(RX-8 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/05 15:42 UTC 版)
| MAZDA・RX-8 SE3P型 |
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フロント
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リア
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| 概要 | |
| 製造国 | 日本 |
| 販売期間 | 2003年5月 - 2013年4月[1] |
| 設計統括 | 片渕昇 |
| デザイン | 前田育男 |
| ボディ | |
| 乗車定員 | 4名 |
| ボディタイプ | 4ドアクーペ[2] |
| エンジン位置 | フロント |
| 駆動方式 | 後輪駆動 |
| プラットフォーム | F 型 |
| パワートレイン | |
| エンジン | 13B-MSP 型 1,308 cc (654 cc × 2) |
| 最高出力 | 184 kW (250 ps) @ 8,500 rpm (前期) 173 kW (235 ps) @ 8,200 rpm (後期) 水素車:80 kW (109 ps) |
| 最大トルク | 216 N・m (22.0 kgf・m) @ 5,500 rpm (前期/後期) 水素車:140 N・m (14.3 kgf・m) |
| 変速機 | 4速 AT (前期のみ) 6速 AT 5速 MT 6速 MT |
| サスペンション | |
| 前 | ダブルウィッシュボーン |
| 後 | マルチリンク |
| 車両寸法 | |
| ホイールベース | 2,700 mm |
| 全長 | 4,435 mm |
| 全幅 | 1,770 mm |
| 全高 | 1,340 mm |
| 車両重量 | 1,340 - 1,360 kg 水素車:1,460 kg |
| 系譜 | |
| 先代 | マツダ・RX-7 |
RX-8(アールエックス-エイト)は、マツダが製造・販売していたロータリーエンジンを搭載するスポーツカーである[3][4]。
RX-7に代わるロータリースポーツカーとして設計・生産され、2003年に発売された。プラットフォームの型式名はマツダ・FプラットフォームをFD型RX-7より引き継ぐFE型だが、車検証における型式はSE3Pとなる。搭載されるエンジンも、型式こそ従来と変わらない13B型であるが、ポートやハウジングを含めほとんどを新設計された自然吸気型13B-MSP型『RENESIS』(RE+GENESISの造語)を搭載した[5]。月間1,000台の販売を計画した。
RX-7の後部座席は「ワンマイルシート」と揶揄されるような補助的なもので、乗員の長距離移動には不向きだったが、RX-8ではアメリカ合衆国などの保険の関係により4ドアがフォード側の絶対条件であったため、大人4人が乗れるパッケージが求められた。しかし、4ドアにすると車体が大きくなり重量も増し、ロータリースポーツの旨みである「軽快さ」が損なわれるため、前後ドアが観音開きとなる「フリースタイルドア」[補足 1]を採用した。後部ドアのアウターパネルは軽量化のためアルミ製とされた。後部ドアには、ピラーと呼ばれるボディーの上下を結ぶ骨組みが組み込まれたビルトインピラーを他社に先駆け採用した。これによって開口部拡大による車体の剛性低下を防いでいる。後部ドアのドアハンドルは室内側にのみ存在し、前部ドアが開くことによって初めて開閉が可能となり、後部ドアが前部ドアをロックする役割も兼ね備えている[6]。後部座席への乗り降りには、フロント側のドアを先に開ける事が必須条件になっている(前席の乗員がいない場合には、前席シートを倒した後で身を乗り出してフロント側ドアを開けることで単独降車は可能であり、助手席側後部座席には、助手席シートを倒すレバーも付いている)[補足 2]。前席のシートベルトは後部ドアに取り付けてあるため、後部座席へ乗り降りするためには、前席搭乗者のシートベルトも着脱する必要がある。
