公開初日に観に行った。新鮮な作りのホラー映画だと思ったし、ホラーはそういう作品を生み出すジャンルと言える。
ワタシはリチャード・カーティス脚本のロマコメでスターとなったヒュー・グラントも好きだったが、『パディントン2』などで嬉々として悪役を演じる近年の彼も好きである。末日聖徒イエス・キリスト教会の若いシスター二人を家に閉じ込めて自説を語りまくる主人公のミスター・リードを活き活きと演じる彼が、何より本作をドライブさせている。
末日聖徒イエス・キリスト教会の教義が重要なフックになるという作りは新鮮で、ミスター・リードに信仰心を揺さぶられながらも毅然と立ち向かう若いシスターを演じる二人も実によかった。
しかし、ホリーズ→レディオヘッド→ラナ・デル・レイを例に「反復」を語るところ、我々の世代では大ネタであるレディオヘッドの「クリープ」がシスター二人にまったく通じないあたりで両者の年齢差を表現している。やはりまったく通じないジャー・ジャー・ビンクスだって、誕生からおよそ四半世紀経っており、二十歳前後の若者にとっては確かに生まれる前の話であり、素で知らなくて不思議ではないのだ。
だんだんとミスター・リードの信仰における歪みがあらわになる中で、その息苦しさは『ドント・ブリーズ』に近い感触があったが、あそこまでではないけれども、なかなかエグい描写もあるし、十分に怖がらせてくれる。ホラーはそうでなくちゃね。
謎解きとしては、いくらなんでもあそこまで忠実に主人公に仕えるとは思えないのだけど、クライマックスの映像の切り返しが胡蝶の夢っぽくて、最後まで新鮮だった。