出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/16 08:28 UTC 版)
Japan Vulnerability Notes(JVN)は、日本国内で使用されているソフトウェア製品およびWebアプリケーションの脆弱性関連情報とその対策情報を提供するポータルサイトである[1]。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)とJPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)が共同運営する。JVNの目的は、発見された脆弱性情報を適切な範囲かつ適時に開示することにより、製品開発者による対策を促進し、同時にシステム管理者やエンドユーザーに対して迅速な注意喚起を行うことで、サイバー攻撃による被害を未然に防止することにある[2]。
脆弱性が発見されても、それを安全に開発者に伝え、修正プログラムが公開されるまで情報を管理し、修正と同時にユーザーへ周知する統一的なルールが存在しなく、手法を公開することで攻撃手法が拡散してしまうリスクや開発者が情報を隠蔽するリスクが存在していた。2004年、経済産業省により「ソフトウエア製品等の脆弱性関連情報に関する取扱規程」(平成29年経済産業省告示第19号により改正)が告示され、JVNが設計された[3]。同時に、「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップガイドライン」が制定された[3]。2004年7月、JVNは運用が開始され[1]、以下の二つの主要機関によって厳密な役割分担の下で行われている[1]。
IPAは、2026年4月以降にJVN iPediaおよびMyJVNのシステムを大規模に刷新することを発表している[4]。最新の深刻度評価基準であるCVSS v4への対応や、JSON形式でのデータフィードの提供、SBOMとの連携を強化を計画している[4]。
JVNにおける情報流通プロセスは、対象となる脆弱性の種類によって「ソフトウェア製品」と「Webアプリケーション」の2つに大別される[3]。
開発者と連絡が取れない、あるいは開発者が修正を拒否する場合の調整不能案件への対応として、公表判定委員会が存在する[3]。JPCERT/CCが開発者に連絡を試みても応答がない場合、JVNサイト上の連絡不能開発者一覧に製品名を掲載し、開発者からの接触を呼びかける。それでも連絡不能の状態が続く場合、IPAは公表判定委員会を招集し、委員会が公表妥当と判断した場合、経済産業大臣への手続を経て、JVN上で開発者名や脆弱性の詳細が公表される。これは、開発者の利益とユーザーの安全を天秤にかけた際の、ユーザー保護優先の原則に基づく措置である[3]。
JVNおよびそのデータベースであるJVN iPediaは、情報の相互運用性と機械可読性を高めるため、国際的なセキュリティ標準仕様を採用している[5]。
JVNで公表される情報は、国内からの届出(識別子:JVN#)に加え、米国のCERT/CCやその他海外のCSIRT、製品ベンダーから提供された情報も「国際取扱脆弱性情報」として扱われ、「JVNVU#」という識別子で公開される[2]。
JVN iPediaは、2007年4月に開設された脆弱性対策情報データベースである[5]。JVNサイトで公表された国内の調整情報に加え、NVDなど海外の公開情報やベンダーからの直接情報も収集・翻訳して蓄積している。2007年の開設当初は約3,500件であった登録数は、2012年には15,000件を超え、その後も増加し続けている[5]。
情報の活用を促進するために「MyJVN」というフレームワークが提供されており、APIを通じてJVN iPediaのデータを外部から利用可能にしている[4]。現在、緊急性の高い注意喚起情報を取得するgetAlertListなどのAPIが提供されている。
MyJVN APIを活用した公式ツールとして、IPAは以下のソフトウェアを無償提供している[4]。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 05:53 UTC 版)
「脆弱性情報データベース」の記事における「Japan Vulnerability Notes (JVN)」の解説
JPCERT/CCと情報処理推進機構(IPA)が共同で管理している脆弱性情報データベースである。公式略称はJVN。CVEの管理団体が米国であるために日本での脆弱性情報が網羅されているわけではなく、そのような事情に鑑みて日本の脆弱性情報に焦点を置いたものとなっている。 構築の検討は2002年から行なわれており、当初は「JPCERT/CC Vendor Status Notes」の名前で作成される予定であった。その後の検討の結果、「Japan vendor status notes」(この略称もJVN)の名前で2004年7月より正式に運用を開始する。この頃は一般向けに脆弱性情報を公開するものではなく、サイト管理者向けのものであった。しかし2007年4月25日、現在の名前である「Japan Vulnerability Notes」に名前を変えるとともに、内容も一般向けのものとしてリニューアル公開し、現在に至っている。
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