(Marketing から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/03 04:47 UTC 版)
| マーケティング |
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マーケティング(英語: marketing)は、価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組みである[1]。
マーケティングとは価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組みである。様々な定義が提唱されており、一例として「顧客・クライアント・パートナー・社会にとって価値あるものを、創り伝え届け交換するための、様々な活動・プロセス・組織」と定義される[1](#定義)。
具体的にはマーケティングリサーチ・市場調査・分析から、新商品・サービスの企画・開発・設計、ブランディング、その価格設定(値付け)、広告・宣伝・広報・コミュニケーション、販売促進、流通、マーチャンダイジング、店舗・施設の設計・設置、営業、集客、接客、販売後に顧客と直接やりとりするコールセンターの業務の質の顧客価値から見た評価・分析、顧客情報の管理や分析 等に至る広い範囲がマーケティングに含まれる。また、直接顧客と関係しない製造ライン、研究、経理、人事などの部門は、一見マーケティング活動とは距離があるが、顧客価値を生むという視点ではこれらの部門や組織もマーケティングと有機的に結び付いて機能する必要がある。
マーケティングは営利企業・NPO・自治体など様々な主体が取り組むものであり、様々な分野で取り組まれている(#種類)。
マーケティングには100年を超える歴史があり(#歴史)、様々な手法が開発されている(#手法)。また学術的にも探求されている(#研究)。
アメリカマーケティング協会は2007年にマーケティングを次のように定義している[注 1]。
Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.
(日本語訳) マーケティングは活動・制度・プロセスであって、顧客・依頼人・パートナー・社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するためのものである。 — American Marketing Association アメリカマーケティング協会
日本マーケティング協会は2024年にマーケティングを次のように定義している[2]。
(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。 — 日本マーケティング協会
フィリップ・コトラーはマーケティングを「製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセス」と定義する[3]。
社会経済学やマクロ経済学の立場からは、「消費者と供給者の間の交換」であるとか、「社会に対する生活水準向上活動」といった定義も行われている[要出典]。
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この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 (2022年1月)
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マーケティング概念を日本語で平易に言い換えた売れる仕組みという表現が存在する。この言葉は、次のような意味がある。
マーケティングとセールスとは混同される場合があるが、それは誤解である。マーケティングとは冒頭記述のように経営戦略とならぶ企業活動の中核にあたる一連の行為であり、セールスとはコミュニケーションの結果で購入を検討している顧客候補に対してクロージング(買う決断を手助けする、つまり売る)をするという「マーケティングのほんの一部にあたる行為」である。マーケティングの意義としてピーター・ドラッカーは「セリング(単純なる販売活動)をなくす」という考え方を述べている。
広告・宣伝、集客や販促活動はマーケティング手法の一種である。マーケティングの同義語だという理解は誤解である[4]。ただしマーケティング概念の成立よりも広告の歴史は長い。
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マーケティングという言葉の初出は1902年のアメリカ合衆国、ミシガン大学の学報においてである。それ以前のアメリカでは"trade"や"commerce"が商業活動を示す言葉として使われていた。日本では戦後にマーケティングという概念が流入する前までは「商品学」、「商業学」、「配給論」という言葉が使われていた[7]。
1950年代にマネジリアル・マーケティングが現代マーケティングの始まりであるとも解される。 その後、1960年代にマーケティング・マイオピア (marketing myopia)(セオドア・レビットの提唱)、マーケティングの拡張論、戦略的マーケティングなどの概念が提唱され、1970年代にソーシャル・マーケティングが誕生し、サービス・マーケティング、マクロ・マーケティングなど、マーケティング概念の拡張化が進んだ。
1980年代にはグローバル・マーケティングやローカル・マーケティング、メガマーケティング、リレーションシップ・マーケティング、インターナル・マーケティングが誕生し、1990年代には経験価値マーケティング、2000年代にはソーシャル・メディア・マーケティング、社会的責任マーケティング(CSRマーケティング)などが誕生している。現時点ではマーケティングの適用範囲は営利企業にとどまらず自治体やNPOにも広がっている。
アメリカでのマーケティングの歴史は、農産物の流通問題の解決から始まった。また、1870年代に登場したカタログ販売による小売業の発展とその訴訟もマーケティングの歴史の一つで、最も有名なのはシアーズ・ローバック社の欠陥商品をめぐる裁判で、マーケティングの誕生は、騙し売りの訴訟も語られることは少ないものの、歴史の一つになっている。
またマーケティングはモノの生産・販売から産まれた概念だが、その適用範囲はサービスにも広がった。セオドア・レビットはすべての企業は顧客にとってサービス業であるという顧客志向の認識に立ち、あらゆる企業がサービス的要素を持つと指摘した。ラッシュとヴァーゴによれば、従来のモノ中心のマーケティングをGDL(Goods Dominant Logic)といい、顧客は単に購入者として捉えられていたが、SDL(Service Dominant Logic)では、モノに限らず経済活動は全てサービスであり、顧客は購入者ではなくサービスの利用者であるという考え方を提唱した[8][9]。
マーケティング学説史の研究は、ロバート・バーテルズ、堀田一善、武井寿、戸田裕美子らの著書を参照。
マーケティングは米国で産まれ、モノを中心にした「マスマーケティング」(マーケティング1.0)から始まった。次に「生活者(顧客)志向のマーケティング」(マーケティング2.0)に進化したとコトラーは定義している。更にグローバル化とIT化が加速し、「価値主導のマーケティング」(マーケティング3.0)の領域に高度化しており、単なる収益向上のための手段ではなく、企業や組織が世界を良くするための事業・活動を展開するための戦略に昇華している。
日本マーケティング協会 ... は、34年振りにマーケティングの定義を刷新した日本マーケティング協会『公益社団法人日本マーケティング協会が34年振りにマーケティングの定義を刷新』(プレスリリース)PR TIMES、2024年1月25日。