京都旅行の続き
地下鉄の東山駅で下車して徒歩600m。平安神宮は1895年(明治28年)に創建されており、京都の寺社の中では歴史が浅い。赤が映える。改修中で幕が張られていたため本殿は見られず。 光る君へのロケ地だったらしい。右の蒼龍楼が それっぽい。
境内は無料だが神苑は600円。せっかくなので8時半まで待って入る。神苑は東西南北の4つの庭からなっておりそこそこ広い。掃除しているスタッフがいたが落ち葉や雑草の処理が追いついてない感じ。京都御所で見たのと似たような建物あった。それもそのはず尚美館と泰平閣(橋殿)は京都御所にあったのを移した建物だった。
泰平閣(橋殿)は屋根付きで座る所あり、ゆっくり庭と池を眺められたのがよかった。50円以上でコイの餌やりもできる。外国人も少なくゆったりできた。
京都市京セラ美術館は東山駅から平安神宮までの道沿いにあり、行列が気になって入ることにした。開館は10時で30分前だったが既に列が伸びていたので並ぶ。その間にスマホでモネ展の当日券を2300円で購入。
10時になったら列が進んでそのまま入場できた。音声ガイド650円はちょっと高いが購入。『モネ 睡蓮のとき』のテーマ通り睡蓮が多い。睡蓮以外だと茎がしゅるっと上に伸びたアガパンサスが印象に残った。
同じ対象、構図で描かれた絵がいくつかあった。色彩感覚が豊かで風景を美しく表現するモネが白内障の影響か、どんどん殴り書きのように線が荒く赤くなっていたのがちょっと怖かった。
音声ガイドを聞きながら絵をじっくり見て1時間ちょい。人混み疲れした。この展覧会はモネの晩年の作品が多かったようだ。あまり心惹かれる絵はなく、モネが人気の理由はよくわからなかった。
そろそろ昼食の時間だ。このあたりは1000円台でランチが食べれる所が見つからず。仕方なく琵琶湖疎水記念館のカフェへ。店はかなり狭く店員はワンオペ。漬物カレーは苦手なのでクラムチャウダー(クラッカー付)を700円で。クラッカー2枚は少なすぎて腹満たされない。店の前に給水器があって、ペットボトルに水を補給できたのはよかった。
琵琶湖疎水記念館で約8.9cmの鋼製のワイヤーロープを巻き上げて、舟を乗せた台車を上下させる直径約3.6mの巻上機を見た。これを使って1891〜1948年に約582m、高低差約36mの落差がある蹴上船溜と南禅寺船溜との間を片道10〜15分で船が移動していたらしい。
そこから歩いて1977年に復元された蹴上インクラインへ。レールの上を歩いて斜面を上っていく。線路の上を歩くなんてスタンド・バイ・ミーで旅に出る少年になった気分。途中には鉄枠の台車に乗せられた船も復元されていた。
線路の終点まで進んで右の階段を降りると大通りに出る。その道路を横断したところに日本最初の急速ろ過式浄水場である蹴上浄水場(1912〜)がある。地下鉄の中吊り広告でつつじの季節(2025.4.25〜27)に一般公開していることを知って来た。
蹴上浄水場では施設見学ツアーをやっており、ツアーの1時間前から先着70名に正門付近の総合受付で整理券を配布する。警備員のいる正門らしき所から入って、スタッフに場所を聞き会場マップを受け取る。入った所は通用門だったようで、奥の方まで歩いていくと列があったので並ぶ。
13時半過ぎに見学ツアー整理券を受け取る。14時半のツアー開始10分前に正門近くに集合ということで、先につつじを見にいくことに。坂を上ると本館の前で冷やし水道水を配っていた。冷たくて普通にうまい。
そこからさらに急な坂を上っていくと企業ブースやキッチンカーのある広場が。災害用備蓄飲料水である疏水物語をもらった。京都市の水道水を使用しており10年保存できる。
