「LOVE FLIES 」(ラヴ フライズ)は、日本のロックバンド 、L'Arc〜en〜Ciel の18作目のシングル 。1999年10月27日発売。発売元はKi/oon Records 。
概要
前作「Driver's High 」から約2ヶ月ぶりとなる1999年第4弾シングル。
本作の表題曲「LOVE FLIES」は、歪んだギターサウンドが印象的なグランジ 色の強いロック・ナンバーとなっている。作曲を担当したken 曰く、1999年7月から8月にかけて開催した野外ライヴツアー「1999 GRAND CROSS TOUR 」で訪れた会場の景色をイメージし制作したという[ 2] [ 3] 。なお、この曲は1999年10月16日から放送を開始した、女優の安達祐実 が主演を務めるテレビ朝日 系サタデードラマ 『青い鳥症候群 』の主題歌に使用されている。L'Arc〜en〜Cielの楽曲がテレビドラマの主題歌を担当するのは「snow drop 」以来約1年ぶりのこととなった。さらにこの曲は、同年10月25日からL'Arc〜en〜Cielのメンバー4人が出演したキヤノン 「Wonder BJ」のCMソング にも使用されている。(詳細は楽曲解説 の項目を参照)
kenは2004年に受けた音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN 』のインタビューの中で、この曲が生まれるきっかけになった1999年のライヴに触れたうえで、楽曲制作を振り返り「切ないけど嬉しいなっていう(笑)。僕なりの嬉しいなだった[ 3] 」と述べている。ちなみにkenの言う"切なさ"は、人気が拡大していった当時のL'Arc〜en〜Cielの置かれた状況などから生まれた感情であったことが、同インタビューからうかがうことができる[ 3] 。kenは同インタビューの中で、この当時のバンドを取り巻く環境について「(バンドの移動手段が機材車から)新幹線になって(景色が)見えなくなり。そのうち追っかけがいるということで車のカーテンは閉められ(笑)。"一体今日は僕はどこでライヴをしてるんでしょう?"。で、また閉じられ。ゴミを出す裏口からホテルに入り。"このホテルはほんとにいいホテルなのか?"(笑)。で、また閉じられ。今度は着いたら飯屋さんで。"これは何屋さんだろう?"みたいな(笑)[ 3] 」と述懐している。
また、カップリング曲には、yukihiro が手掛けたリミックス音源「真実と幻想と -out of the reality mix-」が収録されている。
リリースプロモーション
本作のリリースプロモーションとして、特設サイト がオープンされている。なお、このサイトでは「LOVE FLIES GAME」というミニゲームが公開されている[ 4] 。このゲームは、プレイヤーが屋上にいる女の子を左右ボタンで動かし、窓から現れたメンバーが投げるハートをキャッチし得点を獲得していくという内容になっている。
リリース形態
本作は、通常盤(CD)の1形態でリリースされており、初回限定仕様は2面紙ジャケット仕様になっている。なお、CDをパソコン のCD-ROMドライブにセットすると「get out from the shell 」の未完成版をインターネット 経由で視聴することができる。ちなみに「get out from the shell」は、2000年1月から日本を除くアジア 地域でトヨタ自動車 のCM ソングとして使用されることになった楽曲で、本作発売時点はライヴでも演奏されていない未発売音源であった。
チャート
本作は発売初週となる1999年11月8日付のオリコン週間シングルチャート で、前々作「Pieces 」以来2作ぶり通算8作目となる首位を獲得している。
ミュージックビデオ
表題曲「LOVE FLIES」のミュージック・ビデオ は、武藤眞志 がディレクターを務めた作品となっている。なお、この映像の一部は、メンバー4人が出演したキヤノン 「Wonder BJ」のテレビCMに使用されている。
このミュージック・ビデオは、2001年3月28日に発表したクリップ集『CHRONICLE 2 』に初収録されている。また、2019年12月11日には公式YouTubeアーティストチャンネル において、YouTube Music Premium限定で映像の有料公開が開始されている。前述のYouTubeチャンネルでの有料公開開始から約2年4ヶ月後となる2022年4月22日からは、映像の無料公開が開始されている。
収録曲
楽曲解説
LOVE FLIES
歪んだギターサウンドが印象的なグランジ 色の強いロック・ナンバー。作曲を担当したken 曰く、1999年7月から8月にかけて開催した野外ライヴツアー「1999 GRAND CROSS TOUR 」で訪れた会場の景色をイメージし、この曲を制作したという[ 2] [ 3] 。余談だが、kenはシングルリリース当時に「制作から世に出るまでが一番短い曲[ 5] 」とこの曲について述べている。
この曲の制作では、L'Arc〜en〜Cielが手掛けるシングル表題曲のひとつの特徴である、シンセサイザー に代表されるような電子楽器 による装飾がほとんど施されておらず、ギター 、ベース 、ドラム というスリーピースのサウンドが強調されている。また、kenの作ったデモを聴いた際にyukihiro は「ルーズな感じが合うんじゃないかな[ 6] 」と考えていたといい、このイメージを踏まえたうえでドラム録りを行っている。自身のドラムプレイに関し、yukihiroは「この曲、聴感上はゆったり感じるかもしれないけど…。テンポは遅くはないんですよ。BPM上は120くらいある[ 注 1] 。それより遅く聴こえるってことは、(自分の意図してたことが)成功だなと思います[ 6] [ 7] 」と述べている。なお、この曲のギターとドラムは制作段階の初めからPro Tools に音を入れて制作が行われている[ 7] 。
