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やる夫が異世界で前を向いて生きるようです 第1話

目次

2 : ◆tC1gMIWp2k : 2014/06/02(月) 20:14:35 ID:nzFY1R2E


 思えば、ろくでもない人生だった。

 自分は底辺の人間で、これ以上不幸な人間なんて居ない、なんて傲慢な考えを持ってしまうほどに…


3 : ◆tC1gMIWp2k : 2014/06/02(月) 20:15:18 ID:nzFY1R2E


 その頃の自分が、今の自分を見たらどう思うのだろうか?

 多分、理解しようともしないか、逆に喜んでしまうのかもしれない。

 実際に体験しなければ、今までどれだけ自分が幸福だったか実感するだろうが。

4◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:16:00 ID:nzFY1R2E

――???

 人間の境遇なんて、実際体験しないとわからないものなんだと、今自分は痛いほど実感している。

 もし、戻れるのだとしたら……自分は一体どうするのだろうか。



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5◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:16:37 ID:nzFY1R2E



 ■やる夫は異世界で目的もなく生きるようです―

6◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:17:39 ID:nzFY1R2E


 自分の名前は入速出やる夫、どこにでもいるダメ人間【だった】

 オタクでひきこもりで、見た目もダメで、社会の底辺に居るような人間で。

 一人じゃ生きていくことも出来ない社会のクズといえばいいだろうか。



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7◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:18:38 ID:nzFY1R2E


 そんな自分が嫌で、でも何もしようとしないで日がな一日PCの前で気持ち悪く笑うだけの毎日。

 ネット小説などを見ては自分がアドバイザーにでもなったかのように罵倒し指摘し、自分の満足の行く話を作らせるように誘導し…

 今思えばそんな電脳空間でしか威張れないのかと、更に情けなくなる。




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             '     /⌒ヽヽ
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            \ i     ',
               ≠),,,,,   ノ

8◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:19:51 ID:nzFY1R2E


 転生ものの最低系主人公やハーレムものの主人公を強く、深く自己投影し、ただ悦に浸る…

 そんな事しか出来ず、死ねば転生できるのかと下らない妄想をして、自分ならなんでもできる万能の主人公になれると妄想していた。

 出来る訳が無いのに、脳内で空想するだけなら子供でも出来る…でも自分はそれしか出来なかったのだ。




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          ヽ         /   もう、暗いもんな……夜は……怖いし…な。
             )       イ
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            \ i     ',
               ≠),,,,,   ノ

9◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:20:34 ID:nzFY1R2E

 自分は幸せだったのだ―

 両親が居た、家があった、食べ物は食べられた―

 働けばお金も稼げた―

 なんでも出来たんだ、腐った意識を捨てれば、芽はあったのに―

 でも、もう遅い…自分はもう、戻れないのだ……




       ____
     /     \
   /  ::::::::::::::  \
  /   ::::::::::::::::::   ヽ  かーちゃん……とーちゃん……
  |   :::::::::::::::::::::::::   |
  \            /

10◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:21:35 ID:nzFY1R2E


 夜が来る……真っ暗な夜が来る…

 自分が居た場所ではありえないほどの暗い夜。

 聞こえてくる鳥や動物の声が、心臓を鷲掴みにする。

 出来るのは怯えて隠れることだけ…



           ____
         /   ∪  \
       γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ  見つかりませんように、見つかりませんように、見つかりませんように……
      / _ノ (>)三(<) \ `、
     (  <:::∪:::::(__人__):::::∪|  )
      \ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://

11◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:22:33 ID:nzFY1R2E


 異世界なんてものに希望を持つのは愚か者だけだ。

 そして、自分はその愚か者だったのだ。

 たった一人で、この恐ろしい世界を生き抜かなくてはならない…

 怖くても恐ろしくても…それ以上に死ぬのが怖かった。




          ; ____;
         ;/      \;
        ;/   /   \\;  何でやる夫が、こんな場所に居なくちゃいけないんだお…
      ;/   o゚((○) ((○)゚o
      ;l        (__人__)   |; やる夫はこんなの望んでなかった、望んでなかったのに……
      ;\     ` ⌒´   /;
      ;/             ヽ;   帰りたい…元の世界に帰りたいよぉ……

12◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:24:05 ID:nzFY1R2E


 早く朝になれ、朝になればまだなんとかなる。

 動物を殺して、肉を食べられる。そうすれば生きていける。

 それだけを望みに、震える身体を両手で押さえつけ夜を耐え凌いだ。



         / ̄ ̄ ̄ \
      /   :::::\:::/\   叫ぶな…叫んだら死ぬんだお……
     /    。<一>:::::<ー>。
     |    .:::。゚~(__人__)~゚j  眠くても寝ちゃいけないんだお…!
     \、   ゜ ` ⌒´,;/゜
    /  ⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。  朝になれば…朝になれば少し休めるから…!!
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


 涙だけは枯れることなく、流れ続けていたが。

13◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:24:33 ID:nzFY1R2E
                             .. ..: ,,.::..,.,,::,;;::,::,,;;,::;;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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                                                     .. ..:

14◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:25:13 ID:nzFY1R2E




 自分はただのニートだった。

 何かを願った訳でも、お約束のテンプレが発生した訳でもない。

 気がつけばこの場所に居たのだ。

15◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:25:53 ID:nzFY1R2E


 初めは親がついに切れて自分を捨てたのかと錯乱した。

 でもそれがすぐに違うと気付けた。

 何故なら―




                |''|
 ____         __.|‐|__          ____
 | ___ `\.    / |ー| \    /´ ___ |
 \l     \  `ヽ<  |'ー'|   >-''´ /    l/
   \      \.   \|'ー '|/  ./     /
     \   \  \  |'ー―'|  /  /   /
       \__\/   'ー―'  ヽ/__/
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      / ./   |  | ̄\ / ̄|  |  ヽ ヽ
      | |   l  \/i i\/  l   | |
      | |    \ _/  \_ /   .| |
      ヽ ヽ     >、 Y ,.<     / ./
      / \ヽ     /ヽ_l_/ \   / /\
     彡   \ヽ,-'\     /ヽ、//   ミ
      ~'''''" ̄ ̄'vVv' ̄ ̄ ̄'vVv' ̄ ̄"'''''~

――バケモノが其処に居たからだ。

16◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:27:09 ID:nzFY1R2E


 今思えば、何馬鹿げた事を考えていたのだろう。

 でもその時は何よりも喜びが優っていたのだ。

 そう…自分が異世界に行けたという、そんな喜びを。



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       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒)\    うはっ!! テンプレktkr!!
    /   ///(__人__)///\
     |   u.   `Y⌒y'´    |  【やる夫が異世界でハーレムを作るようです】が始まるおっ!!
      \       ゙ー ′  ,/
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |

17◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:28:02 ID:nzFY1R2E



               ____
             /      \
           / ⌒    ⌒ \
          /   (●)  (<)  \
            |      (__人__)     |     角が生えてるけど、あんなちっこいウサギ程度に負ける訳がねぇお。
          \     `⌒´    ,/
         /_∩   ー‐    \      この勝負は早くも終了ですね。
        (____)       |、 \
           |          |/  /
           |        ⊂ /
           |         し'
           \   、/  /
             \/  /
           _/  /``l
          (____/(_/


