Boing Boing 経由で James Wallace Harris の「遂に『戦争と平和』を読み終えた――が、それをお勧めできるか?」を読んでいて、The Greatest Books というサイトを知った。
このサイトは、本文執筆時点で129ものブックリストを集計したサイトで、要は「史上最高な本」リストのサイトということですね。そのリストは例えば、米アマゾン選定「一生のうちに読むべき100冊」リストや英アマゾン編集者選定「一生のうちに読むべき100冊」リストや Guardian が選ぶ21世紀最高の本リストを含むわけだが、その129ものリストをすべて平等に扱っているわけではないようだ。ともかくこのサイトにおける集計によると、「史上最高の本(フィクション)」上位20作は以下のようになる。
- マルセル・プルースト『失われた時を求めて』(、)
- ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』()
- ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』()
- ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』()
- F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(、)
- ハーマン・メルヴィル『白鯨』(、、)
- レフ・トルストイ『戦争と平和』(、、、)
- ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』(、)
- ホメーロス『オデュッセイア』(、、)
- ギュスターヴ・フローベール『ボヴァリー夫人』(、)
- ダンテ・アリギエーリ『神曲』(、)
- ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』()
- フョードル・ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(、)
- フョードル・ドストエフスキー『罪と罰』(、、、)
- エミリー・ブロンテ『嵐が丘』(、)
- J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』(、)
- ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(、)
- マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』(、、)
- レフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』(、、)
- ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(、)
かつてサマセット・モームが選んだ世界の十大小説では6作が(も?/しか?)リスト入りしてますな。
ジュブナイルとか映画やコミック版でなく、ご本尊をちゃんと読み通したことがあるとなると、ワタシの場合、恥ずかしながら『グレート・ギャツビー』、『カラマーゾフの兄弟』、『罪と罰』だけになっちゃう(Amazon を検索していて、『百年の孤独』を2007年に買ったまま積読なのが判明してしまった。早く手をつけないと死ぬまでに間に合わない)。
このサイトの面白いところは、フィクションとノンフィクション、年代、言語の条件フィルタをかけることができること。
例えば、2000年以降を選択すれば、だいたい21世紀文学最高の本が分かるわけだ。そのトップ10は以下の通り。
- イアン・マキューアン『贖罪』()
- ゼイディー・スミス『ホワイト・ティース』(、)
- ジョナサン・フランゼン『コレクションズ』(、)
- ジュノ・ディアズ『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』()
- W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』(、)
- ロベルト・ボラーニョ『2666』()
- コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』()
- マイケル・シェイボン『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』()
- ジェフリー・ユージェニデス『ミドルセックス』()
- カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(、)
このリストでは『贖罪』と『わたしを離さないで』だけ読んでいることになる。
こういう評価も変わっていくのに注意が必要で、例えば、上記のリストで4位に入っている『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』は、「なぜカニエ・ウェストは人種差別的な小説に惹かれた? 現代アメリカ文学が描く“時代”を気鋭研究者が徹底分析!」で青木耕平氏も語っている理由で、遺憾ながら今後作られるこの手のリストに入らなくなるだろう。
さて、言語のフィルタは日本語も選択可能で、以下がこのサイト集計での日本文学トップ10ということになる。
- 紫式部『源氏物語』(、、、)
- 村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』(、、、)
- 三島由紀夫『金閣寺』(、)
- 谷崎潤一郎『蓼喰ふ虫』(、)
- 谷崎潤一郎『細雪』(、)
- 夏目漱石『こころ』(、)
- 芥川龍之介『Rashomon and Seventeen Other Stories』(「羅生門」、「藪の中」、「鼻」、「蜘蛛の糸」、「地獄変」、「歯車」などを収録し、村上春樹がイントロダクションを書いている)
- 川端康成『千羽鶴』(、)
- 村上春樹『1Q84』(、)
- 村上春樹『ノルウェイの森』(、)
うーん……村上春樹強し、というか現役の作家では長らく彼しかまともに日本文学で読まれなかったということだろうか。しかし、谷崎潤一郎では『蓼喰う虫』が一番上なんだ。
ここでは紹介しなかったノンフィクションなど、他の切り口でも楽しめるだろう。