Siriとは、iOSの機能のうち、音声認識と自然言語処理を用いた音声アシスタント機能の名称である。iOS 5で初めて組み込まれた。
Siriはユーザーの声による入力を解釈し、その内容や文脈などによって適切な情報を選択し、必要な操作を行う機能である。Appleによれば、例えば「この週末は傘が必要だろうか」と尋ねると、天気予報に関する情報が必要とされていることを理解するという。同様に、電話をかける、メールを送る、スケジュールを組む、道順を探すといった様々な用途に利用することができる。
Siriは、2011年10月にiOS 5の主要な機能の一つとして発表された。発表当初はベータ版の位置づけで、英語、仏語、独語の3言語に対応、英語は米、英、豪の3ヵ国にローカライズされているという。
Siriの日本語対応版は、2012年3月8日にiOS 5のアップデート(iOS 5.1)と共に公開された。
なお、Siriの読み方は本来「スィアリ」(/sɪəri/)のように発音されるが、日本語としては「シリー」のように表記・発音されることが多い。
| UI: | NUI 入力インターフェース ランチャー Siri ジェスチャーインターフェース ダークモード Webユーザーインターフェース |
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/03 16:41 UTC 版)
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| 開発元 | SRIインターナショナル Apple |
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| 対応OS | iOS 5以降、iPadOS、macOS Sierra 10.12以降、watchOS、tvOS、audioOS、visionOS |
| 種別 | 自然言語処理 |
| 公式サイト | www |
Siri(シリ、[ˈsɪri] SIRR-ee) は、AppleのiOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOS、audioOS、visionOSにそれぞれ搭載されているバーチャルアシスタント。ユーザが各デバイスを物理的に操作するか、音声コマンド「Hey Siri(ヘイシリ)」で起動させることができる[1]。macOS Sonoma, iOS 17, iPadOS 17から英語版でのみ "Siri" で起動させることができ[2]、日本語版では「ねぇ、Siri」で起動できる。
2007年に創設されたSiri社によって開発が始まり、2010年にAppleに売却された[3]。SiriはiOSに組み込まれ、その翌年である2011年10月4日にiPhone 4Sに搭載されることが発表された[1]。現在に至るまでAppleが開発するオペレーティングシステムと共にアップデートされ、多くの機能が追加され続けている。
Siriは、ユーザによる質問に対しインターネット上のウェブサイト、または各デバイスやアカウントにローカルに保存された情報を用いて回答し、要望を各デバイスのアプリケーションを用いたり、またはその機能をバイパスしたりすることによって答える[1]。
Siriは継続的に使用することによって、各ユーザの使用状況に適応する[4]。
Siriという名前は、開発者のDag Kittlausが、ノルウェー人の同僚シグリッド(Sigrid)の愛称"Siri"から付けたものである[5]。後に、バクロニムとして、Speech Interpretation and Recognition Interface(日:発話解析及び認識インターフェース)の頭文字ということにされた[1][6]。
2017年6月、AppleはWorldwide Developers Conference(WWDC、日:世界開発者会議)で、Siriを搭載したスマートスピーカーであるHomePodを発表した。
2024年6月10日のWWDC 2024基調講演で、2024年秋よりApple IntelligenceとChatGPT(GPT-4o)による生成AIをSiriに搭載し始める予定であると発表され[7]、12月11日からベータ版としてmacOS Sequoia 15.2, iOS 18.2, iPadOS 18.2に米国英語のみ対応のベータ版として実装された[8]。
Siriの開発・提供を行っていたSiri社は、2007年12月にDag Kittlaus(CEO)、Adam Cheyer(VP Engineering)、Tom Gruber(CTO・VP Design)、そしてSRIインターナショナルのベンチャー出身のNorman Winarskyらによって創設された。
