出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/06 19:53 UTC 版)
| ジャンル | ビジュアルノベル |
|---|---|
| 対応機種 | iOS (Apple Arcade) Windows (Steam, GOG.com) [最期の一杯] Nintendo Switch |
| 開発元 | Route 59 |
| 発売元 | iOS Route 59 iOS以外 |
| プロデューサー | Simon Tran |
| ディレクター | Kevin Chen |
| シナリオ | Damon Reece Justin Kuiper(Walking to the Sky, Devil's Den, 記憶) Saf Davidson(Walking to the Sky, Devil's Den) |
| プログラマー | Ryan Boulton |
| 音楽 | ケビン・ペンキン Jeremy Lim |
| 美術 | Ngoc Vu(リードアーティスト) Joe Liu(3Dアーティスト) |
| 人数 | 1人 |
| 発売日 | iOS 2020年7月18日 Win 2020年7月22日 Switch |
| 対象年齢 | iOS:12+ IARC:16+ ESRB:T(13歳以上) PEGI:16 USK:12(12歳未満提供禁止) ACB:M |
| コンテンツアイコン | IARC:激しい暴力 ESRB:Language, Violence, Suggestive Themes, Use of Alcohol and Tobacco PEGI:Strong Violence USK:Gewalt, Explizite Sprache, Sexuelle Andeutungen, Kriegsthematik ACB:Coarse Language, Mature Themes |
| エンジン | Unity |
『Necrobarista』(ネクロバリスタ)は、オーストラリアのインディーゲームスタジオRoute 59が開発したビジュアルノベル。追加シナリオなどの新規要素を含むバージョンは『ネクロバリスタ: 最期の一杯』(英:Necrobarista - Final Pour -)のタイトルで発売されている。
オーストラリアのメルボルンの町カールトンにある架空のカフェ「ターミナル(The Terminal)」を舞台とする物語。このカフェは生者と死者がともに訪れる特異な場所で、死者が死後の世界へ渡るまでの時間を過ごす停留所にもなっている。こうした環境の中で、バリスタの女性マディと仲間たちのやり取りを中心とした、生と死にまつわる群像劇が展開される。
従来のビジュアルノベルは2Dグラフィックを用いたものが多いが、本作は3Dアニメを多用している。また、台詞などのテキストは従来作品のように表示位置が固定されておらず、場面ごとに様々な場所に表示される[1]。
本作には、一般のビジュアルノベルのようなシナリオ分岐はない。表示テキストの一部の単語は色違いになっており、これをチェックするとその単語に関する補足情報が表示される。
物語の区切りとなる場面では、ターミナルの内部を1人称視点で歩き回ることができるパートが挿入される。店内の特定の場所を調べると、ターミナルの人々に関する「記憶」(テキストのみのサイドストーリー)を閲覧できる。ただし、ソフトの通常版では、それまでチェックした単語のいくつかを指定することが閲覧解除の条件になっている[2]。『最期の一杯』ではこの解除の仕様がなくなり、すぐに閲覧できる。
発売後の追加シナリオとして、第1弾「Walking to the Sky」と第2弾「Devil's Den」が無料配信された(『最期の一杯』には初めから収録されている[3])。前述の1人称視点パートで関連人物をチェックすることで各シナリオに移行する。シナリオの内容は本編と完全に独立している。
前述のようにターミナルには生者と死者が訪れ、両者は外見では見分けがつかない。
死者がターミナルに滞在できるのは24時間までとされているが、実際にはそのルールは厳守されていない。作中世界では時間の売買や交換が可能で、他から時間を得ることができればより長く滞在できる。また、ターミナル側の温情によってルール違反を見逃す場合もあるが、この際、超過した時間は店側の「負債」という扱いになる。
作中では「死の評議会」と呼ばれる組織がある。これは死についての中立性を監視するもので、滞在時間を超過した死者の追跡やターミナルに対しての「負債」の取り立てを行う。なお、評議会メンバー自身も死者であるが、組織からの永続的な束縛を受けることと引き換えに滞在を許されている。
本作の企画はディレクターのKevin Chenが発案し、彼と同じ学校でUnityのクラスを受講していたNgoc VuとJoe Liu、そしてインターネット上のビジュアルノベルフォーラムで出会ったJustin Kuiperがそれぞれリードアーティスト、3Dアーティスト、シナリオライターとして開発に参加した[1][5]。
舞台となるカフェがあるメルボルンは実際にカフェやコーヒーの文化が根付いており、また、開発元のRoute 59の所在地でもある。開発メンバーは、小さいチームによる開発で大きな舞台を扱うのは難しいとの考えから舞台を一つの建物に絞り、メルボルンの実在のカフェ「Krimper Cafe」をモデルとした[1]。
前述のように本作はテキスト表示の仕方が他のビジュアルノベルに比べ特徴的で、フォントの種類、パラグラフ(文章のひとかたまり)を区切る場所、表示する際のエフェクトにもこだわりがある。リードアーティストのVuは、ゲームの面白さだけでなく文章が綺麗だと思ってほしいとし、テキストが美しいビジュアルノベル作品の例として『ファタモルガーナの館』と『Quartett!』を挙げている[1]。
開発メンバーは日本のアニメや漫画に対する愛情を共有しており、それが作品内容に反映されている[5]。特に映像表現については『魔法少女まどか☆マギカ』や『〈物語〉シリーズ』などシャフトが手掛けたアニメ作品の影響があり、最小限のアニメーションを用いて表現する手法や、登場人物ではなく物体を強調することで物語を伝える視覚表現に触発されている[5][6]。前述の作品で監督を務めた新房昭之について、ディレクターのChenは「私が本当に尊敬する非常にユニークな編集スタイルを持っている」と評している[5]。