:..:..:`:..、
,..'..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.‘,
,:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:',
‐‐''" ̄´゛ l:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..l
:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:. l '''ー、,,,,_、 叔母さんの部屋に行ってみると、
'''" ._..... -'''"`゙´ l:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..: 从  ̄ ゙̄'― 、
_..r'",゙` , 、 . 从:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..ハ:./ ./ .、 .,i ,i 部屋の畳が引っぺがえされてる。
,.'" .| .l, | ! l . ! .! .ヽl、/\/ヽ/ヽ/ l.i / l /., /,
,, ‐" .、 .'i │ |、 ! l.l, l .l、 ! .| ,ィ l´:::: ̄:::::Y ゙.! ./ / / / .// そして、むき出しになった床下で叔母さんがうずくまって、
. -゙ .: .l, . l 、..l .|, || .|. / ∧::::::::::::::::::ヾ "." /| .″./ ." ,//
_.- !、 、\.ヽ..l, ヽ.l ,!.l, .l. / ∧:::::::::::::::::::::::::ヽ .l゙.l゙ ./ " ,/ 素手で一心不乱に穴を掘ってるんだよ。
.″ ,..`'ー二,,_`' l、゙'./ ...l, . し∧:::::::::::.::::::::::::::::::::ヽ ` ./ .,..-' '"
ー'"´ ./ ⌒"'― .l`'、.ヽ. \ ヽ::__::::.:::::::::::::::::,ィ¨ヽ! ,- -‐'" / _
.′ ,..- ./ .\ヽ.\ `'-、 \ `ー ´  ̄ ″ '"....、
゛ / .,i ,`''-,, ''ー `''ー `' ー;;ッ←''''"
/ ′ .`'¬‐'''' ゙̄'―-―'''''"゙ ゙̄''―---ー'''"´., .、
,
/′ _____ /ハ
/:/.斗=''¨: : : : :: : /:::::::::|>'゙´
ゝ:: : : : : : : : : : :. :./::::::::::::}::::::::::
/: :i: ト、: ヽ: :ヽ: : : \:::::::::;ノ ̄二
/x1: 弋{ヽ`ーr:. :.',: : : : `ヽ::|: : : : : : :
ヾ:! `~抃xl: : : lヽ: :\: :V:::`ヽ: : :
j |j 刈: :|'´ハ: : :刈:\:::::\
r ´ 'ヾ|ノ :ハ : : V: : \:::::
ヽ ,.-、 ,ニ-く;ハ: :l: : :/\ 「何やってるの!?」
ハ V ) / ∨ア´x
ハ ,人::::/ ばあちゃん、さすがに娘が尋常じゃないことを察して怒鳴った。
`==ニ゙ヽ__,.斗≦/ `¨¨
∧ /
{ .∧ /}
/ Y. i:{
,ゝ l |:∨
玄ヽ. ,斗Y∨__ ____ |:.:|
{ー \_/ { ∨┐r-=ニY二
- 976 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:25:35 ID:AgOyW17k
三三三 三三三;;;;;;', / ./ | | //i | | |ヽ | }!;;;;;;;三三三三三三三
三三三三 三三;;;;;;;} | | | | /,rr―|lヽ l、 、 .|´t-r-{!;;;;;;;三三三三三三三
三三三三三三;;;;;;;l | | | | l/ |l `、ヽ l ヽヽ | ヾi..|{!;;;;;;;;三三三三三三三
三三三三三三;;;;;;;;} .| | i |,'l ノr=-、 ヽ ヽヽヽヽト=-| i};;;;;;;;;;;;三三三三三三三
三三三三三三;;;;;;ノ .| | |、 | / r'鬱i:::::::::::::::::::::::::::r'鬱、ヽ;;;;;;;;;;;;三三三三三三三 でも、叔母さんはやめない。
三三三三三三三;;;;;ヘ | | |ヽ | { 鬱 l::::::::::::::::::::::::::ト鬱l} . .ヾ、;;;;;;;;三三三三三三三
三 三三三三三三;;;;;;;ヘ .| .| l |、{ 弋_リ:::::::::::::::::::::::::弋_リ .| ,.\;;;;;;;;三三三三三三 口許には笑みさえ浮かんでいたという。
