サムスン電子 (サムスンでんし、ハングル : 삼성전자 )は、韓国 のテクノロジー企業。世界最大の総合家電 ・電子部品 ・電子製品 メーカーであり、韓国最大の財閥 であるサムスングループ の中核企業である。
2025年 において、サムスンはApple 、Microsoft 、Amazon 、Google に次ぐ、世界で5番目に価値のあるブランド [ 4] 。2019年 における売上高や時価総額は単独民間企業としてアジア最大であり、スマートフォン 、薄型テレビ 、半導体 (NAND型フラッシュメモリ ・DRAM )、中小型有機ELディスプレイ においては、いずれも世界シェア1位[ 5] [ 6] [ 7] 。2020年 における研究開発 費は世界1位[ 8] 。
概要
サムスン電子は、売上高・時価総額・資産規模のいずれにおいても韓国最大の上場企業であり、韓国経済に最も大きな影響力を持つ企業である。2024年の売上高は韓国 のGDP の約12%[ 9] [ 10] 、時価総額 は韓国株式市場の約20%を占め[ 11] 、外国人持ち株率は約50%に達する[ 12] 。インテル やクアルコム と並ぶ世界的な半導体メーカーである[ 13] 。一般消費者向け製品ではスマートフォン ブランドの「Galaxy 」などが有名である。
韓国を象徴するグローバル企業であり、インターブランド の世界ブランド価値ランキング ではApple 、Microsoft 、Amazon 、Google に次ぐ世界5位に位置づけられている(2025年)[ 14] 。イギリスの調査会社ブランド・ファイナンスによる「最も価値のあるブランド」調査で世界6位(2025年)[ 15] 。フォーブス・グローバル2000 では世界19位(2025年)[ 16] 。日経リサーチによる企業ブランド価値調査でアジア首位[ 17] 。
社員25万人を擁し、世界各地に65の生産法人、および130の販売法人を展開し、家電製品から工業製品、軍事製品まで幅広い電子機器を製造する。
薄型テレビ市場では2006年以降、世界シェア首位を維持しており、洗濯機・冷蔵庫などの生活家電分野でも北米や欧州を中心に高い市場シェアを占める[ 18] [ 19] [ 20] 。これらの分野では中国メーカーの台頭により、近年はデザイン性やIoT機能を重視したプレミアム路線に軸足を移している。
スマートフォン向けディスプレイにおいても、サムスン電子は有機EL (OLED)パネルの世界最大手であり、Galaxyシリーズのみならず、Apple を含む主要スマートフォンメーカーに対する主要供給元となっている[ 21] 。特に高性能・高精細なフラッグシップモデルでの採用例が多い[ 22] 。
通信インフラ事業も展開しており、4G/5G通信基地局の世界シェアはファーウェイ、エリクソン、ノキア、ZTEに続く5位で、日本ではNTTドコモ とKDDI (au)で採用実績がある[ 23] [ 24] 。
サムスンのDRAM(Samsung 256M DDR SDRAM)
創業から1980年頃まで
1938年 の日本統治時代の朝鮮 で設立されたサムスン電子の親会社である三星商会は、食品と衣服が主力事業であった。当時は電気製品 やエンジン のメーカーとしては日本の弘中商会 が営業していた。
1969年 1月に三星電子工業株式会社が設立され、12月には三星三洋電機が設立、電子産業に進出した。1970年 1月には三星NECが設立され、白物家電やAV機器の生産が行われた。これらは、サッカリン密輸事件 からの起死回生を図るサムスン総帥の李秉喆 (イ・ビョンチョル)が三洋電機 の井植歳男 やNEC ・住友商事 の協力を得て主導したもので[ 25] [ 26] 、当時急速に拡大していた韓国国内の需要市場をターゲットにした決定であった。
1977年 には韓国半導体を買収して半導体事業に参入し、1980年 3月に韓国電子通信を買収した。1980年頃からは海外に次々と現地販売法人が設立され、ポルトガル やアメリカ には工場が設立された。
1980年頃から2000年頃まで
半導体事業