 異世界に来たら万能になれる、確かにそう勘違いする奴も多いだろう。

 自分もそうだったのだから、特に自分の様なダメ人間なら尚更だ。

18◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:28:51 ID:nzFY1R2E


       ____
      /     \
    /ノし' "\ , 、/゙\
  / ⌒(( ◯)ヾ'(〇)ヽ              さぁ! とっとと経験値になるがいいおっ!
  |     "⌒(__人__)⌒゙l
  \      `i ヾ/´ /               やる夫秘技! 恒星龍神脚!!(ただの蹴り)
 /´⌒ ̄ ̄"⌒`ヽ ィ´`ヽ─-一、
 ヾ、ー;──(ゝ,〆  ト'ー一'~′    人,
    ̄l"        l         __ノ⌒;て_
     |         _|_-─≠ ̄三≠/ (
      l           ̄  __-─=ノ Y`。
     l, _       __≠─ ̄
    /   、、 〆"´
    (´ ⌒ ̄ ̄ソ⌒l
    `ー───~″



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                |''|
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 | ___ `\.    / |ー| \    /´ ___ |
 \l     \  `ヽ<  |'ー'|   >-''´ /    l/
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     \   \  \  |'ー―'|  /  /   /   
       \__\/   'ー―'  ヽ/__/
       // /        \ \\
      / ./   |  | ̄\ / ̄|  |  ヽ ヽ  
      | |   l  \/i i\/  l   | |
      | |    \ _/  \_ /   .| |
      ヽ ヽ     >、 Y ,.<     / ./
      / \ヽ     /ヽ_l_/ \   / /\
     彡   \ヽ,-'\     /ヽ、//   ミ
      ~'''''" ̄ ̄'vVv' ̄ ̄ ̄'vVv' ̄ ̄"'''''~

―ミス! ??にダメージを与えられない!!

―??の反撃!!

19◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:29:39 ID:nzFY1R2E

                          | |! || |              , -、//
                       \    ! | || || |             )  `-、,、   //
          / ̄ ~/   __ __   | | || || !               )      `-、,_
.        /   /___./  //  /\ | | || ! l |              ,/          _)
    / ̄ ̄       /  //  /  ヽ  | |! ||             _ ,/         , ''¨ /
.   /__   __ /  //  /    ヽ  |. || | !         (__, --― 、_     /
      /   / / /._M//_M/       ヽ  | || ||      //f      \  /.//
      /   / /   /               l  | || | !        {        }. | /
.     /   / /   /               !  !  | |   //   ゝ     _  .|.J
    /   / /   /               !    !  /.      `'-、,____.ノ.
.   /μM/ /   / _ _ _      ヽ |   |    //,・・¨¨    //
        /μM/ / // // /      ヽJ .       ,;   /   /
           /M//M// /       ,_≧     。
                   / /        ≧
               /M/          ~



―ヒット!! やる夫に中ダメージを与えた!!

20◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:31:34 ID:nzFY1R2E


―やる夫は驚き戸惑っている!!



           ____
         /ノ   ヽ、_\
  (⌒ヽ   (○)}liil{(○)  \      なんだおこいつ! めちゃくちゃつえーおっ!?
  \ \/  (__人__)     \
    \ | ヽ |!!il|!|!l| /     |    痛いっ! 角がっ! 血がっ! 血がぁあああああっ!?
      \  |ェェェェ|      /
      (⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    く
        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    ヽ
           \         ヽ     γ´ 7
             \           `、  (  /
          ,.-――――       リ、/  /
          弋   、_____ノ `  /
           \  \      \_ノ
             \  \
                \  ヽ
                \__)



 逃げればいいのに、錯乱してその場で喚き出す自分。

 よく考えなくても下策でしかない、でも初めて感じる鋭い痛みはもともとなかった冷静さを更に奪う。

 そして、それを待つようなモンスターは居ない。



                  ||
                |''|
 ____         __.|‐|__          ____
 | ___ `\.    / |ー| \    /´ ___ |
 \l     \  `ヽ<  |'ー'|   >-''´ /    l/
   \      \.   \|'ー '|/  ./     /
     \   \  \  |'ー―'|  /  /   /   
       \__\/   'ー―'  ヽ/__/
       // /        \ \\
      / ./   |  | ̄\ / ̄|  |  ヽ ヽ  
      | |   l  \/i i\/  l   | |
      | |    \ _/  \_ /   .| |
      ヽ ヽ     >、 Y ,.<     / ./
      / \ヽ     /ヽ_l_/ \   / /\
     彡   \ヽ,-'\     /ヽ、//   ミ
      ~'''''" ̄ ̄'vVv' ̄ ̄ ̄'vVv' ̄ ̄"'''''~

―??の攻撃!!

―やる夫に小ダメージ!!

21◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:33:04 ID:nzFY1R2E

 恥も外聞もなく自分は逃げた。それが正解だったのだろう、モンスターはやる夫を追ってこなかった。

 体中が痛むが、それでも生き延びることは出来たのだ。

 後先も何も考えず、ただ無心に全力で駆け抜けた。



             ___
           / ヽ  / \
      r⌒ヽ / ;;( >) (<)    い、嫌だ! 死にたくないっ! 死にたくないおぉぉぉっ!!
      / /\ .| l|lii!:::::(__人__):i
     〈__/  }| ::::::u; /  / ;::::|   助けてっ! 誰か助けてぇぇぇっ!!
         / \     `⌒´_/
        /           \
       /      / ̄ ̄ヽ )
   _  r  /⌒ヾ/   //
  "ヽ |  i,     i    (_ノ
    | ヽ/ ヽ、_/  /
    ヽ、_/ / /
        (/



―やる夫は逃げ出した!!

―…………逃亡成功!!

22◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:34:15 ID:nzFY1R2E


 
 後は想像するまでもなく、叫び喚き散らし、どうにもならないことを理解するだけ。

 こんなことなら異世界の転生なんて望まなければよかった、そんな意味もないことを泣きながら愚痴る。

 何故自分がここに居るのかも理解できず、ただ感情のままに泣いた。




         __,‐⌒ヽ、
         /   '─ \
        ノ ノ-、 (○) \    あああああ…うわああああああああっ!!
        | 。(○)  、゚ ヽ, ヽ
        ヽ  ヽ__,,,トー'i   )
         ノ    ` ⌒''  ノ
        (           }
        ヽ         /
         ヽ     /
       ./ー-.l`‐-‐< ̄``ヽ
      (   ⌒⌒ ̄ ̄`r:ュ〈
       ´`´ー-、_,. -‐'´/l .ト''ヽ

23◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:35:30 ID:nzFY1R2E




 
 そして、今に続くのだ―

 死にたくないから食べ物を探し、水を探し、寝る場所を探す。

 人間なんて居なかった、居るのはモンスターや動物、虫、そして化け物ウサギ、それくらいしか見つけられない。

 この森のような場所で、あてもなくただ日々を過ごしている。

 ここが何処なのか、人間が居るのか、そんなことを考える暇があれば生きるために食べ物を探すしか無い。




         ____
        /     \
      /  _ノ  ヽ、_  \   今日も生き残れたお……
     /  o゚⌒   ⌒゚o  \
      |      (__人__)     |  ご飯、ご飯探さないとお腹が減りすぎて死にそうだお…
     \     ` ⌒´     /
      >    / )ヽ   <
      (  \ / __ハ ) /  )
      \  ゙  /ヽ ゙  /
         \_/   \_/

24◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:36:10 ID:nzFY1R2E



 願うのは家に帰ることよりもなによりも…まず死なないこと、食べること…

 今日も自分は、生きるために重い足をひきずり、獲物を探すのだ。

 いつか、もしかしたら助けが来るかもしれないと、僅かな希望にすがりつつ……

25◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:36:57 ID:nzFY1R2E


               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \   
            |      (__人__)     |
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \

【入速出やる夫】
【人間:異世界人】
【年齢:20】
【HP】12 【力+体×2】
【MP】11 【知+魔+精】
【力】3  【速】2
【知】5  【魔】4
【精】2  【器】2
【体】3  【運】1
■所持スキル
【???:???】
【サバイバル:最下級】

26◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:37:52 ID:nzFY1R2E

 まずはじめにやった事は火を起こすことだった。

 タバコを吸わない自分がライターを持っているはずもなく、テレビやネットで調べた簡易的な知識で火を起こす用意をする。




        ____
      /     \
    /    ;   _ノ′
   /     ∪ :::(●
   |         "`(__)  えーと…たしか、棒と板を……
   \、          /´ヽ
     )       ィ ("_ノ
      / /⌒ヽ    ヽ ) |
      i l   |     |  |
      | |   |      |-‐'
      |.|   |       |
      i〆  /       |
     ヾン´       l
      |     ィ  |
      l    |   /
        〉    ノ 丿
      /   //
      く、.,、,.,,(,≒,.,.,、 ,, ,. ,,, 、,,,., ,

27◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:38:34 ID:nzFY1R2E


 はっきり言えば、舐めていた。火なんてすぐに付けられるだろうと。

 ネット小説なら、まず当たり前のように焚き火なんて起こせるのだから。

 けど、そんな淡い期待など打ち壊すかのように、火はいつまでたっても起きなかった。




        : ィ´ ̄ ̄ `ヽ :
          ー-''  ヽ、__ヽ
      : / (  )  (  ) ヽ    はひー…はひー……
       { |i|T(_人_) u  }
       !  u  |--|    / :  おかしいお、もう数時間位やってるのに火どころか煙もでねぇお…
      : 丶.    |_j  _ノ
         ゝ  ー‐  ヽ :
        : /        ',
        /         ',
       !
      : {          i
        i  /      i j } :
        lヽ/       !ノ !
        !          l
       : i  |ー --- ―i j
         ヽ!       |/ :

28◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:39:30 ID:nzFY1R2E
 


 結論から言えば、結局火は起こせなかった。サバイバルの基礎すら出来ない自分が情けなくて涙がでる。

 でも誰も助けてくれないし、泣いてもどうしようもない。自分に出来ることは鳴る腹を満たすために食べ物と飲み物を探すことだけ。




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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/     :::::::::::ヽ:::::::::::::::::でも、あのウサギは…::::::::::::::::::
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|  (○)  ::::::::::::::::::::::::: ::::::やる夫でも取れるやつなんているのかお…
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 考えても答えは出ず、ビクビクしながら食べられそうなものを探す。

29◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:40:32 ID:nzFY1R2E


 自分にとって幸いだったのは自暴自棄にならなかったことだろうか。

 泣いて騒いでも助けてくれる人が居ないのだから無駄に体力を使うくらいなら獲物を探す。

 あれほど痛い目にあったのに、まだ何処かで自分ならなんとかなると考えていたのだ、でもそれがこの時は優位に作用した。




        ___
      /     \
     /  _丿;;;;ヽ_ \    あ、あれ…もしかして…動物の死体…かお?
   /  (○) ;; (○)  \
   |     (__人__)  u .| まだ腐ってなければ…た、食べられるかも…?
   \     |i!|i!||    /
   /(<<<) .`⌒´(>>>)\




 少し探索した所で動物の死体を見つけることが出来たのはラッキーだった。

 周りをきょろきょろと見回し動物の死体を見つめる。

30◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:41:37 ID:nzFY1R2E


 見た目は犬の様に見えるし、猫の様な感じにも見える。大きさは子犬程度で自分でも持てる位だ。

 小さな羽虫? が飛び回っているが身体はまだ温かく、つい先程死んだようだ。

 首元を食いちぎられている所を見ると、病気じゃなく殺されたことくらい自分でもわかる。

 動物の死体を見て精神がごりごりと削られるが、なによりも食べ物を見つけられたことが大きかった。



          ____
        /      \
       / ヽ、   _ノ \      ま、まずは血抜きをして…あっ! 水場で洗わねーと!!
     /   (●)  (●)   \ n
     |  U   (__人__)    l^l.| | /)  火はまだ付けられないから…いや、まずは水場だおっ!!
     \    |i||||||i|   /| U レ'//)
    γ⌒    ` ー'´    ノ    /
     i  j         rニ     ノ
     ヽ、 l           !ヽ、_,__/


 死体を触る気持ち悪さより、食欲の方が優っていた、でなければ自分なら多分怯えて近づかないだろう。

 極限になれば人間なんでもできるのかもしれない。

 血で汚れるのも気にしないで水場を探して走りだす。

31◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:42:18 ID:nzFY1R2E


 10分も走らないうちに運良く川が見つかった。とても透き通っていて自分が住んでいた川などと比べられないほどだ。

 すぐに死体を水につけ、そこで止まる。



       _-―――- 、._
     ,-"´          \
    /              ヽ   こ、こっからどうすればいいんだお……
    ./       ::::::::::::::::::::::::ヽ
   |      :::::::::::::::::::::::::::::::ヽ  サバイバル関係なら小説などで死ぬほど見たのに……何も思い出せねぇお…
    l       :::::::::::::::::::::::::::::::::;l
   ` 、        (__人_) .;/
     `ー,、_         /
     /  `''ー─‐─''"´\



 ナイフなんてものも持ってない、自分に出来たのは死体を逆さまにして水につけ血を洗い流すこと程度だった。

32◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:43:03 ID:nzFY1R2E


 今更ながらに、自分が一人では何にもできないことを突きつけられた気がした。

 持っていた知識など1%も使いこなせず、思い出してもその全てがうろ覚え、役になどたちはしない。







                   /´         \
                 ___,  '´               `ヽ 、
             ,,. ´                       ` ー- 、
             ´        ___         ___         \
            /´ ,..::::::::::.ヽ ヽ          /´ ,..:::::::::::.ヽ ヽ
           ,'  ,;::::::::::::::::::', ',        ,'  ,;:::::::::::::::::::', ',       うううう…うわあああああああああああっ!!
            {  {:::::::::::::::::::::} }         {  {::::::::::::::::::::::} }
            .'、 ヽ::::::::::::::/ /         '、 ヽ::::::::::::::/  /     ああああああああああああああああんっ!!
             >-ヘ -‐⊂⊃       ,    ⊂⊃‐->=イ
            .(  _ノ          |i    //  人 _)
           ( ´「          .||    〃    .ハ (
            人 l し        J.!|    |l     .しl 〉
           .',  | l  {,   .、_ _八__ 」L.、    | :|
         ノ│ ヾ、/ ,v─‐r──‐ハ r‐v、\__,,,,ノ /
            ヽ、l   人 ( |l _」∟ニ二」,L.、ノ ノ /(/
                  ` ̄´      l |
                   、        (ノ
                   (_` ┐-イ´