三三 三 三三三三三;;;;;\ |ヽ l ヾ.| ..,.., ' ...;.;;;;;;; ..| l ..ヾ;;;;;;;;;;三三三三三
三三 三 三三三三三三;;;;} リヽ l ヽlゝ .,:';. .、 _ __ , ,./ / /|l..{!;;;;;;;;;三三三三三
三三三三三三三三三;;;;;;;{ | ヽヽ ヽ `ヽ 、_ ,. - ' ,/ イ/ ! ,リヾ;;;;;;;;;;三三三三三
三三三三三三三三三;;;;;;;;i! ヾiヽ r、 i _,> 、 __ - '´|_r4 / i/ !'´ ..}!;;;;;;;三三三三三
三三三三三三三三三;;;;;;;;;;;l{ .ヽ ヾ |ヾf==ヽ、___, ,___ t==.} .j!;;;;;;;;三三三三三
三三三三三 三三三三;;;;;;;;;;;}! ..ヽ、 ,り ,l|l ,.[ .ノ;;;;;;;;;;三三三三三
三三三三三三三三三三;;;;;;;;;;;} -- '_´ノ-' ̄ ̄ヽ、__,l|l_,r,///,,`ーr=r- 、 .〃;;;;;;;;;;;;三三三三三
三三三三三三三三三三三;;;;?礒..l |///////////,|///L,-///////`ヽ ..}!;;;;;;;;;;;;;;;三三三三三
_
r‐‐‐ ''"´I、`¨ヽ、
__ / _,..'’ ゙ー! ヘ
 ̄''''/ l} ト ヘ-‐'''""
, \l,.、 ,---l、, _` しばらくして「あった……」と言って、
. ゙、 _ \〉-'¨/ ゙:
, \_ `Y´. ,r / _ 床下からはい出してきた叔母さんの手に握られていたのは、
`'ヽ-‐ヽ ゙ _,,,...>‐'゙>=、´_ ,}./-'
\ 、 ,r‐<,,,_ ¨ノ/
ヽ、_,,,...イ~` .¨´j'
ヽ-‐‐'''""´
___
/.::::::::`ヽ
.′:::::::}::::::::::.、
jルi::::,ハノi|::::}`
|人{:::::::jルノ
`コヽ从、
く}ニニニ{7、
/:| i'::::i
/.:│ |:::人
/..:::::|____ji:::::...\
.′.:::::7ニニニニ{ハ、:.:...{ 土の中に埋まっていたとは思えないほど
{..::j.:::::{ } \:....\
ヽ .:::/| -r :| ヽ:.:....ヽ 綺麗な『小さな日本人形』だった。
}:/ :| | ;:.:.:.:...}
ノ.′│ :| {:.:.:.:..{
〈/ | .:::| `⌒^
i;...._,.:.::::i
! }:.:.::|
: .:.;
; ,
{ :{
{辷_j___彡
辷}コ}
- 977 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:25:47 ID:AgOyW17k
//////////////////// /: : : :/::ヽ/ ∨: :::|ヘ::/: : ',::ヘ///
/////////////////// /: : : :/: : :/\. ヘ: :::|/\:|: : ', :i///
////////////////// /: : : :,'{: : /r示ヘゝ ミ|xキサャ|: : :} :|///
///////////////// //|: :.i: :ヘ|<{::・:リ f::・::カ|: : :| :|/// 叔母さんはばあちゃんに人形を渡すと、
//////////////////// {: ::i: : :| ゞ-" , `-" .| : ,':: l///
////////////////////∧: ',: : i " r── 、 "/|::/: ://// そのまま笑顔で壁際まで歩いていき、
////////////ト_____ ヘ∧::ヘ ヽ_ ノ イ: |/: ://///
//////////// "'*z__ゝ:マ> _ <WVV∧////// ごんっ、ごんっ、ごんっ、
///____ト/ _/___|:::|_ノi^i^i┐/ ̄i////////////
./ テー───<|:| /" ヘ_|_ノ(."マ \///__///// 何度も何度も自分の頭を壁にぶつけだした。
{ ..:::::::<|:| ,' ノ / ̄ ̄}  ̄ ∨////
.\_. ...::::::: <|:| i_x─-‐'´\::::::::/ .: ∨/// ごんっ、ごんっ、ごんっ、
///// ̄ ̄ ̄ ̄ ─<:|| ∨::/__|:::| \/:| .:::. ∨//
/////////////////{ ̄ ̄"/:::/_二二.|:::|二_| /::::::... ∨/
////////////////.∧::::::::/:::/ |:::| y:::::::::::.... ∨
