2025年、ドジャースのロバーツ監督は佐々木朗希を再び先発として起用したいと語った。
ただ、同時に“宿題”として挙げられた内容を見ると、先発復帰にはいくつかのハードルが存在する。
本記事では、その部分を整理していく。

- ■ 1:セットアッパーで成功した理由
- ■ 2:“もし”先発復帰を考えるなら、まず中継ぎでの再構築が必要
- ■ 3:体力“だけ”では先発ローテは担えない
- ■ 4:ロバーツ監督が挙げた“2つの課題”
- ■ 結論:先発復帰は「可能」。ただし“再構築”が前提
■ 1:セットアッパーで成功した理由
まず事実として、佐々木朗希は セットアッパーとしては完璧に機能した。
その理由は極めてシンプルで、「今の武器構成がリリーフに最適化されている」からである。
● 1イニング限定なら“爆発力”が最大化される
-
160キロ超のストレート
-
落差の大きいフォーク
これを全力で投げ込める短期戦は、佐々木の現状のスペックと完全に噛み合っている。
● 再戦リスクがなく、配球が読まれない
MLBでは球種が少ないほど「2巡目・3巡目の壁」が大きくなる。
しかしリリーフは 一度しか対戦しない ため、
“二択の投球”でも攻略されにくい。
● メンタル負荷が小さく、役割とリズムが明確
-
投げる回は固定
-
球数は20〜25球
-
1点もやれない状況だが、迷いが少ない
この「条件の明確さ」が佐々木の集中力を最大化させている。
■ 2:“もし”先発復帰を考えるなら、まず中継ぎでの再構築が必要
監督コメントとは別に、現実的に考えるなら「いきなり先発復帰」は難しい。
先発は
-
球種の増設
-
再現性
-
序盤〜終盤のギア配分
-
メンタル耐久
これらが求められ、リリーフとは別競技と言っていい。
● 「ロングリリーフ」で段階的に慣らす方法が現実的
-
セットアッパー(現在)
-
ロングリリーフ(2〜3イニング)
-
スポット先発(4イニング前後)
-
本格先発(5〜6イニング)
この段階を踏まなければ、
100球を戦略的に投げ続ける“先発の体力とリズム” は身につかない。
特に佐々木の場合、
「球威が落ちたタイミングでどう戦うか」
というテーマを経験していない。
■ 3:体力“だけ”では先発ローテは担えない
佐々木に体力がないわけではない。
むしろ強いほうだが、MLB先発に要求されるのは “体力ではなく戦略耐久力” である。
● MLBの先発に必要なのは以下
- 6回120球前後を「意図通り」に投げる集中力
-
ランナーが出た時のギアチェンジ
-
点を与えたくない場面での勝負強さ
-
配球を巡目ごとに変える技術
-
ボール先行でも崩れないメンタル
日本で先発を経験していても、
メジャーの「6回を任される重さ」は質的に違う。
2球種では、この世界での耐久戦はまず成立しない。
■ 4:ロバーツ監督が挙げた“2つの課題”
ロバーツ監督は明確に 2つの課題 を示している。
① フォークを含む変化球のストライク率
先発なら変化球を「決め球」ではなく「カウント球」として使う必要がある。
今の佐々木はこれが安定しない。
② 第3の球種の確立
MLB先発の最低ラインは“3球種”。
大谷、山本は6球種前後を扱う。
これがあるから 打者が絞れない。
対して佐々木は、
-
ストレート
-
フォーク
の2軸で、先発としては明確に武器不足。
この“球種の少なさ”が、監督が課題に挙げた本質である。
■ 結論:先発復帰は「可能」。ただし“再構築”が前提
佐々木朗希の先発復帰は 不可能ではない。
ただし、現時点では以下の3つをクリアしない限り成功しない。
▼ 必須となる3要素
-
第3の球種を獲得すること
-
フォークをストライクゾーンで使えるレベルまで上げること
-
先発の戦略耐久力(6回の戦い方)を身につけること
セットアッパーで成功した理由は「今の武器が短期戦に最適である」こと。
先発に戻るには、
武器の追加・先発の思考力・戦略耐久力
この3つが必要になる。