出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/20 22:20 UTC 版)
| 略称 | SEALDs |
|---|---|
| 前身 | 特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)[1] |
| 後継 | 未来のための公共 |
| 設立 | 2015年5月3日 |
| 設立者 | 奥田愛基ら複数名 |
| 解散 | 2016年8月15日 |
| 種類 | 日本の政治団体[2] 学生団体[1][3] |
| 目的 | 自由と民主主義に基づく政治を求める |
| 本部 | |
| 所在地 | 東京都新宿区矢来町106-205 |
| 貢献地域 | |
| 公用語 | 日本語 |
| 代表者 | 諏訪原健 |
| 重要人物 | 奥田愛基 元山仁士郎 |
| 関連組織 | 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合[4] オール沖縄[5] ReDEMOS |
| ウェブサイト | web |
自由と民主主義のための学生緊急行動[1][6](じゆうとみんしゅしゅぎのためのがくせいきんきゅうこうどう、英語: Students Emergency Action for Liberal Democracy - s[注釈 1])、略称でSEALDs(シールズ[1][6])は、2015年5月から2016年8月まで活動していた日本の政治団体[2]・学生団体[3][注釈 2]。反体制的な活動により、公安調査庁の調査対象にもなっていた[8]。新時代の学生運動として、有名人が多数賛同したことでも知られている。
2016年8月以後は「自由と民主主義のための琉球・沖縄緊急学生行動(SEALDs琉球)」のみ、名前を変えて活動を継続しており[9]、2017年3月17日に、元メンバーらが新団体未来のための公共を設立するが、2019年8月15日に活動終了を発表した。
同団体への対抗のため、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)2世信者が中心になって勝共UNITEが結成された。
前身団体である特定秘密保護法に反対する学生有志の会(とくていひみつほごほうにはんたいするがくせいゆうしのかい、「Students Against Secret Protection Law」(略称:SASPL)は第2次安倍内閣によって提出された特定秘密保護法が参議院本会議で可決された2013年12月6日に、同法の成立以前から学内勉強会を開催していた首都圏の大学生メンバーが発起人となって設立された日本の学生による政治団体[2][10][11][12][13]。
SASPLは2014年2月1日に特定秘密保護法に反対するデモをスタートし、同法が施行された12月10日の官邸前デモを最後に解散した[10][注釈 3]
SEALDsは2015年5月3日、安倍首相の政権運営や憲法観に対して危機感を感じた学生らがSASPLの後続団体という形で発足させた。同年6月5日に成立した安全保障関連法に反対する国会前での抗議デモを主催していた。また、関西圏(近畿地方)の大学生が中心となって活動する派生団体「SEALDs KANSAI(シールズ関西)」が5月[15]、 東北地方(仙台圏)の大学生が中心となって活動する派生団体「SEALDs TOHOKU(シールズ東北)」[16] も同年7月20日に、さらに沖縄県の大学生が中心となって活動する派生団体「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」も同年8月15日に[17]、そして同年9月7日には東海地方(名古屋/津圏)の大学生が中心となって活動する派生団体「SEALDs TOKAI(シールズ東海)」も発足した[13][18]。2015年10月23日付で政治団体設立の届け出をし、「その他の政治団体」として登録された[2]。
2016年8月15日に動画メッセージを残して解散した[3]。
所属人数は2015年9月時点でほぼ1000人を数え[19]、TwitterやLINEで存在を知った各地の若者が、地方の都市でもグループを結成している[20]。メンバーの多くは十代後半から二十代前半の若者であり、在籍している大学・学校はバラバラで、学業やアルバイトの合間を縫って活動している。金曜日の抗議活動を担う「デモ班」や、デモの様子を配信するためのカメラを回す「映像班」、フライヤーを作る「デザイン班」など、十以上の班に分かれ、それぞれの役割を担い運営している[21]。
SEALDsには「代表者」が存在せず、「副司令官」とされるメンバーが数人存在している。これは個人の意見を大切する考えや、「真の司令官は人民である」というサパティスタ民族解放軍のマルコス副司令官の考えに基いているという[22]。
母親が主体の「安保関連法案に反対するママの会」や、高校生が主体の「T-nsSOWL(ティーンズソウル)」、中年が主体の「MIDDLEs(ミドルズ)」など、安保関連法案への反対運動を展開している団体の中にはSEALDsの活動に影響を受けて立ち上げられたものも存在し、その動きは各地域や各年代で広がりを見せているとされる[23][24][25]。
安全保障関連法の成立後は、法案に賛成した議員の落選運動を行っている[26][27]。また、野党共闘の呼びかけや統一候補の応援も行っている[27]。
2016年8月15日に動画メッセージを残して解散した[3]。