,. ------ 、 l 、 ,
/: : : : : l : : : ヽ: :ヽ |`>/y'  ̄ ̄ ̄ ` ト l< |
. /: : : : : : : :∧ : : : :l: : : | .乂 A i∨lヽ
l: : : : : : : :/ ゙、:i、: : |l.: : | .イ .Y .i / ヽ l .! | |
. |: : : : :: : :/ ヾ| ゙、: ||: : | | / /V `ヽ | |
|: : :ヽ: : :| |: : | /ィヘ. | ヽノ .ト ヽ 「何やってるの××(叔母さんの名前)!」
/ !: : :ヽ: : i. ' :|: i:| i ヽ |. | / ノ √
. i: l: : :l : |. !:/N .レ| .i cっ | /|/\| ばあちゃんは慌てて止めようとしたけど、
!!l ivヾ:ヽ 、 _ _, ィ´i/ Vヽ 、. _ ._ イ !′
ヾi rノ---r゙-, r ト-ァ 叔母さんはすごい力で払いのける。
__ ,-'―-rr―'-- 、 ,..-ヽ |, -!-ι-- 、
l´ |::::::::::::AL:::::::::/ .l__ ., .l´|:::::::マ::::::::::/ |
/ ヽ ヽ::_,イ l`i、_/ .| lソレi__/ i レ´l:lヽ::::::/ ___ ヽ
.. r' | L/:|- i:L_」 ヽ | / / /ι.|::l .|`(/ /
- 978 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:26:00 ID:AgOyW17k
/ .:l . :| : : /: :l. : : :/| : / | :ノ: : : :〈 ヽ : :\ : : : :l: l l: . l
.: .: :| : :| : /: : :| :ー/ -- イ:| : : : : .ヽ、 卜 ー-- : : : |; | _l: : l
. : : | : :| : :l: : :/|: / |/ l人 : :ヽ: : : . | ヽ: : : .ヽ: : :八 |/⌒》: :|
: : :| : :| : :|: / l/,. == 、ヽ \: .\: : ノ ,. == 、 : :/:l: : |/⌒》: :|;
; : : ::| : :| :l:.:Ⅳ /ィl||li|l|l| ∨ 彳||li|l|l||「\: :l.: : |_ イ.: .:|l
l .: i .:| : :l八:.| ′{::l|li|l|li|!| |||li|l|l||li|l| Ⅵ .: 厂 : l: : :八
| l .; .:| : :|.:| ∧ |ィ:::::::::::リ |::::::::::::::リ │ .: |⌒V.:.:.:|
ノノl,:' .: | : :|:.|l >=≦三三 三≧==<三三| .: | l:.:.:.:l
/ | .::l:;l : :|:.|l{三三三三三三 三:. 三三三三│ | . l ノ 「何やってるんだろう?本当だ。
', .:: |人:l:|:从三三三三三 .i! Ξ三三三三三三三| .:,'.イ.:.:.:.:.;'
',::. | ::.八: :.人三三三 三三三三三三,三,三,l .:/ :/: ;∧,' あたし、なんでこんなことやってるんだろう。
∨ ', : :..∨\\ _ 三三三三三三,//::/ :/.:〃 /
:. : : \ 丶:> : . ´ ̄`三三三三Ξ, '" . / :/. :/ 解らないわからないわからない……」
丶: : : ト: : |: : : /: > 、 三三三三.イ.:/::|. : : :/ :/l :/
\:│ヽ|ヽ:八/| ` ー ´ |八/:|: : :// l:/
\ ′厂 ̄`丶 、 イ  ̄ ̄| |;/ /′
_/ \\_// 乂
_ ≠ヽ r、 ,.
{{、ヽ //j.斗 ―‐- -――-ヾト、 ,≠{{
}} -ヾ''´ }}、ヽ〃__jj
/У {{ Y \`ヽ
-‐ァ/ / | | }} j 八 \ \
-‐= 7 / | | {、 l {{〃/ ヽ.\ \
-‐ ¬'′ / _,,.. -| ∧ | \´ ̄、` l / l \ ー一
/, i | /| ′l | \ \ イ l ト、ニ二
' | ∧ { j.土{ 、 | ≠弌 、 l | l l 叔母さんの言葉はやがて、
/ / / ハ≠/⌒: \| { } ∨ l l l l
/∧ ヘ. 从 { j 、_ノ | l l l 意味のない笑い声の混ざった奇声に変わっていった。
' i ∨ { } `ニ´ , - l | l l l
i | ∧ } l | l l l そして、ばあちゃんは聞いてしまったという。
l /| 八 r‐ , l| l l |
/ | ∧ ト、 イ | , l , l ,ハ!