1983年 2月に、創業者の李秉喆が「資源がほとんどない大韓民国 の自然条件に適合して、付加価値が高く高度な技術を要する製品を開発することが第2の跳躍を図る唯一の道だ」と表明し、DRAM 事業に進出。半導体で先行する日本を目標とする「東京宣言」を発表し、三星電子の東京支店が同年に開設され、日本から大韓民国 へ半導体 製造装置の輸入を開始した[ 27] 。製造技術は1970年代より提携先であったシャープ の支援を受けた。翌1984年 にはマイクロンテクノロジー より設計技術移転の支援を受け、6か月の開発期間を経てマイクロンテクノロジーと東芝 に続く世界で3番目の64kのDRAMを開発[ 28] 。同年、光州電子を合併して、三星電子工業から三星電子に会社名が変更された。
程なく256K DRAMの開発にも成功する。一方日本の東芝 は、1984年に舛岡富士雄 が世界初のNOR型フラッシュメモリ を開発、1985年に世界初の1M DRAMを開発、1987年に世界初のNAND型フラッシュメモリ を開発するなど盛んに次世代メモリの開発を行なっていた[ 29] が、東芝やマイクロンなどのトップ企業が次世代メモリに移行することで旧世代メモリの品薄現象が生じたため、あえて256K DRAMに注力した三星は1988年だけで3200億ウォンの莫大な純利益を出し、一気に会社の規模を拡大した[ 30] 。この経営判断を行ったのが李秉喆の三男である三星グループ副会長の李健熙 で、李秉喆が1987年に死去した後は李健煕が三星グループの第2代会長に就任する。1992年には世界初の64M DRAMの開発に成功、1993年にはDRAM市場で13.5%のシェアを確保し、12.8%に留まった日本の東芝を抜いてついにシェア世界1位となった。以来トップを維持している。なおNAND型フラッシュメモリでも2002年に世界1位となっている。
1988年に携帯電話 を開発、1992年には10.4インチのTFT液晶モニタを開発するなど、2000年代以降の主力商品となる基礎もこの頃に開発された。しかし当時のサムスン製品は粗悪品が多く、半導体以外の事業ではグローバル市場で成功していなかったため、新たに会長となった李健煕は1988年、量より質を重視し、変化と改革を求める新しい経営理念「第2創業」を宣言。1993年には「新経営」宣言を出している。
日本との関係
1986年 、東芝 半導体事業本部長川西剛[ 注 1] は国際担当専務の仲介で李秉喆会長や幹部総出のVIP 歓迎を受けて建設途中の半導体工場を視察し、見返りに当時世界最大容量1メガビット DRAM を開発中の最新鋭大分 工場を見学[ 31] させている。1986年、三星電子も1メガビットDRAMを開発し、東芝大分工場生産ラインを統括担当する製造部長をスカウト して大分工場と同等設備を有する製造工場を建設している[ 29] 。
1987年 5月にアメリカと日本へ研究所を設立し、1988年 に半導体事業売上高9億500万ドル で半導体メーカー売上高ランキング18位になる。
1988年、日本の半導体企業は半導体企業トップ10社中6社を占めるが、1991年 バブル崩壊 による資金繰悪化でメモリー事業撤退や工場閉鎖など大掛かりにリストラ すると、三星電子は韓国政府のバックアップを受けて東芝、松下電器 、三洋電機 、シャープ 、NEC などからリストラ された日本人技術者を高給でヘッドハンティング し、日本人技術顧問 が外国人技術者中77名と大半を占めた結果、最新技術を得る[ 29] 。
1992年 、東芝とサムスン電子はフラッシュメモリの共同開発と技術仕様・製品情報の供与契約を締結する。1993年 、サムスン電子は韓国初の6メガバイトフラッシュメモリを開発する。1995年 、東芝とサムスン電子は64メガビットフラッシュメモリ技術の共同開発で提携する[ 29] 。
1994年 3月、NECとサムスン電子は当時世界最大容量256メガビットDRAMの共同開発・情報供与契約を締結する。その時点で256メガビットDRAMを開発したメーカーは世界で日立製作所 とNECのみ。1994年 8月、サムスン電子は「世界初」の256メガビットDRAM開発を宣する[ 32] 。
