※今回はネタバレも含みますので、ご注意ください。
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この映画がここまでヒットするとは思いませんでした。(観る前)
私自身は歌舞伎や能・落語など、最近でこそ行かなくなりましたが歌舞伎を観に行き、落語もTV(笑点含む)も接する機会がそれなりにあったので、前知識なしで見て楽しめるものなのか疑問だったからです。最近の姿もお変わりない坂東玉三郎サマのような方は稀で、襲名や屋号などのわかりにくいルール縛りのある世界です。
ただし、観た後は
これは映画館で見るべき映画だ。
と強く思いました。たぶん家庭サイズのテレビや音響ではこの凄みは伝わりきれないでしょう。とても努力されている歌舞伎の部分は本職の方とは当然違います。表情を細かく追うアップの顔など、も含めた演技を見る映画なのでそれも同様に映画館で見るのと家庭で見るのとではかなり違って見えると思います。
吉沢亮くん。仮面ライダーの時から他のメンバーより頭一つ演技が上手いと思ってましたが、更に美しさには磨きがかかっているよう。正統派美形ですし、先が楽しみです。
横浜流星くんはある一時期から急に演技に目覚めたような、そんな気がするのですが、メキメキ実力を伸ばして以前では多分出来なかったような役もこなして、今回の曽根崎心中のラストでは気迫の演技を見せてもらいました。
大体この2人について書かれる事が多いようですが、やっぱり田中泯さんでしょう。何がと言わると言葉に詰まりますが、存在感が違います。しかも、この方は役者さんというより"表現者としてのダンサー"の方です。暗黒舞踏の土方巽さんの影響を受けつつ、独自の世界を体現する世界的なダンサー。ドキュメンタリー映画の「名付けようのない踊り」、観たいっ。1945年生まれ、御年80才。さすがのパフォーマンスと演技でした。
寺島しのぶさんは名門歌舞伎の家の生まれ。監督さんにもアドバイスをされていたそうですが、色々複雑な胸中もあったかと思いますが「すごいなー」の一言。
個人的には渡辺謙さんが(^_^;)吉沢くんが「すり足だけで三ヶ月かかった」という特訓をするのにはちょっと厳しかったかな。あと、彼はどう見ても女形じゃないでしょwww
ストーリーもだいぶ端折った感は否めませんが、役者さんの魂と映像の美しさと、歌舞伎本来の持つ魅力が満載の映画だったと思います。
確かにあっという間の3時間でした。後日自分も見たかったので検索したYoutubeの歌舞伎の画像を「国宝を見た」とコメントされる方が多く、歌舞伎界にとっても良い機会になりそうです。
この映画とは違う話ですが、映画館で月一企画としてシネマ歌舞伎というものをやっているそう。
本物はまた、違う世界なので本当なら生で見るのが一番なのですが、機会があったら是非。
落語(東西)、浪曲(何故か絶対終わらないw)、人形浄瑠璃など、色んな分野で世襲もあり、芸を磨くのに生涯をかけるものが日本にはたくさんあります。もちろん世界にはそれ以上に多彩な文化がありますが、こういった機会がないとなかなか表面に出る事は少ないもの。
色んな扉を開いてみるのも、たまにはいいかもしれません。(←開きすぎとも言われるんですがw)