' | / , | ` . . '{ /, / l / l /
| / '. | `i=‐ ´ :| / j / j/ j/
|′ ヽ| j ト</| /
/ ノ `トr ⌒ヽ
- 979 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:26:12 ID:AgOyW17k
,... -─‐- . ,. .. -─- .. _
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:..、
,.':.:/..:..:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.丶 .'..:..:,.':.:.:.:.:.:..:.:.:.: .:.:..:.:.ヽ
/.:./.:,:..ノ.::.;ハ:.::ヽ:.:j:.、:.:.ヽ /..:.:./:.;.ィ:.:.:.:,:.:ハ:.:..:.、:..:.:.i
,'.:./.:/i:{ i:.:リ j:.:ノj:.:ノ!;ハ:.:..i i:.:.:,イ:/r':/イ;ノ__ !:.::.:.j::.:.:.:i
i:.:.:_;j `  ̄`' ′´ ̄ !:.:i !:.:.!´ ̄`' ´ ̄ !:.:.::.!::.:.:.:!
!:.r' ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: '´!' !:.:i.;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:jハ:/ヽ:,:.:|
|:.丶 ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:; ,ノ! |:.:.! ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: レ' ,ノ:.:i:.:!
!.:.::i:`:、 /i:.:.| i:.:.i、 ノr:':.:.:.:.j:.:!
j.:.:::|:.:.:i丶.. ‐=‐ ._,.ィ:.:.i:.:.| |:.:.i::iヽ `ニニ´_,. イ:j:.:.:.:.:i:.:|
j:.::.::!.:.:.!'V、` ‐-‐ L_!:.:.i:.:.| |:.:.l:j.:.::.::>r‐ ´ / /.:.;':.:.:i:.:.i
. j.:.::::!:.:.:| \ヽ. 〃 |::.:i::.:j |:.:.!j.:.::/ |.| / ,/:.:/:.:.::j::.:.i
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
叔母さんの笑い声に混じって、確かに子供の、しかも何人もの重なった笑い声を。
______________________________________
{::::::|::::::::::{:::::::::|::::::::::、::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ::::::::::|::::::::::::::::::::ヽ::::
、::::';:::::::::::、:::::ハ::::::::::::∨:::::::::::::::::::::::::::::::/ V:::: |::::::::::::::::::::::::V:
\∨:::::::::ヽ{. ':::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::/ i:::::::|:::::::::::::::::::::::::|::
`ヽ :::::::::ハ〃アヽ:|:::::::::::::::::::::/ |::::: |:::::::::::::::::::::::::|::
\:::::::} |:::::::::::::::/ ,.x===ミ. j:::::::|::::::::::::::::::::::: j::
{^ 、 }:::`::八 、::::::::::/ '" ,/::::;:イ::::::::::::::::::::: /::
. \ \ f^! /::::::::′ ヽ .イ. \::::{ ,.ィ=ニ三圷'::/ /::::::::::::::::::::, ′:
r‐` ,{ '. . ′::::::{ `¨ ` / ハ , ′:::::::::::::/:::::::;:
. r{ ヽ'′ }___/::::::::::::::::、 ヽ. / /::::::::::::::::/:::::::/;:
/ ``ーく._,. ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::: \ ' ` `¨¨´/:::::::::::::::::∠:::::::イ/
:::::::::::::::/i ハ::::::::::::::::::::::_____\ {` ー―‐ク ー=彡___/:/::::::::/
:::::::::::〃 !/: :∧::::::::;: : :´: : : : : : : :f′\ヽ.__/ /::::::::::/:::::::::: /
