出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/03/15 14:45 UTC 版)
J31
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J-31(殲-31、歼-31)は中国瀋陽飛機工業集団が開発した技術実証機の仮称である。瀋陽飛機は独自に開発を進め輸出用戦闘機FC-31を発表[4]。
海軍・空軍の採用により設計分岐したJ-35(殲-35、歼-35)が開発されており[5]、空軍のA型のコードネームは「雲龍」(云龙、ユンロン、Cloud Dragon)[6]。国産空軍機J-10の「猛龍」、J-16の「潜龍」、J-20の「威龍」に続く龍名となっている。 海軍型も同コードネームなのかは不明。
2025年時点では、北大西洋条約機構(NATO)によるNATOコードネームは割り当てられていない。
J-31として知られているが正式名称ではない。名称不明であったためにF-60(J-60)やJ-21(殲-21)などで呼ばれたが、「310工程」01号機を意味する機首マーキング「31001」からJ-31(殲-31、歼-31)が定着した。
初公開の2014年中国国際航空宇宙博覧会での展示飛行では、「鶻鷹」(シロハヤブサ)戦闘機と紹介。屋内展示された模型の説明では「鶻鷹 第四代中型多用途战斗机 FC-31 4th-genaration Multi-purpose Medium Fighter」と記載。社内では開発プロジェクト名称の「310工程」に因んで「310検証機」と呼ばれていた[7]。
「鶻鷹」は実証機だけでなく、プロジェクト(310工程)で開発される機体全体の名称(愛称)と考えられる。また、「FC」は「Fighter China」の略で輸出用戦闘機を表し、中国軍が付与する「J(殲)」型式番号と違い、メーカーが独自に付与できる。FC-1(JF-17の中国側での輸出名)、FC-20(J-10Aのパキスタン輸出案)などがあり、「31」はすでに通称となっていたJ-31に由来するとみられる。
海軍・空軍での正式採用機は当初名称不明のため、尾翼の「J」をかたどった鮫のテールアートと「35」の数字からJ-35と仮称されていたが、2024年11月の空軍A型の公開で正式な形式番号と公表された[8]。
2011年1月に初飛行を行ったJ-20に続いて存在が確認された中国で2番目のステルス戦闘機である。J-20が全長20mを超える大型機であるのに対して、全長17m程度の中型双発戦闘機。
当初は空軍の次期戦闘機J-XXで非採用となったのち、瀋陽飛機が独自に第5世代ステルス戦闘機開発能力を検証するために開発した技術実証機だった。
2012年に存在が確認されたが公式に情報は開示されなかったため、軍の関与しない独自プロジェクト、J-20と並行して開発されたハイ・ローミックスを行う補完関係、前脚にダブルタイヤを採用しているなど就役目前の空母用艦載機としてJ-15の置き換え[9]、異なる能力を組み合わせるフォース・ミックス運用[10]などの憶測がされたが、2013年9月に中国海軍の張召忠提督は「輸出用戦闘機であり、中国軍での使用を意図しておらず、艦上戦闘機になることはないだろう」と噂を否定[11]。
2014年に詳細が公開され、主任設計者孫聡(スン・ツォン)により、中国軍採用を前提としない輸出用であることが確認[12]、名称がFC-31であることが明らかにされた[12]。工程では2019年に量産型モデル初飛行、2022年にIOC、2025年のFOC獲得を予定[13]。
2016年12月に各種改良を施した量産試作機が初飛行[14][15]。
2018年11月、人民解放軍はFC-31派生型導入を模索、プロジェクトへ資金投入[16]。2020年6月、新たな派生型が開発されているとの報告があり、まず海軍型が2021年10月に初飛行。続いて艦載装備を省いた空軍型が2023年9月に初飛行。
2024年の航空ショーにて空軍採用機がJ-35Aとして正式に公開された。
2025年の戦勝パレードにて海軍採用機J-35が早期警戒機KJ-600ともに公開[17]。続けて空母「福建」艦上での電磁式カタパルトを使用した発艦や着艦が公開された[18]。
中国では2000年代に第5世代(中国では戦闘機の世代わけが異なり、第4世代(四代)呼称)戦闘機計画J-XXの設計コンペが行われ、成都飛機工業公司の設計案(後のJ-20)が採用された。敗者となった瀋陽飛機は開発した技術を用いてステルス開発能力を示す技術実証を自己資金で行うことにした。
瀋陽飛機J-XX案はJ-20と同様の大型機であったが、その設計では中国軍に採用される見込みが薄いこと、小型低コスト化すれば海外への輸出も見込まれることから、機体規模はF/A-18レガシーホーネット相当の中型機となった。2012年までに飛行試験機と地上(静態)試験機が製作されたとみられる[7]。
2012年夏頃より機体画像が流出し始め、9月には飛行場で駐機中の画像を確認。双垂直尾翼には「鶻鷹」のエンブレムが描かれていた[19]。2012年10月31日にJ-11BS付き添いの下で初飛行したと報じられた[20]。
2013年1月に再び画像が流出[21]。11月には戦闘爆撃機型らしきCAD画像が流出。FB-22のように胴体が延長され、カナードが付加されていた[22]。しかし、この画像は瀋陽飛機のJ-XX案であった可能性もある。