 あまりにも自分が情けなくて、自分はそこでまた泣いてしまった。

 泣いてもどうにもならないけれど、もう自分を抑えることが出来なかったのだ。

33◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:43:45 ID:nzFY1R2E

 暫く泣いていたお陰で、心もだいぶ落ち着いてきた。泣いていても仕方ないと気持ちを切り替え動物の解体を始める。

 ナイフは無いので辺りで尖った石などを探し、腹を裂いていく。




        ____
      /      \
     / ヽ、   _ノ \     えーと、内蔵は全部とって……うぐっ、気持ち悪いお…
   /   (●)  (●)   \
   |  U   (__人__)     .|   これが、えーと……くそっ、全然切れないお。
   \    |i||||||i|     /
    / __` ー'
    (___)

34◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:44:32 ID:nzFY1R2E


 何時間も夢中になって解体を続けた。そして辺りが薄暗くなってきた頃に、ひとまず解体は成功した。

 初めての解体に成功して飛び跳ねて喜ぶ自分。毛や革はそのままだし、骨も満足に取れていないがそれでも食べられる部分は作れたのが誇らしかった。



      γ⌒) ))
      / ⊃__          やったお! やる夫だってやれば出来るんだおっ!
   〃/ / ⌒  ⌒\
  γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒)  さぁ! 後はこれを焼いて食べるだけっ!!
 / _ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
(  <|  |   |r┬(    / / ))
( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)



 火を起こせないことに気がついてすぐ落ち込んだが…

35◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:46:09 ID:nzFY1R2E


 これが小説などの主人公なら火も起こせて食べられたのだろう。

 最悪は生でも食べられたかもしれない…今思えば何故さっさと食べなかったのかと悔いが残る。

 無駄に火を起こし始め、再び時間を使う。今自分が何処に何をおいて、今の状況と時間を完全に忘れ……






          _,,
.        , '´::::ヽ
       , '::::::::::::::i
.     ,. ':::::: : : : : ::l
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:: :: :::::: ::: :::: :::: :::::::::::::::::::ヽ
:: :::: ::: ::::: ::: :::::: ::::::::::::::::::::i



 どれだけ自然の中の夜が恐ろしいかを、知らなかったのだ。

36◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:46:49 ID:nzFY1R2E

 気づいた時にはもう遅かった。自分より一回りは小さいだろう犬が数匹、此方を睨んでいた。

 正確には隣においてある肉を注視して居た。



     / ̄ ̄ ̄\
   / ─    ─ \   あ、あばばばばばばばば……
  /  <○>  <○>  \
  |    (__人__)    |
  \     `⌒J´   /
  /              \



 うさぎにも勝てなかった自分が、犬に、それも複数に勝てるはずがない。

 真っ白になる頭を無理やり動かし、やる夫は全力で行動した。

37◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:47:59 ID:nzFY1R2E

 解体した肉を掴み、犬達の前に投げ込んだと同時に走りだす。

 犬が肉じゃなくて此方を狙っていたら、多分自分はこの時死んでいただろう。運が良かったのか悪かったのか…

 いや、自業自得なのだが。



             ___
           / ヽ  / \
      r⌒ヽ / ;;( >) (<)    ちくしょう…ちくしょうっ!!
      / /\ .| l|lii!:::::(__人__):i
     〈__/  }| ::::::u; /  / ;::::|   何で、何でなんだおっ! やる夫のご飯がっ!!
         / \     `⌒´_/
        /           \
       /      / ̄ ̄ヽ )
   _  r  /⌒ヾ/   //
  "ヽ |  i,     i    (_ノ
    | ヽ/ ヽ、_/  /
    ヽ、_/ / /
        (/



 犬は追ってこなかった。あんな小さな獲物より、自分の方が大きさ的にも見た目的にも肥えているのだから狙われやすいのに。

 その御蔭で助かったのだから、文句は何もなかったが。

38◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:48:50 ID:nzFY1R2E



         / ̄ ̄ ̄ \
      /   :::::\:::/\
     /    。<一>:::::<ー>。  もう少しで! もう少しで食べられたのにっ!
     |    .:::。゚~(__人__)~゚j
     \、   ゜i⌒i.⌒´,;/゜  何で! 何で何で何でっ!
    /  ⌒ヽ.ノ ノ'"´(;゚ 。
   / ,_ \ l||l 从\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.



 嘆いても仕方ないのは分かっている、でも叫ばずにはいられなかった。

 初めて自分で解体した獲物が横から奪われたのは凄くショックだったのだ。

39◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:49:35 ID:nzFY1R2E



              -─‐──‐-、
         /             \
        / ;            ヽ         このままじゃ餓死にしちまうお……
        l  U                l
        |     , 、     ;    |⌒´⌒`ヽ、  なんとかして明日は食べ物を……暗くなったら危険だから明るいうちに…
       !、  _ノ" "ヽ、__  ∪        \
        ヽ ((●)  (●) )::  /⌒゛`       l: あんな幸運滅多にないから、今度は自分で獲物をとって……え?
         /ヽ~゜(__人___)~__ ,ノ|     ,     |
         /   /` ⌒ ´    |     |    ,   !
          /   /    | `ー-,,,|"   |___,ノ   |
       /   /     |    |    |     ,lー─- 、
    , --‐-ー、_/      l     ,|    |   ,/  )   )
   く / / ァ- ,ノ      \ノ^ノ^/⌒ヽ.j\  /^ー-‐'  コツン……
    `ー' ー´ ̄       (_イ_,イ、_,ィ'´__/   ̄



 運良く見つけた小さな洞窟に入り、明日のことを考えながらうずくまっていると足が何かにぶつかった。

40◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:50:12 ID:nzFY1R2E



                ̄ 二イ  :,. -- 、 \   \ \ \ `  、 ヽ、   \
                ,.イ' ,. = |fヘ!`ト:\. ` ー- ______ヽ__丶、  ` - ニ= 、 \ _
               / /:/ ,/、 || }ト,. |ヽ! ー- /:/´ ̄ \`:、 ̄ ̄丁丁 ̄ ̄丁:|
               ,.'  i/  /\ヽ! .|ハ. マ `ー/ /     ヽ:\ く::::::\. 「 ̄::::::\
                 /   / ,'/`ヽ, ヾ;、,.レヘ V7 /         \\ \:::::| |:::「 \::::|
             /   / / ! / ハr:'´:::::::/\\{  __.. -‐  ̄ ̄,\\ ヽ:!.|:::l、  ヽ!
              ,'   | /! { | :i {|r‐'::/:::::/,ヘ\´     \_    \\ ヽ::\
              !.    | | | |. ',.i. |レく:::::::::/j仁. 二´______ー--  ̄,ニ=ヘ,.\ \:::`ー
               |.   | | || ヾ!.|゙仁ニ=1'"〃,ィ" ̄Y!}》}i/  ̄ ̄ _厂{. rヘ、\ ヽ、
            !   | |. !..ト、  ヽ!{_¬!{ 'リイヘ;___,ノ'  'ー=、   ハヽ  トく \: \
                ',    ', l ヽト、\ \Yトュ'" ' ヾ≡彡'メ、   三\ ! `|      ノ\
            ヽ   ヽ.{ ヾ \\. }ト、   - = 彳,勿ァァ 、¬ヽ, !     / ,|iiiiiiii!
                   ヾ,  \.\`〈 tx,ヽ  ー - ' ´彡 '^フ`ヽ} ,'   /,イ {iiiiiiii!
                  ヽ.   \`ート、゙い }   -t¬ァ'´__/^Y:1i.   /|! :',iiiiii!
                      \     Y_ヾソ ` ̄ `'_ ノ\__ト-'_ i:|  / :| l  ',iiii!
                     ヽ    ヾ, 、  __ /^Y `!__ノr‐く_ノi:|   1  !   :',ii
                           Y''く  `i |、_,ノrベ!_ } Y! /ハ     }!
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                                    i.    // lYト,//::::::::::::::::
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                                         〈//:|:} ..:.::/::/
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41◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:51:44 ID:nzFY1R2E