:::::::::/{_,//.: : : :∧/: : : : : : : /: : : :!: : : :|` ーr―――――‐ < ::::::::::/::::::::::::::::′
::::::/i.: .:/.: : : : : :∧: : : : : _/: : : : :!: : : :| /´ /.: : : : : : /`ヽ:: /::::::::::::::::::::{
:::::i: |.:./.: : : : : : : : :ヽ: : / \: : : |: : :/ ,/.: : : : : : /: : : : :∨::::::::::::::::::::::::、
- 980 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:26:25 ID:AgOyW17k
/ / .∧
./} /イィ{ .',
./.,'゙/ト' .!∧}. ! /. .,' .|
.| l. `´ |' /ヽ},' / ,'
. ,.イ.!.,' , _ `´,'...,.'}. ,ィ
r┴‐ |ハ}ヽ `__/ /´/}/´
__ r_‐,r‐. , _,.イ ̄_, -r―.'ヾ'.rく`},.'_'´}.´ 叔母さんはそのまま10分以上頭を壁にぶつけ続け、
,´‐.' ´ ̄ ' `丶,_, < _, ' /}-`_7ヾミト-,__\`丶, .',
' - -- ,//`ト}-., _rrッ__/, 'ヽ/-....,'.......ト,.`¨..‐}\ ` ',_ 最期は突然直立し、そのまま後ろ向きに倒れ込んだ。
/ /ィ ゙フ´) { ,'::::::::,‐ヽ..´......../,' .'.,丶、ヽ .ヽ
,.' , _ゝ'´' ,::::ヽ_.' , ,::::::::,'ゞヽ _, ‐ '゙/ . 〉::::`ヽ`ヽ`ヽ
,.'_ /くヽ.ヽ ヾ',:::::`ー`ニニフ{|::::::::}/, く__, .〈 _, イ::::::::/ ̄ ̄
,.'´, ‐.'´ .'.,'., .', } ',〉:::::::::::\,{ ',}::::‐,' /`ヽ:::::, '´
.,' ',:',_} '.´ ヽ,_ヽ::::::::::ヾ,!::::::{`フ}/ ̄ _ヽ_,}´
{ , '´. _/ `くヽ::::::_,|:::::::|_ヽ{__/
`.ー‐ ' ´
_ , r '  ̄ ̄`| L<、
| `> ヽ,ノ \
-,ィ _, A-.、 l / | ヾ
/ /i'´/_V -r-、| -' l l iヽ
iィ lイ,i i,} じ | ,ivlト |i 、| 「おもちゃみたいだった」ってばあちゃんは言ってた。
| i ,!、 __ | /´ Vl
Vリl` ,-, イ!-,__
__rト‐'ァ ヽ
/ムrr-ィ, ヽ
, n / ̄ ̄\ .n
/ / j.´_ノ ヽ、u'l lヽ、
/,イ / (○)(○) .l i i i
〈 .r {u (__人__) .i. } } 〉
', i. ', ` ⌒´ / / 起きてきたじいちゃんが救急車を呼んだが、駄目だったらしい。
.i l. ,' ./
. ヽ、_.イ、. 人 ノ
ヽ 〈_ノ ノ
| ./
| . |
- 981 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:26:37 ID:AgOyW17k
,r,t==r==┐ .|
i1 | _j|_ | i| !
| | |  ̄|| ̄,| !| _|〃 |
|_|」===i_i」 |_||-,_ .|
[ニニ]/| !
__________ __ __ ____ | ! ,| __|
|__|/ \
/「|,、 -───────-, _. , ,/| rェ, \ 延髄だの脳幹だの頭蓋骨だのが、
,/|!/ /ヘ > /|:: || {|:::]
| ||/ 、、_,>|:::: i: || /゙|」 ぐっだぐだだったとか。
| |!、__________」|ナ-- .|:::::/| ./ .||
| |___________ i! ._二_]. '┘/ ||
|_| | |,_j| ,/ 」|_
\___,/  ̄ ̄
_ ―  ̄ニ-`ヾ))),
// ニ-、
// ヽヽ
/// / / //| | l i
//// //// | 川 |
// / / //⌒\ | j | | | l 話を聞いたお医者さんは信じられない様子だった。
/ / / // //-rr‐-、`",ィii'///
__// / / / / /  ̄ ̄ノ ヾ~// 「自分一人でここまでするのは不可能」とまで言われたらしい。
:::::::/ / / / / /l \ ||'/
:::::::/ // / /// \ l ,__ ―┘ 殺人の疑いまで持たれたとのこと。
:::::::::/./ // /|\. \|  ̄´/:::::\
::::::::::://.//::::::l >ー`‐r‐':::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::V .レ::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ |:::::::::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ノ::::::::::::::::::::::::|