ちょっとベンチで休憩してさらに坂を上ると最高区配水池があり、つつじも本格的に見えてくる。まだ満開ではなかったが天気がいいのでそれなりにきれい。下った所にあるつつじのトンネルは咲いてる花が少なく狭い道でいまいち。
ポケモンのデザインマンホール展示と第一高区配水池紹介コーナーも見た。第一高区配水池は創設当時の施設として蹴上浄水場に唯一残っているもので、工事のために曳家工法を行ったと説明があった。約600トンの重さがある建造物を4日間かけて17m移動させたというから驚きである。
そうこうしていると集合時間が近づいてきたので、早歩きで正門の方へ下る。スタッフの誘導に従って待機。整理券配布の15分前くらいには既に列ができていたので早めに来てよかったと思っていたのだが、人数には余裕があったようでツアー開始直前まで整理券を配っていた。
時間になり若手の施設職員が説明をしてくれる。まずは粉末活性炭接触池でカビ臭などの臭いを取り除く。薬品が効果を発揮しやすいように炭酸ガスを注入して上昇したPHも中和している。ここはまだ水が汚いせいか羽虫がやばかった。
急速かくはん池で薬品を注入したら、次はフロック形成池だ。薬品を混ぜた水を3台のすのこと棒を合体させたような装置でかき混ぜるとフロックという塊ができる。この3台の装置は回転の速さが先にいくほどゆっくりなのだが、これは小さなフロックを徐々に大きく成長させるためらしい。
大きくなったフロックはゆっくりと底に沈んでいく。きれいになった水は急速ろ過池へ移動し、厚さ70cm+20cmの砂と砂利に通してさらにきれいにする。
この時に使う砂の洗浄を見せてもらった。洗浄は2日に1回。中央で操作しているらしく、職員が連絡して数分待つと洗浄が始まった。ろ過池の水かさがどんどん上がってきて砂が浮き上がり、濁った洗浄水は枠から溢れて端から中央へ流れ出ていく。なかなかダイナミックだった。
最後に次亜塩素酸ナトリウムを注入して殺菌したら水道水の完成。できあがった水道は送水ポンプで浄水場内の高所にある配水池に送られる。そこから京都市内へは自然流下で送られるそう。
京都市内の水道水の99%は琵琶湖の水を使用しているそうで、明治時代に琵琶湖疎水(滋賀県大津市から京都府京都市への水路)を作ったのはすごいと思った。南禅寺にある水路閣もその一部。
蹴上浄水場を出たら大通りを渡り、蹴上インクラインの下を横断するトンネルを通って南禅寺へ。このトンネルがねじりまんぽで、台車に乗った船が行き交うインクラインの重さに耐えられるように内壁のレンガはらせん状に積まれ、トンネルはインクラインと直角ではなく斜めに掘られている。
トンネルを抜けて5分ちょい歩くと南禅寺が見えた。右奥に水路閣がある。水路閣はレンガ造りの水路橋で、木々に囲まれたアーチ型の橋脚がいい感じ。写真撮影している外国人がいっぱいいた。橋の下の穴が重なって見える角度で自分だけを写すのは至難の業。
南禅寺の真ん中くらいにある三門に600円払って登った。土足禁止なのはいいが靴箱ないし靴入れたビニール袋持って帰れはサービス悪すぎ。そんな観光地初めて見たし、手荷物+ビニール袋持って急な階段を上り下りするのは危険性高まる。受付横にスペースあるしスタッフも常駐してるので、靴は並べて置いてはだめなのか。三門は高さがあるので景色はいいが、三門自体は見所少なくぐるっと一周回って終わり。
ホテルには蹴上駅から地下鉄に乗って帰ることに。南禅寺から蹴上駅まで疎水分線をたどるために水路閣の奥の階段を登り、水路に沿って細い道を歩いていく。水路閣ってちゃんと水が流れてるんだな。水門、蹴上発電所取水口、水圧鉄管を見て階段を降りると、蹴上インクラインに通じる見覚えのある道だった。そこから蹴上駅はすぐそこ。
3日目もけっこう歩いたがちょいちょい休憩とったからなんとかなりそう。我が家のように愛着がわいてきたホテルの風呂でゆっくり疲れを癒やしてよく眠る。
