出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/12 00:47 UTC 版)
| |
|
|
Inkscape 1.4
|
|
| 開発元 | The Inkscape Team |
|---|---|
| 初版 | 2003年(22–23年前) |
| 最新版 | 1.4.3[1] |
| リポジトリ | |
| プログラミング 言語 |
C++(gtkmmを使用) |
| 対応OS | クロスプラットフォーム |
| 対応言語 | 2言語 |
|
対応言語一覧
日本語・英語など多言語
|
|
| サポート状況 | サポート中です。(開発中) |
| 種別 | マルチメディア、ベクター画像編集ソフトウェア、オープンソース |
| ライセンス | GNU GPL |
| 公式サイト | [1] 日本語 |
Inkscape(インクスケープ)はオープンソースで開発されているベクター画像編集ソフトウェア(ドローソフト)。
InkscapeはXML、SVG、CSS などの標準に完全に準拠したグラフィックツールとなることを目標としている。クロスプラットフォームなソフトウェアであり、Linux、Unix系オペレーティングシステム (OS)、macOS、Windows などで動作する。
開発の主体はLinuxで行われている。今後 SVG、CSSの標準への準拠をさらに完全にしていくことが可能で、それにはSVGアニメーションの対応も含まれる。現在も活発に開発中であり、新しい機能が定期的に加えられている。
Inkscapeは、2003年にベクター画像編集ソフトSodipodiのフォークとしてスタートした。元となったSodipodiは2004年2月のバージョン 0.34 より事実上開発が停止している[2][3]。さらにそのSodipodiはGill (Gnome Illustration app[4])という、ラファエル・レヴィーン(Raph Levien)が書き1999年にスタートしたドローソフトのフォークである。
Sodipodiの開発者であったTed Gould、Bryce Harrington、MenTaLguYが、プロジェクトの目的の差異、外部からのコントリビューションに積極的でないこと、技術的な意見の差異などから、2003年にSodipodiから分かれてInkscapeプロジェクトを立ち上げた。彼らはSVGの完全準拠を目的にすることにした。
開発はトップダウン方式ではなく、多くの開発者が平等かつ活発に参加する方式を取っている。このような方式であるために多くの新規開発者が加わった。SodipodiはGIMPに似たControlled Single Document Interface (CSDI) を採用していたが、開発者の一人のBulia Byakは、現在のInkscapeのユーザインタフェースのアーキテクチャを作成した。
Inkscapeは元のSodipodiのコードに対して数多くの変更が加えられている。例えば、開発言語をCからC++に変えたこと、GTKベースからそのC++バインディングであるgtkmmベースに変えたこと、ユーザインタフェースをデザインしなおして改善したこと、そのほか数多くの新機能を追加したことなどである。
Sodipodiのリリースについては示さず、フォーク後のInkscapeのみ以下に示す。
| バージョン | リリース日 | 備考 |
|---|---|---|
| 0.35 | 2003年10月14日 | Inkscapeの最初のリリース。この時点ではSodipodiからのフォーク直後であり、非常に類似したソフトであった。 |
| 0.36 | 2003年12月11日 | メニューバーやツールバーをドキュメントウィンドウごとにあるユーザインタフェースに変更した。 |
| 0.37 | 2004年2月10日 | パスのインセットやアウトセット、論理演算 (boolean operator) を追加した。 |
| 0.38.1 | 2004年4月8日 | バグフィックスの他、テキストのカーニングやトラッキングや多段グラデーションのサポートの他、使い勝手を向上させた。 |
| 0.39 | 2004年7月15日 | Pango を使った最初のリリースで他言語の取り扱いがよくなった。また、マーカーやクローンやパターンをサポートした。 |
| 0.40 | 2004年11月28日 | レイヤーやビットマップ画像のトレース機能やテキストをパスに乗せる機能を追加。 |
| 0.41 | 2005年2月10日 | グリッド配置やカラートレースを追加。 |
| 0.42 | 2005年7月24日 | テキストのフロー配置(テキストをフレームに挿入)を追加。テキストスパンのサポート。グラデーションツールを新しくした。 |
