生成AIの時代だからこそまた観るのもいいのかと。
本作は公開当初ものすごくハマった。3回は劇場に観に行ってるはず。自分は当時から気に入った映画を何度も観ることはあったが、そういう映画は数年に1本しかないレベルだった。
そのあと10年くらい全く観ていなくて、ある時また観たくなってレンタルで借りて観た。その時冷静にこれにハマる精神状態はちょっとおかしいなと思った。まあ監督自体が精神状態おかしかったと言ってるからね。
パト1、パト2、攻殻機動隊も異常な部分はあると思うけど、エンターテイメントとして成立してるし、最終的には良識の側に踏みとどまる話だと思う。でも本作は何度観ても、ラストの囚われていた少女に対するバトーのセリフには倫理的な忌避感を覚える。
今回の4Kリマスター版で観るのも結構ひさしぶり、劇場で観るのは公開時以来でないだろうか。再度観直すと「意外と脚本が論理的にできてるな」と思った。
引用だらけのセリフに惑わされそうになるけど、人間と人形の違いとは何であるかというテーマについては一貫している。その中間として子供と動物が入るのも論理的にわかりやすい。ラストのトグサの娘の話も見事だと思う。
今までなんとなく見落としていたけど、例のコンビニのシーンの前では警戒チェックが安全でなく注意になっていたりと、脚本的に唐突感のある部分は意外とない。何かある前になんらかの伏線を張っている。
では異常でないかとやはり異常な部分は全く変わらなくて、CGはもちろん今であればもっとセルになじむ感じにできるだろうとは思うけど、このシーンにそこまでコストかけるかね感は今見ても異常すぎる。
引用だらけのセリフについては、今でも生成AIに対して「私は今このようなことを言いたいです。これを表現するための表現を過去の偉人の著作から引用してください」と言えば出てくるだろう。相手の話した引用も検索すれば瞬時に出典がわかる。そんなことを会話の度に脳内でわざわざやっていると思えると少しおかしくなってくる。
ラストのバトーのセリフには今も倫理的な忌避感を感じる一方で、人間のように回答する生成AIやVTuberのように20年前には実現できるとは到底思えなかったものは意外とすんなり受け入れられている。バトーの倫理が時代に追いつくのもそこまで遠くないのかもしれない。