
近年の円ドル相場をめぐる議論を見ていると、そもそも「適正な為替レート」とは何かということを改めて考えさせられます。
たとえば、かつてのリーマン・ショックや東日本大震災の際に見られた円高局面では「円高が過ぎる」との批判が高まりました。
一方で、現在の円安水準においては「円安が進み過ぎている」との声が上がっています。
結局のところ、市場が求めているのは特定の水準ではなく、大きな変動を伴わない安定した円ドル相場であると言えるのかもしれません。
しかしながら、巨額の資金力を背景に市場へ参入する投機筋の存在を踏まえれば、為替相場の安定を維持することは決して容易ではないでしょう。
当然のことながら、輸入産業にとっては円高が有利に働き、輸出産業にとっては円安が追い風となります。
不安定な為替環境のもとでは、個々の企業がその都度状況に応じた対策を講じるほかないのが現実です。
マクロ的に見れば、為替の動向は内外金利差やわが国の経済政策に大きく左右されます。
そうした観点からは、今後の高市政権がどのような経済政策を打ち出すのかが注目されるでしょう。
いかなる経済政策にも副作用は伴う以上、今後の経済運営には慎重かつ的確な舵取りが求められることになると思いますね。