4日目 平等院鳳凰堂、宇治上神社、大吉山展望台、源氏物語ミュージアム
ホテルをチェックアウトして京都駅まで歩く。帰りは京都駅から新幹線に乗るので大きな荷物はコインロッカーへ預けることに。いっぱい並んだロッカーに花の絵が書いてあるのは覚えやすくていいが、千円札が使えずあわてて両替機に走った。
JRに乗って20分ちょいで宇治駅へ到着。土曜日だからか目的地が同じ人が多いようで、人の流れに沿って歩いていったら平等院鳳凰堂に着いた。拝観料700円払って奥に進み、内部拝観の券300円を買う列に並ぶ。
朝一で行ったがなかなかの行列。横に見える藤の花きれいだった。ちょっと待って1時間後の時間券を手に入れたので先に他を見ることに。
まずは平等院鳳凰堂をじっくり眺めて写真を撮る。天気がよく池に鳳凰堂が映っていい感じ。右斜め45度がベストショット。平等院は藤原道長の息子、頼通によって1052年に創建された。建物が色鮮やかで鳳凰も金ピカなのは2012年9月~1年半の大修理のおかげ。
いい写真がとれて満足したので、池を周って鳳翔館ミュージアムへ。建物が立派でガラスケースも高級感あり照明にもこだわっているよう。国宝がいっぱい。創建当時の鳳凰一対は青銅色だが造形が凝っていて迫力ある。雲の上で音楽を奏で舞い踊る雲中供養菩薩像26躯は全部で52躯あり、残り半分は鳳凰堂の中にある。
内部拝観の5分前が近づいてきたので、早足でミュージアムを抜けて集合場所へ。列を作って待ちいざ内部拝観。壁などを傷つけないよう荷物は体の前で持つように等の注意を聞いて、橋を渡り靴を脱いで鳳凰堂の中へ。
真ん中にどーんと阿弥陀如来坐像。背後にある飾りも頭の上にある天蓋もきらびやかで圧倒される。上の方の壁に雲中供養菩薩像。これが残りの26躯か。阿弥陀如来を囲む壁には絵が描かれているが、消えかかってたり格子越しだったりで見にくい。でもなんか見覚えがあるなと思ったら、ミュージアム内に当時の絵を再現した展示があった。
内部拝観を終えてもう一度鳳翔館ミュージアムへ。鳳凰堂内で見た絵と同じ絵だったことを実感。平等院鳳凰堂は大学生の時にも来たが内部拝観は初めて。よく訓練されたスタッフが解説してくれて満足感あり来てよかった。
昼食はとり菊で。平等院の大通りから1本入った所にあり10時半過ぎだったからすぐ座れた。茶そばに天ぷらにちょっと寿司と盛りだくさんで1200円。観光地にしては安いし満足感あった。出る時には行列できてた。
宇治川沿いを歩いていくと木の下に久美子ベンチが。『響け!ユーフォニアム』見てたのでこれが主人公が座ってたベンチかと座ってみる。公園によくある木製ベンチだが、なぜか石で継ぎ足されて座面が高くなっており座りにくかった。
歩いて喜撰橋を渡り十三重石塔のある島へ。宇治川はなかなかの水量と流れがあり、源氏物語で浮舟が身投げをしたのも納得。朝霧橋を渡った所に宇治十帖モニュメントあった。
ちょっと先に宇治神社。特徴は兎から水が出てるくらいで地味。もうちょっと先に世界遺産の宇治上神社。本殿は立派で湧き水がある。見所はあまりなくさらっと回った。
神社を通り過ぎると右手に大吉山展望台への登り口が。ここも『響け!ユーフォニアム』の聖地。時間に余裕があったので登ったのだが、右に左に歩かされてなかなか展望台が見えない。片道18分もかかった。ユーフォニアム抱えてこの道を登った主人公強すぎ。地元っぽい人たちで屋根の下のベンチは占領されてたが、宇治の街並みを見渡せてよかった。
次はずっと来たかった源氏物語ミュージアム。観覧料600円。シアター上映がもうすぐ始まると聞いたので、企画展示だけ見てから映像展示室へ。