- 982 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:26:47 ID:AgOyW17k
____ /\___/ヽ
/ \ /'''''' '''''':::::::\
/ | .|(●), 、(●)、.:|
/ \ | | ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::| さすがにここまでになったらじいちゃんも無視できず、
| u (\) / | `-=ニ=- ' .:::::::|
゙i (__ノ \ `ニニ´ .:::::/__ 娘をみすみす死なせてしまった後悔もあって、
/ __/ ,rー'""l, 'l, / .| ||/`>、、
/. | / | 'l, / .|./》/ ∧ お寺さんに来て貰ったらしい。
| |. | | / , | ヽ ヽ,、/.@ / 《l,l / ヽ
| |. | | / 、,ヽ|/ ヾ。ツ`' 「ゞ / /《ヾ /゙ヽ、
| |. | | / ///l`゙'゙ー-'" / // ノ// //`l、
/\___/ヽ ヽ
/ ::::::::::::::::\ つ
. | ,,-‐‐ ‐‐-、 .:::| わ
. | 、_(o)_,: _(o)_, ::|ぁぁ 住職さん、部屋に入った瞬間吐いたらしい。
. | ::< .::|あぁ
\ /( [三] )ヽ ::/ああ
/`ー‐--‐‐―´\ぁあ
ヾヽ;;:: /k==ー---r
_A:.:.:.:.:...  ゙̄ヽ、
/,ヘ_ー-- -'``ー---`ー----ァ 何でも昔ここに、水子とか幼くして疫病で死んだ子供をまつるほこらがあって、
_ノ/彡;;:7;;:___};:ミi;:*@+:;:''了ミ/
`ー--、,イ.!r_tt-tt!i-tr-!|l'゙゙゙´ その上にこの部屋を作ってしまったから、ものすごい数の子供が溜まっているらしい。
:..il.ll::.. _ll|.|.||:;ii;:;ii:;!|;;:;:;;:;!|l
;:;:.._,.ィ}三三三三!l乍≡|l三三{ :;;: 「絶対この部屋を使っては駄目だ」と、住職さんにすごい剣幕で念を押された。
`i}}}l|.:|i.:_l | ._jr-!|≡≡il==-i| :;::;,;:.:
,.....,ィ/:〉:;、_rヒj:_tァに=j-一''""´ -ー---,,
Zr、 _,..ィr'二ニ'==--'"
`i、j_;:{_-;'=:-ニ==-'゙¨~  ̄
- 983 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:26:58 ID:AgOyW17k
/\___/\
/ / ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, | ばあちゃんが供養をお願いした例の人形は、
| ,;‐=‐ヽ .:::::|
\ `ニニ´ .:::/ 「持って帰りたくない。そんな物に中途半端なお祓いはかえって逆効果だ。
/`ー‐--‐‐―´´\
.n:n nn 棄てるなり焼くなりしてしまいなさい」と拒否られたらしい。
nf||| | | |^!n
f|.| | ∩ ∩|..| |.|
|: :: ! } {! ::: :|
ヽ ,イ ヽ :イ
,, -─- 、._ 〃"
"ミ / ヽ
| u ノ ヽ、 |
| (●)(●) |
| (__人__) | で、そこからは怪談の定石。
ヽ `⌒´ J ノ
/ ヽヽ, ) )" ゴミに出したはずの人形が、
"( ( ( ヽ /./
\ \ ゛// | いつの間にか部屋のタンスに戻ってたり、
/ / ヽ ~ \ `ヽ~\
| |
| /
ヽ______/
(:. ,:.
.:从,)ノ':.:,
,;;'人,,ノ;ノヾ;,.,
,;,、 ,;ノノ .:;.(. ,.( ,
/ ̄ ̄\ ,、 ,.:;(゙: ,.:.人:. ヾ,、 (.
/ _ノ三ゞ ,ノ (,.ノ,、ヾ , .,;ノ (;. (:, ,):.
| ( ○)( ,;. ,:ノヾ; . ,;) ,、 ヽ;,:.;):.从;.,
. | (__.,):. ..:.(ノ 从ヾ;. '',人ヾ,´ 燃やそうとしても全く火が点かず、
| |i!i!i!i!|`..: . .::::) (::.. (::.
. | |;;;;;;;;;|.:::: .:ソ ,ゞ.:. ,ゞ.:. 飛んだ火の粉で親父が火傷したりと、
. ヽ . .:::: .:ソ::..::..:( (: :. (: :.
ヽ :..::..:( ):::... ):::... もう尋常じゃないことになって、
./ー-.l :;;::::;:(::: ;;; ::; :; : ;:: );::: :::;::)
( ⌒ / \;;:::: ::;: : ; :: ; :; : :/
`´ー-、i´ /l .ト''ノ ヽ: :: : : :: :/
- 984 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:27:12 ID:AgOyW17k
