
きがるがきに気軽に登録したらすっかりどハマリしてしまった、という話。
「きがるがき」とは
きがるがきは「タイッツー」でおなじみ、ほくさんが作った絵と文の投稿サービス。2026年2月6日にクローズドベータ版、2月10日に正式リリース。3月17日には文を書く*1機能もリリースされた。
その名の通り、気軽に描く/書くことを楽しもう!がコンセプトである。
多様なお絵かきモード

その場で絵を描く以外にも、うにょあに*2やドット絵、2コマ/4コマ漫画、1コマ目の続きを誰かに描いてもらうコラボ2コマなど、お絵かきモードも色々。日や時間帯で替わるゆるいお題もある。
今後オエビ、絵チャ、塗り絵なども開発予定とのこと。
細やかな管理機能
また、別のソフトで描いた絵やアナログ絵の画像もアップロードでき、アップした作品は「ブック」という単位に100枚までまとめられる。
さらにはきがるがき内で描いた作品とこれらのブックを「シリーズ」という単位でまとめることも可能。ある漫画作品の1話、2話…という風にまとめたり、特定ジャンル専用のシリーズにしたり、色々な使い方ができる。

他にも投稿画像に透かし(オリジナルも可)を入れる機能や各作品ごとの公開設定など、細やかに管理できる機能が色々ある。
お絵かき機能は最低限
一方で、その場でのお絵かき(2コマ4コマ含む)は最低限の機能となっており、サービス開始当初はこのような感じだった。
- レイヤー5枚まで(統合不可、透明度変更可)
- アンドゥ9回まで(レイヤー移動も回数カウント)
- ブラシ(パターン無)、バケツ、消しゴム、スポイトのみ。透明度変更可
- 合成モード無
- 左右反転無 ※2/25実装
- 選択・切り取り・コピー・回転・移動・拡大縮小無
- 手ブレ補正無 ※3/25実装
- 下書き保存無
私は普段ibisPaint X(有料版)を使って指描きしているのだが、もはや友とも呼ぶべき左右反転や下書き保存が無い*3というのはかなりの心細さであった。
あくまで「気軽に」描くところだから、そこまで高機能にはしないのだろう。昔電話しながらメモ帳の端にちょっと落書きしていた、ああいう感じならたしかにこれで充分である。
しかし、たまの息抜きにいいかもと思ってた程度だったのに、これが意外にもどハマリした。
お絵かきスタイルが激変
FANBOX支援をしているので2/6のクローズドベータ版から触り始めたのだが、2月の23日間で36枚もきがるがきをしていた。
レイヤー100枚超えは日常茶飯事、下書きにすら10時間前後かかる超遅筆な私が、15分〜2時間くらいで絵を描いては次々と投稿する…この事態は自分でも信じがたいものだった。
アイビスがメインできがるがきはサブのつもりだったのに、今や逆転してしまっている。きがるがきを始めた当初は二本指タップ(アイビスのアンドゥ)ばかりしていたのに、今はもう間違えなくなった。
下がったハードルと新たな挑戦
ほくさんがきがるがきを開発したのは、"気軽にWeb漫画をアップできるサービスを自分で作ればWeb漫画を描くのでは?"という動機からだった。誰に見せるわけでもない落書きを気軽にアップできるという雰囲気は、私の心理的ハードルを大きく下げてくれた。
これまで私はタイッツーやpixivに描いた絵をアップしていたが、内輪でこっそりとはいえ自分なりにある程度納得いくまではなかなか投稿に踏み切れなかった。違和感をできる限り潰し、何日も寝かせては描き直して、もうこれ以上の修正は限界…!となって初めて投稿する。
でもあんなに見直したのに投稿後に気づくミス。何日も経つと見返すのすら恥ずかしくなる拙い出来…。次はもっと良くしたいと思いながら頭をフル回転させて描くお絵かきはとても有意義で楽しいけれど、時間をかけた割には力及ばず、画力の足りなさを常々思い知らされるのもまた事実であった。
1つの絵に拘ってじっくり取り組むのもいいけど、もう少し力を抜いた気楽な落書きもたくさんしたかった。そんな折にきがるがきがリリースされたので、タイッツー同様ゆるく雑に使ってみることにした。