『橋姫』は源氏物語宇治十帖の総集編ドラマみたいな感じ。あさきゆめみしで話を知っていたので、浮舟に言い寄る薫や匂宮を何言ってんだこいつという目で見てしまう。橋姫はそんな姫いたか?と思って検索すると、宇治川に祀られる橋の女神だが丑の刻参りの原型とされる呪術使いだとか。白装束で男なんて!矢ボキィする橋姫に共感。悪縁切りのご利益があるらしいから、好きな人に似ているからと近づき勝手に幻滅する薫と離れて穏やかに暮らしたい浮舟にはぴったり。
上映が終わるとすぐにもう一つの上映が始まると聞いて外の列に並んでから入場。2本目はオリジナルアニメ『ネコが光源氏に恋をした』ネコになる女子高生とかあざとい。キラキラ目の光源氏が作者である紫式部を認識しているのはツッコミどころ。あさきゆめみし読んでると、紫の上のところに帰るとか言ってる源氏を冷ややかな目で見てしまう。紫式部の物語の続きが読みたいと持っていっちゃう藤原道長はぽっちゃりおじさん。光る君へのハンサムでまひろ大好き道長に慣れていたせいで違和感があったが、リアルはこっち寄りだったんだろうな。
シアターを出たところで約1時間。けっこう長めだったが映画館みたいで意外と楽しめた。展示は屋敷で囲碁する女性2人を御簾の隙間からのぞき見する場面の再現や牛車の模型が。貝合わせや偏継ぎは大河ドラマで見たな。脳トレになりそう。
穴を覗いて垣間見も体験した。御簾越しでは暗い外から明るい室内は見えるが、室内からは見えない。夜にはレースではなくカーテンを閉めないと外から家の中が丸見えになる現象と同じ。平安時代の男性は夜に女性の家に顔を見に行ってたんだろうな。
宇治の間では宇治十帖の話を復習できた。あとは5つの香りを比べて同じ香りの縦線がつながっているスタンプを押すという体験が面白かった。受付にある解答みると正解だった。
あとは茶団子を買って帰る。1箇所目は通圓本店。宇治橋の近くにある。老舗の茶店らしく抹茶も買った。2箇所目は宇治川餅本店。宇治橋を渡り紫式部像を見送って進むとJR宇治駅の近くにある。工場直売店で1本ずつのバラ売りもしており、抹茶団子とほうじ茶団子を買った。
通圓でも宇治川餅でも10本入り650円の箱を買ったのだが、内箱や団子の色・形など見た目がそっくり。通圓の箱の製造者見てみると宇治川餅本店になってた。製造元一緒じゃん。食べ比べするために買ったのに残念。一応並べて交互に食べて見たが大きな違いはなし。通圓の方が少し渋みを感じたが、気のせいかもしれない。
お土産も手に入れたのでJRで京都駅に戻る。新幹線の出発まで時間があるので西本願寺に行くことに。京都駅から北へ徒歩17分。でかい寺だなと思って入ったら興正寺だった。観光客がいなくて静か。
西本願寺はその隣。建物の大きさに圧倒された。新選組の屯所として使われていたらしいが、これだけ大きいなら増えた隊士を受け入れるのも余裕だったのだろう。靴を脱いで廊下や畳の上を歩くことができる。畳に正座してご本尊を見上げると穏やかな気持ちになった。
ちょうど行った時には15:30~本願寺の僧侶が案内してくれるツアーをやっていたので、少し話を聞くことができた。西本願寺の畳はなんと734枚。建物が大きいのは多くの人にお参りしてもらうためで一度に1200名が参拝可。
もうすぐ夕方のお勤めが行われるということで阿弥陀堂で待っていると、お坊さん2人が早足でやってきて超速いテンポで正信偈を読み上げていた。これは織田信長との石山合戦の時に猛攻の中で勤めた事に由来するらしい。
西本願寺は無料だがとても楽しめた。南へ歩いて京都駅に戻りやよい軒で夕食に。千円以下の定食でご飯おかわり自由はすばらしい。
大きな荷物をコインロッカーから取り出し、京都駅発の新幹線に乗って帰宅。ホテルの夕食はサラダのみ食べ放題だったから腹八分目、早寝早起きしてたくさん歩いた健康的な旅行だった。