1993年 、半導体製造装置 メーカーである大日本スクリーン 、TOWA の現地法人(それぞれに韓国ディエヌエス、韓国トーワ)に資本参加し、半導体製造装置技術を得る。2000年代以降、増資を通じて両社を子会社化しながら社名も変え、2012年 には両社を合併させる。現・SEMES(朝鮮語版 ) (セメス)社[ 33] 。
通産省 が日の丸半導体の先端優位を続けるため1996年 に始めたコンソーシアム「半導体先端テクノロジーズ」に日本メーカー10社以外にも、国際化する世界半導体業界の傾向に鑑み、サムスン電子の加入を受け入れる。しかし、結果的には日本メーカーの復活ではなく、サムスンの国際化と先端製造技術の獲得に繋がり、2000年代以降NECなどの日本メーカーが次々半導体から撤退するとまた多くの技術者がサムスンに流れることになる[ 34] 。
半導体メーカー売上高ランキングでは1991年は14億7300万ドルで12位、1995年 は83億2900万ドルで6位、2002年 から2016年 まで米国インテル に次ぎ2位である。
日本最後のDRAMメーカーであるエルピーダ が2012年に破綻すると残りのDRAM大手3社(サムスン電子・ハイニックス・マイクロン)の業況は持ち直し、特に2017年 よりはDRAM業界が空前の好景気に入り、2017年と2018年 のサムスン電子のランキングは1位となる。
2000年代から現在まで
1990年代 までの韓国国内におけるサムスン電子の位置づけは、主要企業の中の一社に過ぎなかったが、上述の半導体事業での躍進などもあって2000年代 以降は韓国国内の事業規模や韓国経済に与える影響面などは圧倒的なものを持つようになり、また、世界の電機メーカーの中でも有数の大企業に成長した。
特に1997年 のアジア通貨危機 は、韓国経済全体が深刻な打撃を受ける中、サムスン電子にとっては逆に競争力を強化する転機となった。通貨危機により韓国の多くの大企業や財閥が破綻・再編を余儀なくされ、サムスングループも高い債務比率により財務的困難に直面したが、サムスン電子は広範な構造改革の断行や効率的な経営計画の実行などにより、韓国政府の産業政策とも連動しつつ、国家を代表する輸出企業として、グローバル企業への成長を加速させた[ 35] 。インターネット・バブル 崩壊後の2000年 - 2003年 にもサムスン電子は純益伸び率5%を記録した。
また、サムスン電子は、1990年代から半導体で得た莫大な利益を、2000年代前半当時としては次世代産業であったLCD 事業や携帯電話事業に大規模に投資を行い、さまざまな製品の世界市場でシェアを伸ばした。またマーケティング 活動とコマーシャル 活動を大規模に行っている。例としては、1996年には「TOPスポンサー計画」を通じてオリンピック の公式パートナーになり、1998年には長野冬季五輪 の公式スポンサーとなり、2000年代以降は継続してオリンピックのスポンサーを務めている[ 36] 。
2009年 に、サムスン電子は売上高でドイツ のシーメンス と米国のヒューレット・パッカード を超え、世界最大のIT ・家電メーカーとなった[ 37] [ 38] 。2009年のサムスンのシェアは、薄型テレビと半導体メモリで世界第1位[ 39] [ 40] 、携帯電話で世界第2位[ 41] 、白物家電でも上位を占めた。また、同年には、2020年 の目標として売上高4000億ドル達成を目指すビジョン2020を掲げた[ 42] 。これを実現するために、既存のセット・部品中心の情報、通信、AV事業(Infotainment)に、ソフトウェアとソリューションを中心とした医療/バイオ、環境/エネルギー、利便性/癒しなど暮らしの質を向上させるライフケア(Lifecare)を新たな事業領域に盛り込み、「21世紀型のビジネス構造」への変身を図っている。
オランダのユトレヒトにあるサムスンの店舗
