出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 01:46 UTC 版)
3dfxの提供していた3Dゲーム専用API。ライブラリは商用提供されていたが、1999年にオープンソース化されている。当時の他のAPIに比べて扱いやすく、高速に動作し、優れた3Dゲームが多数生まれる原動力にもなった。 この当時の3Dゲームの多くは画質が悪く描画が遅い「ソフトウェアレンダリングモード」、標準的なハードウェアアクセラレーションにより画質を向上させた「Direct3Dモード」、アーケードゲーム並みの最高峰の画質と高速描画ができる「Glideモード」が搭載されているものが多かった。 「ソフトウェアレンダリングモード」は文字通りビデオカードの3D性能を使えない環境のユーザー向けの救済措置であり、かろうじて描画できるといったもので、画質、描画スピードともに最低であった。 「Direct3D」はMicrosoftの開発したマルチメディアAPI「DirectX」のうちのひとつであり、現在[いつ?]では主流のAPIである。しかし、当時はその3D描画性能はGlideに遠く及ばず、かつ、ビデオカードへの負担も大きく、高解像度には向かなかった。 「Glide」は3dfxの開発したAPIであり、その高速性、描画の美しさは圧倒的であった。「Quake」「Tomb Raider」などに代表される3Dゲームの発展は「Glide」と「Voodoo」の存在があってこそであり、実際に「Quake」の開発は3dfxの協力があったため可能となったのである。 実際、当時のゲームをGlideとDirect3Dで描画し比べれば、その画質と高速性ははっきり体感できるほど、Voodoo+Glideの性能差は抜きん出ていた。 他のメーカーのビデオカードはDirect3Dのみの対応だが、3dfxのVoodooシリーズだけはGlideとDirect3D両方に対応しており、Glide対応のゲームでは自動的にGlideモードで描画されるようになっていた。 GlideとVoodooの組み合わせは非常に描画スピードが速く、NVIDIAやS3、Matrox、ATIなど他社のビデオチップの性能では描画できない表現でも容易く描画できたため、ゲーム開発者が存分に腕を振るいたい場合はGlideモードは必ず搭載していたのである。「Glideモード」による高速描画と高画質はVoodooシリーズ所有者のみの特権であったが、Voodoo Bansheeの時代には、世界中の多くのビデオカードメーカーがVoodooシリーズのチップを購入、生産していた。このため優れたゲームをプレイしたいユーザーは容易く、安価に様々なメーカーのVoodooビデオカードを購入でき、初代Voodoo以来の絶大なシェアもあり、安心して開発できたという事情もあった。 しかし、1998年に3dfxがVoodoo3を自社生産のビデオカードのみで使用し、他のビデオカードメーカーに供給しないという路線変更を発表したことから、世界中のビデオカードメーカーがDirect3Dしか対応できないNVIDIA、S3のビデオチップを採用するしかなくなるという事態になった。3dfxが自ら明け渡した市場シェアをGlideに対応しない他のメーカーの製品が埋めていくに従い、絶対数が多くなっていったそれらのチップを搭載するビデオカードのユーザーに配慮して、3Dゲームの開発メーカー各社もGlide依存を止め、Direct3DでもGlide程ではないものの相応の画質で遊べるゲームを開発するようになった。 3dfxの戦略転換は、単にVoodooという商品の販売シェアばかりではなく、それまで市場を支配していたGlideというゲーム用3DグラフィックAPIのシェアまでDirect3Dに明け渡していく結果となった。 そして、当初はGlideに比べ画質面や性能全般で劣っていたDirect3Dも、市場からの要求に従ってMicrosoftがDirectXのバージョンを上げる度にGlideとの性能差や機能差を急速に縮め、DirectX7のハードウェアT&L対応でGlideを追い越すに至った。
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