炎上に手を貸すようであまり書きたくない気持ちもあるが、以前から美少女系作品とエロの難しさについては思っていたこともあり、いい機会だから一度書いておく。
先にちゃんと例のインタビューについての意見を書いておいた方がいいだろう。
『ぼざろ』『虎に翼』の脚本家 吉田恵里香が語る、アニメと表現の“加害性” - KAI-YOU
ちなみに自分はぼざろはアニメも全話観たし、映画版も観ている。原作は4巻までは読んだ。正直アニメ版は好きだけど、原作はすごく好きというわけでもない。推しは虹夏ちゃん。
また自分の立場を語るうえで必要なので言っておくと、もちろんキャラクターに対してエロいことは考えたりはする。ゲームとか漫画とかエロを目的としたコンテンツも買ったりもする。
そのうえでこのインタビューについては、センシティブな話題に対し、かなり言葉を選んで誠実に回答している印象だった。炎上前に読んだが、正直これが炎上するとは全く思わなかった。
あとから批判の文章もいろいろ読んだが、確かに「ノイズ」や「性的消費」等の言葉についてはセンシティブな部分があるとは言え、特に問題があるとは今でも思わない。
思い出したのはこの騒ぎのかなり前のきらら系のオタクの飲み会で、自分が「ストーリーやギャグがメインの美少女アニメにはエロはなくてもいい」という話をしていたことだ。なお「エロはエロで別のコンテンツで観る」と言っていたので、フェミニスト的な意味では全くない。
理由はまさに「エロが話を楽しむうえでノイズになるから」である。説明が難しいのだが、自分は主人公が女性であっても感情移入して話を観ている。そのためエロが入るとその時点でキャラクターを他者として見てしまうから変な気持ちになってしまうのではないか。
上記の意見は周囲からはあまり共感されなかったが、いくつかの美少女コンテンツで似たような意見を観ている。
例えば先日スロウスタートのアニメ版を観直していたのだが、このアニメは自分の知る限り原作好きにはあまり評判が良くない。本作は原作の時点で繊細な部分もあれば、エロに走る部分もある。
しかし原作にあるネタをやっていても、アニメだと過剰にエロが強調されてしまう。それにより繊細な部分の良さが損なわれているように思うという意見だった。
またゲームだがBLUE REFRECTIONの感想でも同じような意見を何度か見た気がする。本作は岸田メル先生のキャラクターと音楽、そして儚い物語が素晴らしい作品である。フェチズムを追及した映像も特徴なのだが、それが世界観に合わないという意見だった。
言うまでもないがエロを絶対入れるべきではないという意見では全くない。スロウスタートにおいてもエロネタをいれなかったら別作品になってしまう。ただキモオタ向け作品であっても、入れない方がよかったという意見もあるというだけだ。
また件のインタビューにもあったがビジネス的な判断として「覇権を狙うため」に入れないというのはあると思う。きららで言えば2020年代の二大覇権作品となった「ぼざろ」と「ゆるキャン」はいずれもエロ要素はほぼない。
自分はdアニメの今期の人気投票をよく見るのだが、女子だけの日常系アニメは女性からの人気がものすごく低い。エロ要素を減らしてアイドルもののように女性からの支持を取るのも戦略だとは思う。
まあエロがなければ覇権をとれるかというと、スローループみたいにエロもなければ話も良いのにちっとも話題にならなかったアニメもあるが。
いずれにせよエロをどこまで入れるかというのは、コンテンツにとってかなり難しい問題だと思う。