2010年 、自社で生産したExynos マイクロプロセッサ をスマートフォン に搭載。Samsung Galaxy ブランドで世界展開し、世界販売シェアでアップルのiPhone と並び高いシェアを占めるようになった。さらに新規CPU コア(マングース)の独自開発に着手。テキサス州 オースティン やカリフォルニア州 サンノゼ を拠点に研究開発が進められていたが、2019年に開発中止が発表された[ 43] 。
ソニー とサムスン電子は、合弁で液晶パネルを製造するS-LCD を韓国の忠清南道 に設立していたが、2011年 、ソニー側が、合弁会社の株式を全てをサムスンに売却する形で合弁を解消した[ 44] 。
2016年 11月、サムスン電子はアメリカのオーディオ・車載用音響機器大手の「ハーマン・インターナショナル 」を買収することを発表した。買収額は約80億ドルで当時としては韓国企業による過去最大のM&A案件であった。この買収により、サムスン電子は世界の主要自動車メーカーと取引実績を持つ車載「Tier1」サプライヤーを傘下に収め、自動車分野、特にコネクテッドカー 事業に本格参入した。サムスン電子の持つ半導体・ディスプレイ・通信技術とハーマンの車載インフォテインメント技術とのシナジー創出を図る。またこれによりJBL・AKG・Harman Kardon・Mark Levinsonなどのオーディオブランドを傘下に収めた[ 45] [ 46] [ 47] 。
2018年 5月、韓国検察当局はサムスンバイオロジクス の粉飾決算 疑惑の捜査を開始。2019年6月6日までに、証拠隠滅を指示した容疑でサムスン電子の副社長3人を相次いで逮捕した[ 48] 。同年8月、2020年までの3年間に設備投資と研究開発費の合算で180兆ウォンを投資することを発表。既存のメモリー、有機ELパネルのほか、次世代通信規格(5G)に対応した通信インフラ設備やバイオテクノロジー、人工知能、自動車部品といった新規事業の育成にも乗り出すことを示唆した[ 49] 。同年10月24日、NEC と5G 向け基地局の技術開発と営業で提携すると正式に発表した[ 50] 。
2019年 9月30日、中国のスマートフォン製造拠点である恵州工場を閉鎖。中国国内でのシェアの低下や製造コストの増加が問題となっていた。スマートフォンの製造は、インド やベトナム などの製造コストの低い国の工場に移管された[ 51] 。
2021年 に開催された東京オリンピックではメインスポンサーを務め、選手への製品提供やオリンピック専用モデルのスマートフォンを発売するなど、マーケティングを強化した[ 52] [ 53] 。
2023年 2月28日、日本市場でのスマートフォンのブランド名は長らくギャラクシー(Galaxy)であったが、社名であるサムスン(Samsung)を冠したグローバル市場と同じ「Samsung Galaxy 」に統一した。また、自社ストア「Samsungオンラインショップ」をオープンした[ 54] 。同年5月13日、300億円超を投じ、日本の神奈川県横浜市内に先端半導体の開発拠点を新設すると発表した[ 55] 。拠点はみなとみらい 地区の「リーフみなとみらい 」ビルに設立され、大学や関連企業との連携を見据える[ 56] 。
2024年 6月7日、労働組合 (全国サムスン電子労働組合)によるストライキ が創業以来初めて行われた。賃金交渉の決裂を受けてのもの[ 57] 。
2025年 7月、サムスン電子は、米テスラ の自動運転車両やヒューマノイド向け次世代AIチップ「AI6」を受託製造する契約を締結した。契約総額は165億ドル(約2.4兆円)以上で、2025年7月から2033年末まで続くサムスン半導体史上最大規模の案件となる[ 58] 。
沿革
1970年
1月 - NECの韓国でのジョイントベンチャーとして三星NECの設立。
11月 - 白黒テレビ「P-3202」を試生産。
1973年
?月 - 三星三洋電子設立(現・サムスン電機)。
12月 - 三星家電工場を竣工。
1974年 - 三星電子東京事務所が開設
1975年 - 三星ジャパン株式会社 設立
1977年 - 三星電気(株)を吸収合併。
