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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/06 02:26 UTC 版)
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Su-27の翼端に装備されたR-73M1
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| 種類 | 短距離空対空ミサイル |
|---|---|
| 製造国 | |
| 設計 | ヴィーンペル科学製造連合 |
| 製造 | ダックス工場 トビリシ航空機製造(過去) |
| 性能諸元 | |
| ミサイル直径 | 170mm |
| ミサイル全長 | 2,900mm |
| ミサイル全幅 | 510mm |
| ミサイル重量 | 105kg (R-73M1)[1] 110kg (R-73M2)[2] 115kg (R-73E)[2] |
| 弾頭 | HE破片効果(7.4kg) |
| 射程 | 20km (R-73M1)[1] 30km (R-73M2)[1] |
| 推進方式 | RDTT-295固体燃料ロケット |
| 目標捜索装置 | Mk.80 |
| 誘導方式 | 赤外線ホーミング |
| 飛翔速度 | マッハ2.5[1] |
R-73(ロシア語: Р-73エール・スィェーミヂスャト・トリー)は、ソビエト連邦のヴィーンペル機械設計局で開発された短距離空対空ミサイルである。北大西洋条約機構(NATO)で用いられたNATOコードネームでは、AA-11 アーチャー(Archer)と呼ばれた。
R-73は、ソ連戦闘機に装備される短距離空対空ミサイルとして、前任のR-60(AA-8 エイフィド)を代替するために1973年に開発が始められ、1985年に最初のミサイルが就役した。
R-73は、前任のR-60と同様に赤外線ホーミング方式を採用しているが、シーカーの冷却方式は、ペルティエ素子による熱電効果を利用したものから、窒素によるジュール=トムソン効果を利用したものに変更された。搭載されるMk.80シーカーは、アンチモン化インジウム(InSb)素子を使用しており、中赤外(MWIR)帯域に対応し、全方位交戦能力を実現している。ロックオン距離は8-12kmである[3]。また、視野角は中心線±45度とされたほか、機体側の赤外線捜索追尾システム(IRST)やShchel (露:Щель) 、Sura (露:Сура) などのヘッドマウントディスプレイ(HMD)とリンクすることが可能となっており、これによって実現されるオフボアサイト射撃能力は、非常に先進的なものであった。このシーカーはウクライナのアーセナルが開発し、供給してきたが2014年ウクライナ騒乱の影響による禁輸からロシア国内メーカーにより代替品が製造され使用されている[4]。
近接信管にはレーダー式のもの(一部派生型ではレーザー式のものも追加)と衝撃信管が装備され、弾頭にはRDX爆薬に劣化ウランとアルミニウムの断片を加えた連続ロッド弾頭が搭載された[1]。
翼構成としては1列目に迎え角検出用のセンサーである小さい羽根、2列目に固定式の安定翼、3列目に全遊動式のカナード翼、その後ろに尾翼が設けられており、尾翼後部にはロール制御用のエルロンが取り付けられている。前部のセンサーと2枚の翼はカウンター・ウェイトとしても機能しており、この効果で20度の迎え角での飛翔が可能となった[5]。また、推力偏向制御(TVC)能力との組み合わせにより、最小旋回半径がサイドワインダーの約1/2という極めて高い機動性を獲得、ミサイルは12Gで機動をおこなう空中目標への対応を可能とした[1]。
これらの特性から、R-73の性能は、同時期に西側諸国で使用されていた第3世代サイドワインダーに優越するものと信じられている。これはASRAAMやIRIS-T、AIM-9X、AAM-5のようなサイドワインダーの後継機種の開発を促すことになった。
R-73は、MiG-23後期型、MiG-29、Su-27、Su-34、Su-35に使われているが、改修を施したMiG-21、Su-24、Su-25と中国のJ-10でもこれを運用することができる。珍しい例としては、イラクに輸出されたフランス製のミラージュF1EQに、R-73を搭載できるよう改造された機体がある[6]。また、Mi-24、Mi-28、Ka-50/52のような攻撃ヘリコプターにも装備可能である。
後継ミサイルとしてK-30が開発されていたが事実上中止され、R-73の改良型の開発に注力することとなった[7]。
1996年2月24日、レスキューブラザーズの操縦するセスナ337 2機が、キューバ空軍のMiG-29から発射されたR-73により撃墜される。キューバ系米国人3人とキューバ人永住者1人が死亡した[8]。
エチオピア・エリトリア国境紛争においてはエチオピアのSu-27とエリトリアのMiG-29においてR-60と合わせて使用された。
2008年3月18日、アブハジアにおいてジョージアのヘルメス 450 UAVがロシア空軍のMiG-29から発射されたR-73により撃墜された[9]。