搭載されるロータリーエンジンは自然吸気(NA)とされ、排気ポートは市販ロータリーエンジンでは初となるサイド排気ポートを採用した。これによって「RENESIS RE」はオーバーラップ0とすることが可能となり、従来のロータリーエンジンと比較して燃費が向上し、低速トルクの落ち込みも改善された。吸気ポートは、6ポートのエンジンと4ポートのエンジンの2種類が設定され、6ポートのエンジンのレブリミットは9,000rpm(タイプS)という高回転型ユニットとなっている。ターボチャージャーを廃したことで、伸びやかでストレスなくレブリミットまで回転する、よりロータリーエンジンの旨みを引き出したエンジンとなった。ただし、サイド排気ポート方式には排気ガスによって水温が上がりやすくなったり[6]、燃焼室に煤がたまりやすくなるという欠点もあった。このエンジンの基となったものが、コンセプトカー「RX-01」(1995年東京モーターショー展示車)にも搭載されている。イギリスの「エンジン・テクノロジー・インターナショナル」が主催する「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー2003」を、過去最高の審査員50人中44人の得票を得て受賞した。
エンジンの最高出力は、カタログデータで標準モデル(5速MT/4速AT)が210PS、TYPE-E(6速AT)は215PS、TYPE-S(6速MT)250PS(以上マイナーチェンジ前の数値)である。マイナーチェンジ前の210PSモデルは吸気ポートが4つであり、215PS、250PSのモデルは6PI(吸気ポートが6つ)であるが、マイナーチェンジ後に全て6PIで統一された[6]。また後期型はハイパワー版が250PSから235PSに修正されている[6]。この理由はレギュラーガソリンへの適合のためとされているが、より実測出力値に近い数値に合わせたともいわれている[6]。ロータリーエンジン搭載車としては初めて電子スロットルを採用し、各種走行安定装置(電子制御)も導入されたモデルである。なお、メーカーによる慣らし運転推奨車種となっている(取扱説明書に記載)。
ブレーキキャリパーはフロント/リアとも片押し1ピストンであるが、フロントのディスクローター径はグレードにより大径となる。MT仕様のプロペラシャフトは、カーボンファイバー強化樹脂とスチールを組み合わせた、軽量ワンピース型を採用(AT仕様はスチール製)。パワーステアリングは、モーター制御の電動を採用した。マツダのスポーツカーに継承されてきたフロントミッドシップはさらに推し進めれ、「アドバンストフロントミッドシップ」レイアウトを採用。車両の重量配分はRX-7の最終型であるFD3S型と同様に「前後50対50」の比率を確保し、エンジンの搭載位置をより低くしたため、FD3S型よりもヨー慣性モーメントが5%低減され、高い旋回性能を誇っている[6]。
安全面では、国土交通省による衝突安全性能総合評価において、運転席、助手席とも最高ランクの六つ星を獲得[7]し、ブレーキ性能試験においても100km/hからの停止距離が38.6m(湿潤時は44.4m)と、この記録は試験を行った歴代全車両の中で、2003年販売時点でトップであり、この記録は2015年現在も破られていない。一方、歩行者頭部保護性能試験では頭部保護機能を持ったボンネットを採用しているものの、低いフロント形状の特性ゆえレベル1に留まる。
軽量化のため、全グレードにわたってスペアタイヤは搭載されず、パンク修理キットで代用している(テンパータイヤは販売店装着オプション)。
2005年12月13日放送の『プロジェクトX』の「技術者魂永遠に~新ロータリーエンジン 革命車に挑む~」では、開発者から家族4人で乗ることができる「ファミリーカー」として開発したことが語られている。
また、警視庁では交通取締用として本車をベースとしたパトロールカーが全4台導入され、2016年(平成28年)3月まで運用されていた。警察博物館に高速道路交通警察隊で運用されていた1台が展示されている。
発売後、以下のようなトラブルが指摘され、対策が講じられている。
2008年3月10日、マイナーチェンジされた。価格帯は215PS・5速MTの260万円から、新たに追加された「タイプRS」の315万円までとなった[6]。このタイプRSには、ウレタン充填フロントクロスメンバー、専用19インチタイヤ、ビルシュタイン社製ダンパー、レカロ社製シート、専用エンジンアンダーカバー、リヤスポイラーなどが標準装備された[6]。
前後バンパーの形状変更、左右のフロントフェンダーの形状変更、ライトの形状変更[6]。リアコンビネーションランプをLED式に変更。バンパーの変更により全長は35mm長くなった[6]。Cd値の改善。ヘッドライトの変更(サイドマーカーと一体化)[6]。