元々はアメリカ国防高等研究計画局(DARPA/Defense Advanced Research Project Agency)により兵士を戦場でサポートするための人工知能開発プロジェクトとして開発が始まった。CALOプロジェクトは人類史上最大の人工知能研究プロジェクトとも言われ、2003年からスタートし巨額の資金が投じられ名だたる大学や研究機関から研究者が集められた。そしてそのプロジェクトの一環としてDag Kittlausにより「Siri」は立ち上げられた[9]。
その後Siri社は2010年4月28日にAppleに売却された[3]。またSiriはBlackBerryとAndroid向けにも登場するとされていたが、iOS以外の製品向け研究成果はすべて取り消された[10]。
Appleは2006年にiPodを音声操作する技術の特許を申請した[11]。
またSiri開発者である、Dag KittlausとAdam Cheyerたちにより2016年5月に新会社で新しい音声アシスタントViv(ビブ)が開発が発表された[12][13]。2016年10月にSamsungがVivを買収し単独で展開すると発表されたが[14][15]、2019年にBixbyへ統合され消滅し[16]、Dag Kittlausは2019年に、Adam Cheyerは2020年に[17]、Samsungを辞任した。
2011年10月4日、SiriがiPhone 4Sに搭載されることが発表された[18]。この新しいバージョンのSiriは、iOSに組み込まれ、リマインダー、天気予報、株式情報、テキストメッセージ、Eメール、カレンダー、メモ、音楽、時計、Webブラウザー、Wolfram Alpha、地図などとの連携機能が付けられた[4]。リリース当初、Siriは、英語(アメリカ、イギリス、オーストラリア)・ドイツ語・フランス語のみに対応していたが[19]、2012年3月8日には日本語に対応し、中国語・韓国語・イタリア語・スペイン語といった言語にも2012年に対応した[20]。米国外では機能上も制限がある[21]。
iPhone 4SへのSiri搭載発表後、AppleはApp Storeから既存のSiriアプリケーション(全モデルのiPhoneで動作可能であった)を削除しているため[22]、iPhone 4S以外のiOS端末(4S以前のiPhoneや第五世代より前のiPod touch、第二世代までのiPadも含む)では使用ができない。
iOS 6からは対応言語にメキシコのスペイン語やスイスのイタリア語、広東語などが追加され、アプリの起動やレストランの予約なども可能になるとされる[23]。第三世代のiPadにも対応[23]。2012年9月12日午前10:00(現地時間)より開始されたAppleのカンファレンスイベントで第五世代iPod touchに対応することが発表された[24]。
また、10月24日に行われたiPad miniのスペシャルイベントでは明言されていないが対応している[25]。
2014年3月12日にアップデートされたiOS 7.1以降では発音が滑らかになり、男性の声も追加された。女性の声は以前の「Kyoko(キョーコ)」から新しいSiri専用の音声に変更された。
ちなみに、音声合成ライブラリの各音声名はJavaScriptのWeb Speech APIで取得でき、iOS 7.1以降での日本語の女性の声は「O-ren(オーレン)」、男性の声は「Hattori(ハットリ)」である。また、男性・女性音声ともに発音のアクセントや感情を細かく表現できるようになっている。
2014年9月17日にアップデートされたiOS 8.1以降では本体に話しかけると自動起動できる「Hey Siri」機能が追加された[26]。ホームボタンが押せない充電時にSiriを起動するために追加された機能であるため、この機能を使用するには電源に接続している必要があった。
2015年9月25日に発売されたiPhone 6sとiPhone 6s Plusでは電源に接続されていない状態でも「Hey Siri」機能が使用できるように改善された。ハードウェア側の対応が必要なため、旧機種をiOS 9にアップデートしても本機能は使用できない。
また2018年9月18日のiOS 12リリース日に公開されたapp「ショートカット」により、SiriでAppでの1つまたは複数の作業をすばやく完了できるようになった。
2020年9月17日配信のiOS 14、iPadOS 14では、Siriの画面が刷新された。また、自分が話した内容やSiriの会話がデフォルトでオフになった。これらの設定は、再び表示させることも可能。その他、アクセシビリティの設定では、iOS 6以前のように全画面を覆わず、Siriのアニメーションアイコンのみ表示される設定も可能になった。
