「オープンソース」という言葉の誕生にまつわる話は2018年に書いているし、今なら佐渡秀治さんの「オープンソースの誕生」を読んでいただくのがよいでしょう。
それはともかく、この言葉の提唱者である Christian Paterson が Open Source: A Capitalistic Value Engine という本を出していたのね。
この本で Paterson は、オープンソースが単なる慈善事業ではなく、資本主義の原則と噛み合うイノベーションと富の創造の原動力であると論じている。
このインタビューで Paterson は、元々ホワイトペーパーとして書き始めたが、カンファレンスでオープンソースについて講演をやる人に倫理観を訴える人が多いことに不満を持ち、それよりもオープンソースのビジネスロジックについて書きたいと思ったと語っている。
この本では、特許、商標、ライセンス、コントリビューション協定を通じて、企業がコントロールを維持しながら、オープンソースから収益をあげる戦略について説いているとな。
このインタビューでは、最後に Redis や HashiCorp によるライセンス変更、脱オープンソースの動きについても質問されているが、やはり Paterson は、これを「後退」と見ており、オープンソース AI の定義(OSAID)を巡る論争を、商業的な利害がオープンソースの自由の「精神」と対立する例として挙げている(批判を受けて、Redis はオープンソースソフトウェアに復帰したが)。
分量は100ページ足らずの本なのだが、邦訳を出すには版権の値段が折り合わないかな。