__
/u ヽ
困りあぐねて最後は、 / - ー uヽ
(●) (● ) i
とりあえず元の場所に埋め戻して、 i (__人__) |
| `⌒´ u.i
部屋は丸ごと使用禁止にしたって訳。 ヽ,__ __,ノ、
r'⌒  ̄ ヽ、 \
悲惨な話だから、 / / .|\ _ゝ_, ヽ
〈 〈 |\と}___〉
経緯は俺に言わないでおいてくれたらしい。 \__ヽ,// ̄/
r" ̄ ̄ ̄ !rjツ/_/
| ├─‐ // ⌒ヘ
|._! // \ ヘ
と二ノ// \ .ヘ
/  ̄\ | |
._ _ _ /、 . ノ | |
_ー⌒. ; ̄⌒⌒  ̄ー{二・_/. |__|
_.=” r ⌒ 。 二゚  ̄。― 二=-._ _ヽ.__〉_
, ミ
┌‐-- - 、, '゙ }
― ヽ / ,'`⌒゛ヽ
/ヽ 。o≦.: : : :. :. :.\ /|ヽ: :ヽ ミ=-
| /: : : : : : : : : : : : : :.ゝ- ': :} \: : :.ヽ
|/: : : : : : : : : : : : : :.|.: : : : : :./ __ -`: : : :',
l ̄/ : : : : : : : : : : |: : : :|: : |: : : : ̄.: : : : : :. :. :.ゝ
,'/ : : : : : : : : , : : |丶, _ヽ__ヽ: : |: : :.|: : :.ヽ: : :. |
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/|リ', : : ', ィf笊刈 ゞ 匕リ .|: ::| /:ハ: : .|: : ,' 「とりあえず、元の場所に戻したのが良かったのか、
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. { ヘ: : : : ゝ-≧. ` ムイ l/ } :/ 人形はそれっきり。また出てこないと良いけどねえ」
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l ( ●ノ::::::::::ヽ●l うん。ちゃんと出てきてたよ、おばあちゃん。
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- 985 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:27:28 ID:AgOyW17k
- 元ネタ
ほんのりと怖い話スレ その37
261 :本当にあった怖い名無し :2007/02/04(日) 12:08:59 ID:x6gK1L0r0
俺んちは田舎で、子供の頃から絶対入るなと言われていた部屋があった。
入るなと言われれば入りたくなるのが人情ってもんで、俺は中学生の頃こっそり入ってみた。
何て事は無い、普通の部屋だった。
変な雰囲気もないし、窓からはさんさんと日光も入ってきて、何も怖くない。
なんだ、ただ単に部屋を散らかされるのが嫌であんな事言ってたのか、と思い拍子抜け。
退屈ということもあって、その場で眠ってしまった。
それでも金縛りにも全然あわないし、数時間昼寝して起きた。
寝てるときも起きてるときも怪奇現象一切無し。やっぱり全然怖くない。
入るなと言われてた部屋だから、怖いのを期待してたのに・・・
部屋を出るときに、何気なく部屋にあったタンスの引き出しを開けたら、
和風の人形(雛人形を小さくしたような感じ)が一体だけ入ってた。
人形が入っている引き出しはそれだけで、他の引き出しには普通に着物とかが入ってた。
こえぇええと思った。
263 :本当にあった怖い名無し :2007/02/04(日) 16:15:23 ID:jm8a30g90
後になって(人形の話とかはせずに)ばあちゃんに聞いてみたら、
なんでもあの部屋は親父の妹さん、つまり俺から見ると叔母さんに当たる人の部屋だったらしい。
タンスの中の物も全て叔母さんの物。
といっても、もう当時からも30何年も前の話。
家を今の状態に建て替えたのは、両親が結婚してすぐのことで、
将来子供が(まあ俺のことなんだが)出来たときのために、二世帯住宅化したわけだ。
で、その時に、少し庭を潰して増築したのがまずかったらしい。
その増築したところに建っているのが『入ってはいけない部屋』。
つまり叔母さんの部屋だったんだが、どうも家を新しくしてから叔母さんの様子がおかしくなった。
まず最初は、部屋で寝たくないと言うようになったらしい。
叔母さんの話によると、新しい部屋で寝るようになってから、
どんなに熟睡していても、夜中の3時になると決まって目が覚めるようになったらしい。
そして、目を開けると消したはずの電気が点いてて、枕元におかっぱの女の子が座って居るんだって。
そして、不思議なことに、煌々と点いた灯りの下で、女の子の顔だけが真っ黒になっていて見えない。
でも、何故か叔母さんには解ったらしい。笑ってるって。
そんなことが1週間くらい続いた。
叔母さんは頭の良いしっかりした人で、最初はみんなに気味の悪い思いをさせたくない、と黙っていたんだけど、
もう限界と、じいちゃんに言ったらしいんだ。
だけどじいちゃんは、