                   _____
                 /::'⌒:::::::::::; '⌒゙\
                /:::::::::::::::::::::::::∪    \
              /::/´  `ヽ::::::::::/´  `ヽ \     し、ししし…死体っ!?
             /::::::(     l:::::::::::::l     )  \
           /::::::::::::::ヽ_   _ノ::::::::::::ヽ_  _ノ  ; \  くぁwせdrftgyふじこlp!??!
           |:::: ;:::::''"⌒'(    i    )'⌒"' ∪  |
           |:::::U::::::::::::::::::::`┬─'^ー┬'′       .|
            \::::::::::::::::::::::::::::|エエエエエ|         /
             \::::::::::::::::::::: !llllllllllllllll|   U  /
             /:::::::::::::::::::::::!llllllllllllllll|      \
            /:::::::::::::::::::::::::::└ .u U┘         ヽ
             |::::::::::::::::::::::::::::::::::::          ,    |



 動物の死体はまだしも、白骨化した人間の死体を直視してしまい意味不明な言葉を叫んでしまう。

 漏らさなかったのは、最低限のプライドが働いたお陰だろうか。

42◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:52:31 ID:nzFY1R2E



 やや暫く怯えていたが、ゆっくりと落ち着きを取り戻し改めて死体を見る。

 よく見ればこの死体は今の自分にとって現状を打破できる物を数多く持っていたのだ。



          ___
         /     \     こ、これ…ナイフだおね、少し錆びてるけど使えないこともないお。
       /         \
     /     \ , , /  \  他にも大きな剣、ロングソードかお? 盾は無いけど…後は読めない本と幾つか…
      |      (ー)  (ー)  |
     \  u.   (__人__) ,/  これがあればあのウサギに勝てる…いや追っ払える位は出来るかも。
      ノ     ` ⌒´  \
    /´      _i⌒i⌒i⌒i┐ ヽ
    |    l  ( l / / / l
     l    l  ヽ       /



―ナイフ【13】を手に入れた
―ショートソード【25】を手に入れた
―本を手に入れた
―本を手に入れた
―メモ帳?を手に入れた

43◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:53:15 ID:nzFY1R2E



        ____    ━┓
      /      \   ┏┛
     /  \   ,_\.  ・
   /    (●)゛ (●) \     え、何今の…? 頭の中で文字みたいなのが…?
   |  ∪   (__人__)    |
   /     ∩ノ ⊃  /     ショートソード【25】? 25ってなんだお?
   (  \ / _ノ |  |
   .\ “  /__|  |
     \ /___ /
   



 そして、初めて理解する異世界という理不尽。

 自分はここで完全に自分が異世界の存在なのだと理解した。

44◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:54:49 ID:nzFY1R2E



―情報が一部解禁されました

―技能【鑑定:最下級】獲得

―技能発動、対象ショートソード

―ショートソード【50/25】
何の変哲もない鉄の剣。振り回しやすいが安価の為、壊れやすい。
■25回使用すると修復不可能



           _-─―─- 、._
         ,-"´     ゝ   \    わけわかんねーお、ゲームの世界なのかお…?
        /              ヽ
         /       ::::/::::::::\::ヽ  例えそうだとしてもやる夫には無理ゲーだお…
       |       / ヽ `::::´ /`ヽ
        l       ( ○ノ::::::::::ヽ○.;l
       ` 、        (__人_)  .;/
         `ー,、_         /゚
         /  `''ー─‐─''"´\o



 此処に来た直前なら素直に喜んだかもしれない、そのままゲームや小説の主人公の様な状態なのだから。

 でもウサギに殺されかけ犬から逃げてきた自分には、有難いがテンションが上がるものではなかった。

45◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:56:25 ID:nzFY1R2E



            ____
          /      \
        /         \    でも、少しは希望が見えてきた気がするお…
      /   _ノ   ヽ、_   \
      |   ( ●)  (● )  |  調子には乗らない、これだって回数制限が有る…どうやって生き残るか…
      \    (__人__)    /
       γ⌒  ` ⌒´   ⌒\  火も起こせないんだから、まずはそこから、飲み物はあの川で良いとして、食べ物を…
       /  (___    __) \
      (____ ヽ γ' ___) 本が読めれば、何とかなるのかお……
      /    ヽJ  し’    \
    /  ./   \  /  \  \
   ./ / \         / ..\ .\
 /' __)    ヽ、__人__ノ    (__  ’\
(_/                    \_)



 こうして自分の生活が始まった―

 毎日怯え、食べ物を探し、夜になる前に隠れる場所を見つけてはそこで怯えて夜を過ごし、朝方に少し仮眠をとる生活。

 まるで小動物の様な生き方、でも今の自分にはそれしか出来なかった。

46◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:56:58 ID:nzFY1R2E
:::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:. .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . . . . . . . . . . . . . . . . .
::::::::::::.:.:.:.:.:. .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . . . . . . . . . . . . . . .
:::::::::.:.:.:.:. .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: . . . . . . . . . . . . .
::::::.:.:.:. .: .: .: .: .: .: .: . . . . . . . . . . . .
::::.:.:. .: .: .: .: .: . . . . . . . . .
:::.:. .: .: .: . . . . . . .
:;.:. .: .: . . . . .
:.:, .: . . . . .
:.:, .:, . . . .

47◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:57:42 ID:nzFY1R2E

               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \   
            |      (__人__)     |
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \

【入速出やる夫】
【人間:異世界人】
【年齢:20】
【HP】12 【力+体×2】
【MP】11 【知+魔+精】
【力】3  【速】2
【知】5  【魔】4
【精】2  【器】2
【体】3  【運】1
■所持スキル
【???:???】
【サバイバル:最下級】
【鑑定:最下級】

■ショートソード【50/25】
■ナイフ【13】未鑑定
■本【未鑑定】
■本【未鑑定】
■メモ帳?【未鑑定】

48◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 20:58:49 ID:nzFY1R2E



 まず自分ができることから始めた。空腹が集中力を遮るが、それでも必死に頑張った。


――本鑑定 【生活魔法の書】
――本鑑定 鑑定失敗、熟練度が足りない
――ナイフ鑑定 ナイフ【40/13】
――メモ帳鑑定 【メモ帳】

――鑑定熟練度上昇

――【生活魔法の書】解読開始・・・・・・・・・・・・・・文字が読めない 【解読:最下級】必要
――【メモ帳】解読開始・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・文字が読めない 【解読:最下級】必要

