さて、今年は本日2月10日にアカデミー賞が発表される。賞をとった映画だけが素晴らしいわけじゃないというのは歴史が証明しているが、とはいえ賞をとるのが名誉なのは間違いない。いろいろ言われるが、アカデミー賞にはまだそれだけの権威がある。
少し前に、アカデミー作品賞についてちょっと疑問に思ったことをツイートした。
アカデミー賞作品賞をとったけど、今では相手にされることが少ない映画の代表格というとなんだろう? 大昔の映画でそれを言うのはフェアじゃないだろうから、そうですね、1970年代以降の作品で
— yomoyomo (@yomoyomo) January 20, 2020
これについていろんな声が寄せられた。そこで挙げられた映画を制作年が古い順に並べてみる。複数票の入った作品は太字にしている。
- フランクリン・J・シャフナー『パットン大戦車軍団』(1970年)()
- リチャード・アッテンボロー『ガンジー』(1982年)()
- シドニー・ポラック『愛と哀しみの果て』(1985年)()
- ブルース・ベレスフォード『ドライビング Miss デイジー』(1989年)()
- ケビン・コスナー『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(1990年)()
- メル・ギブソン『ブレイブハート』(1995年)()
- サム・メンデス『アメリカン・ビューティー』(1999年)()
- ロブ・マーシャル 『シカゴ』(2002年)()
- ポール・ハギス『クラッシュ』(2004年)()
- キャスリン・ビグロー『ハート・ロッカー』(2008年)()
- ミシェル・アザナヴィシウス『アーティスト』(2011年)()
- ベン・アフレック『アルゴ』(2012年)()
- ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017年)()
- ピーター・ファレリー『グリーン・ブック』(2018年)()
1970年代が1本、1980年代が3本、1990年代が3本、2000年代が3本、2010年代が4本、とむしろ近作のほうが多いのは面白い。単純に時間経過を考えると、もっと古い作品が多くてもおかしくないのだが、それだけ1970年代はアメリカンニューシネマ全盛で名作揃いということだろうか。
個人的にははっきり異を唱えたい作品もあるが(『アメリカン・ビューティー』とか)、こうしてみるとアカデミー賞作品賞に選ばれる作品って、投票する映画人におもねる、とまではいかなくても、彼らに好かれるというより嫌われない「無難」な映画になりがちという問題があるのかもしれない。
ここにあがってない映画で個人的に思うのは以下のあたり。
- ヒュー・ハドソン『炎のランナー』(1981年)()
- ジェームズ・L・ブルックス『愛と追憶の日々』(1983年)()
- アンソニー・ミンゲラ『イングリッシュ・ペイシェント』(1996年)()
- ジョン・マッデン『恋におちたシェイクスピア』(1998年)()
- ロン・ハワード『ビューティフル・マインド』(2001年)()
- トム・フーパー『英国王のスピーチ』(2010年)()
当然ながら、これにも異論があるだろう。ただ1980年代の『愛と〇〇の××』映画というだけで観たい気持ちがなくなるし、こうしてみるとワタシも kingink さんと同じくワインスタイン映画を多く挙げてるな。実はワタシは『恋におちたシェイクスピア』は好きな映画なのだが(脚本がトム・ストッパードだし)、昨年ようやく『プライベート・ライアン』を観て、これより上なんてとても思えないわけで。
さて、今日何がアカデミー作品賞を獲るのだろう。ノミネート数だけ見ると、『ジョーカー』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、『アイリッシュマン』になるが、特に『ジョーカー』は作品賞には危険すぎる。
そうなると『1917 命をかけた伝令』が最有力、そして全方位的に好かれている『パラサイト 半地下の家族』が対抗作ということになるのだろうか。『1917 命をかけた伝令』を授賞式の前に観れないのは残念だが、映画会社からしたら最高のタイミングでの日本公開できるのかもしれない。