2014年4月には、中国製エンジンWS-13を搭載したと思われるFC-31が確認されたと報じられた[23]。11月に開かれた航空ショーにおいて初めて技術実証機が一般公開され、展示飛行も行われた。同時に輸出型FC-31の1/2スケール模型が展示され、外形・装備ともに技術実証機とは相違点が多かった[24]。
2021年6月、静的試験の完了した地上試験機が瀋陽飛機の航空博覧園に展示された[25]。機体は飛行試験機と同じカラーに塗装され、機番も31001がマーキングされていた。
仮称J-31と呼ばれていた機体で、情報公開以降はFC-31。バージョン2.0登場により区別のためにバージョン1.0、FC-31 1.0、FC-31V1とされる。飛行試験機「31001」が確認、地上試験機も制作された。
2014年の航空ショーで展示された模型では各翼形状、一体型キャノピー、機首下光学照準システム追加、主脚格納扉形状[33][32]、鋸歯状エンジンノズル[33]、機体とノズルの隙間の整形[12]など空力・ステルス性を考慮した変更点がみられる。胴体下に中央で仕切られたウェポンベイがあり、内部にPL-12空対空ミサイルが4発搭載されていた[12]。2008年の航空ショーで中国ガスタービン研究所(CGTE)が、推力9,500kg(20,943 lbs)の軸対称推力偏向ノズルを出展しており[34][35]、推力偏向が搭載されるとの推測もある[7]。2015年のドバイ航空ショーではエンジンが中国製になることが発表され[13]、WS-13発展型で推力100kNだとされた[10]。
2016年12月23日、実証機から各種設計変更の行われた量産試作機が初飛行した[36]。
2020年4月にプライマー塗装だった試作機と異なるグレーに塗装された機体が発見され[37]、8月にはさらなる改良を施したFC-31がまもなく登場すると報道[38]。 9月には「31003」号の飛行が確認された[39]。
2024年02月のサウジアラビア防衛展示会で大幅な進歩を遂げたバージョン3.0の模型が展示された[40]。
実証機バージョン1.0から実用戦闘機としての再設計により、様々な変更が施されている。バージョン2.0はFC-31 2.0、FC-31V2と呼ばれ、プロトタイプ「31003」が確認されている。バージョン3.0については、小型模型のみで実機は確認されていない。
2020年7月に新型艦上戦闘機が開発中であることと、2021年に初飛行する可能性があることが伝えられた[43]。
2021年6月、武漢にあるフルスケール空母シミュレーション・プラットフォームの甲板上にFC-31に似たモックアップが出現。同施設にはKJ-600早期警戒管制機のモックアップもあり、海軍型が開発されている見方が強まった[44]。10月には通常の黄色と異なる緑色のプライマー塗装の施された艦載仕様の機体が初飛行した[45]。
2022年7月にはロービジ塗装と人民解放軍マーキングの施された機体が見つかる[46]。
2024年2月、大連での2度目の近代化改装を終え海上試験中の空母「遼寧」の甲板にJ-35モックアップが確認され[47]、続けて4月には上海で艤装中の空母「福建」でもモックアップが確認[48][49]、同時に早期警戒機KJ-600、カタパルト対応のJ-15T、電子戦機J-15DT、艦上練習機JL-10Jも確認されている。11月の航空ショーにて一足先に空軍型J-35AがJ-15T、J-15D、J-20Sと共に公開された[50]。
2025年9月の戦勝パレードにて、KJ-600共に公式は初公開。J-15DHを先頭に2機づつのJ-15TとJ-35で編隊飛行が行われた。さらに22日には、3月の7回目の試験航海中の空母「福建」で行われたと推測される電磁式カタパルトを使ったJ-15T、J-35、KJ-600の3機種の発艦と着艦の訓練映像が新華社通信から公開された[51][52]。
解放軍から資金提供を受け、艦載機ベースで再開発されたことでFC-31V2から機体構成は大きく変更。海軍型試作機は「350001」、「350003/3503」、「350005/3505」、「350006/3506」の4機が確認されている。
2023年9月に主翼形状などが異なる陸上仕様とされる機体が初飛行[55]。
2024年11月の珠海航空ショーにて、海軍型に先駆けて空軍型のJ-35Aが正式に公開された[56]。中国はF-22とF35を運用するアメリカに続いて、2種類のステルス戦闘機を持つ国となった。
2025年9月の戦勝パレードでは空軍機として、J-16Dを先頭にJ-20とJ-35Aでの編隊飛行を行った。
FC-31と同じ陸上機であるが共通点は少なく、機体形状や装備は先行して開発されていた海軍のJ-35をベースに空母艦載装備を省いた形である。航空ショーで披露された試作機は仕様の違いから少なくとも最低3機が存在した。
エアインテーク横のエンジンナセル側面に6角形の蓋らしき構造が見受けられ、側方フェーズドアレイレーダーという説のほかに、前方可変ノズルのではとの意見もあり、ハリアーのペガサスエンジンのような形式で排気ノズルを搭載したSVTOLタイプの派生型がるのではないかと推測された。
先述のように輸出を見据えて開発しており、2012年11月の航空ショーで輸出用ステルス機のコンセプトモデルを展示[64]。正式な価格は提示されていないが1億ドルより安いとしている[26]。F-35に次ぐ、輸出可能ステルス戦闘機である[65]。
推定含むスペック[73]。