2025年最後の映画館での映画鑑賞は、マイケル・キートンが製作、監督、そして主演を務めた本作となった。深町秋生さんが推してて知った映画である。
凄腕の殺し屋である主人公が、アルツハイマー病よりも急速に記憶を失う病(えーっと、何という名前の病気だったっけ?)と診断され、またその仕事を知られたことで疎遠になっていた息子から殺人の隠蔽を依頼され、残された数週間で果たして仕事をやりおおせるかという映画である。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で復活して以降、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』や『ビートルジュース ビートルジュース』などの主演作、また『スパイダーマン:ホームカミング』などの脇役でも良い仕事をしているが、本作はやりたい企画だったんだろうな。アル・パチーノやマーシャ・ゲイ・ハーデンといった名優との贅沢な共演が実現しているあたりにキートンの人徳が窺える?
主人公が認知症の映画というと『手紙は憶えている』が浮かぶが、いくら終活映画(なんて言葉あるか?)とはいえ、本作の主人公は凄腕の殺し屋で身体は動く。それでも病は容赦なく主人公の認知をむしばむなか、困難な仕事に挑むキートンの佇まいが良いわけですよ。途中、観客のほうも主人公の行動が分からなくなる一種のミスリードにより展開が読めなくて、それが見事に回収されるクライマックスに唸らされる。
本作はノワールであり、贖罪の映画でもある。
主人公を追う警察側、特にスージー・ナカムラ演じる刑事も良かったな。