1978年 7月 - アメリカに現地販売法人「SEA」を設立。
1980年
3月 - 韓国電子通信株式会社を買収。
9月 - ポルトガルの最初の現地生産法人「SEP」竣工。
1982年
6月 - ドイツに現地販売法人「SEG」設立。
9月 - ポルトガルの最初の現地生産法人「SEP」竣工。
12月 - 韓國電子通信、三星半導体通信株式會社に商号変更。
1983年 - 三星電子株式会社 東京支店 開設
1984年
2月 - 三星電子(株)と改称。
?月 - 光州電子(株)を合併。
1984年
11月 - イギリス に現地販売法人「SEUK」設立。
12月 - アメリカに現地生産法人「SII」設立。
1987年
5月 - 海外の研究所(アメリカ・サンタクララ 、日本・東京)を設立。
9月 - オーストラリア に現地販売法人「SEAU」設立、カナダ に現地販売法人「SECA」設立。
10月 - イギリスに現地生産法人を竣工、生産開始。
?月 - 李健熙 (イ・ゴンヒ)が2代目会長に就任。
1988年
?月 - 三星半導体通信(株)を吸収合併、第二創業宣言「21世紀に超一流企業に」。
10月 - フランス で販売会社「SEF」設立、タイ に現地生産法人「TSE」設立、メキシコ に現地生産法人「SAMEX」竣工、生産開始。
11月 - にサムスン半導体通信を吸収合併。
1989年 8月 - マレーシア に現地法人を設立。
1992年
2月 - チェコスロバキア (当時)に現地生産法人を設立。
7月 - 中国 ・天津にVTR生産法人を設立。
1993年 - 李会長がフランクフルト で「新経営」宣言 量より質の経営へ。
1994年11月 - 障害者のための工場、無窮花(ムグンファ)電子設立。
1996年3月 - アメリカ・テキサス州 オースティン に半導体工場を着工。
1997年
1月 - 第2創業を宣言。
?月 - アジア通貨危機 で従業員の30%を削減。
1998年 - 日本サムスン 設立。
2000年10月 - 中国に通信技術研究所を設立。
2002年 - NAND型フラッシュメモリ で世界シェア1位となる[ 59] 。
2004年
4月
ソニーと合弁で液晶パネル製造会社S-LCD 設立。
東芝と光ディスク装置の合弁会社 東芝サムスンストレージテクノロジーを設立。
12月 - サムスン電子とソニー、相互特許使用契約の締結。
2007年 11月 - 家電販売で日本市場から撤退。ソフトバンクモバイル向け携帯電話の製造・販売は継続される。
2008年
4月 - 複数の違法行為の責任をとって李健熙 会長兼CEOが辞任。
11月 - 本社をソウル特別市中区太平路から同市瑞草区瑞草洞へ移転
2009年 - Samsung Galaxy シリーズの展開を開始
2010年 3月 - 李明博 の恩赦 により李健熙が会長に復帰
2012年 - 携帯電話・スマートフォンの出荷台数でノキアを抜き世界首位となる[ 60] 。
2016年 11月 - オーディオ機器・車載インフォテイメント関連企業のハーマン・インターナショナル を約80億米ドルで買収。
2017年 2月 - 全国経済人連合会(全経連) に脱退届けを提出。
2019年 - 折りたたみスマートフォン のGalaxy Fold を発表。
2022年 - 李在鎔 が3代目会長に就任。
ロゴマーク
1969 - 1979
1980 - 1991
1992 - 2014
2015 -
2015 - (黒)
主な事業・製品
サムスン電子の
PC 向け
SSD 製品
SATA SSDの840 EVOシリーズ(上)と、
M.2 SSDの980 PROシリーズ(下)。
モバイル
フラッグシップスマートフォンのSamsung Galaxy S25 Ultra
TV・オーディオ
IT
家電
AI
半導体・システムLSI
ファウンドリ
3nm GAA(Gate-All-Around)プロセスノード[ 62]
4nm~180nm各種プロセスノード[ 62]
ディスプレイ
通信ネットワーク
日本におけるサムスン電子
日本法人