――【解読:最下級】取得条件 
1:元世界の人間【知】3 
2:異世界の人間【知】6





      / ̄ ̄ ̄\
   γ⌒)      (⌒ヽ    文字が読めない…知力が1足りないってイジメかお…
   / _ノ ノ    \  \ `、
  (  < (○)  (○)   |  )  てか、ステータスが見えるって……
  \ ヽ (__人__)   / /

49◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:00:35 ID:nzFY1R2E



 この世界はもしかしたらゲームか何かの世界なのかも知れない、そう考えると自分がおかれた立場がどれだけ危ういか理解できる。

 ないないづくしだった自分がどれだけ危ういのか、どれだけ危険なのか身にしみてわかったからだ。

 もしこれが初めから人のいる場所で、このステータスなども見れたのなら自分はまた馬鹿をやっていただろう、そう考えると寒気がする。





       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \   でも生き残る可能性が出てきたお。生活魔法ってのがもしやる夫でも使えたらなんとか生きてられるお…
  /  o゚⌒   ⌒゚o  \
  |     (__人__)    | ありがとうやる夫、魔力もっててありがとう。
  \     ` ⌒´     /



 最早、自分がチートなどとは微塵も考えてない。何よりもまずは生き残ることを優先した。

50◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:01:59 ID:nzFY1R2E


 それからは早かった。朝は川に行き水を飲み(貯めておくものが無い)川辺で魚などを探す。

 昨日の今日で火なんか起こせるわけもなく、最悪は生で食べるつもりで全力で獲物を狙った。

 そう上手く出来る訳ではなかったが、1時間程度でなんとか小さめの魚を取ることが出来た。



        ____
      /      \        やった! やったお!! この際このままでも食べるお!
  o ○ o´  _ノ  ヽ、_ `o ○ o
.。゚   / o゚/⌒)  ((<))゚o\   ゚ 。
    | 0 / /(__人__)'  0 |
    \ / /  `― '     /



 また動物やモンスターに横取りされてはたまったものじゃない、すぐに隠れていた場所まで戻る。

51◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:02:58 ID:nzFY1R2E


 戻ってきてからナイフでぎこちない手つきで魚を捌く、骨などはついているがほぼ無視して齧り付いた。

 決して美味という訳ではなかったが、それでも今の自分にとっては最高のご馳走だった。



         ____
       /     \
      /  _ノ   ヽ、\     美味しい、美味しいお……早く火を使えるようになりたいお…
    /   (○)  (O)  \
    |       ||  (__人__)  ..|  この本が読めたらきっと出来るはずなんだお……
    \    ノi   !  |.  /
     /    し'   `⌒´ .ノ
     |       ./ ./

52◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:03:54 ID:nzFY1R2E



 腹も多少満たされ、ある程度落ち着きを取り戻したので次は本を読めるように試行錯誤する。

 本を読むのには【知】6が必要で、今自分は【知】5である。1程度なら理解できても良さそうなものだが正直全く理解できない。

 外人が他の国の言葉を、知性が足りているからと言われすぐ覚えられるかと言えば否でしか無い。



     ____
   /      \    ぜんっぜんわかんねーお…ステータス足りてれば一気に覚えるのか、それとも…
  /         \
/           \  これが覚えられたらきっとかなり楽になるはずなのに。
|     \   ,_   |
/  u  ∩ノ ⊃―)/   
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

53◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:05:34 ID:nzFY1R2E


 しかしこれを読めるようになれば、最低限の生活が出来る様になるかもしれない。

 もしこの世界が自分の想像したような世界ならば、ステータスが足りていれば読めるかもしれない。

 読むことが出来れば、魔法が使えるようになれば、今以上の最低な生活レベルは抜け出せる、そう信じ理解できない文字を黙って読み続けた。




     ____
   /      \    えーと、こことここの文字同じで……
  /         \
/           \  もっとしっかり外国語とか覚えておけば、すこしはましだったかお…?
|     \   ,_   |
/  u  ∩ノ ⊃―)/   
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

54◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:06:11 ID:nzFY1R2E


 結局その日は読めないまま1日が過ぎた。もしかしたら結局覚えられずぬか喜びなのかも、と心の中で落胆しながら。




             ____
           /      \    もしかしたら…いや、諦めちゃ終わりだお…
         /           \
        /   _ノ ::::::: ゝ、  \  あのウサギとかを倒せればレベルアップ…剣があるけど…防具が…
          |   (○)  (○)  u |
        \   (__人__)   ,/  というかレベル表示がないのにレベルアップするのかお……
        /    `⌒´    \

55◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:07:28 ID:nzFY1R2E

 後は冒頭まで戻る―

 結局自分は一週間以上道具を抱えて怯えて逃げ惑っている。

 水は何とか飲めるが、火は結局使えずじまい。魚などを食べて飢えを凌ぎ、たまにあたって腹を壊し、痛みに耐え逃げ続けた。

 小さな動物を何匹か殺せたがレベルアップもなにもなく、未だに本は読めていない。

 森から抜け出せる事も出来ず、きっと自分はそろそろ死ぬのだなと諦めかけていた。




                         _____
                   / _ノ  ヽ_\
                  /  (○)  (○)      今日も獲物はダメ…あの草は食べられなかった。
                     /     (__人__)  ヽ
                     |  U   ` ⌒´   |    キノコは毒があるかもしれないから……魚があれば…今日は何処に隠れよう…
                 \         /
                 /         \ 
                /  ,        l  |
                   /  /|        |  |
               /  / .|        l! .|
                 /  /  |        || .|
              /  く  . |         l'  {
             (__{ー'   |    |     .|ヘ__)
                   |    |!     |
                    |    ||    |
                     |    l.!     |
                      |    l.|    |
                     ノ    l !    ヽ
                    (___ノ ヽ ___)

56◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:07:56 ID:nzFY1R2E


           _-─―─- 、._
         ,-"´          \
        /              ヽ    結局やる夫には無理だったんだお…
         /       _/::::::\_ヽ
       |         ::::::::::::::  ヽ  こうやって生きてるのすら奇跡で…小説やゲームの主人公はきっと特別で…
        l  u    ( ●)::::::::::( ●)
       ` 、        (__人_)  /  満足に火すら付けられないなんて……情けなさすぎるお…
         `ー,、_         /
         /  `''ー─‐─''"´\

57◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:08:23 ID:nzFY1R2E
 /;; ゞ ;;; ::|;ll;:lソ;;:;;;ヾ;:::|;l;::l|;;::::::;;;ノ ヽ ;;::::::;;;;:ゞ;;;::::: ;;::;;; ゞヾ
  ソ : :; ;; ;;|::;ll;l|ヾ ヾ;;::;|;;;:ll|;;;::;;ハヾ;;::::ソ;;::/ヽ;;;::ヾ ;;;;::::::;;;:ヾ
      |;ll;:ll|    |;l;::l|      ;;::|;;::ll| ;;:::: ;;;ヾ;;;:::ヾ
      |::;ll;l|    |;;;:ll|      |::;;:l|      ;|;;:ll;|;;::ノ
      |;ll;:ll|    |;l;::l|      |;;::ll|      :|::;;ll|
 ;;;:: ::; ;;:::|::;ll;l|; : : :; ;;:|;;;:ll|::::;;; ;; ;;::: ;;.|::;;:l| ;;:: :::; .,|;;:ll;|::;;;;;;;;;;;
::;; ;;:: :::;; ノ ::;;lll;;:: ;; ;::; |::;;ll|;;; :::: ;;: :ソ;;::llハ ;;:: ::::|::;;ll|" ;;;::::.......
 """" :::::: ;;;;;; ;;  ;;'''""" ::;;;;;;;;;;;  ;;::::::::  ;;::ノ ハ:ヾ  " ;;::::::
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58◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:09:37 ID:nzFY1R2E