2017年3月17日、元メンバーらが新団体「未来のための公共」を設立し、今後、安倍政権をめぐる政治活動を行うことを表明[28]。
2019年8月15日「未来のための公共」が活動終了を発表した[29]。
特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認によって日本国憲法の理念が危機に瀕しているとして、立憲主義に基づかない政治に対して反対の姿勢を打ち出し、国家による社会保障の充実と安定雇用の回復を通じた人々の生活の保障や、対話と協調に基づく平和的な外交・安全保障政策を求める。すなわち、立憲主義・生活保障・平和外交を掲げるリベラルな政治勢力の結集を求めた[30]。
「いまこそ、若い世代こそが政治の問題を真剣に考え、現実的なヴィジョンを打ち出さなければなりません」「私たち一人ひとりの行動こそが、日本の自由と民主主義を守る盾となるはず」[30] として、当事者の立場から若者の政治参加の意義を強調した。
反自民党で、9条よりも立憲主義に根差しており、国民の権利を守り、社会の諸問題を解決する為にふさわしいのなら、憲法改正もおおいに議論され、実践されるべきとした[30][31]。
「デモはカッコイイと思わせる」のがモットーで、理想の民主主義を語る熱いスピーチの映像をネットに流し、新しい運動スタイルを目指した[32]。デモや集会中のかけ声「Tell me what democracy looks like(民主主義って何だ)」は世界中のデモで使われている有名なフレーズという[20]。
| 日付 | 活動内容 |
|---|---|
| 2015年7月10日 | 国会前で集会を開き、子連れから学生、高齢者まで、幅広い世代が国会正面近くの歩道にあふれ、主催者発表で1万5000人以上が集まったという[33]。 |
| 2015年7月15日 | SEALDsは午後7時半から安保法制反対デモの主催を引き継いだ。大学生の参加者は「強行採決反対」と書かれたプラカードを掲げ、「大学でも、安倍政権のやり方はおかしいと思っている友人は多い。若者だって、政治に無関心ではないというメッセージを伝えたい」と話した[34]。メンバーの奥田愛基が「俺たちはマジで怒っている。安倍政権を辞めさせよう。みんなで声を上げよう」と呼び掛けた時は大歓声が起きたという[35]。 |
| 2015年7月31日 | 「安全保障関連法案に反対する学者の会」と合同で『安全保障関連法案に反対する学生と学者の共同行動集会アピール』を発表し、国会前のデモを共催した[36]。 |
| 2015年8月23日 | 国会前でデモを共催し、T-nsSOWLも参加した。高校生の参加者は「戦場に行き、命をかけて戦うのは僕たち自身です。憲法違反を犯した政治家たちではない」とスピーチした[37]。8月21日の特別委員会において民主党の蓮舫の質問中に「そんなこと、どうでもいいじゃん」とやじを飛ばした自民党の安倍晋三に対して、奥田は「どうでもいいなら首相をやめろ。バカか、お前は」「『バカか』とかひどいことを言っても、あんまり伝わらない。もうちょっと優しく言えば、僕は首相の体調が非常に心配なので、早く病院に行かれてお辞めになられた方がいい」とスピーチした[38][39](その後、奥田はこの発言で右派から激しいバッシングを受ける)。 |
| 2015年9月6日 | 「安全保障関連法案に反対する学者の会」と新宿の歩行者天国で集会を共催した。民主党や共産党の野党幹部のほか、与党公明党の元副委員長もスピーチした。公明党の元幹部が「公明党は目を覚ませ」と繰り返すと、創価学会の「三色旗」がはためいたという[40]。 |
| 2015年9月15日 | 奥田が参議院の安全保障関連法案に関する中央公聴会に民主党選任の公述人として出席し、「菅官房長官は、昨年の選挙でも『(安保は)争点ではない』と言っています」「憲法とは国民の権利であり、それを無視することは、国民を無視するのと同義です」「政治家の先生たちも個人でいてください。政治家である前に、派閥に属する前に、グループに属する前に、たった1人の個であってください」と述べた[41][42]。 |
| 2015年10月28日 | 筑波大学大学院生の諏訪原健らSEALDsメンバー4人が日本外国特派員協会で記者会見し「来夏の参院選に野党の統一候補が出るなら応援する。野党は政策や立場の違いを超えて選挙協力をしてほしい」と訴えた。また、参院選後にSEALDsを解散することも表明した[43][44]。 |
| 2015年11月6日 | 沖縄県名護市辺野古の埋め立て本体工事着手に対し、「地方自治の原則をないがしろにし、民主主義を否定する暴挙」とする声明を発表した[45]。 |
| 2015年11月22日より前 | 大阪府知事、大阪市長選挙を前に、SEALDs KANSAI は「思想信条の自由を侵害し、住民の生活を破壊している」として維新に反対の立場を明確にした[46]。 |
| 2015年12月6日 | 銀座でデモを主催、主催者発表で約4500名が参加した[47]。 |
| 2015年12月20日 | 他の4つの市民団体とともに安保関連法案廃止を目標とした「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(略称・市民連合)」を結成した(後述)[48]。 |
| 2016年3月13日 | 安全保障関連法案に反対する学者の会と新宿駅前で集会を共催し、主催者発表で3500人が参加した。「自衛隊の命を守れ」「選挙に行こうよ」などの声をあげたほか、野党幹部らが共闘を訴えた[49][50][51]。 |
