出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 05:18 UTC 版)
| 拡張子 | .ora |
|---|---|
| MIMEタイプ | image/openraster[1] |
| 最新版 |
0.0.6 (draft)[2]
|
| 種別 | Layered raster graphics |
| 派生元 | OpenDocument |
| ウェブサイト | OpenRaster Specification at openraster.org |
OpenRaster(オープンラスター、ora)とは、ラスター画像編集ソフト(いわゆるペイントソフト)同士の間で、レイヤー構造を持つ画像ファイルを相互にやり取りする目的で提案されているファイルフォーマットである。Adobe社のPSD形式を代替するために、Kritaの開発者によって生み出された。OpenRasterフォーマットはまだ開発中であり、今のところはKritaやGIMPなどわずかなプログラムでのみサポートされている[3]。OpenRasterファイルの拡張子は".ora"である。
Adobe Photoshopの標準の画像ファイル形式である「PSD形式」は、アドビ以外の各社においてもペイントソフトなど様々なアプリケーションにおいて、レイヤー構造を持つ画像を相互にやり取りするためのファイル形式として広く使用されて来た。なぜそうなったかというと、かつてアドビ社がPSD形式の仕様を公開していたからである。しかし2006年、アドビはPSDの仕様およびドキュメンテーションへのアクセスおよび利用を「アドビ製ソフトウェアもしくはアドビ社内においてサンプルコードの一部またはすべてをDeveloper Programに組み込む目的でAdobe社内で開発されたDeveloper Programにおいてのみ許可する」[4]という風に、ライセンスを変更した。要するに、PSDの仕様が事実上非公開になった。
OpenRaster形式はこの制限に対応するため、KDEおよびKritaの開発者であるBoudewijn Rempt[5]とCyrilleBerger[6]によって、OpenDocument形式から派生する形で提案されたのが始まりである[7]。2006年春、フランスのリヨンで開催されたLibreGraphics Meetingにおいて提案された。
PSDの仕様が非公開となった後も、ほとんどの商用ソフトウェアにおいてはPSDファイルの読み込み機能と書き出し機能を無理やり実装することで、依然としてPSD形式が事実上の標準として利用されているが、KritaやGIMPなどの自由ソフトウェアにおいてはOpenRaster形式(もしくはTIFF形式)が推奨されている。特にKritaはPSDに批判的であり、PSDの一部機能に関してはサポートするつもりがないとまで言っている[8](OpenRasterの実装に関してはKritaの方が先行しているが、PSDの実装に関してはGIMPの方が強い)。
oraファイルの実体は、XMLやPNGが含まれたアーカイブ(ZIPファイル)である。同じく実体がZIPアーカイブであるKrita標準のkra形式と比較すると、kra形式が部分的にバイナリデータを含むのに対して、ora形式はレイヤーが全てpng形式の画像データとして内含されている。そのため、よりオープンで扱いやすい。拡張子の.oraを.zipに変更すると、全てのレイヤーをpngファイルとして取り出すことができる(Kritaでキャラチップを作って外部のゲームエンジンに持ち込む際などに使う裏技。レイヤーごとに表示と非表示を切り替えて一枚づつ書き出すより早い)。
以下のような機能が存在する必要がある。
詳しくはOpenRasterのホームページを参照のこと[9]。
仕様のドラフト(2010年10月現在)によると、クロスアプリケーションなフォーマットの主な課題は、すべての機能がすべてのプログラムで使用できるわけではないため、異なるアプリケーションで画像が同じように表示されないことである。これは特に、調整/フィルターレイヤーにおいて言える。
見込みのありそうな回避策としては、全ての画像処理が完了した状態の見た目で完全にレンダリングされたピクセルデータを、冗長な追加レイヤーに含めてオプションで保持しておくか、あるいはそのような画像をプレビューやサムネイル用に最適化した低解像度のスナップショットとして保持しておくという手もある。
「tiny」「simple」「small」「normal」「full」「custom」といった、さまざまな実装レベルが定義されるかもしれない。
OpenRasterは、いくつかのグラフィックプログラムにおいては限定的なサポートしかされておらず、これらのソフトにおいて、アプリケーション間のシームレスな利用は望めない[要出典]。
| Application | Baseline | SVG |
|---|---|---|
| DrawPile | Supported[10] | Yes |
| Chasys Draw IES | Supported[11] | Yes |
| GIMP | Basic support since version 2.8[12] | No |
| Inkscape | Unsupported | |
| Krita | Supported[13][14] | No |
| LazPaint | Reading since version 5.0 and writing since 5.2[15] | Yes |
| MyPaint | Default working file format[16] | Yes |
| Nathive | Default format since 0.908[17] | |
| Pinta | Supported starting with version 0.4[18] | No |
| XnView | Supported through a user-made plugin[19] | |
| Scribus | Supported starting with version 1.5[20] | No |
| ImageMagick | Supported starting with version 7.0.10-26[21] | Yes |
| Paint.net | Supported through a user-made plugin[22] | No |