出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/27 02:07 UTC 版)
| 原開発国 | アメリカ合衆国 |
|---|---|
| 開発企業 | リアクション・モーターズ |
| 目的 | 航空機用エンジン |
| 搭載 | X-15 |
| 液体燃料エンジン | |
| 推進薬 | LOX / 無水アンモニア |
| サイクル | ガス発生器サイクル |
| 構成 | |
| 開口比(面積) | 9.8[1] |
| 性能 | |
| 推力 (vac.) | 57,000 lbf (250 kN)(45,000ft)[1] |
| 推力 (SL) | 50,000 lbf (220 kN)[1] |
| 燃焼室圧力 | 4.1 MPa (600 psi)[1] |
| Isp (vac.) | 265秒(45,000ft)[1] |
| Isp (SL) | 230秒[1] |
| 再起動 | 可能 |
| 寸法 | |
| 乾燥重量 | 910ポンド (410 kg) |
XLR99エンジンはリアクション・モーターズが1950年代にX-15搭載用に開発した最初の出力可変、再着火可能型液体燃料ロケットエンジンである。
出力は50~100%の間で可変でき、いつでも必要な時に停止、再着火できる。
燃料は液体酸素と無水アンモニアである。ターボポンプの駆動には過酸化水素を使用[2]、ポンプには毎分4500kgの供給能力がある。
最大出力で83秒作動する。オーバーホールの間隔は20から40飛行である。
このエンジンはアンモニアを燃料とする珍しいエンジンである。
以前X-15に使用されたXLR11エンジンではアルコールを用いていたが、本エンジンの開発ではより高エネルギーの燃料が求められた。
アンモニアはケロシンなどの化石燃料と異なり煤が生じず、ヒドラジンと異なり熱しても爆発しないため、繰り返し再利用する再生冷却のロケットエンジンに適する。
ただし、アンモニア分子は非常に安定しているため、燃焼が難しく、当初から不安定な運転と燃焼の不安定さに悩まされた。この症状を緩和することを期待して、メチルアミンやアセチレンなど、あらゆる種類の燃料添加剤が試された。後者の22%は燃焼をスムーズにしたが、危険なほど不安定だった。
燃焼の問題は最終的にインジェクターの設計を改良することで解決されたが、その過程は長く、困難なものだった。[3]
アンモニアは大変点火しにくい燃料である。そのためまずアンモニアとガス状酸素に点火した上で、さらにアンモニアと液体酸素を点火させる二段階点火方式を採用している。これにより生じた火炎が燃焼室に導かれ、燃焼室内に着火する。[4]
燃焼室には再生冷却を採用する。347ステンレス管を内壁にろう付けしている。このステンレス管はアンモニアガスと反応、窒化物を形成し脆化してしまうため、沸騰しない程度に熱負荷を抑えなければならない。そこで、厚さ5ミルのニクロム下塗りの上に、厚さ10ミルの安定化ジルコニアのセラミックがコーティングされている。このコーティングは熱負荷と振動により剥離する。
この問題に対処するため、傾斜機能材料が開発された。これは混合粉末をプラズマ噴霧し、金属粉末とセラミック粉末の比率を徐々に変化させることによって製造された。セラミック粉末にはジルコニア、金属粉末にはニクロム、モリブデン、タングステンなどが使用された。[5]