「嫁にも行かんで家に住まわせて貰っているくせに、この大事な時期(親父とお袋のこと)にふざけたこと言うな。
出て行きたいなら出て行け」
と突っぱねた。
- 986 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:27:41 ID:AgOyW17k
264 :本当にあった怖い名無し :2007/02/04(日) 16:16:18 ID:jm8a30g90
それから半月くらい経って、ばあちゃんふと叔母さんの話を思い出した。
近頃は叔母さん何も言わなくなったし、一日中妙に優しい顔でにこにこしていたから、
もう新しい家にも慣れて変な夢も見なくなったんだろう、くらいに考えて、叔母さんに聞いてみたんだ。
そしたら叔母さん、にこにこしたまま、
「ううん。でももう慣れたよ。
最初は一人だったんだけどね、どんどん増えていってる。
みんなでずっとあたしのこと見下ろしてるんだ」
そう言って「あはははは」と、
普段は物静かな人だったという叔母さんには、とうてい似つかわしくない笑い声を上げたらしい。
たぶん、叔母さんのその話が本当だったにせよ、夢や幻覚のたぐいだったにせよ、
この頃にはもう手遅れだったんだろう。
叔母さんの部屋の隣は、じいちゃんとばあちゃんの部屋だったんだが、
その日ばあちゃん、真夜中に隣から「ざっ、ざっ、ざっ、ざっ」って、穴を掘るみたいな音がして起こされた。
叔母さんの部屋に行ってみると、部屋の畳が引っぺがえされてる。
そして、むき出しになった床下で叔母さんがうずくまって、素手で一心不乱に穴を掘ってるんだよ。
「何やってるの!?」
ばあちゃん、さすがに娘が尋常じゃないことを察して怒鳴った。
でも、叔母さんはやめない。口許には笑みさえ浮かんでいたという。
しばらくして「あった……」と言って、床下からはい出してきた叔母さんの手に握られていたのは、
土の中に埋まっていたとは思えないほど綺麗な『小さな日本人形』だった。
叔母さんはばあちゃんに人形を渡すと、そのまま笑顔で壁際まで歩いていき、
ごんっ、ごんっ、ごんっ、
何度も何度も自分の頭を壁にぶつけだした。
ごんっ、ごんっ、ごんっ、
「何やってるの××(叔母さんの名前)!」
ばあちゃんは慌てて止めようとしたけど、叔母さんはすごい力で払いのける。
「何やってるんだろう?本当だ。あたし、なんでこんなことやってるんだろう。
解らないわからないわからない……」
叔母さんの言葉はやがて、意味のない笑い声の混ざった奇声に変わっていった。
そして、ばあちゃんは聞いてしまったという。
叔母さんの笑い声に混じって、確かに子供の、しかも何人もの重なった笑い声を。
265 :本当にあった怖い名無し :2007/02/04(日) 16:17:06 ID:jm8a30g90
叔母さんはそのまま10分以上頭を壁にぶつけ続け、最期は突然直立し、そのまま後ろ向きに倒れ込んだ。
「おもちゃみたいだった」ってばあちゃんは言ってた。
起きてきたじいちゃんが救急車を呼んだが、駄目だったらしい。
延髄だの脳幹だの頭蓋骨だのが、ぐっだぐだだったとか。
話を聞いたお医者さんは信じられない様子だった。
「自分一人でここまでするのは不可能」とまで言われたらしい。
殺人の疑いまで持たれたとのこと。
さすがにここまでになったらじいちゃんも無視できず、娘をみすみす死なせてしまった後悔もあって、
お寺さんに来て貰ったらしい。
住職さん、部屋に入った瞬間吐いたらしい。
何でも昔ここに、水子とか幼くして疫病で死んだ子供をまつるほこらがあって、
その上にこの部屋を作ってしまったから、ものすごい数の子供が溜まっているらしい。
「絶対この部屋を使っては駄目だ」と、住職さんにすごい剣幕で念を押された。
ばあちゃんが供養をお願いした例の人形は、
「持って帰りたくない。そんな物に中途半端なお祓いはかえって逆効果だ。
棄てるなり焼くなりしてしまいなさい」
と拒否られたらしい。
で、そこからは怪談の定石。
ゴミに出したはずの人形が、いつの間にか部屋のタンスに戻ってたり、
燃やそうとしても全く火が点かず、飛んだ火の粉で親父が火傷したりと、
もう尋常じゃないことになって、
困りあぐねて最後は、とりあえず元の場所に埋め戻して、部屋は丸ごと使用禁止にしたって訳。
悲惨な話だから、経緯は俺に言わないでおいてくれたらしい。
「とりあえず、元の場所に戻したのが良かったのか、人形はそれっきり。また出てこないと良いけどねえ」
うん。ちゃんと出てきてたよ、おばあちゃん。
- 987 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:30:49 ID:nTwKBD06
- 乙だけどこれほんのりじゃなくてガチじゃねーか
- 988 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 03:41:06 ID:BQLF1jBg
- こわっ
……怖っ
- 990 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 04:01:30 ID:shdUlOCk
- KOEEEEEEE!
そういえばもう怪談の季節か…すっごく涼しくなった
後ろ振り返れなくなるくらい
- 996 : 本棚のやる夫さん : 2012/07/29(日) 08:15:13 ID:EecgaXuE
- 乙
怖ッ!