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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/22 02:25 UTC 版)
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(cfb から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/06 05:33 UTC 版)
西岸海洋性気候(せいがんかいようせいきこう、Oceanic climate)とはケッペンの気候区分における気候区のひとつであり、温帯に属する。記号はCfbとCfcであり、Cは温帯、fは湿潤(feucht)、b/cは(温帯の中で)夏の気温が低いことを示す。なお、温暖湿潤気候との差異は夏季における気温のみである。
西欧・中欧・カナダ西海岸・チリ南部など大陸の西岸に多くみられる。その他、南アフリカ東部・オーストラリア南東部・ニュージーランドにもみられる[1]。
本来はヨーロッパ西岸において北大西洋海流の影響を受けて形成される気候であるが、定義上当てはまる地区が世界中に散在している(定義外の特徴については異なる点も多い)。[要出典]
アリソフの気候区分にも同名の気候帯があり、ケッペンの気候区分と同様の気候帯を示す[2]。
夏はさほど高温にならず、また冬は緯度の高さに対して気温が高い[3]。海洋からの偏西風の影響下にあるため、気温の年較差は小さい[4]。降水量の年較差も小さい[3]。
Cfbは温帯(多雨)夏冷涼気候または植生からブナ気候と呼ばれている。
対して、夏季短期かつ気温も上がらないCfcは月平均気温10°C以上に達する月が1年のうち3か月もしくはそれ以下で、1年のうちで9か月以上(最大なら11か月)も冬季(寒候期)で占めており、温帯でも極めて冷涼なのが特徴であることから、極温帯気候と呼ばれることがある。また、1年のうちの大部分が冬季で占めている上、夏季短期かつ冷涼の条件が亜寒帯気候(Dfc・Dfd、亜寒帯北部の気候)の条件とよく似ていること、植生面でも亜寒帯気候との共通点も多いことから、海洋性亜寒帯気候、もしくは、海洋性亜北極気候と呼ばれることもある。
大陸西岸で緯度40° - 60°ほどの比較的高緯度の地域に分布する[4]。
ユーラシア大陸西部のほか、チリ南部、オーストラリア大陸南東部、ニュージーランド[5]、太平洋岸北西部(アメリカ合衆国オレゴン州、ワシントン州[6]、カナダ・ブリティッシュコロンビア州)の沿岸、アフリカ東部など。特にCfcはシェットランド諸島、アラスカ州南海岸やアイスランド南部、さらにはノルウェー北部の北極圏内、北緯70度近くにまで分布する。
大陸東岸においてもアメリカ合衆国のアパラチア高原地域で見られる[6]。ただし、これは周囲の平地が温暖湿潤気候で、高地にあって夏の気温が低いためにこのような気候になるものである(日本でも那須など、関東地方・中部地方の高原地帯にそのようなケースがみられる)。同様な要因で、熱帯地域の山岳部にもこの気候が現れる地域がある(周辺の平地は熱帯雨林気候である場合が多い。また本気候と境界部の一部にAfb(最暖月の平均気温が18℃以上22℃未満)となる地域が存在する)。また、南半球では、オーストラリア大陸の南東部やニュージーランドもこの気候である。これはオーストラリアが大陸としては小さいため、東岸においても大陸性気候の特徴がそれほど強く現れないためである。そのほか、後述の日本北部の一部地域のように、温暖湿潤気候から亜寒帯湿潤気候への移行部にもこの気候が分布する地域があるが、冬の寒さの厳しさなど、他の西岸海洋性気候の地域とは異なる面がある。
西岸海洋性気候に属する観測所が存在するのは以下の市町村である。(括弧内は観測所名を示す。)
| ロンドン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 雨温図(説明) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| レイキャヴィーク | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 雨温図(説明) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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夏は涼しく、冬も暖流(北大西洋海流など)と偏西風によって暖かい空気が送られているため大陸東岸よりは緯度の割に寒くない。
メルボルンなど乾燥帯に近い地域や、ヨーロッパでも地中海性気候との境界部では、夏は乾燥帯や低緯度側から熱風が吹き込むため日較差が大きく最高気温が40℃を超えることもあるが、冬は温和となる。これ以外の地域では、夏の暑さは厳しくなく過ごしやすい。他の気候区と比べると年間の変化は少なくなっている。
この気候は別名をブナ気候という。それはブナ、ニレ、オークなどの落葉広葉樹(夏緑林)や、高地・高緯度地域では針葉樹が生育しているためである。
日本では、西岸海洋性気候に分類される地域と、ブナの北限が近接している特徴がある[15][注釈 1][16](より正確には、ヨーロッパのブナは「ヨーロッパブナ」という日本のブナの近縁種である)。
褐色森林土という肥沃(ひよく)な土壌が分布している。
Cfb地帯ではあまり暑くならず過ごしやすい。夏には良質な牧草が育ちやすいことから畜産と農耕を組み合わせた混合農業や酪農がさかんである。
西ヨーロッパでは地形の影響で内陸までこの気候が及び、河川流量が一定で水上交通が古くから発達したことなどが産業や文化を発達させたともいわれている。欧米をはじめとする西洋文明はこの気候によって育まれたという面も大きい。
Cfcは冬こそ積雪が根雪にならないものの、月平均気温10℃以上の持続期間が3か月以下で農耕が困難なため牧羊などの畜産が中心となる。シェットランドシープドッグもこのような気象条件の中で北欧のシープドッグを交配させて生まれた。