| 0.43 | 2005年11月19日 | コネクターツール、ホワイトボード機能の追加。タブレットのサポート、ノードツールの使い勝手を向上した。 |
| 0.44 | 2006年6月22日 | レイヤダイアログ、クリッピング、マスキングのサポート、透過 PDF 出力の改善。OpenDocumentフォーマットのエクスポートに対応。 |
| 0.45 | 2007年2月5日 | ガウスぼかしのサポート。 |
| 0.45.1 | 2007年3月23日 | バグフィックスとユーザインタフェースの翻訳の改善。 |
| 0.46 | 2008年3月24日 | |
| 0.47 | 2009年11月24日 | 自動保存、スペルチェッカー機能の追加。フィルタの追加。PS、EPS出力の改善。 |
| 0.48 | 2010年8月23日 | スプレーツール、マルチパス編集、上付き・下付きなどのテキスト関連の強化。 |
| 0.91 | 2015年1月30日 | レンダリングエンジンcairoの採用、OpenMPによるマルチスレッド処理への対応、テキストツールの改良、ものさしツール、タイプデザイン機能、シンボルライブラリとVisioステンシルのサポート、WMF/EMFのインポートおよびエクスポート、実世界での単位(ミリメートルなど)のサポート、メモリ消費量の大幅な減少、反応性の向上、他[5] |
| 0.92 | 2017年1月4日 | SVG2、CSS3への対応の改善[6]。 Inkscapeのデフォルト解像度を90dpiから96dpiに変更[6]。 |
| 0.92.3 | 2018年3月22日 | 双方向テキストに対応[7]。 windowsユーザーに対する起動パフォーマンスの改善[7]。 |
| 0.92.4 | 2019年1月17日 | 安定性の向上、バグ修正[8][9] |
| 0.92.5 | 2020年4月9日 | 安定性の向上、バグ修正、エクステンションを Python 2 と 3 で互換[10][11] |
| 1.0 | 2020年5月4日 | 安定版リリース[12] |
| 1.1 | 2021年5月24日 | 新しい起動時ウィンドウ、コマンドパレット、ノードツール時でのパスのコピー及びペースト、ダイアログの新しいドッキングシステム、画像のエクスポート(PNG/JPEG/TIFF/WebP)、機能拡張マネージャー(ベータ版)など[13]。 |
| 1.1 | 2021年5月24日 | コアとGUIに目立つ改訂、サポートはPython 3拡張機能に限定、ライブパスエフェクト改善 (LPE)[14][15][16]。 |
| 1.1.1 | 2021年9月27日 | バグ修正及び GUI の改善[17]。 |
| 1.1.2 | 2022年2月5日 | |
| 1.2 | 2022年5月16日 | 複数ページ対象のページツール、編集可能なマーカとダーシのパターン、レイヤとオブジェクトのダイアログを統合、オブジェクトの位置合わせと移動に複数の改善、gradient 編集のオプション追加、エクスポートのオプション追加により対象に複数のファイル形式を指定可能、SVG フォントエディタの改善、タイリングに新しいライブパス効果、パフォーマンス改善、バグ修正、GUI の改善[20][21]。 |
| 1.2.1 | 2022年7月14日 | バグ修正その他改善[22]。 |
| 1.2.2 | 2022年12月5日 | バグ修正その他改善[23]。 |
| 1.3 | 2023年7月23日 | シェイプ ビルダー キャンバス上にシェイプを構築するためのツール (ブール ツール)、フォントコレクション、パターンエディター、「ドキュメントリソース」ダイアログ、完全非同期のマルチスレッドレンダリングによるパフォーマンスの向上、LPE ダイアログの再設計、キャンバス上のパターン編集の改善、PDFインポートの改善、ページの余白と裁ち落とし、[レイヤーとオブジェクト]ダイアログの検索、不透明度、ブレンド モードと、オプションの永続スナップ バーが復活、XML エディターでの構文の強調表示、バグ修正[24]。 |
|
凡例
サポート終了
サポート中
現行バージョン
最新プレビュー版
将来のリリース
|
||
USBメモリなどの上で動作可能なポータブルアプリケーションとしてInkscape Portableも開発されている。
Adobe Illustrator の代替ソフトとして紹介されることも多い。入門書は多く、ウェブデザインなどの用途に限定すれば代替になりうる。
一方で、印刷物の作成を目的として作られたソフトウェアではないため、厳密には商業印刷という目的で使うのであれば、完全な代替にはならない。ほかに次のような違いがある。