
90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。
「エレカジ」推しだったPOPEYE
今回ご紹介するのはPOPEYE2008年1月号です。今から13年前ですね。この企画で00年代雑誌を扱うのは初めてなので、新たな発見が色々ありそうです。(文中敬称略)

今も当時もファッション感度が高い層がターゲットですが、当時はトレンド性の高いデザイナーズブランドが中心でモード色がかなり強め。そういった点では、今のメンズノンノとかなり近い雰囲気と言えるでしょう。
表紙には「エレカジBOY」という文言がありますが、エレカジとはエレガントカジュアルの略。デザイナーズなどのエレガントな服を主軸にしたカジュアルスタイル、という感じだと思います。
今号の4年後の2012年にPOPEYEは大幅にリニューアルし、「シティボーイ」を打ち出すようになり、その雰囲気は2021年の今もほぼ変わっていません。
View this post on Instagram
View this post on Instagram
リニューアル当時のことを調べていたら雑誌デザイン視点の面白い記事も発見しました。
2008年にスマートフォンが存在していた!
さて、2008年のPOPEYEに戻ります。エドウィンの広告は速水もこみち。シャツのボタンの開け具合、インパクトがあるベルトのバックルが時代を感じさせます。

ベンシャーマンってありましたねぇ…。これを見るまで忘れていました。確かシャツを持っていた気がするんですが…記憶がおぼろげです。

カルバン・クライン香水。

エンポリオ・アルマーニの時計。ここらへんのビジュアルはあまり古さを感じませんね。

左ページのカラフルなスニーカーはピエール・アルディのもの。人気ありましたね。


右ページの広告を見て驚愕しました。

2008年の段階でスマートフォンがあったとは笑!。

個人的にこういうデザインは好みです。

左ページはポール・スミスの連載。変わらぬ良さがありますね。

サマンサタバサのブランド、サマンサキングズ。かなり押し出しの強いデザインのバッグ。左ページのシャツにVネックのアーガイルニットというコーディネートは長らく目にしていませんね。ブラック✗パープル✗ブルーの色合いもかなり主張が強い印象。

クラシックな装いは古くならない
祐真朋樹ディレクションによるボウタイ特集ページ。

やはり、こういったクラシックな装いは古さを感じさせません。



とにかく細身、細身、細身
で、今号はE1−GPファイナルという、ストリートスナップの特集です。スタイリストによるコーディネートよりもストリートスナップに登場するコーディネートの方が時代性が強く出るので、当時の雰囲気がより鮮明に感じられます。
右ページのグランプリはかなり着丈の短いレディスブランドのミリタリーアウターにタータンチェック柄のスキニーパンツ、そしてディオールオムのブーツにレザー手袋というコーディネート。左ページの準グランプリのうち2人がハットで、スキニーパンツの裾をハイカットスニーカーにインしています。今の感覚からすると、全体的にかなりゴテゴテした印象。

仙台。

こちらは裾ブーツイン。ジャケットの下に着ているドレープ感のあるパーカ、そういや当時僕も似たようなの着てました…。

マフラーやストールなど、首元に巻物をぐるぐる巻きしてボリュームを持たせているのもこの時代の特徴です。

横浜。

ラペルが広く、丈が短く、ウエストが絞られた金ボタンのPコート。

ボタンが特徴的なナポレオンジャケット。確か、バルマンが打ち出したんだと思います。ほんと、みんなシルエットがコンパクト。特にパンツは極細のスキニーが非常に目立ちます。そして裾はブーツイン。

こちらは同じ頃のレディスファッション誌。メンズレディス問わず流行っていたんですよ。
結構忘れさられているんだけど、
— Tajimax🌺平成ガールズカルチャー論。 (@rainbow_wool) 2021年1月30日
この時に流行った「ナポレオントップス」を私は忘れないっ…👼 pic.twitter.com/chBz1iLjVN
名古屋。

こういう土っぽい色合いも一部で人気でした。インナーのドレープ感があるカットソーに目が行きますね。

こちらのブルゾンの下にドレープ感のあるカットソー。

京都。

アフガンストールの巻き方がかなり特徴的。

福岡。

東京。

こちらもナポレオンジャケット風。

こちらも東京。

ロング丈カットソーの襟ぐりの広さが凄いです。

東京&大阪。

大阪。

エディ・スリマンの影響力の凄まじさ
セレクトショッププレスが選ぶコーディネート。そう言えば当時、この企画に登場しているシップス、ナノユニバース、ビームス、ユナイテッドアローズが4大セレクトショップという扱いでした。
”ほとんんどの人が1ヶ所は<ディオールオム>が入ってるって感じ”
”やっぱり影響力がスゴイよね”
とのコメントが。

ちなみに、こちらが2003年のディオール・オムのビジュアル。
エディ・スリマンが撮影した、03AWディオールオムのビジュアル。圧倒的な世界観。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2020年12月13日
正直、僕の好みではありませんが、格好良いのは格好良いですよね。この世界観に惹かれる人が多いのは理解できます。
なんだろう。メンズファッションの答えの1つ、みたいな事なのかも。 pic.twitter.com/axWBKwsXSD
これ系のデザインって確実に00sのディオールオムの系譜だと思っています。こちらは03AWコレクション。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2020年12月13日
20年近く影響力を持ち続けるエディ・スリマンのデザインって、やっぱりメンズファッションを大きく変えた一大エポックだったんでしょうね。 pic.twitter.com/bDfcoYQmEI
エディ・スリマンについてはこちらも記事でも詳しくご紹介しています。
今号は2008年でここから5年も経っているのですが、ディオール・オムが打ち出したスタイルはまだまだ人気。これはディオール・オムの打ち出したスタイルのスタイルがいかにインパクトがあり、世の中に広く強く影響を与えたかがわかると思います。
人気のシューズのカラーはゴールド&シルバー
小物ピックアップ。

バレンシアガのバッグが人気。

いやぁ、これは凄いですね。ゴールドとシルバーのシューズが人気とは。

「すっかり人気が定着した指なしグローブ」だそうです。こんなのが人気だったんですねぇ。

ライダースジャケット。丈が長いインナーが特徴的。

Vネックが人気だったんですね。2021年の今から一番遠く感じるファッションはこのあたりなのでは。


世界中に衝撃を与えたディオール・オム
で、面白いのが海外のストリートスナップも掲載されているところ。まずはロンドン。

もちろん雑誌の企画に合わせてピックアップされている、という理由もありますが、ロンドンも日本と同じくコンパクトなシルエットで押し出しの強いデザインのファッションが中心です。


コンサバなイメージの強いパリも、やはり同じ雰囲気。


細いネクタイをルーズに結ぶのもディオール・オムでよくありました。

ロンドンやパリに比べるとトレンドの影響は小さいストックホルム。

モデルのプライベートコーディネート。

ユニクロもディオール・オム風
こちら、ユニクロの広告です。ユニクロもストリートスナップと同じく、ディオール・オムな雰囲気。やっぱりブーツインです。

D.I.Pとはデザイナーズ インビテーション プロジェクトのこと。現在のUniqlo Uや+Jの礎となった企画です。こちらは日本のデザイナーズブランド、HALBとのコラボ。

さて、誌面はまだ続きますが、長くなってしまいそうなので残りは次回で。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!