日本では、2つの主要な日本法人が東京に本社を置いている。日本サムスン は、サムスン電子およびサムスングループ 各社の製品の輸出入や、法人向け事業を担当している。 一方、サムスン電子ジャパン は、Samsung Galaxy スマートフォンをはじめとする消費者向け製品の販売や広報活動を担っている。
また、研究開発拠点のサムスン日本研究所 を横浜と大阪に展開している[ 64] 。サムスンは日本のほかに、韓国はもちろん、アメリカやイギリス、ポーランド 、イスラエル 、ロシア 、インド 、中国 など、世界10か国以上に研究所を保有している[ 65] 。
生産面においては、韓国工場の他にも世界11か国以上に工場を保有しており、グローバル戦略を展開している。
日本市場では1980年代から家電製品の販売を行っていたものの、不振が続き、2000年頃に白物家電の販売から撤退した。その後も薄型テレビなどのAV機器は販売を続けていたが、 2007年11月、サムスン電子は家電製品の販売を日本市場から撤退すると発表した[ 66] 。 日本では収益が少なく、アメリカ市場やヨーロッパ市場などに経営資源を集中するためとみられている[ 66] 。 一方で、法人向け製品や個人向けの液晶モニター、HDD、SSD、電子部品、半導体メモリーなどは引き続き販売している。
携帯電話事業については、もともと日本サムスンではなくサムスンテレコムジャパンが取り扱っていたが、2012年に行われた組織改編によって、半導体や液晶パネルといった部材取り扱いを日本サムスンに残し、携帯電話などの完成品事業はサムスンテレコムジャパンから改称したサムスン電子ジャパン に移管された[ 67] 。
サムスン電子ジャパンはSamsung Galaxy ブランドのスマートフォンやタブレット、ウェアラブル製品(Galaxy Watch、Galaxy Buds等)、および周辺機器の販売を担当している。日本市場では2010年に「Galaxy S SC-02B 」がNTTドコモから発売されて以来、Galaxyシリーズが展開されており、2025年時点ではNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの主要キャリアやオンラインショップを通じて販売されている。さらに、東京・原宿のGalaxy Harajukuや大阪のGalaxy Studio Osakaといった直営ショーケースを設置し、体験型のブランド戦略を展開している[ 68] 。
研究拠点
Galaxy Harajuku
Galaxy Harajukuは2019年に東京 ・原宿 にオープンしたSamsung Galaxy のブランドショーケース。最新のGalaxyスマートフォンやウェアラブル端末などを実際に手に取って試すことができる。
Galaxy Studio / Showcase
2016年から、サムスン電子の最新スマートフォンやVR などでSamsung Galaxy の世界観を無料で体験できる「Galaxy Studio」をスタートさせた。これまでに日本全国50ヶ所以上にて開催しており、累計200万人超が来場した[ 70] 。
2018年1月以降も原宿 の『BANK GALLERY』での継続が決定しており、「Galaxy Showcase」としてネーミングを一新し、内容を一層充実させて展開していく[ 70] 。
2023年4月には大阪・なんばマルイ に「Galaxy Studio Osaka 」がオープン。当初は期間限定だったがリニューアルし恒常的に営業している[ 71] 。
主なブース
Sペンギャラリー
Sペン[ 注 2] を使ってセルフィーをデコレーションできる。画像はモニターに出力され、QRコードでシェアすることも可能。デコレーションした完成作品は印刷してプレゼントしてくれる[ 70] 。
ポートレイトプール
撮ったセルフィーにSペンを使って画像をデコレーションし、水槽内に端末を沈めると水中のディスプレイに画像が現れる。スマートフォンの防水性能を楽しみながら体感できる。描いた画像はメールで受け取れる[ 70] [ 72] 。
Galaxyフィットネス
