Wnnとは、アステック、オムロン、京都大学によって共同開発された、UNIXのかな漢字変換システムの名称である。
辞書をサーバーで一元的に管理するクライアントサーバー方式が採用されたことで、メモリー領域の節約と、サーバーを共有する他ユーザーのユーザー辞書や学習結果などを反映させることが可能となる。C言語で記述されたソースコードがフリーウェアとして無料で配布されたことから、多くのワークステーション上で使用されるようになった。Wnn4.2まではフリーウェアとして配布されているが、Wnn6はオムロン社により商用ソフトウェアとして販売されている。
文章の連文節変換が可能であることは、初代Wnnの完成した1987年当初には画期的なことだった。「Watashino Namaeha Nakanodesu」を「私の名前は中野です」と一括変換できる、という意味でローマ字表記の各文節の頭文字をとってWnnと命名されたという。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/22 03:07 UTC 版)
Wnn(うんぬ、ウーンヌ)は、日本語のかな漢字変換による日本語入力システムの一つである。元来はワークステーション向けに開発され、後に組込機器向けが主要な用途となった。「FreeWnn」に限って言うと、オープンソースソフトウェアである。
1985年から京都大学、慶應義塾大学、立石電機(現・オムロン)、アステック(現・アールワークス)によって共同開発され、1987年に完成した[1]。
開発当時は、PCでは連文節変換がすでに実現されていたが、ワークステーションでの日本語入力システムは一般的に、単語ごとまたは文節ごとに変換していた。このシステムは、ワークステーションでも「Watashino Namaeha Nakanodesu」と入力して正しく「私の名前は中野です」と一括変換できるような連文節変換を実現することを目指して開発されたことから、その文字列の頭文字を取ってWnnという名前が付けられた。「中野」は日本語処理開発チームの立石電機側の窓口となっていた人の名前である[2][1]。
Wnnバージョン4(Wnn4.x)は、1990年代のUNIXワークステーションで広く利用され、X Window Systemにも同梱されるようになった。ただし、辞書の語彙数や変換率は決して満足の行くものではなかった。Wnn4.2が基本となりワークステーションや組込機器向けにさまざまなバージョンのものが存在している。Wnnはバージョン4.2まではフリーソフトである[3]
ワークステーション型Wnnの大きな特徴は、ネットワーク透過なクライアント・サーバ型システムである点にある。一般的な日本語入力システムは、すべての処理をローカルで行う。これに対してWnnでは、ユーザーインターフェースを受け持つクライアントと、かな漢字変換エンジンであるサーバが分離しており、両者がネットワーク上で通信することで動作する。サーバはLAN内のいずれかのコンピュータで一つだけ動いていればよく、ローカルのCPU負荷の軽減になる他、単語登録や辞書学習の成果が一元的に蓄積されるというメリットがある。一方で、ネットワークを介することによるレスポンスの低下や、サーバやネットワークがダウンすると処理が不可能になるというデメリットもあるが、これが重大な問題である場合は、ローカルでサーバを動かすという手もある。
この柔軟性に富むアーキテクチャは、当時からネットワーク利用が一般的なUNIXワークステーションならではのものであり、CannaやSj3など他の入力システムにも受け継がれている。
Wnnのサーバプログラムはjserverという。クライアントは以下のものがある。
また、Wnnには中国語・朝鮮語バージョンも存在し、それぞれ以下のような名称になっている。
| 言語 | システム名 | サーバプログラム |
|---|---|---|
| 日本語 | Wnn | jserver |
| 簡体字中国語 | cWnn | cserver |
| 繁体字中国語 | tWnn | tserver |
| 朝鮮語 | kWnn | kserver |
これ以外にOpenWnnなど各種バージョンが存在する。
詳しくは外部リンクのオムロンソフト公式サイトにある各バージョンの「搭載商品」を参照のこと。
NTTドコモのFOMA共通プラットフォームであるオペレータパック(OPP)には標準でiWnnが採用され、それまでATOKを採用していた富士通(現・富士通モバイルコミュニケーションズ)、ケータイShoinを採用していたシャープの機種でもiWnnが採用されるようになった。またソニー・エリクソンの機種では初期にはWnnの辞書部分のみを提供しており、その後基幹部分も含め搭載された。iWnnが搭載されるようになってからもPOBox Proの機能が優先となるためiWnnの機能に対応するのは比較的遅かった。例えばワイルドカード予測に対応したのはiWnnの発表から約3年が経過した2011年に発売されたS006搭載のPOBox Pro 5.0Eからだった[13]。
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