2021年4月26日に配信されたiOS 14.5、iPadOS 14.5では、Siriの設定画面から「男性」「女性」といった性別による声の選択が廃止され、「声 1」「声 2」という表記に変更された[27]。
2021年9月21日リリースのiOS 15、iPadOS 15では、オフラインでもタイマー、アラーム、電話、メッセージ、共有、アプリの起動、オーディオ再生の操作、設定などの機能が使えるようになった。その他にもAirPodsをつけているときに通知が来るとSiriが読み上げる機能などが搭載された。
2024年6月10日のWWDC 2024基調講演で、2024年秋よりApple IntelligenceとChatGPT(GPT-4o)による生成AIをSiriに搭載し始める予定であると発表され[7]、新しいSiriは12月11日リリースのiOS 18.2から言語環境を米国英語にするとベータ版として機能する[28][8]。スティーブ・ウォズニアックは当該アップデートを、「Siri開発の原点にあった夢の実現を目指したもの」と好意的に評価した[29]。日本語への対応(ベータ版)は2025年4月にリリースされたiOS/iPadOS 18.4から[30]。
2016年6月13日、WWDCにて、開発者へのAPIの公開とともに、macOS Sierraへの対応が発表された[31]。
2024年6月10日のWWDC 2024基調講演で発表された内容が、2024年12月11日リリースのmacOS Sequoia 15.2にて実装され、Apple IntelligenceとChatGPT(GPT-4o)による生成AIが、言語環境を米国英語にするとベータ版として機能するようになった[32][8]。日本語への対応(ベータ版)は2025年4月にリリースされたmacOS Sequoia OS 15.4から[33]。
SiriはSRI International Artificial Intelligence Centerの研究を基に誕生したアプリケーションであり、DARPAによって立ち上げられた恐らく過去最大の人工知能計画であるCALOプロジェクトの分家筋にあたる[34][9]。
Siriの主要な技術領域は、会話型インターフェース、人的文脈認識、そしてサービスの代理実行である[34]。
Siriの音声認識エンジンは、同分野の技術開発を行っているニュアンス・コミュニケーションズ社の提供を受けている[35]。
2024年からApple独自開発のパーソナルインテリジェンスシステム、Apple Intelligenceによる強化が行われているが[8][36][37]、進化したパーソナルアシスタント機能の実装は難航し、次バージョンのOS(macOS Tahoe 26, iOS 26, iPadOS 26, visionOS 26)のアップデートで、2026年春になると見込まれている[38]。
AppleとGoogleは2026年1月12日、Siriの基盤にGoogle Geminiを採用することを発表した[39] 。
Siriの使用によるデータの処理は、ほとんどがデバイス上でローカル処理されるとAppleは説明していた[40]が、会話にプライバシーに関わる情報が含まれていた場合は個人を特定できると指摘されていた。また、英紙『ガーディアン』はAppleの委託業者がユーザとSiriとの会話を日常的に聴取していると報じた[41]。この報道を受けて、Appleは謝罪すると共に、会話の扱いに関するルールを改善すると表明した。iOS 13.2より、Siriの使用履歴の消去や、使用状況をAppleに送信するかどうかが選べるようになっている[42]。
| バージョン | 新規対応言語 |
|---|---|
| 5.0 | |
| 5.1 | |
| 6.0 | |
| 8.2 |
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| 8.3 | |
| 9.0 | |
| 9.2 | |
| 9.3 | |
| 10.0.1 |
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 13:45 UTC 版)
「macOS Sierra」の記事における「Siri」の解説
Dock、メニューバー、キーボードショートカットから起動可能で、検索結果をフローティングウインドウに表示し常駐させることができる。ファイル検索、メッセージの送信、SNSへの投稿をはじめとした機能が利用可能。検索結果を通知センターに留めておくこともできる。Siriは常に最前面で動作するので、別のタスクを動作させながらSiriを利用することも可能。
※この「Siri」の解説は、「macOS Sierra」の解説の一部です。
「Siri」を含む「macOS Sierra」の記事については、「macOS Sierra」の概要を参照ください。