すると、これまで描いていた自創作キャラの絵のみならず、「似せてこそなんぼ」という気持ちが強すぎて尻込みしていた(スプラ以外の)二次創作や、わざわざ時間かけて描くほどでもないしな…と描かずにいた日常絵日記にも手を出せるようになってきたのだ。これらはきがるがきだからこそできたと言っても過言ではない。
なお、きがるがきにおいては二次創作が少し見えにくい仕様になっており、見る側のユーザーが「二次創作を含む」チェックボックスにチェックしないと検索に出てこない。なので私のような二次創作初心者にとっては逆に好都合。練習にうってつけなのである。
スリル感と小さな達成感
また、前述の仕様によりきがるがきのお絵かきは「なにがなんでもその場で描ききる」ことが求められる。自動一次保存が実装される前は、うっかりブラウザを閉じたり途中でリロードが走ろうものならせっかく描いていた絵もおじゃんになっていた。描きながらタイッツーを見たりすると高確率で消える。
資料を調べるためにブラウザを移動するのも怖いので、はじめに資料をじっくり見たあと*4で、いつ突然消えるかわからないスリルの中、短期集中でキャンバスに向き合う。
5枚しかないレイヤーをどうやりくりするか考えながら書く。移動拡大縮小ができないので描き出しをミスれば命取り。よく使う色を保存できないので、毎回色作りが目見当になり描くたびにブレる。時間がかかればかかるほど、消失に怯えて早く完成させねばと焦る。線画も違和感探しも塗りも、普段の何倍もの速さでやらないといけない。もはや「気軽とは?」の領域になるのだが、この短期決戦感が楽しい。
1〜2時間で完成まで持っていくので、何時間もかけて描くときに比べればクオリティは当然低くなる。でも多少雑でも「完成させた」という小さな達成感を積み重ねる楽しさはひとしおで、下手でもまぁいいかで割り切る気軽さを得たような気がする。悪戦苦闘して「また今日も完成できなかった…」と毎晩モヤモヤしながら寝る日々も愛しいけれど、きがるがきのちょっと不自由な環境こそが、今の私が求めていたものだったのかもしれない。
見るのも推すのも気軽
しかし「弘法筆を選ばず」とはよく言ったもので、最低限の機能の中でも素敵な絵を描く神絵師たちは存在する。私はきがるがきで「面白い」「すごい」「かわいい」というブックマークを作っているが、「すごい」ブクマがダントツで増えていく。
人の絵を見るのは好きで、これまでもタイッツーでみつけた気になる絵師さんをカスタムTLから覗いていたが、ここにはまだまだ知らない絵師さんがたくさんいた。
自分は絵師とも創作者とも呼べない下手の横好きタイツなので、タイッツーで好きな絵師さんを積極的にフォローすることができなかった。でもきがるがきは誰からフォローされたか、誰にリアクションされたかが一切わからない仕組みのため、私のようなチキンに優しいシステムとなっている。

双方向のやり取りがないのが気楽で、私もたまたま目にした作品に「あなたの作品が好きですもっと描いてください」という意味を込めつつリアクションをじゃんじゃん送っている。
まとめ
こうして振り返ってみると、きがるがきは子供の頃に親しんだ「自由帳」に似た感覚がある。自由帳の機能はシンプルだが、そこに何を描こうと自由だった。人からの評価など気にせず、ただ自分が描きたいものを描く。そんな環境に身を投じたことで、創作そのものの楽しさを思い出させてもらった気がする。ずっと通称だったうちの子たちに名前をつけられたのも、きがるがきでなんとなく描いた落書きがきっかけだった。
「こんな絵を描きたい!」という脳内下書きが溜まる一方、遅筆ゆえ実際に絵として出力できるのはほんの一握り。以前はその激しい乖離にモヤモヤしていたが、最近は思いついた瞬間にきがるがきすることが増えたため、多少は気持ちがスッキリしている。アイビスでじっくり描くのも好きだけど、今この瞬間の熱量をきがるがきにぶつける行為もまた愛しい。
これからも気軽に、でもときにはじっくり時間をかけながら、描きたいものを描いていこうと思う。