デジタル表示スピードメーター一体型のタコメーターには「可変レッドゾーンシステム」が採用され、水温が上昇するまでエンジン回転領域が3段階で表示されるようになった[6]。ステアリングやセンターコンソールのデザイン変更。純正HDDナビ変更。センターコンソールに音声入力端子設置。シートもサイドサポート部分などの細かな変更が行われた[6]。
すべてのエンジンが6ポート(6PI)となり、4ポートのエンジンは廃止された[6]。中低速トルクの向上が図られた。カタログ記載の最高出力が250PSから235PS(ハイパワーモデル)に変更された[9][補足 3]。ノックセンサーの数が増やされ(1個→2個)、燃料マップの変更により、レギュラーガソリンを使用してしまった時の対応範囲が拡大した。燃焼室へのメタリングポンプによるオイル供給も、インジェクターが2本から3本に増設され制御も機械式から電磁式に変更され、細かく制御されるようになった。真冬と冷間時の始動性も改善された。マイナーチェンジ前の日本国内販売RX-8はシングルオイルクーラーのみであったが(輸出仕様はツインオイルクーラーがあった)、マイナーチェンジによりタイプRSなどの上級グレードにツインオイルクーラーが設定された。触媒とマフラーが変更された。オイルフィルターの位置がバルクヘッド近くのエンジン上面から、エンジン下面に移動された[6]。ウオーターポンプも変更。デフケースの冷却フィンの追加[6]。オイルパンの形状変更。6速ミッションがアイシン製から自社製となり耐久性が向上した[6]。カーボン製シンクロの採用。6速モデルはギヤ比も見直しも行われた[6]。
リアはサスペンションアームの取り付け位置を変更し、フロントはバルクヘッド部分にも固定部分を持つ3点支持タワーバーの採用でねじり剛性をアップした。前後ともスプリングレートを高めているほか、ブッシュとスタビライザーも変更を受けた。ホイールは17インチが標準[6]だが、タイプSのみ18インチが装着される。電動パワーステアリングもソフトウェアのパラメータを変更し、以前より優れた操舵感を実現した[6]。ソフトウェアは欧州と日米で異なり、欧州のものはセンターフィールを重視、日米のものはクイック感を重視という味付けの違いがある。助手席へのインパネメンバー接合強化でステアリングマウント部の剛性感を向上し、さらにドア開口部の接合強化やサスペンション取り付け部の板厚アップによって車体全体の剛性もアップした[6]。オイルパン下部に金属製アンダーパネルを装着して整流効果を改善した[6]ほか、フロントタイヤ前部に装着されたディフレクターも大型化された[6]。燃料タンクは容量が増大した新設計のもので、タンクのセンタートンネル部分には遮熱材が追加された[6]。
2011年11月24日発売の限定車で2000台生産された。内外装の装飾品の取り付け、および内装品の配色の変更が行われた。駆動系やエンジン、シャシーなど走行性能に関する変更は無し。
水素ロータリーエンジン「HYDROGEN RE」を搭載した水素型RX-8「ハイドロジェンRE」が開発されている。ロータリーエンジンはローターハウジング内で吸気、圧縮、爆発、排気の行程が異なる場所で行われるため過早着火によるバックファイヤが起きにくく、水素燃料などのガス燃料を使用するのに適しているとされる。ただし出力が110馬力と低く、水素だけで走行できる航続距離も150kmと短いため、スイッチ一つでガソリンと水素を切り替えて使用できるバイフューエル仕様となっている。2006年、広島県・山口県・岩谷産業・出光興産に計8台を貸与して公道試験走行が行われた。2009年からはノルウェーのHyNorプロジェクトに参加、30台を納入し[10]、広島市にも導入された。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 08:51 UTC 版)
「マツダ・RX」の記事における「RX-8(SE3P,2003–2012)」の解説
FD3S型RX-7が生産終了した後に発売されたモデルで、事実上RX-7の後継機種に相当する。車両名称は、日本国内外共通である。RX-7と異なり、ターボ搭載モデルが一切存在しない。 詳細は「マツダ・RX-8」を参照
※この「RX-8(SE3P,2003–2012)」の解説は、「マツダ・RX」の解説の一部です。
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