糖尿病の評価を行う上での重要な指標で、赤血球の中にあるヘモグロビンA(HbA)にグルコース(血糖)が非酵素的に結合したものです。食事内容、運動量やストレスの影響を受けやすい血糖値や尿糖値に比較して、生理的因子による変動がなく、過去1~3ヵ月の平均的血糖値を反映し、糖尿病の血糖コントロール状態の有用な指標となります。およそ6%までを正常と判定します。また、 HbA1Cを7%未満に維持することが、糖尿病の合併症のリスク低減に関与するといわれています。
(HbA1c から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/12/17 03:57 UTC 版)
ヘモグロビンA1c(ヘモグロビンエイワンシー[1]; Hemoglobin A1c; HbA1c)は、グリコヘモグロビンのうち、ヘモグロビンのβ鎖のN末端にグルコースが結合した糖化蛋白質である。「糖化ヘモグロビン」と呼ばれることもある。世界保健機関が推奨する基準値は、48 mmol/mol以下。
成人の血中ヘモグロビンの組成は、約90%がヘモグロビンA0(α鎖2本とβ鎖2本からなる成人型ヘモグロビン)、約7%がヘモグロビンA1(ヘモグロビンA0のβ鎖にグルコースやリン酸化糖などが結合したもの)、約2%がヘモグロビンA2(α鎖2本とδ鎖2本)、約0.5%がヘモグロビンF(α鎖2本とγ鎖2本からなる胎児型ヘモグロビン)である。このうちヘモグロビンA1は、β鎖に結合した糖の種類によってさらにA1a1、A1a、A1b、A1cなどに分画されるが、最も多いものがA1c分画であり、総ヘモグロビンの約4%を占める。
ヘモグロビンへのグルコースの結合は、ヘモグロビンのアミノ基の窒素が持つ非共有電子対がグルコースのアルデヒド基の炭素を求核攻撃することにより進行する。このうち、成人のヘモグロビン(ヘモグロビンA)におけるβ鎖N末端のバリンとグルコースが結合したものがヘモグロビンA1cであり、安定で糖化ヘモグロビンの中でも大きな割合を占めるため、糖化ヘモグロビンの指標として用いられる。
1カ月から2カ月間の平均血糖値が判る。この反応は非酵素的におこるため、ヘモグロビンA1cのヘモグロビンに対する割合は血中グルコース濃度(血糖値)に依存し、糖尿病治療における血糖コントロールの指標として用いられる。個人の年齢や脾臓の状況によるがヘモグロビンの生体内における平均寿命は約90~120日であり、ヘモグロビンA1cのヘモグロビンに対する割合は、過去その期間の血糖値の指標となる。実際には、その期間に数日でも極めて血糖が高い期間があると、データはかなりその短期間の糖化に強く影響を受ける。また、異常ヘモグロビンを有していると、検査値が異常となる[2][3]。従ってHbA1c 単独で、糖尿病の確定診断に用いることはない。
日本では日本糖尿病学会(Japan Diabetes Society; JDS)により、検査の標準化が行われていた。しかし世界では、アメリカ合衆国の National Glycohemoglobin Standardization Program; NGSP が国際標準で採用されており、日本独自のものとなっていた。2012年4月より、日本でも臨床検査標準化についてはNGSPを用いることが決定し、臨床検査に用いられている。しかしこの時点では、特定健診・特定保健指導では、JDSを継続使用することとなっており、ダブル・スタンダードとなっていた。
2014年4月1日より、「国際標準値」(NGSP相当)ではなく正式に「NGSP値」と呼ぶことになった[7]。今後の運用方法は、
2013年5月に開催された第56回日本糖尿病学会年次学術集会にて、“熊本宣言2013”が採択された。 この中で学会は、以下の目標値を定めている。
このうち 3.は“治療強化が困難な際に限り8.0%未満”とされており、
なお、日本糖尿病協会によれば、65歳以上の高齢者は、低血糖等のリスクがあるため、治療の目標は、HbA1c 7.0%未満とされている。詳細は、認知症の有無等で区分されている為、リンク内の文書(PDFファイル)内を確認の事。 [9]
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「からだサポート研究所 糖尿病編」の記事における「HbA1c」の解説
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