       / ̄ ̄ ̄ \
     /       . \   ぐちっても仕方ないか……
    /  _ ノ   ヽ、_   \
   .|   (ー)  (ー) .  | 早く眠れる所に………!?
    \    (__人__) .  /
     /    `⌒´    ヽ                          ガサッ
    ヽ、二⌒)   (⌒ニノ



 
―モンスターが現れた!!



                |''|
 ____         __.|‐|__          ____
 | ___ `\.    / |ー| \    /´ ___ |
 \l     \  `ヽ<  |'ー'|   >-''´ /    l/
   \      \.   \|'ー '|/  ./     /
     \   \  \  |'ー―'|  /  /   /
       \__\/   'ー―'  ヽ/__/
       // /        \ \\
      / ./   |  | ̄\ / ̄|  |  ヽ ヽ
      | |   l  \/i i\/  l   | |
      | |    \ _/  \_ /   .| |
      ヽ ヽ     >、 Y ,.<     / ./
      / \ヽ     /ヽ_l_/ \   / /\
     彡   \ヽ,-'\     /ヽ、//   ミ
      ~'''''" ̄ ̄'vVv' ̄ ̄ ̄'vVv' ̄ ̄"'''''~

59◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:10:06 ID:nzFY1R2E



        : ィ´ ̄ ̄ `ヽ :
          ー-''  ヽ、__ヽ
      : / (  )  (  ) ヽ   な…ぁ…!? 
       { |i|T(_人_) u  }
       !  u  |--|    / : う、ウサギ…ウサギかおっ!?
      : 丶.    |_j  _ノ
         ゝ  ー‐  ヽ :   あれから逃げ続けてきたのに!!
        : /        ',
        /         ',
       !
      : {          i
        i  /      i j } :
        lヽ/       !ノ !
        !          l
       : i  |ー --- ―i j
         ヽ!       |/ :

60◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:10:56 ID:nzFY1R2E



     , -──-、  ガタガタ
   /      \
  /    ノ   ヽ、 \             逃げっ!! …また逃げられるとは限らないお…
/   (●)::::::(●)  \        ,
|  ヽ   (__人__)'    |      //   こっちには剣もあるから、牽制して逃げれば…
\、  u `⌒´    /      //
 (⌒ヽ        ィヽ     //
 l \  \     ,   |   //
 |  \,, \   |  | //
 |    \  \_  ヘ//
 |     \_r' ソイゝ
 |        r_ゝィ'〆




―やる夫は身構えた

―モンスターは様子をうかがっている

61◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:11:41 ID:nzFY1R2E



                               や、破れかぶれだおっ!!

                                コンチキショーッ!!
                    ___
                   /     \
                 /     ' "\ ,\
               /      ( ◯)ヾ'|
                |   ij   "⌒(__人_)          _   三 ─ _-
               \         `i ヾ/          ≡ | |____=≡____
               γ         ⌒` ̄二 ̄= ̄== |───────── 〉
             //           y──≡三 ─ 二. | | ̄ ̄二 ̄ ̄三 ._ ̄ ̄
             / /         /               ̄  ̄  ─ ̄  ̄
               ゝ__/         /
                 /         /
            /       /   \
           /    / `\     \
         /    /    `ン    !
        /    /      /    /
      /    /       !、____`)
       !、____`)



―やる夫はショートソードでモンスターを攻撃!!





                |''|
 ____         __.|‐|__          ____
 | ___ `\.    / |ー| \    /´ ___ |  1Hit!
 \l     \  `ヽ<  |'ー'|   >-''´ /    l/
   \      \.   \|'ー '|/  ./     /
     \   \  \  |'ー―'|  /  /   /
       \__\/   'ー―'  ヽ/__/
       // /        \ \\
      / ./   |  | ̄\ / ̄|  |  ヽ ヽ
      | |   l  \/i i\/  l   | |
      | |    \ _/  \_ /   .| |
      ヽ ヽ     >、 Y ,.<     / ./
      / \ヽ     /ヽ_l_/ \   / /\
     彡   \ヽ,-'\     /ヽ、//   ミ
      ~'''''" ̄ ̄'vVv' ̄ ̄ ̄'vVv' ̄ ̄"'''''~


―モンスターに中ダメージ
―モンスターは衝撃で動けない!

62◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:12:33 ID:nzFY1R2E
             _____    i|      |i
            /     \   i|       |i
          /ノし' "\ , 、/゙\  i|       |i    う、うわあああああああああっ!!
        / ⌒(( ◯)ヾ'(〇)ヽ, i|        |i
         |     "⌒(__人__)⌒゙l  i|         |i
        \      `i ヾ/´ /   i|         |i
       / ̄        ⌒ヽ  i|           |i
        /  ,、          |  ,i|          |i
.       |  ||       /  /  i|           |i
.       ヽ、 ヽ、   /  /  i|i           |i
     / ,\  \,    /  | i|i             |i
     |  ヽ\  ゛^`1   j|iヽ             i|i
.    /   / ゙̄i, ^ ,.,r' j|i   \            i|i
   (    /     `\ ' \ヽ   ヽ        i|i
    `ー‐'′     . \ //    |__      i|i
                  \;; \,, _)    i|i
                  \,:;\ "   i|i
.                     \,//  i|i
                        `ーi|′


―やる夫は大きく振りかぶった!!





                |''|
 ____         __.|‐|__          ____
 | ___ `\.    / |ー| \    /´ ___ |  1Hit!
 \l     \  `ヽ<  |'ー'|   >-''´ /    l/
   \      \.   \|'ー '|/  ./     /
     \   \  \  |'ー―'|  /  /   /        ピギィィィィィ!!!
       \__\/   'ー―'  ヽ/__/
       // /        \ \\
      / ./   |  | ̄\ / ̄|  |  ヽ ヽ
      | |   l  \/i i\/  l   | |
      | |    \ _/  \_ /   .| |
      ヽ ヽ     >、 Y ,.<     / ./
      / \ヽ     /ヽ_l_/ \   / /\
     彡   \ヽ,-'\     /ヽ、//   ミ
      ~'''''" ̄ ̄'vVv' ̄ ̄ ̄'vVv' ̄ ̄"'''''~


―モンスターに大ダメージ!!
―モンスターを倒した!!