| 2016年3月27日 | 民進党の結党大会に奥田が来賓として招かれ、「若者の声を聞いてほしい。『民とともに進む』というスローガンを本気で言ってほしい」「僕が中央公聴会でスピーチしたときに、僕の目の前の与党の議員の方は寝ていました。はたして国民の政治離れなんでしょうか。それとも政治の国民離れなんでしょうか」と訴えた[52][53]。 |
| 2016年3月29日 | 同日施行された安全保障関連法に反対する集会やデモが、毎日新聞によると少なくとも全国37都市であり、SEALDsも参加した。国会前に主催者発表で3万7000人が参加、JR大阪駅前に主催者発表で1700人が参加するなどした[54]。 |
| 2016年4月10日 | アジアの民主主義や民主化運動の状況を話し合う若者団体の初会議がフィリピンのマニラで開かれ、台湾の林飛帆ら「ひまわり学生運動」のメンバーや、香港の「雨傘革命」のメンバーなど、合計10の国や地域の代表が参加し、日本からは奥田らSEALDsのメンバーが参加した。会議ではSEALDsのデモのスタイルが称賛されたほか、奥田が「(各国の状況や目標は違うが)努力しないとそれをつかめないということを忘れてはならない」と述べるなどした[55][56]。 |
| 2016年6月5日 | 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が主催した国会前大規模集会[57] に、共闘を図る野党幹部が参加し、SEALDsも参加、主催者発表で4万人以上が参加した。7月10日投開票の参院選を控え、奥田は「失敗したアベノミクスを争点にしようとしているが、3分の2の議席を取り改憲したいというのが安倍首相の本音では」と指摘し、SEALDs RYUKYUから参加した人物は、4月に沖縄県うるま市で発生した米軍属による日本人女性殺害事件に触れ「2度と事件を起こさせないとの思いを持った人を国会に送り出さないといけない」と強調した[58]。 |
| 2016年8月5日 | しんぶん赤旗によると、日本共産党創立94周年記念講演会に諏訪原が来賓として招かれ、「SEALDsは8月15日に解散する」と宣言し「緊急行動をおしまいにして、どういう世界をめざすための野党共闘なのかという議論にしていきましょう」と提案し、「議論を政治家だけに任せず、参院選で成立した野党と市民の共闘をもう一歩前にすすめてほしい」と訴えたという[59]。 |
| 2016年8月15日 | 動画メッセージを残して解散[60]。「SEALDsは解散します。しかし終わったというのなら、また始めましょう。始めるのは私であり、あなたです。何度でも反復しましょう」と呼びかけた[3]。SEALDs琉球は活動継続[61][62][63]。 |
| 2017年3月15日 | 元メンバーが「未来のための公共」を結成[64][注釈 4]。 |
公安調査庁の『内外情勢の回顧と展望』(平成28年1月版)では「平和安全法制の整備をめぐっては(中略)学生団体「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)を始めとする若者グループの結成が相次いだ」とSEALDsについての言及がなされている[66]。また同資料では中核派が機関紙『前進』で「(SEALDsは)警察権力と一体で国会前行動を仕切り,『過激派排除』を叫んで敵対している」とSEALDsを批判しつつ、SEALDsなどの運動に参加した学生・青年に対して自派への結集を呼び掛けたことや、日本共産党の志位和夫がSEALDsなどが主催する集会に自身が参加しかつ党員を参加させ、無党派・青年層などとの連携姿勢をアピールしたことなどが紹介された[66]。また、日本共産党は公式ウェブサイトにおいて、SEALDsのデモの日時を告知し、デモに参加する行動予定を明らかにしていた[67]。
政治情報を発信する「SEALDs POST」を開設、運営し、自民党への投票を踏みとどまるようメッセージを掲載している[74]。
「SEALDs POST」のコラムで、弁護士の水上貴央による、参院選の投票日前に「参院選は「政権選択の選挙」ではないため、「たいした変化は起きない」。野党が少し勝ったところで「どうせ与党になるわけではない」のだから「民進党が信用できなくても、共産党が怖くても、はっきり言ってどうでもいい」」などという持論を掲載しており、J-CASTニュースは、「全体的には自民党を中心とする改憲勢力の「落選運動」といった趣」であり、「煽りまくりコラム」が「話題」であると述べている[75]。
日本共産党京都府委員会の機関紙である京都民報によると、2015年7月11日に開催された「憲法守れ」「NO WAR」などを掲げたSEALDs KANSAIのデモに、「安全保障関連法案に反対する学者の会」に所属する山室信一と西牟田祐二が参加し、参政権のない在日コリアン4世も「自分の住む国の政治に声を上げたい」とスピーチをしていた[76]。
社民党公式サイトで、戦争をさせない1000人委員会など3団体で構成する戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会や首都圏反原発連合らとともに「戦争法の廃止を求める統一署名」の共同呼びかけをしていることが紹介されている[77]。
SEALDsは公式には、特定の政党の支持を表明していないが、2014年衆院選でオール沖縄を掲げた野党候補が全自民党候補者を破って当選した結果を手本とし、現自民政権の不支持とリベラル勢力支持を表明し「現政権に対抗するための野党の結集」を目指すとしていた[30][78]。
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