また、この曲のギターサウンドは、エフェクター よるディストーションではなく、ピッキングのニュアンスにより歪ませ作っているという[ 8] 。kenはこの曲のギター録りについて「コード感から全てが始まる感じ。イントロ・リフは、3度音が交じったコードで、たまに開放弦の音を入れたり入れなかったり。最初はこれにオーヴァードライヴとかカマしてたけど、結局オールドのマーシャル・アンプへ直[ 9] 」と述べている。こういったアプローチにしたのは、kenの中に、歪ませながらもギター6本の弦すべての音が聴こえるような、ナチュラルなディストーション・サウンドを目指したいという考えがあったためだという[ 8] 。そしてkenは、ジミ・ヘンドリックス のプレイを参考にし[ 9] 、右手首を曲げて手のひらの方向からピックを弦に当てる、逆アングルピッキングでギターを弾くというアプローチをレコーディングで試みている[ 9] 。kenはこの曲の逆アングル弾きについて「言葉では巧く説明できないけど、逆アングルで弾いた方が音に質量が出ると言うか、ボヤけずに輪郭がはっきりするみたいな。ガッツのある音にすればするほどコード感は無くなりがちでしょ?でも逆アングルにすると、コードの響きが残ったまま質量が増えるっていう。そういう音が出た時点で調子が良くなって。ドラムのテイクも凄く良かったから、何も考えなくて済んで、体が勝手に動く感じ[ 9] 」と語っている。
この曲のタイトルは「(あなたのもとへ)愛が羽ばたいていく[ 4] 」という意味を表しており、元々は作曲者であるkenが、作詞を担当するhyde に曲のイメージを伝えるために用いた言葉だったという[ 7] 。タイトルについて、kenは「曲が自分の中から一気に出てくる時はいいんだけど、徐々に出来上がっていく時は、なんかね、途中で曲の持つイメージがつかみにくくなることがあるんで、一言、二言、イメージ・ワードみたいなものを作っておくんですよ。"LOVE FLIES"はそういう中のひとつだった[ 7] 」「ギターを弾いてる時の気分っていうのかな。気張って弾くというほうに走らないためにというか、情緒を感じるというか。最初の発想を匂いとして残せるように、ですね[ 7] 」と語っている。
歌詞は、hydeがオケを聴いて感じた「砂漠とかを一生懸命歩いてる感じ[ 7] 」というイメージに加え、kenの曲に対するイメージを踏まえ手掛けられている。hydeは本作発売当時に受けたインタビューの中で、歌詞のイメージについて「今年(1999年)っていうのが自分の中でなんかすごく感慨深い年だったんで、それを言葉の中に残したかったんです。今年から来年(2000年)に向ける前向きなニュアンスを入れたいなと[ 7] 」と語っている。また、この曲のコード進行が、過去にhydeが作った曲と似ていたことから[ 7] 、hydeは「その時の詞を、ちょっとだけパクった(笑)。1行だけ[ 7] 」と明かしている。なお、hydeの言う、"過去に作った楽曲"はプロダクトになっていないという[ 7] 。
さらに、当時のL'Arc〜en〜Cielのシングル表題曲では珍しく、歌詞の多くの部分が英詞で手掛けられている。英詞部分の印象について、kenは「最後の英詞になってからがかなり好きなんですよ。何て言うのかな?脳みそからいろいろと漏れてるっていうか[ 10] 」「脳みそが溢れかえってる感じっていうのが、この曲にはあって。この詞を読んだ時、この英詞の部分が、もう曲と詞が交わってるねっていう。溢れちゃってる感じ。コーラスワークもあるんだろうけど、漏れちゃってたんで。これ聴きたかったんだよねっていう[ 10] 」と述べている。ちなみに、ラストサビ のコーラスは、音源ではhydeとtetsuya の2人が担当しているが、ライヴで披露する際はkenとtetsuyaが担当している。
8thアルバム『REAL 』では、特別な表記はされていないがミックス違いのアルバムバージョンとして収録されている。アルバムに収録されたバージョンでは、本作に収録されたバージョンのテイクと比べ、ややリバーブ が抑えられているミックスとなっている。
真実と幻想と -out of the reality mix-
6thアルバム『ark 』の収録曲「真実と幻想と」のyukihiro によるリミックス曲。
このリミックス音源の制作では、原曲からコード感を全てバラしており[ 11] 、オリジナルと全く異なる音源に仕上げている。この音源のベースラインについて、リミックスを担当したyukihiro は「レゲエ というか、ダブ っぽいっていうのはあったかもしれない[ 11] 」と述べている。また、曲の後半において、ゲートで音をカットしている箇所があるが[ 11] 、yukihiroは加工した理由について「曲が一旦静かな感じになって、次また盛り上げるときに、隙間があった方がカッコいいかなと思ったんですよ[ 11] 」と語っている。
2000年6月に発表したリミックス アルバム 『ectomorphed works 』には、このリミックスとは別バージョンの「真実と幻想と [out of the reality mix #2]」が収録されている。なお、リミックスアルバムに収録されたバージョンの制作では、本作収録版から音の足し引きを行っていない。yukihiroは、リミックスアルバムに収録されたバージョンの制作を振り返り「元の音源自体は一緒で、卓上でいじってるだけですね。"変えなきゃいけない"って発想でなく、単純に"もっとカッコよくなんないかな"って。アイデアがあって、それでカッコよくなりそうだからやってるっていうところですね[ 12] 」と述べている。
タイアップ
LOVE FLIES
参加ミュージシャン
収録アルバム
オリジナルアルバム
ベストアルバム
リミックスアルバム
参考文献
脚注
注釈
^ 「LOVE FLIES」のBPMは、ken曰く、122だという。(『WHAT's IN?』、p.37、ソニー・マガジンズ、1999年11月号)
出典
hyde - ken - tetsuya - yukihiro hiro - pero - sakura
アルバム
スタジオ
ベスト
リミックス
ライヴ
トリビュート
再発盤
シングル
CD
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