―角ウサギカード1枚獲得
―角ウサギの角を1個獲得

―やる夫の【力】が1上がった
―やる夫の【知】が1上がった
―やる夫は【解読:最下級】を覚えた。

63◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:13:47 ID:nzFY1R2E



      ____
      /_ノ ヽ、_ \
   o゚((●)) ((●))゚o    た、倒した・・・・・・! やる夫が、やる夫がウサギを倒しんたんだおっ!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::::\
  |       |r┬-|     |  やった・・・やったああああああああああっ!!
  \     `ー'´     /

64◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:14:56 ID:nzFY1R2E



 倒したモンスターは消えていた。動物とモンスターはやはり違うらしい。

 何よりも違ったのはステータスが上った事、動物より強かったから、という可能性もあるがそれは後で調べればいい。

 手に入った角とカードを鑑定してみる。

―角ウサギの角 かなり堅い角、棒の先端につけて槍などに用いる事が多い、特殊な魔力などはない。

―角ウサギカード 永続カード。セットしている限り【速】+1 重複不可能 

―【鑑定】ランク上昇!!



         ____
        /     \    よくわかんねーけど、武器のお陰で助かったお・・・
      /  _ノ  ヽ、_  \
     /  o゚⌒   ⌒゚o  \  力と知も上ったし、もしかしたら本読めるかも・・・・・・早く寝床探さないと。
      |      (__人__)     |
     \     ` ⌒´     /
      >    / )ヽ   <
      (  \ / __ハ ) /  )
      \  ゙  /ヽ ゙  /
         \_/   \_/



 かなり便利な能力だが、いまいち使い道がわからないので保留にし、寝床を探しにいく。

65◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:15:34 ID:nzFY1R2E


―ショートソード【50/23】



                  ___
                    /\:::::::::/\.
                   /:::<◎>:::<◎>:::\    武器の使用回数が減ってる・・・出来るだけ使わないようにしなくちゃ。
                  /::::::::⌒(__人__)⌒::::::\
                  |     ` ー'´  u   |  今日はもうウサギには会いたくないお。
                  \  u   :::::     /
                  /    :::::::::::::::::::    \
                /                 \  〈〈〈 ヽ
                               (〈⊃  } }

66◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:15:56 ID:nzFY1R2E
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67◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:19:30 ID:nzFY1R2E


―小さな洞窟



  _ _   ___
 / ) ) )/ \  /\
 {   ⊂)(●)  (●) \   やった!! 読める! 読めるおーーー!!
 |   / ///(__人__)/// \
 !   !    `Y⌒y'´    |
 |   l      ゙ー ′  ,/
 |   ヽ   ー‐    ィ
 |          /  |
 |         〆ヽ/
 |         ヾ_ノ



―鑑定成功 【火炎魔法の書】【解読不能:要【解読:下級】】

―解読成功 【生活魔法の書】【5割読破】【必要知:8】

―必要【魔】到達

―魔法取得
【火魔法:最下級】
【水魔法:最下級】
【風魔法:最下級】
【土魔法:最下級】
【治癒魔法:最下級】

■所持魔法
【灯火】MP:1
指先からマッチ並の火を起こせる。

【浄化】MP:1
バケツ1杯分の水を浄化できる。浄化した水は飲むことが出来る。

【弱風】MP:1
一定時間、うちわで扇ぐ程度の風を起こせる、場所指定可能。

【活性】MP:1
一定距離の土が活性化する、作物栽培に適している。

【軽癒】MP:3
擦り傷、軽い切り傷を回復する。 【魔】点分HP回復。

68◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:20:45 ID:nzFY1R2E



        ____
      /      \
  o ○ o´  _ノ  ヽ、_ `o ○ o     【灯火】・・・・・・これで焚き火が出来る・・・焼いたものを食べられるお・・・
.。゚   / o゚/⌒)  ((<))゚o\   ゚ 。
    | 0 / /(__人__)'  0 |      どんな仕組みかなんてどうでもいい、今は出来ることを喜ばないと。
    \ / /  `― '     /



 これで漸く小動物並の生活から人並み以下の生活が出来る、そう考えただけで涙が止まらなかった。

69◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:21:13 ID:nzFY1R2E



         ____
       /     \     こっちの方は火炎魔法の書かお・・・
      /  _ノ   ヽ、\
    /   (○)  (O)  \  まだ読めないけど、これで攻撃魔法が使えれば武器の節約ができるお・・・
    |       ||  (__人__)  ..|
    \    ノi   !  |.  /  でも普通にステータスが上がらなかった以上、やっぱりウサギとか倒さないと・・・
     /    し'   `⌒´ .ノ
     |       ./ ./

70◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:21:44 ID:nzFY1R2E



           ____
         /   ∪  \
       γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ   あれは運が良かっただけ、死ぬ気だったからいけた・・・
      / _ノ (>)三(<) \ `、
     (  <:::∪:::::(__人__):::::∪|  )  でも次行けるとは限らない・・・やる夫は弱い、弱いんだから・・・
      \ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://



 一度染み付いた恐怖はそう簡単に取れるものではなかった。

 魔法が使えるようになったという事も、喜びは多いが慢心を生むことはなかった。

71◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:22:08 ID:nzFY1R2E



 

         ____
       /      \
     /   _ノ  ヽへ\  ・・・ひとまずは食料を集めることに専念しないと・・・
    /   ( ―) (―) ヽ
   .l  .u   ⌒(__人__)⌒ |  てか、生活魔法の土って、地味に使い道ないし・・・水と火は凄く役立つけど。
    \     ` ⌒r'.二ヽ<
    /        i^Y゙ r─ ゝ、 風はうちわでよくね?
  /   ,     ヽ._H゙ f゙ニ、|
  {   {         \`7ー┘!

72◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:22:54 ID:nzFY1R2E


―【灯火】発動、小さな火が灯った





               ___
              /      \      焚き火・・・あったかいお・・・
            /   ⌒   ⌒\
         /   ( ●) ( ●)\  長い詠唱とかなくて良かった、これならすぐに使えるし。
          |      ⌒(__人__)⌒ |
        \     ` ⌒´   /   明日は小さな動物や魚集めに専念しよう。
          /⌒           ヽ
       |   ヽ__     _ ',   何はともあれ・・・まずは食べ物を手に入れないと
          :、_     )  ( ̄ _丿
          |   /  ̄`i  / ̄  `i
          |      |     ,    |
         ∧ |     |__/     /
        `ーヽ _ |   |  _/
          (__)  、__)



 この世界にきて初めて感じる火のありがたみ、恐怖はまだあるが、生きる希望が漸く見え始めた・・・


―続く予定

73本棚のやる夫さん2014/06/02(月) 21:23:52 ID:7nwkDzc2

なろう小説をAA化したような感じですね

74◆tC1gMIWp2k2014/06/02(月) 21:24:25 ID:nzFY1R2E


 し、心臓がバクバクいってます・・・と、とりあえず今日はこれで終了です。

 見ていた皆様、駄文にお付き合い頂き、有難うございました。

 続きは未定です。書きたいけど、時間が・・・(涙

75本棚のやる夫さん2014/06/02(月) 21:33:19 ID:MyiRviwM
乙です。
魔法を覚えてまずは一歩前進か。

77本棚のやる夫さん2014/06/02(月) 22:50:02 ID:9NYaoXxI

このやる夫は見てて心が痛くなってくるなw
その分、前に進めた時の喜びも共感できるけど

79本棚のやる夫さん2014/06/03(火) 00:41:07 ID:e9xSvlLM

このやる夫はチート要素は無いけど努力次第で何とか生きていけそうだから
コツコツと成長して欲しいな

80本棚のやる夫さん2014/06/03(火) 02:29:54 ID:nwZrx5rg
乙、好きな雰囲気だ
ちょっとずつ強くなって、人助けしたいな

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