- ■ 崩れない投手、山本由伸
- ■ ゾーンを恐れない、精密すぎる制球
- ■ フォークとカーブが織りなす“二重の罠”
- ■ 圧巻の集中力、20人連続アウト
- ■ 適応の速さは異常レベル
- ■ 総評:支配者としての完成形
■ 崩れない投手、山本由伸
ポストシーズンはどんなエースでも不安定になる舞台です。
打者のレベルは格段に上がり、球場の空気も独特。
どれだけの名投手でも、序盤で崩れることは珍しくありません。
しかし、2025年の山本由伸は違いました。
登板5試合で 4勝1敗、防御率1.56、WHIP0.78。
つまり、1イニングあたりの走者は1人未満。
しかもこの安定感を「5試合連続」で維持したのです。
一度も試合を壊さない──
それは技術だけでなく、精神面と準備力の完成度を示す数字でした。
■ ゾーンを恐れない、精密すぎる制球
MLB平均のストライク率はおよそ63%。
一方、山本はポストシーズンで 約70% を記録。
(例:第2戦では105球中73ストライク)
これは「ゾーンに甘く入った」という意味ではありません。
むしろ、ゾーンを積極的に使いながら、打者を打ち取る“攻めの制球”。
ストライクゾーンを支配する。
打者に「見逃すか、当てるか」の二択を迫る。
MLBの打者にここまで主導権を握れる投手は、ほんの一握りです。
■ フォークとカーブが織りなす“二重の罠”
報道によれば、ポストシーズン通算奪三振32のうち
8〜15がスプリットやカーブによるもの。
ストレートを狙えばスプリットが沈み、
フォークを意識すればカーブが軌道を外す。
MLBの強打者が「狙い球を絞れない」──
まさに、山本が生み出す“迷路”です。
球種の完成度がここまで高いと、もはや打者側に「対応」という選択肢はありません。
■ 圧巻の集中力、20人連続アウト
ワールドシリーズ第2戦では、最後の20打者を連続アウト。
プレッシャーが最も高い舞台で、修正しながらリズムを取り戻し、
終盤には完全に打者を無力化しました。
「試合を支配する」とは、こういう投球のことを言う。
球場の空気までコントロールしていたのは、まぎれもなく山本でした。
■ 適応の速さは異常レベル
2024年、MLB1年目は慣れの期間。
しかし2年目にしてポストシーズンMVP級のパフォーマンス。
たった1年で、MLB球・マウンド・環境の全てを攻略しました。
日本的な精密制球と、MLB的なパワー。
その融合が、山本由伸という投手を“世界のエース”に押し上げたのです。
■ 総評:支配者としての完成形
2025年ポストシーズンで見えたのは、
単なる好投ではなく、“完成された投球哲学”。
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ゾーンを恐れず攻める勇気
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球種の緻密な使い分け
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試合を支配する精神力
山本由伸は「日本のエース」から「MLBの支配者」へ。