NFCとは、ソニーとPhilips社によって開発された近距離無線通信規格の名称である。ISO/IECによって2003年12月に国際規格化されている。
NFCは13.56MHzの電波を使用し、およそ十数センチメートルの短い範囲内で双方向通信を行うことができる。通信速度は106kbps、212kbps、424kbpの3種が用意されている。ソニーの非接触式ICカード技術「FeliCa」や、同じくPhilips社の「MIFARE」などと通信互換性を保っている。
NFC技術が組み込まれた機器やカードは、従来のように有線や無線で機器を選択・特定する必要がなく、自動的に機器を特定や設定情報の交換を行うことができる。一度NFCで接続した後、別の高速な通信方式に切り替えるといった使用方法も可能である。
(Near_Field_Communication から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/14 06:46 UTC 版)
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近距離無線通信(きんきょりむせんつうしん)は、広義には交信距離の短い無線通信を指す。狭義にはNear field communication(NFC)の訳語である[1]。
NFCはRFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる無線通信による個体識別の技術の一種であり[2]、近距離無線通信の技術を統一化した世界共通の規格である[1]。ICチップを内蔵したNFCタグをNFCのリーダ・ライタ機能を有する機器により読み取り・書き込みを行う[3][4]。
以下、本項目では狭義の意味のNFCについて記述する。その他の近距離無線通信については、関連項目を参照のこと。
近距離無線通信を使用する主な利点は、従来の磁気カードや接触型ICカード、あるいは光学式読み取りのバーコード・QRコードと比べると、以下が考えられる[3][4]。
NFCタグはQRコードと比較されることも多い[6]。NFCタグはQRコードと異なりシリコーン被膜等でタグ自体を覆っても認識には問題ないのでデザイン性を損なうことがなく比較的暗い場所でも利用できる[6]。
NFCタグに比べQRコードは生成が容易であり印刷して大量に配布することもできる[6]。QRコードは印刷代のみで足りるが、NFCタグは1枚数十円程度かかりコストは高くなるため大量頒布するものには不向きである[6]。また、再書き込み可能なNFCタグ(NFCシール)も販売されており、多数の第三者の利用を想定する場合は注意しなければならない。
NFCは通信プロトコルを画一化してもデータフォーマット(データ形式)に互換性がなければ規格化の意味がない[11]。NFCフォーラムはNXPセミコンダクターズ(設立時は当時親会社のフィリップスとして参加)、ノキア、ソニーの3社によって、2004年に設立された業界標準団体で、NFCデバイス同士の互換性のための実装仕様の策定や、プロモーション、対応デバイスの認定プログラムの運用を行っている[12][11]。
NFCフォーラム仕様はISO/IEC 14443やFeliCaの通信技術に対応する(ISO/IEC 10536やISO/IEC 15693は仕様には含まれていない)[7]。NFCフォーラム仕様ではISO/IEC 14443の「TYPE-A」「TYPE-B」を、それぞれNFC-A、NFC-B、FeliCaの通信技術、NFC-Fを「TYPE-F」と称している。NFCフォーラム仕様では以下の3つのモードをサポートする。
さらにNFCタグの共通データフォーマットとなるNDEF(NFC Data Exchange Format)や、通信で用いるレコードタイプなどの仕様が決められている。
NFC ForumとBluetooth SIGにてBluetoothのペアリングをNFCを用いて行うBTSSP(Bluetooth Secure Simple Pairing Using NFC)という標準仕様や、Bluetoothに接続を切り替えるNFC Connection Handoverの仕様を策定している。Android 4.1よりデータ転送にNFCおよびBluetooth、無線LANを併用した、Android Beamが搭載されている。
NFCフォーラムに準拠したNFC機器のアナログテスト解析は、オシロスコープを利用するのが一般的である [14]。ただし、NFCの規格や製品の普及とともに、NFC機器の研究開発からメンテナンス用途として、NFCのプロトコル解析を行うことが増えてきている。