リナ・カーンといえば、このブログでも何度も取り上げている法学者にして、バイデン政権で連邦取引委員会(FTC)委員長を務めたことで知られるが、今年になってニューヨーク市長選挙に向けた民主党の候補を決める予備選挙で、前ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモを破ったゾーラン・マムダニの成功について New York Times に論説を寄稿している。
ゾーラン・マムダニのニューヨーク市長予備選のキャンペーンでもっとも過小評価されている点として、「中小企業とのつながり」をリナ・カーンは挙げている。
その取り組みは、政策立案者が経済の現実的な問題を知り、市民との信頼や持続可能な関係を築くのに役立つのだが、その取り組みをやる人は稀だとカーンは指摘する。
しかも、中小企業が栄え、中産階級を成長させる経済は、かつては民主党の核心的な課題だったのに、ビル・クリントン以降何十年にもわたり、民主党はこの重要な問題を共和党にほぼ委ねてきたというのだ。
民主党が中小企業経営者を支持層として獲得するための持続的な努力を怠ってきたのは間違いであり、今こそ軌道修正すべき時だとカーンは断じる。
小企業は私たちの経済に不可欠な存在である。彼らはアメリカにおける雇用創出の過半数をけん引し、画期的なイノベーションを推進し、地域経済を強化し、私たちの市場の回復力を高める。それに、民主主義にとっても有益で、地域社会により自主性を与え、権力の集中に対するチェック機能を果たす。
このあたり、FTC の委員長として、小企業が支配的な仲介業者に排除される現状をカーンはなんとかしたかったようで、薬剤師や(獣)医師の事例を挙げている。彼女の独占禁止法を再活性化するための尽力は、ビックテック憎しではなかったということ。
カーンは、Marie Gluesenkamp Perez の、市場集中化により農家が不利な状況に置かれている点を強調し、「修理する権利」政策を推進する取り組みを挙げ、彼女やゾーラン・マムダニが有権者が直面する経済的課題を深く理解していると評価する。
最初、リナ・カーンがなんでゾーラン・マムダニについて書いてるの? と不思議に思ったが、ドナルド・トランプの関税政策による不確実な経済が中小企業を破壊する恐れを前に、民主党は中小企業の信頼を取り戻せよ、それがより強固で公平な経済につながるぞ、と言いたいのだろう。
ネタ元は Pluralistic。