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さらば愛しきアウトロー

行きたいと思っていたが、繁華街の映画館でしかやっていないため足が向かなかった映画である。が、気が付くとワタシの行きつけのシネコンで上映になっており、喜んで上映時間を見たら、開始時間が朝8時半前の上映が1回のみだった……。

「午前十時の映画祭」にも行けなかったワタシにこの上映時間は拷問に近いものがあるのだが、なんといってもロバート・レッドフォードの俳優引退作である(ここで『アベンジャーズ/エンドゲーム』のことは考えない方向で)。土曜日に平日とほぼ同じ時間に起きて出向いた。

こんな時間から観る人ワタシの他にいんのかいと思ったのだが、ワタシも含め十名くらいの客入りだった。

さて、本作は70歳過ぎまで銀行強盗を繰り返したフォレスト・タッカーを主人公とする映画だが、そうした高齢のアウトローについての記事を原作とする点、そのアウトローの主人公が不思議な人間的な魅力を持っている点、その主人公と若い刑事の追跡劇である点、そして主役を演じる名優にとってその俳優人生におけるおそらく最後の主演作となるであろう点で、本作は『運び屋』と共通点がある映画である。

劇中何度もテレビでかかる映像からも本作が一種の西部劇であることが示されるが、これぞアメリカ映画と言いたくなる感じがあった。

本作と『運び屋』の一番の違いは、シシー・スペイセク演じるジュエルの存在である。子供の頃に『キャリー』をテレビで観てトラウマを植え付けた彼女も老女の役をやるような歳になったのかと思ってしまうが、思えばあれは40年以上前の映画なのだ。

それにしてもシシー・スペイセクが馬に乗って主人公の前に現れる場面の、陽に照らされた彼女の美しさと言ったら! 宝石店から引っ張り出した主人公を店に引き戻す場面の緊張感、認めたくはないが蓮實重彦がコメントするように、本作はシシー・スペイセクの存在をもって『運び屋』よりも優れていると言えるのかもしれない。

もちろんロバート・レッドフォードの演技もよくて、子供の頃から強盗をやっては人生のかなりの時間をムショ暮らしだったフォレスト・タッカーが、本作に描かれるような気品があったのか疑問も感じるが、レッドフォードが立ち振る舞いだけで納得させられてしまう。

あと本作はダニエル・ハートの音楽がとても良かった。主旋律が楽器を変えて繰り返される本作のサントラ をApple Music で繰り返し聴いている。




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