ウェアラブル端末 を装着して、自転車レースに挑戦する。消費カロリーや心拍数を計測し、ポイントをランキング形式で競い合う。他にも、テニスや水泳を楽しめる[ 70] [ 73] 。
VRアトラクション (パルサー、スケルトン、マウンテンバイク、カヤック)
「Galaxy Gear VR」を装着して、360度バーチャルリアリティ を体験できる4つのアトラクションが設置されているアトラクションゾーン。前後左右あらゆる方向に椅子が回転しながらVRコンテンツが楽しめる『パルサー』では、超絶飛行や恐竜時代にタイムスリップしたような体験ができる。『スケルトン』では、氷上滑降を体験できる。『マウンテンバイク』では、近未来の都市で空中ドライブを楽しむことができる「Future Ride」が体験できる[ 70] [ 74] [ 75] 。
Gear VR 4D Theater
4人組で座る椅子を宇宙船に見立て、「Galaxy Gear VR」とコントローラーを使ってシューティングゲームを楽しむアトラクション。8人が1チームとなって、スペースバトルを楽しめる[ 70] [ 76] 。
Galaxy Virtual Studio
「Galaxy Studio」をオンライン上で仮想体験できる。360度回して、サムスン電子のスマートフォン のデザインを様々な角度からチェックできる。また、サムスン電子のウェアラブル端末 なども仮想体験できる[ 77] 。
補足
原音では「サムソンジョンジャ (=三星電子:삼성전자 )」に近い発音である。日本では「サムスン」という。これは、日本進出時、すでにサムソンを名乗る会社が複数あったため、日本語におけるローマ字表記に準拠したものとみられている。 中国 においては、社名を漢字表記し、「三星电子 (sān xīng diàn zi 、サンシンディエンズ)」と読ませている。
関連企業
その他
オリンピックとの関わり
1988年ソウルオリンピック のローカルスポンサーとしてオリンピックへの関わりを始めた。その後、1998年長野オリンピック からワールドワイド公式パートナー(無線通信機器カテゴリー)として、オリンピックムーブメントに寄与している。また、2016年リオデジャネイロオリンピック を機に、日本を含む限られた国で Galaxy S7 edge の「Olympic Games Edition」を特別に販売した[ 78] 。2020東京オリンピックでは「Galaxy S21 5G Olympic Games Edition」を販売した[ 79] 。
サムスン電子はオリンピック出場者全員[ 注 3] にオリジナルのスマートフォンを贈呈するほか、2024年パリオリンピック からは表彰式の際にメダリストが自撮り をして大会公式のSNS に投稿する「ビクトリーセルフィー」が行われている[ 80] [ 81] [ 82] 。
環境
現在、サムスン電子は、2013年まで売上高ベースの温室効果ガスを2008年対比で50%削減し、製品のエネルギー効率を40%向上させる目標を定め、“グリーン経営”を目指している。2009年、サムスン電子は、“グリーン経営”のビジョン「Planet First」を発表し、その中核的な推進課題として、事業所と製品使用時の温室効果ガスの削減、エコ製品の販売拡大などを提示した[ 83] [ 84] 。
特に、国内の事業所に温室効果ガス 低減設備を導入し、2010年上半期基準で温室効果ガスの排出量を2008年対比で31%削減した。液晶ディスプレイ事業部は、7月15日に六フッ化硫黄 を削減するCDM(クリーン開発メカニズム)事業の国連 承認を取得するなど持続的な温室効果ガス低減に向けた取り組みを実践している[ 85] 。
デザイン
サムスンは、90年代初頭からデザイン経営を強化してきた。本社ビル内にデザインセンターが設置されており、創業当時2人だったデザイナーは、2005年には510人、2010年現在は900人余りにまで増加した。 サムスンは、2年周期でデザインを見直している。最初の1年は流行を分析して商品戦略を計画し、2年目に新たなデザインを作り出している[ 86] 。
