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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/26 13:22 UTC 版)
「テンダリー」(英語: Tenderly) は、ウォルター・グロスが作曲し、ジャック・ローレンスが作詞して、1946年に発表されたポピュラー音楽の楽曲。英語の「tenderly」は、「優しく」を意味する副詞である[1]。
原曲は変ホ長調、4分の3拍子のワルツで書かれていたが、その後4分の4拍子でも演奏されるようになり、ポピュラーなジャズ・スタンダード楽曲となった。特に知られた演奏として、サラ・ヴォーンやナット・キング・コールといった歌手によるもの、アート・テイタム、ビル・エヴァンス、ペルチンといったピアニストによるものなどがある。
「テンダリー」の初録音は、ブラジルの歌手でピアニストでもあったディック・ファルネイによる1947年6月15日のものであった。「愛らしい(英語: lovely)ワルツのメロディ」と評されたファルネイのバージョンは、7月にリリースされ好評を得た[2]。2番目の録音は、サラ・ヴォーンの1947年7月2日のものであった。彼女のバージョンは、11月15日付でチャートに登場し、最高27位まで上昇した。このバージョンは、「魅惑的な表現(英語: a ravishing rendition)」と評された[3]。続いて、ランディ・ブルックス楽団なども同年に録音した[3][4]。1950年には、ヴォーンがMGMレコードのために、この曲を再度録音した[3]。
アート・テイタムやオスカー・ピーターソン、フィニアス・ニューボーン、ポール・スミスといったピアノのヴィルトゥオーゾによっても、この曲は盛んに演奏された。ジャズ・シンガーにも盛んに取り上げられ、1960年ごろにはエリック・ドルフィーのような前衛的な奏者にも演奏されるようになった。[4]
またこの曲は、ラテン音楽においてもスタンダード曲となり、キューバの音楽家では、ビセンティコ・バルデス、モンゴ・サンタマリア、ボラ・デ・ニエヴェ、ペルチンらがこの曲を取り上げた[5][6]。ブラジルのトリオ・スルジーナ (ポルトガル語: Trio Surdina)は、サンバ風のバージョンを1953年に録音しており、また、ジェリー・ゴンザレスとロス・コマンドス・デ・ラ・クラーベ (スペイン語: Jerry González y Los Comandos de la Clave)は、2010年にラテン・ジャズのバージョンを録音した。
| アーティスト | 録音年 (発表年) |
収録アルバム等 | YouTube Music[註 1] |
|---|---|---|---|
| ディック・ファルネイ | 1947 | SP盤[2][7] | ♬* |
| チャーリー・スピヴァク | 1947 | SP盤[3][8] | 💽[9] |
| クラーク・デニス(英語: Clark Dennis) | 1948 | SP盤/シングル盤[3][10] | |
| ナット・キング・コール[4] | 1953 | Sings for Two in Love | 💽 |
| ビセンティコ・バルデス | (1957) | Vicentico Valdes Sings[11] | 💽 |
| ボラ・デ・ニエヴェ | 1970 | Hotel Internacional de Varadero – Noviembre 1970 | 💽 |
| アーティスト | 録音年 | 収録アルバム等 | YouTube Music[註 1] |
|---|---|---|---|
| サラ・ヴォーン | 1947 | SP盤[3][4][12][13] | ♬ |
| 1950 | Tenderly[3][14] | ||
| 1954 | The Divine Sarah Sings[3] | 💽 | |
| ローズマリー・クルーニー[4] | 1955 | Tenderly[15] | 💽 |
| アニタ・オデイ w/ オスカー・ピーターソン・カルテット | 1957 | アニタ・シングス・ザ・モスト | 💽 |
| ロバータ・フラック | 1994 | ロバータ | 💽 |
| アーティスト | 録音年 | 収録アルバム等 | YouTube Music[註 1] |
|---|---|---|---|
| ルイ・アームストロング(Tp., Vo.)&エラ・フィッツジェラルド(Vo.) | 1956 | エラ・アンド・ルイ [4][12] | 💽 |
| アーティスト | 録音年 (発表年) |
収録アルバム等 | YouTube Music[註 1] |
|---|---|---|---|
| ランディ・ブルックス楽団 | 1947 | SP盤/シングル盤[3][4][16] | ♬* |
| エロル・ガーナー(Pf.)[4] | 1947 | SP盤[17] | |
| ウディ・ハーマン(Cl.) | 1949 | [4] | 💽[18] |
| アート・テイタム(Pf.) | 1953 | The Art Tatum Solo Masterpieces Vol. 3[4] | 💽 |
| トリオ・スルジーナ | (1953) | Trio Surdina | 💽 |
| ベン・ウェブスター(T.Sax.) | 1953 | キング・オブ・テナーズ[12] | 💽 |
| バド・パウエル(Pf.)[4] | 1955 | ジャズ・オリジナル | 💽 |
| ハリー・ジェイムス楽団[4] | 1955 | Jazz Session [19] | 💽 |
| デクスター・ゴードン(T.Sax.)[4] | 1955 | ホット&クール | 💽 |
| デューク・エリントン[4]楽団 | 1957 | エリントン・インディゴス[12] | 💽 |
| ペルチン(Pf.) | 1958 | Piano con moña | |
| ビル・エヴァンス(Pf.) | 1959 | エヴリバディ・ディグズ・ビル・エヴァンス[12] | 💽 |
| エリック・ドルフィー(A.Sax.) | 1960 | ファー・クライ [4][12] | 💽 |
| モンゴ・サンタマリア(Conga, Bongo)[4] | (1962) | Mighty Mongo[20] | 💽 |
| フィニアス・ニューボーン (Pf.) | 1969 | ハーレム・ブルース[12] | |
| オスカー・ピーターソン(Pf.) | 1975 | デュオ・ライブ(フランス語: À la Salle Pleyel) [4] | 💽 |
| グレート・ジャズ・トリオ | 1976 | ラブ・フォー・セール[註 2] | |
| ポール・スミス[4] | ラブ・フォー・セール(英語: Heavy Jazz – Vol. 2)[22] | 💽[註 3] | |
| ジョージ・ベンソン(E.Gt.) | 1989 | テンダリー | 💽 |
| デヴィッド・S・ウェア(T.Sax.) | 1994 | アースクウェイション [4] | |
| ゲイリー・バートン(Vib.)[4]&フレンズ | 1996 | デパーチャー(英語: Departure) [4][12] | 💽 |
| バド・シャンク(A.Sax.)・ミーツ・ザ・リズムセクション | 1996 | スイングジャーナル・リーダーズ・リクエスト(英語: By Request)[12][23] | |
| ジャン=ミシェル・ピルク(Pf.)・トリオ | 2002 | ウェルカム・ホーム(英語: Welcome Home)[24] | 💽 |
| ジェリー・ゴンザレス(Tp.) | (2010) | Avísale a Mi Contrario Que Aquí Estoy Yo | 💽 |