以下の内容はhttps://yarnyarnyarn.hatenadiary.com/entry/2025/05/19/224507より取得しました。


『王者の挑戦「少年ジャンプ+」の10年戦記』

10年間ずっと一番好きなジャンプ+漫画はサクライタケシ先生のルポ漫画です。なので、ジャンプ+が躍進し始めた頃だったか、編集部の取材記事を読んだとき、「えっこの籾山さんてサクライ先生をおにぎり屋から引っ張ってきたM山さん……? こんなすごい人だったの……?」となったのだけど、これって遥か昔「えっこの伝説の編集者鳥嶋さんってアラレちゃんのDr.マシリト……?」となったのと全く同じである。ジャンプの名物編集というのはそういうものなのだろうか。

その籾山さんが主役のひとりのジャンプ+10年戦記、おもしろかった。秋田に行く飛行機の中だけでほとんど読み終わってしまった。
出てくる作品名がほぼ全部わかるので、本当に私10年前から毎日見てるんだな……と改めて結構すごいなと思った。本誌だって週1なのに。

ガラケーのコマ読みにイライラした世代で、今も漫画アプリは多く見てる方だと思うので*1、色々と思うことが多いマンガアプリの、黎明期からの開発の話が面白くないわけなかった。特に最初期、なんで雑誌じゃなくて作品ごとにアプリ作るんだろう、無駄じゃないのかな、と思っていたことの答えが今になってわかると思わなかった。そして知ってみれば納得しかなかった。やはり作る側には深謀遠慮があるものである。

はっきり覚えてるわけじゃないのだけど、ジャンプ+は初期にやっていたリバイバル連載を、あるときからトップのランキングに表示しないようにしたような気がする。ただこれはほんとうに薄ぼんやりした記憶なので間違っているかもしれない。「ヒカルの碁」を読んでいたのだけど途中で見失ったから、あれ出ないようにしたのかなと思っただけで、ひょっとしたら知らないうちに終わってたとかそういうことだったのかもしれない。
その時はリバイバル連載が見えなくなって不便だなと思ったのだけど、今現在別の出版社のアプリでリバイバル連載も、雑誌連載の後追いも、オリジナル連載も、全部同じページに表示されててわけがわからないので曜日別表示のページを全く見なくなり、毎日アプリ開いてても話題になってる読み切りに気づかないので、ジャンプ+は正しかったんだなと思っている。というか、結構前から「すべてのインターフェースとシステムがジャンプ+になればいいのに」と思っている。本気で。タブレットの横置きに対応してないやつなんて言語道断である。
特に初回全話無料は途中から連載に追いつける最高のシステムで、トータルの読者を増やすためには絶対これが一番いいのは素人目にもわかる。そのこともしっかり書かれていた。そしてその発想は「あの“月曜の感じ”」(P152 第5章「ジャンプ+」初の100万部)を求めたから出てきたというので、そうか、それならジャンプ+からしか出てこない発想だよなと思った。


私自身、本を置く場所がなくなり、漫画を電子一択にしたのがそれこそ10年くらい前だった。しかし電子書籍は売り上げにカウントされないだの、連載終わらせたくなかったら紙で初版を買ってくれだの、同じ金額を出しているのに電子版読者は何の貢献もしてませんみたいな言われ方をした。
読んでる方でそれなんだから、ボーンデジタルの漫画どころかその媒体そのものを作るのがどれだけ大変だったか、想像もできなかったが、その一端をこんなにつぶさに見ることができて嬉しい。この戦いの全てが、デジタルの市場を広げ、電子と紙の売り上げを逆転させ、さらに電子によってコミック市場を拡大してくれた。世界的市場の話まで読んだ後にめちゃくちゃミクロな視点で恐縮だが、やっと一読者として電子で読んでて肩身が狭い思いをしなくていい時代にしてくれたという意味である意味恩人みたいなものである。時代というのは自然に移り変わるわけじゃないんだな。

いやしかしこれほんの数年前の話よ。うるせぇ紙だと置けないから買わない一択なんだよ買うだけマシと思ってくれよと、つい最近まで思っていた。とある漫画の1巻を、作者本人が紙で買ってくれないと連載継続の後押しにならないと書いていたので買った記憶があるのだけど、それが今見たら2017年だった。こんなことも電子が当たり前になった今となっては、全部忘れられていくんだろうな。

そんな恩人のひとりがここ「はてな」であったことも嬉しい。私ジャンプ+を通じてはてなを使ってたのか……全然知らなかった……。
元々はてなにははてなブログができてからも一文の得にもならないはてなダイアリーを延々残してくれて、最後どうしようもなくなって移行する時もすごい長い移行期間を設けてくれた上に手動で移行しなくても強制移行してインターネット上のテキスト文化が無くなることを極力防いでくれた恩がある。なので今でもここで書いてるのだけど、よくここまでしてくれるなと思っていた。
この本の中で、「「はてな」には「インターネットが良い場所になること」をもっとも優先事項とする哲学が流れている」と書かれていて(P119 第3章 2014年9月22日)、ああそれであそこまでしてくれたのかと腑に落ちた。

そんな常に置き場所と戦っている私だが、この本は「漫画の本なんだからきっと画像がいっぱいあるだろう。リフロー型の電子書籍で読んでて、画像を次のページに追い出して表示するために段落の間が無駄に空くの大嫌いだから紙で買おう」と本屋に行った。あにはからんや、画像は章末に1ページずつしかなく、これなら電子書籍でも快適に読めそうだな……とちょっと悩んだ。
結局飛行機乗る予定があるから紙にしておくかという当初の予定とは全然違う理由で紙で買った。
ひたすらにおもしろい漫画を作り広めることのみに専心した記録でありながら、漫画の画ではなくて、まるでそこで聞いていたかのような編集者一人一人の言葉でできている本だった。

*1:ジャンプ+、コミックDAYS、パルシイ、マガポケ、ゼブラック、マンガMee、マンガワン、サンデーうぇぶり、ガンガンオンライン、マンガUP!、ピッコマ、まんががうがう、ゼロサムオンライン、GANMA!、コロナEX、pixivコミック、コミックガルド。あと最近多いコミチのやつがヤンアニ、ビッコミ、ヤンチャン、アサコミ、コミックPASH!。これひとつにまとめられないのかといつも思う




以上の内容はhttps://yarnyarnyarn.hatenadiary.com/entry/2025/05/19/224507より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14