ロゴ
サムスン電子の社名である「サムスン」は、「大きく、明るく、光る3つの星」を意味する。社名の「三」という数字は、漢語で「大きく、強い」という意味があり、「星」には、「明るく、高く、光る」という企業の祈願が盛り込まれている[ 87] 。 サムスンのロゴデザインは、柔軟性と単純さを強調しており、宇宙 と世界の舞台を象徴する楕円をやや斜めにし、動的で革新的なイメージを表現している。 サムスンの共通カラーである青色 は、安定感と信頼感を与えるカラーとして、顧客に親しみのある企業を目指す意志が込められており、社会に対する責任感を象徴している。英文のロゴデザインは、技術主義を通じた顧客志向への意志、ハイテク企業のイメージを現代的な感覚で表現している[ 88] [ 89] 。
Appleとの特許訴訟
2011年から、サムスンとApple の訴訟 合戦が起こっており、サムスン電子の製品がAppleのiPad やiPhone のデザインや特許権を侵害したとしてサムスン電子を提訴している。しかし逆にサムスン電子側も、Apple製品がサムスン電子の特許を侵害しているとして提訴をしている[ 90] 。この問題についてスティーブ・ジョブズ は「Androidは抹殺する。盗みでできた製品だからだ。」と怒りをあらわにしていた[ 91] 。
2012年8月25日の米カリフォルニア州連邦地裁においてAppleは特許訴訟で「Appleが期待したと考えられるベストシナリオ」ともいえる勝利をおさめ[ 92] 、サムスンに9億3000万ドルの支払いが命じられた[ 92] が、控訴し後述の条件で支払うこととなった。サムスンについては米欧のメディアが「fast follower(素早い追随者)」と表現しているのに対して、Appleは「pioneer(開拓者)」または「creative follower(創造性のある追随者)」とも言われ、両社には個性の違いがあった[ 93] 。「我々は得意分野に資源を集中して世界市場を狙うファストフォロワー」とCEOが語っているように、サムスンは『ライバル企業の商品でも、優れていれば「良いモノは良い」と素早く割り切り、直ちに開発に取りかかる。後発事業を短期間で離陸させ、あっという間にシェアを奪う』という事業構造だった[ 94] 。裁判でサムスン側は「iPhoneの成功に刺激されて、スマホを開発した」と告白した上で「iPhoneがソニー製品のデザインの影響を受けている」などと語り、Appleもサムスンと大差ないなどと主張。一方、Apple側はコンセプトや外観が似ているサムスンの商品を「コピーキャット」とした根拠について、『この開発チームのことを決して口外しないこと』などとジョブズが秘密主義をとっていたことを説明していた[ 94] 。
英国のAppleサムスン裁判は、一部でAppleが敗訴しAppleウェブサイトトップに「サムスンは真似してない」という謝罪文が掲載されたことで注目された。一方でAppleサムスン裁判を担当した裁判官Robin Jacob(ロビン・ジェイコブ)はその後サムスン社の特許担当に就任している[ 95] 。
2015年 12月3日 、サムスンがAppleへ賠償金5億4800万ドルを支払うことで合意したことが発表される[ 96] [ 97] 。
労働問題
サムスンは多くの工場を持っているが、ハンギョレ がベトナム 、インド 、インドネシア の136人のサムスン電子労働者に取材した所、この3カ国のサムスンの工場では、ほぼ最低賃金、あるいは最低賃金にも届かない金額で、労働者を働かせていた。労働は長時間に及び、休憩時間はほぼ無い状態であった。ある国際労働団体の関係者は「サムスンの経営は、グローバル企業間の“最底辺に向けた競争 ”を追求する方式」とした。サムスンの工場では、当該国の最低ラインを越えて労働者を働かせる方式を適用しており、さらにそれは他の企業にも波及していることから、「労働のサムスン化」と呼ばれる[ 98] 。
脚注
注釈
出典
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